Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

謹賀新年 そして度会など

 明けましておめでとうございます。今年が皆さまにとって良い年となりますこと、心よりお祈り申し上げます。また、一日に発生した能登半島地震の犠牲者の方々には謹んで哀悼の意を捧げますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。

 さて、今日や明日から仕事だという方も多いのではないでしょうか? 明日も休んで十連休というのはさすがに気が引ける、メールの整理だけでもやりに今日は出社しておこう、挨拶もあるしな、というのが常識的なライン。

 そこで今年最初の更新を、ここにあえてぶつけてみました(というのは真っ赤な嘘で、ホントは寝正月を満喫、どうしようもないダメ人間・・・・)。

 そもそも当極北のブログに、お休みの日に来てくださる奇特な方なんて少ないでしょしね、ええ。まして年末年始なんてやることも、行く当てもたくさんおありでしょうから、ええ、ええ。その方が健全だし、家庭も丸く収まるはず。

 それよりも、通勤、通学の時間や客先への移動、はたまた三時の形だけの休憩など、潰すべき暇にさえ持て余し苦痛になった折に、ここを思い出して覗いていただけたら、それだけで本望でございます。当極北のブログ、今年もマイペースで更新していきます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 因みに年末からX(ツイッター)始めました♪

 

 さっそく使い方わかんねえーっ! しかも、もうオワコンらしいじゃないですか。

japan.cnet.com

 せっかく始めたのにぃ、悔しい・・・・。

 これからも世間の背中を眺めながら、どこよりも遅く、どこよりも曖昧に、オタクネタを更新していく所存です!

 ところがそんなブログでも興味を持ってくださる方がおられて、これまでにいくつかご意見を寄せていただきました。これを避けては通れますまい。

 というわけで、本日からそれらご意見をもとに更新いたします。

 頂いたご意見は要約すると下記の通り。

① 渡会についてもっと書けよ、手を抜くな!

② 西舘勇を悪く言い過ぎだろ!

③ 結局、来期(今年)の新人王は誰なのかはっきりしろ!

 こんな感じで。

 というわけで、今日は①の渡会についてです。

 

 まず印象面から申し上げるなら、スイングを眺めていて、バットが長く見えるタイプです。過去に似たような打者としては、直近では辰己。少し古くなると、左と右の違いはありますが、巨人の二岡、近鉄の中村紀がこのタイプ。

 特に渡会は辰己と相似形、ベンチマークになりえると見ています。なので今年の渡会の活躍に思いを馳せる場合、辰己の一年目の成績を重ねるのがよろしいかと。

 辰己は新人の頃、立命館時代そのままのスイングで、大きなフォローを取っていました。そのためか思うような成績は上らなかった。なので渡会も、来月キャンプに入って、シートバッティングでバットが長く見えたら、今年一年一軍では苦労するでしょう。

 でっ、ここから渡会の話をするためにも回り道をして、辰己や、NPBの打者のスイングの変遷について、良い機会だと思うので掘り下げてみたいと思います。



 去年の辰己は後ろの手で上手くバットを押し切れるようになり、以前のようにバットが長くは見えることはなくなりました。バットの長さについて種明かしをすると、フォローをスイングの後のおまけとばかりに惰性で振っていると、後ろの手は添えるだけで、自然と大きくゆったりしたものになって、結果バットが長く見える、というロジック。

 しかし今の主流は、最後まで後ろの手で押し切るスイング。フォローのスピードも上がるので、バットが長く見えることはありません。吉田正尚が良い例ですが、彼の身長は170cmそこそこ。 なので相対的にバットが長く見えそうなものですが、駒のような軸回転でフィニッシュまで一気に振り切るので、85cmほどのバットも特に長くは見えません。

 プロ入り6年目の辰己をネクストブレイクに上げるのには少し気後れするのですが、去年を眺める限り、ようやくプロで結果を出せるスイングになって来た。なので今年はやると見ています。初の三割、ホームランも十五本以上打つのではと。

 守備範囲、肩は文句なく日本一。尖った性格で私生活で何かと話題の多い彼ですが、野球だけに真剣に打ち込むという条件付きで、一気にNPBを代表する選手に上り詰める、そう期待しています。

 

 渡会や辰己、そして先に挙げた二岡や中村紀に共通するのはバットの使い方が上手くて、綺麗にヘッドを立て、トップからボールに斬り込む角度も申し分ない。また前捌きも見事、大きなフォローを取るのでバットが長く見えるというのは、ここまでに書いた通り。

 渡会の場合も前の手、つまり右腕でしっかりと最後までバットをリードできています。またスイングの後、リストターンが見られるのもこの手の打者の特徴。

 私が野球に打ち込んでいた四十年前などは、理想のバッティングフォームとされていました。当時はスイングの際の両腕の力の入れ具合は、八割が前の手で、後ろの手は残りの二割をで良い、むしろ変に後ろの手に力を入れたらコネるのでやめとけ、そう指導されたものです。

  今も基本この考え方は活きていると思います。渡会のお父さんも元プロですから、インパクトの瞬間だけに最大の力を込める、そんなスイングができるよう息子を指導していたのではないかと。必要以上に力ませない、というのもあるのでしょう。

 しかし、00年代の半ばあたりから、NPBでもボールを手元で小さく動かす変化球が試され始め、10年に統一球が導入されボールが飛ばなくなると、徐々に後ろの手の使い方に注目が集まり始めます。動くボールに対応するためのスイングの微修正は、始動を司る前の手ではなく後ろの手を使ってやる。またボールを飛ばすために、しっかりと後ろの腕で最後まで振り切る。つまり後ろの手にも明確な役割が与えられるようになった。

 私が幼い頃は、子供は暇さえあれば外で遊び回って色んな球技にちょっかい出した。たとえばバトミントンやテニス、卓球などにも手を出す。するとラケットを持つ右手首の動きが身についてしまう。それが真剣に野球をやり始めると邪魔になる。ことバッティングの際は、利き腕の右手をいかに使わないか、変に力を入れないか、そこからのスタート。故にどうしても利き腕に力が入ってしまう子、また利き腕が強くて柔軟な子などは、それを最大限に活かすために左打ちに変える、というのがお決まりのコースでした。

 ところがこの十年で、まだ大きな動きには至っていませんが、プロパーの右打ちや左打ちが徐々に再評価される流れとなってきた。それは先ほど説明した通り、実は後ろの手の使い方こそが重要で、器用な利き腕にそれを任せた方が良い、つまり、ツーシームが普通に投げられる球種となり、そこへのアジャストを担当する後ろの手には利き腕の方が望ましい、という理屈に支えられている。そしてじわじわと右投げ右打ちや左投げ左打ちの方が優位では、と囁かれるようになり始めた。今はその入り口に少し入ったところでしょうか。

 最近のドラフトでは右打ちの打者が、その希少性からか想定よりも上位で指名される傾向にある。また右投げ左打ちが打率上位から減りつつあるのも、この流れで説明できると思う。因みに去年、セパ打率十傑に右投げ左打ちの占める割合は30%まで減った。つまり六人。これは今世紀に入ってから最低。ずっとここまでほぼ40~60%の間で推移してきただけに、一気に来たなと。まさに一つの分岐点に差し掛かっているのかもしれませんね。

 この事象、右投げ左打ち優位の終わりの始まりとして、まるでそれを予期していたかのようにこの十五年ほどの間にリストターンする打者がめっきり減った点も絡めて、以前から注目していましたので、キャンプに入るまでに整理して書きたいと思います、ええ。

 というわけで、半分以上は渡会の話ではなかったですね。スイマセン。今年の彼の成績は二割五分、ホームラン5本ぐらいか。もしレイエスがめでたくもベイの一員となれば、一年はファームで経験を積む、というのもありだと思います。まずはしっかりと自分のフォームを固めて欲しいものです。

 

 巨人の西舘、今年の新人王については明日以降で。

 また、感想、意見、ツッコミなどがございましたら、X(旧Twitter)までお願いいたします!