Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

森下ウオッチャー回想記 Ⅰ

 阪神ファン兼ドラフトオタのみなさん、お疲れさまでした。一昨日は興奮して、もしくは落胆で寝つきが悪かった方も多かったのではないでしょうか。まぁ私はというと、比較的ゆっくりと眠れましたけど、その代わり朝は早めに目が覚めましたね。やっぱりスポーツ新聞を報知以外全紙買わないといけませんから、ええ。

 というわけでまさに今、阪神森下誕生ということで、彼の未来図以上に、いったいどんな選手なのか、興味のある方も多いことでしょう。そういう需要を見込んで、また個人的な記念という意味も込めて、この五年間におよぶ森下ウオッチャーとしての日々について思い返してみたいと思います。

 <本日の需要と記念>

 2018年の選抜

 今を遡ること4年前の春先の話、私は毎年、選抜特集号を購入して主要な選手の生年月日を調べるのをルーチンとしているのですが、第90回記念大会の前にも当然のようにそれをしました。目的は8月中旬生まれの選手を探すため。そのあたりについてはここでも書いています。

tilleternity.hatenablog.jp

 実は私は占いにも結構興味があり、8月中旬生まれはスポーツ界、特に日本野球界において、特別な能力、付加価値を秘めた、いわゆる”持ってる男”、”やらかす奴”が多い、常々そう思っています。その傾向は甲子園で顕著であり、そこで何かを起こす可能性がある、そんな気がしているのです。このヨタ話に説得力があるかないかについては、下の表でも眺めてご判断いただければ幸いです。

 因みにですが、森下が生まれた8月14日は、初代ミスタータイガース藤村富美男と同じ。佐藤輝が神様バースと同じ誕生日であるように、森下の阪神入団は生まれた時からすでに決まっていたのかもしれませんね。今更ながらに気づきましたわ。

 まぁ当時はそこにまで思いを巡らせてはおりません。つまり森下が数年後どの球団に入るかなど微塵も考えていなかった。ただただ8月中旬生まれの一人の球児、東海大相模の主軸選手として注目してみよう、そしてついでにドラフト候補なら一石二鳥だな、そんな感じでした。

 高校時代の森下翔太

 来月ぐらいにきっとGAORAが、今回のドラフトで指名された選手のセンバツ映像を特集するでしょうからぜひ観ていただければと思うのですが、高三春の森下は細身でバネはありますが長距離砲には決して見えませんでした。

 一番気になったのは打席で構えた際のグリップ。右手でバットをしっかりと握り、リードする左手で軽くバットを握ったり離したりを繰り返していました。”それ逆や!” 思わずそう画面に向かって突っ込んだのを覚えています。

 当時というか今もですが、森下は利き腕の右手でバットを煽るタイプの打者。高いバウンドのサードゴロやショートゴロが多いのはそのため。いわゆるコネるというやつ。そういうタイプの打者に対して指導者は、右手主導で振りにいくことを矯正するために、構えの段階でバットはできるだけ左手で握るように、利き手の右手は柔らかく添えるだけでいい、そのように躾けるのが常です。しかしあろうことか名門東海大相模というのに、それができていない。私は仕込みの甘さを痛感し、もし近畿の名門校ならこういうことはないのに、そう思うと同時に門馬さんの性格や方針も感じ取るに至っていました。

 門馬スピリッツ

 東海大相模は日本高校球界を代表するチームですが、少し特殊な点があります。それは選手の数。優に百人を越えるのです。毎年全国制覇を目指す超ハイレベルの高校にしてはその規模は際立っており、例えば高嶋時代の智辯和歌山などは一学年十人限定、つまり三十人の選手しか在籍させません。選手への指導が行き渡ることや卒業後の進路を鑑みるとそうならざるをえない、というのが高嶋の自らの方針に対する常套句。正直どうかと思うのですが、因みに大阪桐蔭や横浜などで五~六十人ほど、だいたいこれぐらいの所帯のチームが多いようですね。

 東海大相模は北は北海道から南は沖縄まで全国から選手をスカウトしますが、それ以外でも来る者は拒まずの方針であり、練習もできるだけ平等にさせることを旨としているようでした。ですので特定のエリート選手にだけ手厚く指導する、ということは比較的ないように感じます。少し話が長くなりましたが、森下に対する仕込みの甘さはこういう点にあるのだろうな、仕方がないか、そんな風に思ったのを覚えています。

 もう少しだけ当時の門馬東海大相模について触れると、私はこの方針にある種の正しさを感じています。高校野球は教育の一環であり、決してプロ養成機関ではありません。多くの選手、つまり上手いも下手も玉石混淆となるから化学反応が起き、選手は人間的にも成長する、そう思うのです。

 森下のモットーは今もって、”アグレッシブベースボール”。これは門馬東海大相模のモットー。つまり森下は門馬さんのスピリッツを受け継いでいると言えるでしょう。

 また門馬さんは選手たちによくこうも語りかけていました。「応援される選手に、チームになれ!」。きっと森下はこの言葉をも胸に、虎の一員になってくれると信じています。

 本日はここまで、続きは明日以降で。