Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

森下ウオッチャー回想記 Ⅲ

 日本シリーズも佳境に入りましたが、ドラフトネタには不自由しません。特にこれには驚いた方も多いはず。

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 この疑問に対する答えじゃないか、というのがこれ、

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 まぁ話半分ですが、いろいろとあるのだろうとは思います。ウラが取れれば後追いさせていただきます。

 <本日の話半分>

 高校野球引退後の森下

 森下は高三の秋、プロ入り表明をするか悩んだという。しかし多くの高校野球オタが、彼のその悩みに気付くことはなかった。高卒外野手の需要は薄く、大学なり社会人へ進むことこそが森下にとって妥当に思えたからだ。また、言うまでもなく東海大相模東海大の付属校。そのまま内部進学が有力のようにも思えた。

 結局、私が内々に森下の進路情報を知るのは、季節が改まった9月の第一週のこと。ああやっぱりとは思ったが、まったくの驚きがないわけではなかった。まず進路先が東海大ではなく中大だったから。それと案外早く進路情報が入って来たな、というのもあった。

 また同時期に、夏の大会で五割、2ホーマー、 11打点を上げた近江の北村も進学へと舵を切り、その進路も中大だという情報も入ってきた。ニュースの価値としては北村の中大入りの方が大きいな、そう素直に思った。なぜならその段階での私の評価は、甲子園で結果を出した北村の方が上だったからだ。粗っぽさを感じさせる森下との比較において、肘を柔らかく使える器用さを持った北村には、一日の長を感じていた。

 ただ、森下の勝負強さは買っていた。北村が試合を作る、先制・ダメ押し型とするならば、森下は試合を動かす起死回生型、そんな風に分類していた。翌春、森下、北村のニ人の成長を眺めるのが待ち遠しい、心からそう思ったのを覚えている。

 そして迎えた19年春。私は目の前で突き付けられた事実にたじろぐばかりであった。二人の差が歴然であったのだ。半年前に自ら下した評価がこうも簡単に目の前で覆ったことを、現実のものと受け止められなかった。

 二人の間に横たわるものを簡単に言えば、打席で振り切れる森下と、当てに行く北村、その差という感じであった。北村にとっては、守備に難があるのも痛かった。一塁やDHは先輩が優先される枠でもあり、出場は叶っても主に代打。すでに外野の一角を不動のものにした感のあった森下とは、春のオープン戦の段階で実戦機会にも差が生じていた。常に4打席与えられる森下と、一節に代打で一度打席に立つ程度の北村。東都開幕以降もその差は広がるばかりであった。

 実戦で活きたボールを見れることと、それができないことで、これほど差になるのか? いやいやそうではなく、そもそもニ人の間には元々差があったのではないか。となるとかく言う私はそれを見逃していた。いや、正確には見抜けなかった・・・・。

 はっきり言えば、二人の差というよりも、そこに私自身少なからずショックを受けていた。つまり森下の活躍によって、皮肉ではあるが自分の見る目の無さを思い知っていたのだ。

 リーグ戦も中盤に差し掛かり、森下の打順が上がって行くにつれて、私の頭の中はさらに混乱していった。一年の春にして、東都公式戦の打席で目一杯のスイングができる森下の存在は私の想定を超えていた。高校時代の森下はどう贔屓目に見ても、 ドラフト上位の評価を固辞し、早慶に進んだ逸材というわけではないのだから・・・・。

 そんな中、唯一胸を撫で下ろしたといえば、”森下はやらかす奴” 、どうやらその見立てが間違いではないらしい、それだけだった。

 結局、シーズンを終わってみると、三割 2ホーマー。ベストナインにも選出され、森下は初夏に行われる日米野球侍JAPANに当然のように選ばれた。直前合宿は今年も松山らしいじゃないか。

 「これは松山に行くしかない、 とことん森下に付き合おう!」

 しかし、一人旅など到底無理。いかに家族旅行に仕立てるか、それが私にとって遠征のための最大のミッションとなったのであった。

 侍JAPAN合宿以降は明日以降で。

 育成ドラフトに物申す!

 ここ数年、最もドラフトの方針でチームで違いが出るのが育成ドラフトではないかと。因みに阪神は今年も1人。一方巨人は9人、ソフトバンクは14人・・・・。

 まぁ言ってみれば球団の方針というのもありますが、予算や受け入れる環境もあるので一概には何とも言えません。私自身はせっかくプロなのだから、育成で線引きするのはどうか、というのもある。そういう意味では今の阪神の育成指名に対するスタンスに特に違和感は感じません。

 でも少し今年考えるところがあって、育成指名は増やすべきではないのか、そう思うように変わってきました。何故変わったのか。理由は選手というよりも、スカウトや指導者目線で見れば、また、チームとしてのノウハウといった点でも必要ではないか、そんな風に思うようになったからです。まぁそのあたりについて、機会があればゆっくりと書いてみたいと思います。

 では・・・・。

森下ウオッチャー回想記 Ⅱ

 なんだかんだであれから四日。ドラフトネタは一区切りで、球界は日本シリーズで宴も竹縄って感じなんですかね、知らんけど。

 もちろん天邪鬼の私はといえば、相も変わらず指名選手の姿をここまで録りためたアマ野球の動画の入ったHDDから必死になって探し出してきて眺めています。嫁も娘も「もうこいつにはうんざり」って感じで冷ややかな視線を浴びせてきます、シクシク。でもね、これがお父さんなんだよ。

 でっ、今更ながら今回のドラフトを振り返ってみて感じるのですが、やっぱり不作だったなぁ、と。指名された選手の数も少なかったですが、それ以上に忖度指名も多かった・・・・。

 たとえば巨人の1位、2位は高松商に慶応。正力亨氏が生きていれば大喜びするような指名。また、西武が3位で九州国際大の選手を指名した際、”ああっ” と声を上げてしまった方も多いと思うのです。下位で近江の山田に救いの手を差し伸べたのにも、西武グループの根源を見る思いがする、というのは言い過ぎでしょうか。

 またヤクルトが最後に中大の北村を指名した裏には、小川GMの影を感じてしまうのです。つまり今年は指名に値する選手が少ないので、枠を埋めるために大人の事情を反映させやすかった、そんな風に感じた次第です。

 <本日の大人の事情>

 選抜以降の森下

 前回お伝えしましたが、選抜の森下を観た際、右腕主導のスイングが気になって、しかも特に矯正する気配もなく、ちょっとガッカリした、というのが正直なところ。チームはベスト4に入りましたが森下自身は、らしさをアピールすることができなかったように感じました。

 ヒットは出たものの長打はなく、自慢の飛距離どうこう以前の問題。そこから春の大会、そして夏の予選前まで調子を落とし、クリーンナップから外される憂き目にも遭う始末。今思えば、選抜の段階ですでに下降曲線を辿っていたようにも感じます。

 夏に入っても調子が上がって来ないので、確か県予選初戦はスタメン落ちしたのではなかったか。というのは当時の東海大相模には、二年に遠藤、一年には西川、山村と逸材が揃っていましたからね。特に西川は小学校の時から世代NO.1と囁かれていました。森下の代わりはいくらでもいる、そんな感じだったのではないでしょうか。

 しかし予選中盤から復帰してそれなりの活躍はしました。特に準々決勝だったか、横浜スタジアムで土壇場の九回にあわや場外という起死回生のホームランを打って完全復活をアピール。

 劇的なホームランという意味では、春の関東大会でもサヨナラの一発を花咲戦で打っています。そんな話題を耳にするたびに、森下が8月14日生まれの ”やらかす奴” であることに間違いはない、そう思ったものです。

 続きは明日以降で。

 虎の指名はブルーニッカンで!

 森下から話は逸れるのですが、ドラフト当日の朝に興味深い記事があったので、こちらも今更ながらですがご紹介しておきますね。

 抜いたのは日刊。

 どんでん、しゃべり過ぎやろ! 調子こきやがって。だからあの野郎をドラフトに絡ませるとロクなことないんだよな。こういうことするからスカウトの心が離れていくのですよ。立浪を見て学べよな、ったく・・・・。

 どう考えても日刊大阪に、岡田と特に昵懇の奴がいるのは間違いありません。来年の阪神、というか首脳陣の動きで知りたいことがあったら、日刊を買うなりWebを覗いてみるのが賢明かと思います。記事の質が他紙と違う気がしますね。まぁ、提灯記事も多いのでしょうけど、トホホ・・・・。

森下ウオッチャー回想記 Ⅰ

 阪神ファン兼ドラフトオタのみなさん、お疲れさまでした。一昨日は興奮して、もしくは落胆で寝つきが悪かった方も多かったのではないでしょうか。まぁ私はというと、比較的ゆっくりと眠れましたけど、その代わり朝は早めに目が覚めましたね。やっぱりスポーツ新聞を報知以外全紙買わないといけませんから、ええ。

 というわけでまさに今、阪神森下誕生ということで、彼の未来図以上に、いったいどんな選手なのか、興味のある方も多いことでしょう。そういう需要を見込んで、また個人的な記念という意味も込めて、この五年間におよぶ森下ウオッチャーとしての日々について思い返してみたいと思います。

 <本日の需要と記念>

 2018年の選抜

 今を遡ること4年前の春先の話、私は毎年、選抜特集号を購入して主要な選手の生年月日を調べるのをルーチンとしているのですが、第90回記念大会の前にも当然のようにそれをしました。目的は8月中旬生まれの選手を探すため。そのあたりについてはここでも書いています。

tilleternity.hatenablog.jp

 実は私は占いにも結構興味があり、8月中旬生まれはスポーツ界、特に日本野球界において、特別な能力、付加価値を秘めた、いわゆる”持ってる男”、”やらかす奴”が多い、常々そう思っています。その傾向は甲子園で顕著であり、そこで何かを起こす可能性がある、そんな気がしているのです。このヨタ話に説得力があるかないかについては、下の表でも眺めてご判断いただければ幸いです。

 因みにですが、森下が生まれた8月14日は、初代ミスタータイガース藤村富美男と同じ。佐藤輝が神様バースと同じ誕生日であるように、森下の阪神入団は生まれた時からすでに決まっていたのかもしれませんね。今更ながらに気づきましたわ。

 まぁ当時はそこにまで思いを巡らせてはおりません。つまり森下が数年後どの球団に入るかなど微塵も考えていなかった。ただただ8月中旬生まれの一人の球児、東海大相模の主軸選手として注目してみよう、そしてついでにドラフト候補なら一石二鳥だな、そんな感じでした。

 高校時代の森下翔太

 来月ぐらいにきっとGAORAが、今回のドラフトで指名された選手のセンバツ映像を特集するでしょうからぜひ観ていただければと思うのですが、高三春の森下は細身でバネはありますが長距離砲には決して見えませんでした。

 一番気になったのは打席で構えた際のグリップ。右手でバットをしっかりと握り、リードする左手で軽くバットを握ったり離したりを繰り返していました。”それ逆や!” 思わずそう画面に向かって突っ込んだのを覚えています。

 当時というか今もですが、森下は利き腕の右手でバットを煽るタイプの打者。高いバウンドのサードゴロやショートゴロが多いのはそのため。いわゆるコネるというやつ。そういうタイプの打者に対して指導者は、右手主導で振りにいくことを矯正するために、構えの段階でバットはできるだけ左手で握るように、利き手の右手は柔らかく添えるだけでいい、そのように躾けるのが常です。しかしあろうことか名門東海大相模というのに、それができていない。私は仕込みの甘さを痛感し、もし近畿の名門校ならこういうことはないのに、そう思うと同時に門馬さんの性格や方針も感じ取るに至っていました。

 門馬スピリッツ

 東海大相模は日本高校球界を代表するチームですが、少し特殊な点があります。それは選手の数。優に百人を越えるのです。毎年全国制覇を目指す超ハイレベルの高校にしてはその規模は際立っており、例えば高嶋時代の智辯和歌山などは一学年十人限定、つまり三十人の選手しか在籍させません。選手への指導が行き渡ることや卒業後の進路を鑑みるとそうならざるをえない、というのが高嶋の自らの方針に対する常套句。正直どうかと思うのですが、因みに大阪桐蔭や横浜などで五~六十人ほど、だいたいこれぐらいの所帯のチームが多いようですね。

 東海大相模は北は北海道から南は沖縄まで全国から選手をスカウトしますが、それ以外でも来る者は拒まずの方針であり、練習もできるだけ平等にさせることを旨としているようでした。ですので特定のエリート選手にだけ手厚く指導する、ということは比較的ないように感じます。少し話が長くなりましたが、森下に対する仕込みの甘さはこういう点にあるのだろうな、仕方がないか、そんな風に思ったのを覚えています。

 もう少しだけ当時の門馬東海大相模について触れると、私はこの方針にある種の正しさを感じています。高校野球は教育の一環であり、決してプロ養成機関ではありません。多くの選手、つまり上手いも下手も玉石混淆となるから化学反応が起き、選手は人間的にも成長する、そう思うのです。

 森下のモットーは今もって、”アグレッシブベースボール”。これは門馬東海大相模のモットー。つまり森下は門馬さんのスピリッツを受け継いでいると言えるでしょう。

 また門馬さんは選手たちによくこうも語りかけていました。「応援される選手に、チームになれ!」。きっと森下はこの言葉をも胸に、虎の一員になってくれると信じています。

 本日はここまで、続きは明日以降で。

阪神森下爆誕!

 まだ夢を見ているようです・・・・。

 三年前、一年の春で大学侍JAPANに選ばれたとの報を受け、森下を観に松山へ行った日のことを思い起こします。

 森下は 三年前から、”やらかす奴” 、そう言い続けてきましたが、まさかうちに来るだなんて。江越がいなくなったら江越が入ってきた、そんな風にも言われていますが、奴は間違いなくやります!

 右手と左手のバランスが明らかに悪いところが最大の欠点ですが、成績が伸びなかったのは、東都ならではのデットボール上等という執拗な攻めに遭ったから。肩から上のデッドボール、ビンボールの数は異様。そして神宮レフト、あわや場外の最上段へぶち込む飛距離はガチ。

 大卒の大砲という観点では、この十年、いや二十年、左の佐藤輝、右の森下は双璧! 因みにですが結構いい顔してるんですよ ♪ そこも含めてまぁ見ていておくんなはれ。

2022 ドラフト 完全予想

 まぁそういうわけで、完全予想とさせていただきました。

 しかし昨日、ヤクルトが吉村を、楽天が庄司、中日が仲地の1位指名をそれぞれに公表。もう予想なんていらんやろ、そんな雰囲気がドラフトオタどころか、ライトな野球ファンの間にも流れているように感じます。なので需要は限りなく無いのですが、2位以降の顔ぶれも気になるということで、こちらも公表通り作成したリストを晒したいと思います。

 昨日、リストには「日刊スポーツ」の評価をと書きました。ということで昨日の朝、大阪版を買いましたが、阪神のトレードがメインでドラフトの記事はなし。なので急遽ネットに転がってた「報知新聞」のを転載してます。できれば最新の日刊のを載せたかったのですが残念です。
 ”ドラフト予想” は、いろんな記事を参考に、こんな感じではってノリで作成してます。でっ、本来の ”私めの評価” との乖離が激しいですな・・・・。それはそれで致し方なし。

 このブログ開設当時から読んでいただいている方にはご理解いただけると思うのですが、私にとって今年のドラフトは「森下ドラフト」。このあたりで何度も繰り返し書きました。tilleternity.hatenablog.jp

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 森下は8月14日生まれの ”やらかす奴” 、そうご紹介してきました。ここまで成績自体は冴えませんが、相手チームの攻めがプロ以上にえげつないのでやむを得んでしょ。生田さんなんて、自分が指揮する侍Japanに森下を呼んだ際は、”日本球界の宝” だなんて持ち上げておいて、公式戦で敵となったら「ぶつけてでも抑えろ!」 ですからね・・・・。

 私の森下の評価について、言を俟つことはございません。俎板の鯉の気持ちであります。厳かな気持ちで17時を迎える所存です。できれば巨人に入って欲しいが・・・・。

 果たしてどんな結果になるのやら、それでは皆さま、よいドラフトを!

2022 ドラフト 大社編 など

 今回は大社編。昨日の段階で、今年の1位には高校生が三人(浅野、斎藤、イヒネ)が決定。恐らくそこに松尾、内藤が加わると思われるので計五人。残りの枠は七。ということで大社がそこを埋める計算となる。

 すでに矢澤は日ハム、蛭間は西武、曽谷がオリックスからそれぞれ1位指名を確約されているので、残るは四人。その顔ぶれに注目が集まる、今年のドラフトも気が付けば最終盤である。

 ではお薦めの投手から駆け足でどうぞ。

<本日の駆け足>

 入札お薦め投手

吉村 貢司郎(東芝

 例年でも入札1位の実力があると思います。制球、球威、変化球、すべてにおいてプロ仕様。未来図は摂津。大人しいテイクバックから、ダーツで的を射るように淡々と打者に向かって投げ込む。私に言わせれば、年齢以外で1位指名に支障をきたす要素はない。がっ、依然彼の指名を公表するチームが現れないのは寂しい限りである。

 今シーズン後五勝できれば、そんなチームは多いと思う。今からでも遅くはない、楽天あたり、飛び付くべきかと思うのだが。

 菊池 吏玖(専大

 菊池はパツと見、タイプ的には大商大時代の岡田を彷彿とさせる。安定したフォームから150㌔台の速球を当然のように投げ込む。コントロールも悪くはない。変化球もそこそこ。特にツーシームでかわすピッチングは、ここ二三年のドラフト上位大学生にはなかった芸当。引き出しも多い。こちらも1位入札があってしかるべきと思う。

 曽谷 龍平(白鷗大)

 パワー系左腕。ゆったりとした腕の振りからミットを突き上げるようなストレートは脅威。ただコントロール、変化球の精度に甘さを感じる。更には立ち投げなので硬いプ口のマウンドと合うのか、というのもある・・・・。

 相性の良い投手コーチに出会えば、来春開幕から飛び出すような潜在能力の持ち主。しかし、基本は一年半はじっくりと下で鍛えるべきだろう。投手陣に余裕のあるオリックスが絶妙のタイミングで名乗り。認めたくはないが巧者といえるのかもしれない、腹立つ。

 以上の三人については、例年でも入札クラスではないでしょうか。

 その他上位候補選手

矢澤 宏太(日体大

 ”二刀流!”。このギミックでちょうど一年前、”来年は矢澤の年!” と囁かれたものでした。しかして注目の最終学年、矢澤の爆発はなかった。評価も当然のように凪を迎えたようであったが、敢然とそこにギミックごと喰らいついた強者が一人。”一体誰なんだ?” 数多の視線が交錯するその先にいたのはもちろんあの漢。「あっ、なぁーんだ新庄か、納得」 ってことで一件落着。ここまではそんな感じ。

 タイプ的には投手でいうならDeNAの東、打者としては同じくDeNAに出戻った藤田。因みに今の筋量なら打者では通用しないと思います。仮に来春どれだけ紅白戦やオープン戦で打っても投手一択。今は亡き関根さんがこんな感じだったのかなぁ、そんな風に想像しています。

 蛭間 拓哉(早大

 風格を感じる。居合抜きが似合う。ここ一番での強さも身に付けている。しかし東大専用機のそしりを拭うような大活躍はこの四年間、実はなかった。守備の動きも高山ライクで、レフトが無難か。生粋のバットマンではあるが、どうも何かが足りない気がする。それは飛距離か、身体のキレか、それとも荒々しさか? 正直、そのすべてなのかもしれない。

 結局、子供のころから縁のあったナべ久が強権発動で西武の1位確定。そこまでするのなら2位で囲い込めばいいのに、根本が泣いている。

 田中 幹也(亜大)& 友杉 篤輝(天理大)

 この二人、1位や2位の前半で獲るようなチームが出たら、ファンは荒れるでしょうね。見てみたいような怖いような・・・・。明日は我が身か。できれば2位後半から3位で獲りたい。二人は並びで指名されるような気がする。

 金村 尚真(富士大) 

 緩急を使える頭脳派右腕。コントロールも抜群。こちらの完成系も吉村同様摂津。ただ怖さが無いのが気がかり。しかし今更それを後付けするのは不可能。となると生命線はストレートの回転軸。12時は無理にしても、限りなく1時ぐらいに持っていくことが必須に思う。恐らく富士大にはラプソードが、とうの昔に西武から貢がれているだろうから、今頃頑張っているのではないでしょうか。

吉野 光輝(トョタ)

 小柄で細身の右腕。決め球のフォークは恐らく今年の候補中NO.1ではないか。怪我が気になるが、2位までに消えるのではないでしょうか。

高野 修汰(日本通運

 あれだけ高い角度から投げ下ろす左腕はそうはいない。ゆえに身体の回転はぎこちない。しかも腕は遅れてくる。左腕特有の左打者の背中から来るような球はないが、あの独自のアングルは魅力。打者は左右問わず嫌だと思う。セットアッパーに是非欲しい、そんな球団は多いはず。こちらも2位があるのでは。

 ここまで大学・社会人の上位候補、都合10名、駆け足でご紹介しました。あまりにも高校生編と比べて熱量、というか情報量が足りないぞ、そんな声が聞こえてきます。しかし、仕方ありません。ドラフトは明日、時間がないのです。できるだけ多くの選手について書こうとするとどうなるか、判るでしょ!

 元々ドラフト後にマイペースで球団別で寸評する方針でしたが、気が変わって今回は実験的に上位指名予想をやってみたくなって、それでこうなってしまいました。

 ドラフト当日の明日の朝、私の評価と、ドラフトの予想と、「野球太郎」の評価と「日刊スポーツ」の評価あたりを一覧にしたものを、リストにまとめたいと思っております。

 作成中ですがこんな感じ、

 できるだけ多くの候補選手を載せたいと思っております・・・・。

 またハジメなのか?

 最後に大社ではなく高校生なのですが、広島から突然1位指名が公表された斎藤について。

 この指名、どうも怪しい。そもそも広島の補強ポイントからズレてる。現場が出した結論には思えない。裏で何か動きがあったのか・・・・。ズバリ申し上げれば、松田元オーナーが噛んだのではと睨んでいる。

 確証はない。しかし、営業面を考慮したものであったり今回の西武のような緩めのトップダウンであったり、そんな選択にも思えず、悪く言えば行き当たりばったりな指名、 つまりハジメが遊んだとしか思えん・・・・。

 

 この夏、新球場の視察の名目で社費で北広島を訪れたハジメ(71歳:独身)、泊は札幌にして当然のようにススキノに立ち寄る。

 以下、鼻の下を伸ばしきって訪れた馴染みのキャバクラにて、

嬢「あら、ハジメちゃん久しぶり ♫」

元「ほうじゃのう。」

嬢「そうそうアタシ、折り入ってハジメちゃんに、相談したいことがあるのよ!」

元「ほうね、なんじゃろ?」

嬢「実はぁ、アタシの弟が野球をやっていて、甲子園を目指してるの。」

元「そうなんじゃ。」

嬢「でっ、将来はプ口野球選手になりたいって、子供のころから言ってるのよ、あの子ったら。」

元「ほう。」

嬢「ハジメちゃんって、カープの偉い人なんでしょ?」

元「おうよ、オーナーじゃけのう。」

嬢「お、オーナー、・・・・、素敵!」

元「おうよ!」

嬢「オーナー、アタシの弟の、夢を叶えてやってほしいのぉ、お願い!」

元「そ、そりゃあ・・・、わしは全権オーナーじゃけのう!」

嬢「夢みたい、アタシ嬉しい、オーナー!」

元「おうよ!」

嬢「ちょうど今、夏の予選をやってて、明日、試合があるの、一緒に見に行かない。」

元「い、一緒に・・・・。あっ・・・ア・・アフターってやつかいのう?」

嬢「そうそう、アフター、お昼のアフターよ!」

元「・・・昼・・・?????」

嬢「そうと決まれば、明日、十二時に球場の前で待ち合わせましょうよ。よーし、アタシ、これから早引けしてお弁当作る、頑張るわーっ!」

元「ええっ、球場・・・・、早引け・・・????」

 

 そのあと、ハジメは執拗に迫ったようであるが、軽く肘鉄を喰らいあしらわれたことはいうまでもない。

 翌日、丸山球場に、若いお姐ちゃんと手を繋いで入場するハジメの姿があったという。

 ネット裏でコンビニおむすびと、からあげクンを方張りながら、左手でメモを取る振りをするハジメは終始脂下がり、ご満悦、といった趣であったそうだ。一丁上がり、そんなところだろうか。

 

 これはもちろん妄想に過ぎない。だが、斎藤の1位を公表したのが、白武というのも腑に落ちない。普通は苑田と思うのだが。つまり部長ではなく統括部長の役割のはず。他人事ながら胸騒ぎがするのである。

 

 本日は以上です。それでは明日、ドラフト当日の朝、作成したリストをお披露目する予定です。それでは・・・・

2022 ドラフト 高校生編 Ⅱ など

 なんだかんだでドラフトまで一週間を切りました。マイペースを旨とはしているものの、後三度は更新したいところ。なので足早に進めたいと思う。

 それでは高校生編の続きをどうぞ!

<本日の足早>

 先日思わせぶりに次回は松尾などをと書きました。名門大阪桐蔭の扇の要、その松尾から書かせていただきます。

 松尾 汐恩(大阪桐蔭

 実は夏の大会の最中、松尾には大きな欠点があると書いた。このあたり、

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 現状ではインコースのストレートは少々甘く入っても打てないだろうとし、

 ”根拠ですが、まず松尾は左腰を開くのが早いところにある。そこは本人もかなり意識しているようで、トップを深めに取り、上半身を必要以上に捩じってみせるのは、少しでも左腰の開きを我慢するためではないか。そのため投手から見れば背番号がはっきり見えるほど。

 しかしそれでも左腰は早く開きがち。本来打者は前の肩と腰のラインでギリギリまで壁を作り、そこで溜め込んだ力を一気に爆発させスイングスピードに活かす。しかし松尾のように壁を作り切れず、左腰が先にほどけてしまうと、その分スイングの始動、初速が鈍くなるよう思います。そのため身体に近いインサイドのストレートのポイントに対してはバットが間に合わない。”

 と書いた。

 まぁそもそもインコースを綺麗に捌いて見せる高校生なんていません。がっ、それ以上に左腰の開きの早さが気になるということ。

 ただプロで大成した選手でも、左腰の開きに問題を抱えていた打者はいくらでもいました。例えば今岡もそうでしたし二岡も同様。

 今岡は野村に干されながらも四年目ぐらいには矯正できていた。二岡は左肩で踏ん張って、回転軸を斜めにしながらもその欠点を自分のものに取り込んでいった。つまり癖の範囲で収まり大事には至らなかった(二岡はもう少しやれたとは思う)。

 だいたい長嶋も山本浩二も落合も左の腰の開きは早かった。なのでそこについて殊更あれこれと言うつもりはない。

 松尾について過去の選手の姿を重ねてまで考えたいのは、今岡や二岡にしても、下のカテゴリーにいた頃にどうだったのか、といったところ。つまりは、東洋大時代の今岡や近大時代の二岡にはそういった癖はなかったのだ。プロ入り後早々、えげつないインサイド攻めに仰け反らされ、アウトコースのスライダーに泳がされているうちに、左肩から腰のラインや壁を崩されていったわけで、結論を急ぐなら、高校のレベルですでにそれが崩れている松尾をどう評価すればいいのか、そこに尽きる。

 甲子園でホームランを連発する右のスラッガーは、ほぼ毎年現れます。松尾とよく似たタイプはといえば、ここ十年なら中村奨や北條を思い浮かべる。正直、二人とも良いバッターだと今でも思ってはいる。まだ何とでもなる、そう思う反面、ここまでの空回りに、一ファンとして喪失感を感じてもいる・・・・。

 元々この二人、癖持ちであった。中村奨は金属特有の衝突打ちを、北條は軸足をズラす上に膝の送りの甘さを、それぞれ抱えていた。

 正直、松尾の上位指名にはリスクを感じる。ただ、彼は左軸に重心が残りステップの幅が狭いところに光明を感じてはいる。我が阪神の1位指名も囁かれているだけに、彼の将来に幸多かれ、そう願わずにはおれない。

 捕手の上位指名に物申す!

 ここで松尾から少し話が逸れるのであるが、捕手の上位指名について思うところがあるので書いてみたい。

 正直、これを調べながら作ってて心底疲れましたわ、誰か誉めて・・・・。

 もうあんまり書く元気もないので、気が付いたことだけまとめると以下の通り、

・ 上位指名の歩留まり悪し(1、2位の討ち死に13人、1位で文句なしは森のみ)

・ 3位指名の正捕手が多い

 上の表をどう見るか意見は別れると思うのですが、上位下位に関係なく歩留まりが悪いような・・・・。アマの捕手の見極めには各球団苦労している、そうも感じる。

 それと高卒の正捕手は4人(中村、曾澤、森、田村 ※ 松川は保留)のみ。やはり高卒の捕手上位指名はリスクが高いように思う。

 ここで再度松尾について触れておくと、彼については捕手というよりも野手という括りで評価したほうが良いと思うのですが、いかがでしょうか・・・・?

 それとスカウトに捕手上りが少ないのも、評価が上手くいかない一因であるかもしれません。

 捕手経験者は引退後裏方に回るにあたりいろいろと他に需要があるので、なかなかスカウトにまで辿り着かないというのもあるのか。ただ令和の昨今、打撃コーチには右投げ左打ち専用が一人は必要、とか言われていますので、捕手専用のスカウトがでてきてもおかしくはない、そんな風に考えたりしています。

 イヒネ・イツア(誉)

 ソフトバンクが宣言しましたか・・・・。ドラフト当日、結果的にどこかが手を挙げるとは思ってました。そこに早々の1位表明。ソフトバンクなら確かに、そう肯いてみたり、これ以上奇をてらうのはやめた方がと思ってみたり、まぁある意味この十年、球界のパイオニアであり続けたわけですし、行くところまで行ってもらいましょう。


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 不作の今年なのだから、1位指名は当然ありだと思っています。

 でっ、ここで ”身体能力” の高さと野球の関係について、少し書かせていただきたい。

 ”身体能力” の高い選手は、一般的に習得が難しいだろうと思われている技能でもすぐに自分のものにする、そんな傾向があるというのは色んなスポーツ現場から漏れ伝わってくる。恐らく野球においても同様の部分はあるのだろう。

 しかして野球界には旧態依然とした体質が残っている。また、打撃や守備においては ”技術” という側面も色濃く、それ故に ”野球道” などと語られたりもする。「良い選手になりたければ、近道などないと思え!」 そんな説教を繰り返し聞かされたものです。

 特に高校野球においては指導者と選手の間で、チームとして個として、上を目指していくのならその道すがら、少なからず軋轢はあるもの。

 指導者「冬場はこのメニューで練習やっておけ!」

 選手 「・・・・わかりました、でも、それに意味とかあるのでしょうか・・・・」

 指導者「い、意味・・・・? 黙ってやっとけや!」

 選手 「でも、やってみたい練習は他にもたくさんあるし・・・・」

 指導者「先輩はみんなこれで上手くなったんだ!」

 選手 「人は人だし、自分たちに合った練習方法について考えてみたいので・・・」

 指導者「やかましーっ! 何度も言わすな、黙ってやれーっ!」

 まぁここまで極端かどうかは置いておくとして、ドラフト候補の選手を生み出す過程においても、決して一筋縄では収まり切らないドラマがあるのだと思う。

 上のやり取りが一概に良いか悪いかは判りません。ただ野球が ”確率” のスポーツであることを踏まえるならば、一理あると思える部分はある、個人的にそう思う。

 たとえば、投手がアウトコース低めに150㌔の球を何球も続けて投げられたとしても、また打者がその球をバックスクリーンに打ち返せても、共にそれが月に一度というのならお話にはならない。更に言えば、その投手が三度の登板に一回、打者が十試合に一度、それができるようになっても同様に駄目だろう。つまり、プロになるべき選手に問われてくるのは、自らのベストパフォーマンスの ”再現性” であり、選手の優劣はそこに集約されると言っても過言ではない。

 あえてパラフレーズするならば、身体能力の高い選手が、教えたらその日のうちに150㌔の球をアウトコース低めにビシバシ投げられるようになりました、ということと、それができるようになった選手が、登板の度に、毎イニングどの打者に対しても、またどんな局面でもそれができるまでになった、というのは別の次元の話だということです。

 はっきり言えば、”再現性” については、”身体能力” との因果関係は薄いのではないか。というのは、江越を眺めていてつくづくそう思えてしまう。因みに江越の打率におけるキャリアハイはデビューの年で、ピークはと言えば四試合連続本塁打を記録した二年目の4月。更に申し上げるならば、入団直後の春のオープン戦の段階で、走攻守において今できているレベルのことはすべてクリアしていました・・・・。

 愛すべき選手であり、阪神を離れて欲しくはないと思う反面、さすがに何とかならんもんかと思わず考え込んでしまいます。

 確か一昨年だったか、MLBとNFL、NBAの黒人選手の比率について書いたことがある。

tilleternity.hatenablog.jp

 五年前の数字ながら、MLBにおける黒人選手の比率はたったの7.7%。NFL、NBAはそれぞれ、69.7%に74.7%。アスリート大国アメリカにおけるこの数字をどう見るか。MLBはアスリートから見放されたという向きもあるのだろうが、恐らくそれだけではないと思う。ベースボールの特殊性を垣間見る思いです。

 野球界における双子問題

 脱線ついでに ”身体能力” と野球についてもう一つ。

 野球界では双子が共に活躍した、というケースがほとんどない。因みにサッカーでは結構よく聞く話である。個人的に二十年前までは、W杯やヨーロッパ選手権を真剣に観ていたので、双子選手と言えば、例えばオランダのデブール兄弟やケルクホフ兄弟、またスウェーデンのラヴェリ兄弟などが、サッカー界沸かせた双子の代表と言えるのではないか。

 今でもサッカー界には双子の活躍例は多いと聞く。

www.soccer-king.jp

 ラグビー界においても、イングランドのアンダーウッド兄弟や、国内では彦坂ツインズが記憶に新しい。

 では野球界はどうか? この秋ソフトバンクを離れる松田には双子の兄がおり、結局プロにはなれないまま社会人野球でキャリアを終えた。その昔、我が阪神の暗黒期に、アスレッチックスの本塁打王カンセコの双子の兄がMLBではパッとせず、日本の弱いチームなら何とかなるやろ、って感じで売り込みを仕掛けてきたことがあった。結局、”うちには和製カンセコ(金子:田丸案件)がいるので” ってことで断りを入れ難を逃れた。確か近鉄が引き取ったと記憶している。無論まったく駄目だったということは言うまでもない。

 双子の兄や弟は、本人にとって最も自分に近い ”個体” であることに間違いはない。それは ”身体能力” という点においても同様だろう。にもかかわらず、日米野球界において成功事例がほとんどない(まぁ、あえて言うのなら、この国の野球における双子の成功事例は達也、和也の上杉兄弟だけだろう・・・・)。

 ほぼ同じ ”身体能力” の持ち主だというのに、これだけの差が出るというのは何故だろうか? あえて持論を続けるが、その謎を解く鍵は ”再現性” と、それを支える個の能力にあると思っている。

 ベースボール界では修行に準じるプロセスが、形を変えながらも残っているのだ。また日本球界では逸材発掘において、”次男を狙え!” というのもあって、そのあたりについてはいつか書いてみたいと思う。

 内藤 鵬(日本航空石川

 恐らくは1位で消えるであろう候補の一人である。スイングスピードは確かに群を抜いている。一方で、DeNA細川や、ソフトバンクのリチャードとどう違うのか、という声も上がっているようである。もっと動画のサンプルを観なければという気もするが、私もそこに一票だ。もちろん細川もリチャードも良い選手だと思ってのことである。

 西村 瑠伊斗(京都外大付)

 京都の王貞治、だそうです。去年の秋五試合5発。この夏は六試合4発。特に夏の打席数は18、四死球は実に10。まさにマークされる中で本塁打を量産したと言える。
 本人は王さんの昔の画像も入念にチェックしているとのことだが、右投げ左打ちの彼がいくら真似たところで、左投げ左打ちの王さんの一本足打法の完コピは無理だと思うが・・・・。

 つまり、あの門田も片平も、左投げ左打ちだからこその話。ただ、彼の一本足も良い感じではある。例えるならば長島政権下で王さんの前を打ったこともあるスイッチヒッター 口イ・ホワイト。彼も来日してすぐ世界の王のオーラに平伏したのか、左では一本足を試していた。そして結構な域に達してもいたのだ。なんとなく打席で猫背気味な今の西村の姿と被る。
 個人的には高校時代から一本足というのはどうか、といのはある。高いレベルの野球に触れ、体が前に流れボールを迎えに行ってしまうのを何とか堪えるための苦肉の策、それが一本足のように思うからだ。つまりあのレジェンドイチローも、高校時代から振り子をしていたわけではない、そういうことだ。
 この選手についてもプ口がどのように評価しているのか知りたい。打席の彼はサイズ以上に小さく見えるが、マワンドに上がればMAX145㌔の右腕であることも申し添えておこう。猫背ながらきっと背筋も強いのだろう。

 三塚 琉生(桐生第一

 西村同様注目している投手兼外野手が桐生一の三塚、こちらは左投げ左打ち。彼こそ一本足をと思ったりするのだが、だから取り上げたというわけではない。今年の高校生でスイングから凄みを感じるのはまさしく彼だ。
 右打ちの大砲の希少性が声高に叫ばれる昨今ではあるが、実はその裏で、同様に左投げ左打ちも絶滅寸前、大砲どころかその存在自体が激減の傾向にある。今年など探してみるとセリーグは近本、 パリーグは島内ぐらいか。言うまでもなく共にアベレージヒッター。真の左の大砲はすっかりと途絶えて久しい。

 減った理由は右打ちの希少性が声高に論じられる背景と同じ。こいつはという身体能力の高い右利きの選手が、少年野球の頃から左打ちに変えられてしまう。つまり増殖する右投げ左打ちの煽りを食って、実は左投げ左打ちも人知れずベンチや控えへと追いやられているのだ。

 利き腕でバットを操作できる右投げ左打ちは上違が早く重宝される。逆に右投げ右打ちや左投げ左打ちの打者は、育成に時間が掛かるというのもある。きっと目の前の結果を欲しがる指導者から敬遠されるのだろう。
 アウトコース低めをセカンドの頭どころか右中間に持っていく、そんな左投げ左打ちの打者にしかできない巻き込むようなスイングを、三塚は体現できる逸材である。絶滅危惧種代表として指名して欲しい。
 ちなみにこちらも元エースで最速は144㌔だそうです。観たことはないけど付け加えておきますね。

 本日は以上です。