Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

森下ウォッチャー回想記 小言編

 森下ウオッチャーの看板は下ろす、去年のキャンプ中にそう宣言しました。

tilleternity.hatenablog.jp

 しかし、である。彼が今年も虎の三番を打つ可能性が高い以上、プロの阪神ファンとしては依然見過ごすわけにはいきません。当然、今年も森下をメインに虎を追うことになるのだと思っています。

 でっ、まず森下の自主トレである。

 沖縄にいたかと思えば、

www.sponichi.co.jp

 高砂部屋(東京都墨田区)に出没し出稽古?

hochi.news

 果ては天満宮大阪市北区)の福玉行事で顔見世、

www.daily.co.jp

 この移動距離、恐らく12球団でもトップだろう。

 自主トレ期間中、選手はチームとは契約外。つまりは自由人。ですが、それにしても森下よ、大丈夫か・・・・?

 タニマチではなく、オフに懇意にしているパーソナルジムの経営者に振り回されるという、いやぁ実に新しい・・・・。

 恣意的に見れば、そのジムの宣伝にうちの翔太が使い回されている、という見方もできる・・・・。つまりは 心配!?

 

 過去に選手とジムの強い絆と言えば、金本や新井、柳田と「アスリート」との関係。代表は広島筋トレ界のカリスマと持て囃されて、一頃はカープのファン雑誌の発行者でもあった。板山や糸原が阪神の指名に至ったのもこの繋がり。じゃあ今このジムがどうなっているのかといえば・・・・、まぁ、あえて書きませんけどさ。

 

 森下は大学時代からお世話になっているわけで、ここの代表の顔を立てる部分もあるのでしょう。ただ、キャンプイン前に疲れてしまわないのかと、そこを心配するのです。

 この一月の自主トレは実りも多かったと思う、がっ、さすがに相撲部屋へ行くのは余計だろ。まして先方は場所中。恐らく断れなかった部分もあったとは思うが、社会人として節度ある行動を頼むわ。

 

 去年の怒涛の日本一から何だかんだであっという間にキャンプイン。ここから半年以上、森下の身体をメンテナンスしてくれるのはやはり球団のトレーナー。裏方のみなさんに対する気配りも忘れずにね!

 なぜそんなことを言うかといえば、

www.asagei.com

 所詮はアサ芸ですが、火のないところに煙は立ちません。森下自身が気づいてないところで誤解が生まれている可能性はある。

 大学時代も打てない時期が続いた際、一人してベンチで荒れるため、北村を呆れさせ清水さんが使わなくなった、という話も聞いたことがある。悪気はないんだろうけれど、周りへの影響も考えよう。

 このキャンプ、君を観るためだけに沖縄や球場に駆け付けてくださる方もたくさんいる。ファンのためにも、プロなのだから常に観られていることを意識して欲しい。それは野球以外の部分も含めてです。

 

 門馬さんの言葉、応援される選手になれ!、この教えをどうかいつまでも忘れないでプレーし続けてください。

 元森下ウオッチャーとして、今までもそうだったし、これからも応援しています!

2023 ドラフト点検 阪神編

 もうじきキャンプインですね。それはそうと阪神のドラフト点検忘れていました・・・・。

 正直言うと例年に比べて普通の出来栄えなので、あまり触れる気がしなかったのですが、それではスッキリしないだろということで書かせていただきます。良い区切りになるでしょう。

 

1位  下村 海翔  投手 青山学院 174cm 73kg 右右 MAX155㌔

 指名前も含めて何度か書かせていただいています。

tilleternity.hatenablog.jp

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 上の記事でも指摘していますが、右の強打者を打ち取るイメージが湧かない。どのボールもそれなりのレベルで、その組み合わせの中でもカットボールが抜けています。下村の最大の売りはそこ。まるで左打者の懐に纏わりつくような嫌なボール。これは間違いなく通じる。しかし右打者にはどうか? 仮にそれをアウトコースに制球できてさえも余裕でカットはできる。

 緩急をつける大きなカーブやフォーク、チェンジアップも悪くはないけれど、いずれも一軍の打者なら合わせることは可能とみます。それに肘に古傷を抱えてもいる。うるまスタートは妥当でしょう。

 

3位 山田 脩也 内野手 仙台育英 177cm71kg 右右 遊撃手 遠投105m 50m6秒1

 守備は社会人まで入れてもトップクラス。今年の目玉である宗山と比較してもこちらではないかと。観客を魅了するような華麗な守備ができる点を買います。宗山同様マスクも良いですね。因みに肩も強くてマウンドに上がれば140㌔中盤の球を投げます。課題はバッティングでしょうね・・・・。

 よくWBSCの韓国戦、木製バットで打ったホームランの映像が取り沙汰されますが、あれはあくまで瞬間最大風速。今年一年、打撃はファームでも苦しむと思われます。パワー不足はいかんともしがたく、身体を大きくすればキレやスピードがなくなる、そこにも苦しむのではないでしょうか。

 性格面は強く勝負強さもあるので、それを守備だけではなく打撃にも活かせれば、きっと良い二番打者になるでしょう。

 

4位 百崎 蒼生 内野手 東海大星翔 178cm76kg 右右 遊撃手 遠投105m 50m5秒8

 去年戸井を獲っておいて、今年も右の内野手を二人というのは流石にどうなのかと。こういう指名を続けていると、選手を育てた所属チームの指導者の信用を失いかねません。恐らくですが、3位の段階で山田か百崎か天秤にかけて山田を選び、4位でも百崎が残っていたので思わず飛びついた、そんな感じではないでしょうか。 

 アスリート性は山田以上。骨組みもしっかりしているので、こちらは身体を大きくしても、動きが悪くなることはなさそう。また甲子園でわれわれが見た百崎は仮の姿だったとか。左足甲を骨折していたそうです。

 三年前の夏の神奈川予選の段階で凄かったという報告もある。当時から将来像は少し大型の菊地という話でしたから、きっと実戦的な選手ということなのでしょう。ウエスタンの中継が今から楽しみですね。

 

5位 石黒 佑弥 投手 JR西日本 180cm82kg 右右 MAX152㌔

 五年前の夏の愛知予選、春の王者東邦を沈めて名を挙げた右腕。タイプ的には元ロッテ、阪神でもある久保康友と相似形ですね。テイクバックでの腕のたたみ方や肘の位置、背中への入り具合はほぼ一緒。持ち球も似ています。恐らく球の威力も同じような感じかと。ただ日本の野球のレベルはこの15年で劇的に上がりましたから、久保と同じようにはいきますまい。こちらもまずはファームでじっくりと眺めてみたい投手です。

 

6位 津田 淳哉 投手 大阪経済大学 178cm83kg 右右 MAX152㌔

 岡田枠発動、というと大袈裟でしょうか。大経大の監督は昨シーズンから元阪神のコーチの高代。

www.nikkansports.com

 「岡田頼むわ!」

 「下位で良いですか?」

 そんな会話を妄想をしてしまいますね。

 実力的には150㌔越えのボールを投げ下ろすそうですが、所謂高校七年生。大経大は選手寮もなかったはずですから、追い込みを掛けられたことはないでしょう。なので体力作りから始めることになると思います。

 フォーム的には真上から投げ下ろすのは良いのですが、背中が反り過ぎなので、まずは柳のフォームを真似るところから始めてください。

 

2位 椎葉 剛 投手 徳島IS 183cm 92kg 右右 MAX159㌔

 この投手については二点ほど補足が必要と思っています。まずドラフト前に、今回個人的に一番の注目投手だとしていました。

tilleternity.hatenablog.jp

 「果たしてドラフトで、どこが、どの位置で椎葉を指名するのか、それは今夜判る。最大の楽しみである。」

 ここまで書きました。しかして一昨年は森下ドラフトだと言い切ったように、去年のドラフトを椎葉ドラフトとまでは言えなかった。そこはやはりタイプ的に中継ぎ、上手くいけばストッパー候補という投手にその年のドラフトの冠を与えるのはどうか、という判断があった。実際私の評価も3位の頭に来るか、そんな風に考えていたわけですからね。

 二つ目は徳島ISの同僚だった西武5位指名の宮澤をパの新人王と予想しておいて椎葉は違うのか、といったあたり。もちろん指名前から椎葉の方を評価していたし、そこは今も変わりません。しかし両チームの投手層や起用法を考えると、チャンスを与えられるのは宮澤の方ではないかと。

 西武はイケると踏むと、どちらかというと荒っぽい使い方をします。西武の中継ぎ以降は薄く、甲斐野が入ったからといって増田や水上の不調を埋め切るのは難しい。佐藤隼や田村、豆田もまだまだ。つまり宮澤の出番は多そうです。

 一方の椎葉はどうか? 手前味噌ながら阪神の投手層は厚い。そこが日本一の原動力。去年ほど上手くいくとは思っていませんが、湯浅や浜地、そして西純も今年は中継ぎに回るらしい。しかもゲラの前評判も高い。つまり右のブルペンは今年も堅牢。となると椎葉の出番は少ない、というよりも大事に使われるのではないかと。

 それに椎葉は去年の春からの三か月で、一気に15㌔近くのスピードアップに成功しています。こういう期間の後には得てして怪我が待っているもの。やはり今年は大切に扱われるべきだと思います。それが阪神の黄金時代のため、そう思ってください。

 先ほど西武の起用法を荒っぽいと書きましたが、新人王というのはそもそもそういう使われ方の代償、という向きもありまして、”わしが育てた” でお馴染みの星野監督がどのように新人投手を扱ってきたのか、もはや説明は不要。ああいう起用は釜田を最後にしていただきたいもの。この認識は球界にも確実に浸透しています。実際近年、ズブの新人が新人王を獲れない背景には何があるのか。なるべくなら一年目から無理をさせたくはない、という配慮ではないでしょうか。

 椎葉の才能、潜在能力について間違いはありません。危うく埋もれかけていたかと思うと背筋に寒いものが走ります。彼のような存在を見つけ出すことこそオタクの使命、自信はないんだけどさ・・・・。幸い椎葉は自らの決断と力で上位指名を手繰り寄せました。そこにオタクたちの介入の余地はなかった。少し残念ではあるが、こうなればわれわれにできることは後出しじゃんけんであっても、彼の才能を喧伝することだけ。

 椎葉のストレートは快速球や剛速球とも違うし、長い手足を揺らして引っ搔くように投げるのでもない。真っ直ぐ強く踏み込み、その強さでボールを押す至ってシンプルな投球スタイル。佐々木朗希世代最速の男も夢ではない。この表現、決して大袈裟ではなく、まるで弾丸のような球筋で、ミットに収まったとたん煙が上がる、そんなボールを投げるのですから。恐らく十日後にはこのキャンプ最大の話題となっているはず。まさに乞うご期待!

 

 最後に今季間違いなく新人王との誉れも高い西武の武内について。やはり何故評価が低いのか判らない、という意見を身内からもいただいております。一言でいえばこれという決め球がない、というのもあるのですが、彼が打者に踏み込む際、右足のつま先が上を向いている、というのもあります。

 投球を重ねると右膝が割れだし、それに連動して右肩が開く。まぁそれだけなんですけどね・・・・。

 

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FA二景

 今年度のFA劇場、ハードランディングの末に幕が下り千秋楽を終えた。和田は無言を貫き、甲斐野に同情が集まる。ますます山川の座る筵の針の数が増えた模様。

gendai.media

full-count.jp

 和田が残ったからといって、ファンのSBに対する萎えかけた忠誠が果たして元に戻るのだろうか。チームを強くするという球団の戦略が、ファンの思いとは重ならなかったようだ。

 

  これで鷹ファンが減るとしたら、なんのために山川を補強するのか、という矛盾。その昔、巨人がよく陥った黄金のパターンである。

 筋金入りの巨人ファンに言わせると、こういうのはある種のリストラなのだと。あえて薄情なファンを切り捨てスリム化を図ることで、体制の刷新、構造改革に着手し、ここから一気にV字回復なのだと・・・・。

 ファンじゃなくて球団内でそれやれよ!

 なんのV字回復やねん?

 まぁ、百歩譲って確かにそういう面もあるのでしょう。強固なファンの岩盤層によって支えられる両チームならではの荒業。

 因みに阪神の場合、何をしてもファンは離れません! トラキチを辞める時は死ぬ時ですから。六甲おろしの合唱で出棺、というのがファンの夢。岡田の後が原でも大丈夫です、プロの阪神ファンである私が保証します、ええ。

 

 私はFAの人的補償はありと考えております。なので現行の運用でいいと思っている。理由はFAを限りなく後味の悪いものにするため、特にその終わり方を。

 晴れて大型複数年契約で移籍する選手に、後ろめたさを与える必要もある。今回、SBもオリックスにも、決して意気揚々とキャンプインを迎えさせてはなりません。人的補償となった選手の気持ちだけではなく、西武、広島のファン感情も斟酌する必要があるからです。

 山川と甲斐野、西川と日高、当たり前の話ですが釣り合うわけない。それをファンに飲み込めというのは酷。推しの選手、というか、FA申請するのは、たいがい主力選手ですから、そういった存在に去られる喪失感。もともとファンを無視し、彼らを置き去りにする制度なのです。

 しかし、である。FAというのはそもそも選手会の総意として叶えたものであり、選手の権利でもある。それだけによけい悲しくなるのです。

 因みに今回、オリックスの日高がプロテクトから外されたのは、彼の出身校も影響しているのではないかと。彼が横浜や大阪桐蔭の出身選手ならどうだったか・・・・。

 戦力や球団経営、ファンだけではなく、いろんな視点でFAについて考えてみるべきではないでしょうか。

 

 

 でっ、ここからは私の悪癖である妄想にお付き合いいただきたい。三年ぐらい前から言っていますが、私は逆指名を復活させるべきと考えます。反論は覚悟です。

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 職業の自由は担保されるものであり、将来の夢がプロ野球の選手、ではなく地元のチームに入って活躍することなら、そこをモチベーションに努力を重ねた選手に、その路を残してやる必要はある。

 ただし、下記の条件を付けます。

FA権の剥奪

② MLBへのポスティング権利の剥奪

③ トレード拒否権の付与

 つまり、お望みの球団に仕えることが条件となります。これだと生涯賃金などを考慮すればメリットは薄く、逆指名を行使しようとする選手は減る。なので自ずと小型化するでしょう。つまり、ならいいかと。

 むしろ選手が逆指名を希望しても、意中の球団が振り向かないケースも出てくるでしょうね。ただし本来、フランチャイズ選手というのはファンから長く愛され続ける存在。ファンと球団を繋ぐ虹の架け橋、その理想像ともいえる。

 たとえばトラウトの人気はやはり絶大であり、エンゼルスは大谷と天秤に掛けてトラウトを取ったともいえる。四年前にトラウトと超大型契約を結んだ段階で、大谷の放出のカウントダウンは実は始まっていたのです。

 もし仮に、甲子園や神宮を席巻する超大物が現れ、彼等が巨人入りを熱望した場合、それを叶えてやるのは、それはそれで筋だと思う。嫌な話ではありますが、逆指名時代を思い起こすのではなく、江川、桑田、清原など、旧き良き時代のプロ野球の風景を再び味わう、というのも一興ではないでしょうか。

 

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新人王予想 文春砲など

 年明け早々文春砲が炸裂したそうです。

 

 私は大阪生まれの阪神間育ち。今回の標的である松本人志とは同じ学区。確か彼は兄と同い年だったかと記憶しています。

 ダウンタウンがブレイクした当時、私は学生で東京にいました。帰省した際、TVで視た彼らの漫才を今でも覚えています。上手かった、というのもありましたが、お笑いがここに来たのか、そう驚きました。

 私も子供の頃、吉本がある日常の中で育った。中学や高校の文化祭ではコントや漫才を演ったクチ。文化祭の実行委員になると、部活を合法的にサボれる旨味がありました。秋の大会も終わり、走り込みばっかりさせられる時期でしたからなおさら美味しかった。

 お笑いというのは学生時代を引き摺ると思っています。そこで培ったもので勝負するのだとすら。なのであえて大まかに分けるなら、まずは体育会系のお笑いがあるかと。とんねるずやナイナイ、ジャルジャル、年末のM1王者の令和ロマンもここに入ると思います。

 体育会系ならではの理不尽なシゴキを受ける辛い日々を、笑いで凌ぐことで培われるセンス。先輩から一発芸を命じられることなど日常茶飯事。私も名前が呼ばれ、江夏や田淵、掛布のモノマネをやらされました。体育会系のお笑いタレントについては、裏にあるものが透けて見える気がするだけに、私はこのタイプに弱い、というかつい笑ってしまうのです。

 次にくるのが文化部系のお笑い。ウンナンキャイーントレンディーエンジェル、そしてM1二位のヤーレンズもここに落ち着くのではないでしょうか。こちらは新聞部や放送部、演劇部ならではの仲間内から生まれるお笑いです。これら二つの笑いは主に部室から生まれます。

 それ以外にも教室の中で育まれるクラスの笑いがあります。昼休みを盛り上げたり授業を上手く妨害し、教師に反抗し揶揄いながらも怒らせないよう綱渡りをし腕を磨いていく笑い。案外ツッパリ系の漫才などもここに分類されるのかもしれません。

 かように学生時代、特に中高時の経験がお笑いの感覚を育てると言えるでしょう。

 ではダウンタウンはどうか? 見事にこの分類から外れています。私が驚いたというのはそのため。

 ああ、きっとこれは帰宅部の笑いなんだろうな・・・・。

 二人が出演していた関西ローカルの番組を眺めながらそう感じたのを覚えています。

 

 私が育った阪神間の学校内におけるヒエラルキーでは、基本帰宅部は決して高くはありません。私たちの頃はなんでもいいから部活に所属しとけ、これが決まりのようなところがありました。帰宅部の生徒は何してるのかわからん奴、と括られがち。そこからいわゆる校内の人気者になるというのは、バンドでもやってない限り難しい。

 なので部室発でも教室発でもない彼らの笑いのバックボーンが、どこにあるのか判らなかったのです。

 関西でウケても東京では無理だろ。

 そうも思いました。ところがどんどんメジャーになっていく。それどころか第二第三のダウンタウンのような弟分まで連れて、東京でも時代の寵児として持て囃されていきます。

 関西コテコテの二人が全国区となり、同じ関西者である私にとって、それが不思議でなりませんでした。

 初期のダウンタウンの漫才は、二人で好きなことを言い合い悪態をつき続けるところが肝で、”よしなさいって” や ”なんでやねん” などのそれを止めるべき合いの手と、最後に持ってくるはずのオチの部分を端折ってみせるのが新しかった。そこで終わるんだ、と見るものを驚かせました。

  また二人はNSC一期生。師匠について内弟子となる期間も端折った。

 それはまるで当時出始めたユニクロが、素材の仕入れから製造、販売までを一貫して行い、問屋の中抜きを端折ることで低価格高品質の商品の大量販売を実現させ、無駄を省き消費者に支持されていく世相と被って私には映った。

 洋服なんて原価が二束三文であることは、半期に一度の半額バーゲンで百も承知だけど、一つ先の季節のものが欲しくなって丸井でローンを組んでまで買ってしまう。そんな見栄を張るだけの生き方を、”ケッ、あいつらアホやで!”、とぶった斬る。その切れ味は確かに鋭かった。 

 従来は言いたいことはあるがはっきりは言わず、その縁をフラフラし続けることで、言葉にしないまま言わんとすることを客に伝えて笑いを取る、すなわちそれが腕であったし、世の習いとも符合していた。

 平成に入ってこの国の住人が、急にはっきりものを言う風潮になった、というわけではなく、むしろ本音は口が裂けても言わないところは変わらないが、言えないことは言わない、から、言いたいけど言えない、にシフトアップしたようだった。

 しかしそれは胃の中に収まりかけていたものが、喉元まで上がってくるぐらいの差でしかなく、決して言葉にしてそれを吐き出すことはできません。そんな相変わらずの雰囲気であっただけに、ブラウン管の中における、いわゆるご意見番の役割は大きくなり需要も高まった。

「ア〇コにお任せ!」や「ズバ✖言うわよ!」など、視聴者が言いたいけど言えないことを、替わりに出演者たちが面と向かって世間に対して言ってやる、そんなTV番組が流行っていたようです。何を任せたのか、何を言ったのかは視てないので知らないけれど、そういうニーズは間違いなくありました。

 ダウンタウンも同様に、当時のお茶の間の、特に若者たちの代弁者としてカリスマへと一気に上りつめたのでしょう。

 

 当時の私はといえばすでに社会人になっていて、パッとしないサラリーマン。憂鬱な毎日を送っていました。仕事もテキトーにしかせず、というかできず(今も)。

 そんなある日、出先から真っすぐ事務所に戻るのが億劫になり、渋谷で寄り道して少し遅い昼飯を食べて時間を潰すかと途中下車。気晴らし紛れに歩いていると、まだ昼下がりだというのに街はルーズソックスを履いた厚化粧の女子高生だらけ。女の子が集まると当然野郎も寄って来るというわけで、平日の昼間とは思えない光景が目の前に広がっている。それを横目で眺めながら、冴えないサラリーマンとしては道を譲り、肩身狭くその脇を歩くばかり。

 この子ら何者なの?

 なるべく視界から彼らを外して緩い坂を上りながら、先日読んだスポーツ新聞のある記事を思い出していた。

 それは高校球児が激減している、というものであった。何でも突如湧き起こったJリーグブームに押されて、野球部の選手の数が減っているのだとか。また最近は部活に属さない帰宅部の生徒が主流になりつつあるのもその一因、そんなことが書かれていた。

 なるほどそういうことか

 何故東京でもダウンタウンが支持されているのか、私は判ったような気がして、そして改めて彼らを眺めてみると、自分の足元との間にあるのは明らかな断絶。

 ああ、時代が変わったんだ

 そう思い知った。

 これが平成の空気なんだろうな・・・・

 ざらついた砂煙のようなそれを、受動喫煙するかのように吸ってみる、それが当時二十代後半の私なのであった。

 以上が平成一桁、当時を切り取った一コマです。

 

 

 松本人志は言うまでもなく平成を代表するお笑い界の大御所。いろんな番組の審査員長も務め、彼を手本と崇める若手も多いと聞く。私がM1以外のお笑い、というかほぼ地上波の番組を見なくなったそのきっかけは、当時のお笑いやバラエティを素直に笑えなくなったから。

 毒舌上等とばかりに、いじめやイビリだけとは言わないが、観ていて気分の良いものは少なかった。そしてその種のお笑いを王道へと押し上げたのは、言うまでもなく吉本興業。今やこの国のお笑いの総元締め。そしてまさに今、令和にあってもそのポジに君臨できるのか、正念場を迎えたような気がします。

 

 平成の時代はかくのごとく私にとって好まらざる日々の連続であった。令和になってもそれは変わらないのだろうか・・・・?

 元日の地震に航空機事故、日替わりメニューのように厄災が起きる。だけどどこかできっと潮目が変わり、辛いこと悲しことが一つの流れとなって、上手い具合に分水嶺を超えてその先へと逝き去り、空っぽになった地面を雨が満たす。最初は冷たい涙雨や恨み雨かもしれないが、やがてそれが平成の世を洗い流す慈雨であることを、われわれはきっと知るのである。

 いろんなものが終わりを迎え、そして新しく変わる。

 きっと令和は良い時代になる、そう思っています。

 

 ちなみに今も帰宅部の高校生は増えているそうです。

www.manabiba-s.com

 しかし地域のスポーツクラブやクラブチームに所属している子も同様に増えているとのこと。実質的には帰宅部の生徒数は減ってきているのかもしれませんね。

 

 というわけで今年の新人王ですが、毎年外しているので偉そうなことは言えませんけどね。とりあえず表だけ晒しておきます。

巨人ドラ1西舘勇 そして台湾

 台湾の総統選挙までいよいよ一週間を切りました。日本の未来をも左右するだけに気が気ではありません。中国からの干渉がどこまで及ぶのか。世論調査の捏造やフェイクニュースに経済的な揺さぶり、そして選挙結果も捻じ曲げる気満々でしょうから、中国によるフルコースの攻撃をわれわれは目の当たりにするのでしょう。

jp.reuters.com

 できれば力ナダにいる彼女から、台湾や日本に向けてメッセージが欲しいところ。

news.tv-asahi.co.jp

 自由の持つ意味の重さを考えさせられる一年になりそうです。

 

 さて今回は、いただいたご意見の二つ目である西舘勇について。確かに西舘については悪く書き過ぎたかもしれない。

tilleternity.hatenablog.jp

 しかし、私は森下がめでたく阪神に入団の運びとなり、森下ウオッチャーを返上した後、伊藤櫂人ウオッチャーを続けている都合上、この五年間ほぼ中大の試合は全て観ている。恐らく巨人のスカウトよりも見ていると思う。もちろん中大サイドに立って、肩入れしながら見ていたってことである。なので西舘についてはああ言うしかないってところ、ご理解願います。

 勘違いしてほしくはないのであるが、西舘を評価はしている。才能のある投手だと思っているし、今年一番人気であった武内か西舘かという選択なら、間違いなく西舘だと言うし、ストレートの威力ならば椎葉か西舘が双璧。ただ性格がプロ向きではないというか、メンタルの弱さを目の当たりにすることが多かっただけに評価は厳しくなる。

 私が思うに、この三年間で中大には三度優勝のチャンスがあった。だがそのすべてを西舘が踏ん張り切れずに逃がした、というと言い過ぎだろうか・・・・。

 二年の春はほぼ手中に収めていた優勝を、どの試合だったかは忘れたが、西舘の不用意な四球から崩れていった、そんな記憶がある。去年の春はオープン戦、おいどんリーグと大学生相手にはほぼ無敗で、優勝候補として名古屋での開幕戦を迎えるわけであったが、そこであっさり投げ負けて、あれでチームに芽生え始めていた自我が一気に崩壊してしまった。秋も青学との三試合目、終盤に逆転しチームのムードは最高潮。ここを抑えればという場面にリリーフで出て行って、あっという間に再逆転を許し勝ち点を失った。

 

 入れ替え戦で踏ん張ったり、それを寸前で回避するという快投も何度か見せてはいる。巨人のスカウトはそこを評価したらしいが、私に言わせるなら、そこまでに勝つべき試合をことごとく落としているからそれらのマウンドに立ったのだろと。少なくとも常広や下村、武内はそこを迎えるまでの節目の試合はどこかで勝っているのだから。

 だが西舘一人に責任を押し付けるというのは酷かもしれない。大栄の不在も大きかったからだ。しかし仮にそうであっても彼がエースの器ではない、というのは偽らざる心境。たかだか大学チームのエースにも怪しい投手への期待は、ほどほどにすべきであろう。特に巨人のドラ1だけに、余計そう言って保険を掛けておきたくなるのだ。

 しかしその一方で、先発四番手以降の札読みに西舘の名を挙げるのならありだとも思う。特に二位の森田がキャンプから注目を集めれば、案外スイスイ開幕を迎え先発ローテの一角に食い込むかもしれない。そしていきなり目の覚めるようなピッチングを披露することもないわけではない。ただ接戦の、特に点を取ってもらった後、また勝ち星のかかった5イニング目などは、突如乱れる可能性があると申し添えておこう。

 何だか西舘のことを上げたり下げたりと、判り難い文章になって反省している。あえて言うなら、西舘は尻に火がつかないと本領を発揮しない男なのである。今年はのんびりとプロの生活に馴染むところから始めるのが本人のためだと思います。

謹賀新年 そして度会など

 明けましておめでとうございます。今年が皆さまにとって良い年となりますこと、心よりお祈り申し上げます。また、一日に発生した能登半島地震の犠牲者の方々には謹んで哀悼の意を捧げますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 さて、今日や明日から仕事だという方も多いのではないでしょうか? 明日も休んで十連休というのはさすがに気が引ける、メールの整理だけでもやりに今日は出社しておこう、挨拶もあるしな、というのが常識的なライン。

 そこで今年最初の更新を、ここにあえてぶつけてみました(というのは真っ赤な嘘で、ホントは寝正月を満喫、どうしようもないダメ人間・・・・)。

 そもそも当極北のブログに、お休みの日に来てくださる奇特な方なんて少ないでしょしね、ええ。まして年末年始なんてやることも、行く当てもたくさんおありでしょうから、ええ、ええ。その方が健全だし、家庭も丸く収まるはず。

 それよりも、通勤、通学の時間や客先への移動、はたまた三時の形だけの休憩など、潰すべき暇にさえ持て余し苦痛になった折に、ここを思い出して覗いていただけたら、それだけで本望でございます。当極北のブログ、今年もマイペースで更新していきます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 因みに年末からX(ツイッター)始めました♪

 

 さっそく使い方わかんねえーっ! しかも、もうオワコンらしいじゃないですか。

japan.cnet.com

 せっかく始めたのにぃ、悔しい・・・・。

 これからも世間の背中を眺めながら、どこよりも遅く、どこよりも曖昧に、オタクネタを更新していく所存です!

 ところがそんなブログでも興味を持ってくださる方がおられて、これまでにいくつかご意見を寄せていただきました。これを避けては通れますまい。

 というわけで、本日からそれらご意見をもとに更新いたします。

 頂いたご意見は要約すると下記の通り。

① 渡会についてもっと書けよ、手を抜くな!

② 西舘勇を悪く言い過ぎだろ!

③ 結局、来期(今年)の新人王は誰なのかはっきりしろ!

 こんな感じで。

 というわけで、今日は①の渡会についてです。

 

 まず印象面から申し上げるなら、スイングを眺めていて、バットが長く見えるタイプです。過去に似たような打者としては、直近では辰己。少し古くなると、左と右の違いはありますが、巨人の二岡、近鉄の中村紀がこのタイプ。

 特に渡会は辰己と相似形、ベンチマークになりえると見ています。なので今年の渡会の活躍に思いを馳せる場合、辰己の一年目の成績を重ねるのがよろしいかと。

 辰己は新人の頃、立命館時代そのままのスイングで、大きなフォローを取っていました。そのためか思うような成績は上らなかった。なので渡会も、来月キャンプに入って、シートバッティングでバットが長く見えたら、今年一年一軍では苦労するでしょう。

 でっ、ここから渡会の話をするためにも回り道をして、辰己や、NPBの打者のスイングの変遷について、良い機会だと思うので掘り下げてみたいと思います。



 去年の辰己は後ろの手で上手くバットを押し切れるようになり、以前のようにバットが長くは見えることはなくなりました。バットの長さについて種明かしをすると、フォローをスイングの後のおまけとばかりに惰性で振っていると、後ろの手は添えるだけで、自然と大きくゆったりしたものになって、結果バットが長く見える、というロジック。

 しかし今の主流は、最後まで後ろの手で押し切るスイング。フォローのスピードも上がるので、バットが長く見えることはありません。吉田正尚が良い例ですが、彼の身長は170cmそこそこ。 なので相対的にバットが長く見えそうなものですが、駒のような軸回転でフィニッシュまで一気に振り切るので、85cmほどのバットも特に長くは見えません。

 プロ入り6年目の辰己をネクストブレイクに上げるのには少し気後れするのですが、去年を眺める限り、ようやくプロで結果を出せるスイングになって来た。なので今年はやると見ています。初の三割、ホームランも十五本以上打つのではと。

 守備範囲、肩は文句なく日本一。尖った性格で私生活で何かと話題の多い彼ですが、野球だけに真剣に打ち込むという条件付きで、一気にNPBを代表する選手に上り詰める、そう期待しています。

 

 渡会や辰己、そして先に挙げた二岡や中村紀に共通するのはバットの使い方が上手くて、綺麗にヘッドを立て、トップからボールに斬り込む角度も申し分ない。また前捌きも見事、大きなフォローを取るのでバットが長く見えるというのは、ここまでに書いた通り。

 渡会の場合も前の手、つまり右腕でしっかりと最後までバットをリードできています。またスイングの後、リストターンが見られるのもこの手の打者の特徴。

 私が野球に打ち込んでいた四十年前などは、理想のバッティングフォームとされていました。当時はスイングの際の両腕の力の入れ具合は、八割が前の手で、後ろの手は残りの二割をで良い、むしろ変に後ろの手に力を入れたらコネるのでやめとけ、そう指導されたものです。

  今も基本この考え方は活きていると思います。渡会のお父さんも元プロですから、インパクトの瞬間だけに最大の力を込める、そんなスイングができるよう息子を指導していたのではないかと。必要以上に力ませない、というのもあるのでしょう。

 しかし、00年代の半ばあたりから、NPBでもボールを手元で小さく動かす変化球が試され始め、10年に統一球が導入されボールが飛ばなくなると、徐々に後ろの手の使い方に注目が集まり始めます。動くボールに対応するためのスイングの微修正は、始動を司る前の手ではなく後ろの手を使ってやる。またボールを飛ばすために、しっかりと後ろの腕で最後まで振り切る。つまり後ろの手にも明確な役割が与えられるようになった。

 私が幼い頃は、子供は暇さえあれば外で遊び回って色んな球技にちょっかい出した。たとえばバトミントンやテニス、卓球などにも手を出す。するとラケットを持つ右手首の動きが身についてしまう。それが真剣に野球をやり始めると邪魔になる。ことバッティングの際は、利き腕の右手をいかに使わないか、変に力を入れないか、そこからのスタート。故にどうしても利き腕に力が入ってしまう子、また利き腕が強くて柔軟な子などは、それを最大限に活かすために左打ちに変える、というのがお決まりのコースでした。

 ところがこの十年で、まだ大きな動きには至っていませんが、プロパーの右打ちや左打ちが徐々に再評価される流れとなってきた。それは先ほど説明した通り、実は後ろの手の使い方こそが重要で、器用な利き腕にそれを任せた方が良い、つまり、ツーシームが普通に投げられる球種となり、そこへのアジャストを担当する後ろの手には利き腕の方が望ましい、という理屈に支えられている。そしてじわじわと右投げ右打ちや左投げ左打ちの方が優位では、と囁かれるようになり始めた。今はその入り口に少し入ったところでしょうか。

 最近のドラフトでは右打ちの打者が、その希少性からか想定よりも上位で指名される傾向にある。また右投げ左打ちが打率上位から減りつつあるのも、この流れで説明できると思う。因みに去年、セパ打率十傑に右投げ左打ちの占める割合は30%まで減った。つまり六人。これは今世紀に入ってから最低。ずっとここまでほぼ40~60%の間で推移してきただけに、一気に来たなと。まさに一つの分岐点に差し掛かっているのかもしれませんね。

 この事象、右投げ左打ち優位の終わりの始まりとして、まるでそれを予期していたかのようにこの十五年ほどの間にリストターンする打者がめっきり減った点も絡めて、以前から注目していましたので、キャンプに入るまでに整理して書きたいと思います、ええ。

 というわけで、半分以上は渡会の話ではなかったですね。スイマセン。今年の彼の成績は二割五分、ホームラン5本ぐらいか。もしレイエスがめでたくもベイの一員となれば、一年はファームで経験を積む、というのもありだと思います。まずはしっかりと自分のフォームを固めて欲しいものです。

 

 巨人の西舘、今年の新人王については明日以降で。

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2023 ドラフト点検 その他パリーグ編

 年の瀬らしくなってまいりました。それは良いのですが、朝の寒さは病み上がりには堪えます。雨の朝ももちろん困りものですが、放射冷却が一番辛いですね。

 ドラフト点検も残すところは口ッテ、ソフトバンク、そしてわが阪神。なんとか年内に終わらす所存です。がっ、ご存じのように大谷やラグビーにも動きがあった。つまり書きたいことは山積み。なのに思うように書く時間はない。”どこよりも遅く”と予防線は張っていますが、われながらフットワークの悪さに嫌気が差します。

 一通り後ろ向きになったところで、さっそく口ッテのドラフトです。

 一位の上田は以前結構詳しく書かせていただきました。

tilleternity.hatenablog.jp

 気になるところは割れの浅さ。上体が見た目以上に開いていて、両眼でボールを捉えるタイプ。なので深いテイクバックはもともと取れません。でも利点もあって、ミートポイントとグリップの位置が近いのでコンタクト能力は高いし上手い。ただし長打はあまり出ません。今のスタイルのままだと、身体は立派に鍛え上げているけれど、思ったほどボールが飛ばないな、というジレンマを口ッテファンに抱かせるかもしれませんね。まぁそこは安田で慣れているのでしょうが。

 明大出身の選手に総じて言えるのかもしれませんが、大きめのテイクバックから反動をつけて打つ、ではなく、バットは予めポイントに最短距離で出せる位置で構えておく、という指導が施されている気がします。糸原もこのタイプですし、大型の岡も同じ。なので共に長打はありません。体格ではなくバッティングスタイルに依存しているのだと思います。

 明大はこの二十年、あれほど逸材を掻き集め続けているのに、スラッガーをまったく輩出できない背景には、もしかするとこれがあるのかもしれませんね。

 二位の大谷は、来期から始まるのであろう独立Lの躍進を象徴する投手。柔らかい腕の振りからボールを抑え込むように投げる。身体は細身のためもう一段仕込めば常時160㌔も可能という目論みなのでしょう。

 今年の口ッテのドラフトはこの大谷さえ獲れれば他の投手は必要ない、そんな指名でした。しかしてそれは本意であったのだろうか?

 なぜなら口ッテは今年Aクラスは死守しましたが、決して戦力は万全ではなかった。当初の予定では、三位以降も即戦力の選手の指名を予定していたのではないか。しかし一位でクジが七度も繰り返され、結果、想定外の指名で一巡目を終えたチームが半分近く出た。これは二位以降のマーケットは荒れる、そう予想したチームが即戦力については繰り上げ指名を乱発。事実、中位相当と言われた森田や椎葉、松本、津田が二位で続々と消えていった。口ッテとして絶対に獲るべき、もしくは獲れると目論みリストアップしていた選手も底を尽き、かろうじて残っていた高校生を三位以降で指名するしかなかったのでは、と勝手に妄想してみました。

 さてさて、唯一の即戦力投手大谷は、どんな使われ方をするのか今から注目。また上田は一体どこを守るのか? なんだかんだでポランコは恐らく戻ってくると思うので、こちらの起用法についてもキャンプインを楽しみに待ちたいものです。

 

 

 ソフトバンクの一位の前田は高校生投手としては別格と位置づけています。理由は予選決勝のピッチング。正直気迫はあまり感じられなかったが、すでにプロ、というか甲子園のその先を見据えているように映りました。

 仲間のためにも甲子園に行ければ行きたいが、炎天下の連投はできれば避けたい。それに、勝ち上がればどこかで、去年下関国際戦で受けた総アウェーの仕打ちに再び巻き込まれるかも、そんな高校生には背負いきれない複雑な思いも抱えながらマウンドに立っていたのでは。だからなのかギアは一向に上がらず、それは周りの選手にも伝染し、結果として大阪桐蔭らしくない決勝戦での敗退であった。

 しかしその一か月後の、WBSCでは吹っ切れたのか実力を遺憾なく発揮、決勝の台湾戦の投球は見事の一語。因みにU12の際も絶対に負けられない韓国戦に先発し完勝しています。同じ世代では実力が一つ抜けていることに疑いはありません。敢えて問題を挙げれば、大阪予選でギアを上げ切れなかったその裏に、肘の不調はなかったのか、というところ。恐々投げている感も確かにあったので・・・・。

 来年はしっかり二軍で鍛え上げれば、再来年いきなり二桁新人王もある物件だと思います。ホークスにとって待望久しい逸材ではないでしょうか! 

 

 でっ、ここからはSBのドラフト、というかSB自体についてなのですが、正直、何だか書くのが面倒になってきているのである。理由はこの度の山川のFA。去年のイヒネや一昨年の風間に正木、木村、その前の井上など、果たしてプロテクトしてくれるのか甚だ怪しい。それをやられると、 ドラフトオタを敵に回すと思う。どうもこの球団のやりたいことが判らない・・・・。

 二年前にも書いたが、藤本元監督自体に意味を見出せなかったし、

tilleternity.hatenablog.jp

 ピッチングコーチもその体型からマウンドに上がるとどの投手よりも目立ってしまう、というのは仕方ないまでも、髪型が選手以上にインパクトがあって、ベンチから出てくる度に、それ必要か? と画面に向かって突っ込んでました。

 

 正直何がしたいのか、意味が判らないまま来期の四軍行きが決まった。配置転換は当然でしょ。

 また倉野コーチがメジャーから戻ってきたそうだが、彼がMLBでコーチとして請われた、もしくは評価されていた、というのもどうも怪しい。そもそも千賀を倉野が育てた、というのも片腹痛い。盛り過ぎでしょ。百歩譲ってそれを認めたとして、じゃあ川原や高橋、田中、古谷、吉住も含めて、才能に溢れる投手たちを、怪我もあったであろうが私生活ごと、お得意の魔改造で育成できなかったのはなぜなのだ・・・・?

 福岡のファンからすれば、ホークスは誰もが主役の魅力に溢れたチーム、となるのでしょう。しかし、この流れが続くようでは傍から見るに、SBの目指す方向というのがまったく謎。九州限定で張り巡らせた結界のその中で、超然と佇むだけのチームになりかねない。

 私がこの極北のブログで扱うことをやめたチームというのは、親会社が金貸しや地上げばかりやって反社とズブズブなチームと、球団経営にまったく興味もないが手放す気もないという糞チーム、この二つなのであるが、このままでは九州の雄たるSBも、もうここで俎上に挙げるのはええかな、そう思ってしまう次第である。

 まぁ、どうぞそれで結構、というのが大方の意見なのであろうが。