Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

日本ラグビーの 明日はどっちだ!?

 今回は久しぶりにラグビーをテーマにします。
 知り合いからラグビーについて訊かれることはもう滅多にないのですが、たまに尋ねられても良い話ができないので困っています。この時期は特にリーグ1の退団者の名前が取り沙汰されるので尚更。代表の顔とも言える選手が引退し、ビッグネームが日本を去り、この前代表に選ばれたばかり、もしくは選ばれるかもというような選手でさえ新天地を模索する。流動性という都合の良い言葉もありますが、日本ラグビー界の場合、果たして下からの突き上げがあってそれらの選手が押し出されたのか、そこはじっくりと検証する必要がありそうです。

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 「エディーが突然退任するようなこともあるよ!」
 そう言ってみせて知り合いを慌てさせたことがある。年度末の酒の席だったでしょうか。大袈裟ではなく、今でもその可能性はあると思っています。
 理由としては、

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 最初の記事の中にある、「8月25日に日本協会関係者とオンラインで行った」という面接の件、W杯期間中にオーストラリアの地元紙に抜かれてエディーも日本協会も叩かれました。事実その日に面接はあって、当時エディーはW杯を目前に控えたオーストラリア代表のHCですから、日本協会のやり口、充分非難に値するでしょう。

 そこまでしても協会の中に次期HCをエディーにお願いしたい、という人たちがいた、ということ。しかしながらあんな風に記事になってしまうということは、どうしてもやって欲しくはない勢力も、恐らく協会の中に存在するのでしょう。

 回りくどい書き方になりましたが、つまりあのモーニングヘラルドの記事の情報元は日本協会であり、内部リークなのです。

 普通、ああいった面談は秘密裏に行われるべきもの。土田会長と岩淵と腹心の部下だけで内密にやる。しかしラグビー日本協会の場合、重要な会議の場にも異様なまでに陪席者が多いと言われています。
 そこから推測するに、土田氏とその仲間だけでエディーとWeb面接をすることは叶わず、その場に反エディーの人間が紛れ込んだり、アクセス権が与えられていたのでしょう。

 ご存じのようにエディーは合宿中選手に服従を命じ、そこには屈辱的な光景もまま見受けられるとのこと。熱くなれば選手を叱責するような汚い言葉も飛ぶ。コンプライアンス上、大いに問題のあるところです。それはイングランド代表時代も同様で、ある朝、エディーが顔をお岩さんのようにしてピッチに現れたことがありました。風呂場で転んだとか言い訳してお茶を濁していましたが、選手に殴られたのでは、そう囁かれたものです。

 来月に始まるという合宿。選手の中には反エディー派の意を汲んだ選手も選ばれることでしょう。レコーダーをしのばせて練習に加わる輩がいるかもしれませんね。冒頭の私の発言は、つまりそういうことなのです。

 先ほども触れましたが、この時期、チームを去る選手についての記事が目につきます。それが新陳代謝を促すものであれば良いのですが、そこがどうも怪しい。単に契約で揉めただけじゃねぇのと。

 先週、サッカ一U23日本代表がアジア王座に就き五輪出場を見事に決めましたが、選手選考の合宿に総勢86名の候補選手を集めたそうです。私はその話を聞いて ”うっ” と息を飲んだ。ラグビーだと計算上100人ぐらいになるか、と。
 まぁ百歩譲って80名でもいい、果たしてそれだけ選手が集まるだろうか? そう疑問に思ったのです。”そんな人数を集めるわけない”、と ”その必要がない”、二つの思いが交錯しました。 

 代表ならともかく、U23。つまりラグビーの場合は大半が学生。前者はそれだけの予算を協会が組むとは思えない、後者は合宿に集める価値のある候補選手がそこまでいない、という見立て。

 合宿中に意外な掘り出し物がいてびっくり、そんなことは日本ラグビー界に限るとないのです。書いていて情けなくなりますが、多分合ってる。層の薄さは深刻・・・・。

 野澤がTID合宿で Bigman & Fastman とかやっていますが、成果はあったのだろうか? ほとんど平尾プロジェクトのノリに思えて仕方ありません。

 

 もう四十年以上前の話になるのですが、三重の県立高校のラガーマンが陸上の地方大会に駆り出されて、当時の高校新記録をマークしたことがありました。中道という選手の名を覚えている方も多いのではないでしょうか。

 90年代の前半、同志社在学中当時最年少19歳で代表に選ばれた藤原は、高校時代に飛び入りで参加した大阪府内の陸上大会で決勝に進んだ、確かそんな話も聞いたことがある。ただいずれもJリーグ発足前のことであり、ここ三十年、高校ラグビーをずっとウォッチしていますが、そんな話はまったく聞かなくなってしまった。

 高校球児の場合は、ジュニアオリンピックとか、桐生に勝ったとか、サニブラウンを200でも抑え込んだとか、そんな話はゴロゴロしているのですが・・・・。

 エディーも今頃、日本の選手のスピードの無さには驚いているのではないでしょうか。この正月の花園や三月末の選抜を観る限りにおいて、高校生としてラグビー自体が上手くなっているな、というのは見て取れる。しかしそこに速さがあるのか、と問われると正直返す言葉がない。

 まだ高校生となれば今後、サイズアップ、ビルドアップは必須であり、筋肉の鎧を身にまとうことを考慮するならナチュラルなスピードは高校時代がピークといえるのかもしれない。そこで秀でた速さを持つ選手を見出せない事実、これって結構重くないか・・・・?

 この春の高校日本代表のイタリア遠征の試合経過を見るにつけても、イタリアがほぼ展開でトライを上げているのに対して、日本代表はFWが押し込んでばっかり。やはりこの世代からすでにBKの決定力不足は際立っている。

 高校ラガーマンの身体能力が落ちている、とは言いたくない。しかし昭和が終わった直後の1990年代初頭、1,500校近くあった全国都道府県予選への参加チームが、令和に入り550まで落ち込んだ。平成の間に三分の一近くにまで減ったという驚愕の事実。既に織り込んでいるとは思いますが、混成チームを作ればいいというものではないので、関係者は今一度、しっかりそこと向き合うべきです。

 あえて強がると上澄みの部分の競技レベルは進化していると思うし、優秀な留学生がそこに大きく寄与してもいる。しかし本来それを支えるべき中間層はスカスカで、いつ崩れ落ちてもおかしくはない。福岡や栗原がそうであったように、花園ベスト4に勝ち上がるチームばかりにスピードスターがいるわけではない。ベスト8以下のチームのレベルはどうだろう?
 毎年優勝を争う総合力の高いチームは進化しているのに反し、大物食いの可能性を秘めた危険なチームは減った、そう言えるのかもしれない。

 二月に行われた第二次エディー体制初の代表候補合宿で掲げられた「超速ラグビー。そこでは ”チームとしてどれだけ速く動けるか” が間われることとなった。
  超速とは意思決定からディフェンスの陣営の整備なども含めての話である。しかして、やはり一丁目一番地にあるのは選手個々の単純なスピードだと思う。その才能を誰がどうやって見出し、そして鍛えるのだろう・・・・?

 高校日本代表が海外遠征までしてやっていることはといえば、あくまでもラインアウトモールからのごり押しばかり。嫌な言い方をするとそれしかできないのでは・・・・?

 ゴールラインを目の前にして、焦って手っ取り早く近場で勝負したくなる気持ちは判るが、日本代表がフィジカルで勝てる相手など、Tier1にはありません。そこと真っ向勝負するために、正代表のHCが「超速ラグビー」と言っているのだから、下のカテゴリーの代表指導者が何をすべきかは明白ではないか!

 

 

 


 そこで提案なのですが、野澤の試みは買う(恐らく社長様ですし、持ち出しもしていることでしょうし)。だけど二兎を追うのはどうなのか?
 つまり Bigman と Fastman、どちらもというのはムシが良すぎる。どうせ Bigman の方はカテゴリーが上がれば上がるほど外注率が高くなるのだろうし、ならば徹底的に Fastman を探せばいいのにと。

 いっそのこと中三ぐらいまで裾野を広げて、陸上部だけど球技もやりたい、とか、野球部で脚は速いけど打つ方がダメとか、そういう子を探せ! コロナ直前のインターハイで100、200の二冠に輝いた鵜沢はこのタイプであった。

the-ans.jp

 もう昔話になってしまったのだが、日本大会で代表が奪ったトライは全部で13本。そのうち10本はバックスが仕上げたもの。だからこそ盛り上がったと言えないか。そしてフランスではどうだった・・・・?
 三年後も”福岡がいたら!”、もうそんな台詞、二度と耳にしたくはない。

 

 すっかり魅力のなくなった日本ラグビー、ここにきてどうもWOWOWがラグビー放送から撤退する、 そんな噂が飛び交っている。

toyokeizai.net

 この秋の代表戦や来年の6Nなど、いったいどうなるのかと不安になる。勝ち組のスカパーにしたところで衛星関連事業で儲けているだけで、プロ野球ですら採算が合わなくなったら手放すのだそうだ。いわんやラグビーをや

 まさに詰んだ感がする日本ラグビー。打開策はあるのだろうか? エディー流に言うなら、投資を集中させるべき、そこから始めてはと思う今日この頃である。

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