Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

Rの時代 Ⅱ

 本日、対 All Blacks XV 戦、 17:00キックオフである。9月からのW杯における日本代表の活躍を占うー戦、そう言われている。まぁ昨日、そうはならないよ、と書いたわけなので、個人的には冷えた目線で眺めることになると思う。ただ注目ポイントがないわけではない。特にラックへの寄り、セカンドマン、サードマンがどういう動きをするのか、彼らの役割分担はできているのか、そこはしっかりと見ておきたい。

 ありゃりゃ、というターンオーバーがあったりしたら、ラックに持ち込んだ選手に責任はない、そう割り切って見ようと思う。ラックに人数を掛けないチームは確かにある。そういう対戦相手の方が日本は相性がいいようにも思う。しかし、もしAll Blacks XV がこちらのボールのリサイクルに淡白であったなら、日本に攻めさせても大丈夫、というシグナルであろう。

 スーパーラグビー上位チーム同士の対戦を眺めていると、ラックへの寄りとそこからの攻防には目を見張るものを感じた。しかも常に組織的にボールの争奪戦を仕掛けるという動き。それが見られるのかどうかで、All Blacks XV の今回の日本代表への評価も判るのではないか。

 ブラウンいわく、All Blacks XV はW杯準決勝レベルのチーム。そうであることを祈り、勝敗以上に日本代表が良い経験を積むことに期待する。



 今回の代表選手の選考に綾をつけるつもりはないが、さすがにもう少し捻って欲しかった。恐らくはブラウンや藤井さんあたりで選んだのだろう。思うに観点はディフェンス。ここはわれわれ素人には判らない部分。前回の代表チームからの一貫した流れであろう組織ディフェンスへの理解、それができている、そうでない、できそう、できそうにない、 というフィルターに掛けた結果であるのだろう。ただ、若手がいないのが残念でならない・・・・(震声)

 ティア1の各チームには生きの良い二十代前半の選手が結構いる。羨ましくないと言えば噓になる。まぁ、よその国はあくまでよそなので置いておくとして、国内の他のスポーツはどうか?

 まずはサッカー、

web.gekisaka.jp

 続いてバスケ、

sportiva.shueisha.co.jp

 次に野球、

www.nikkansports.com

 最後にバレー

www.nippon.com

 

 ”鮮烈デビュー” に、”八村級”、”最年少”、そして ”期待の21歳”・・・・。直近の事例ばかりではなくて申し訳ないのだが、何故わが国のラグビー界には、こういった存在がいないのだろう・・・・。四年前とコアメンバーにそれほど変化がないのは、これといった選手を探し出し、鍛え、そして試す、そういう場がなかったからではないのか?

 まぁこれを無理くりサンウルブス喪失に結び付けるつもりはないのだが、結局、そういう次世代の選手を育成する、もしくは代表クラスの選手層を厚くする、そのための場を作るといった役割を、日本協会が自分たちの仕事だとどこまで捉えているかに掛かっているのだろう。

 今日は暑いし眠いしで、これ以上は書けないのですが、上の記事の最後の男子バレーなどは、協会の酷さ加減でいえば、ラグビー日本協会とタメを張るんだけどね。ところが今回は破竹の勢いで勝ち進んでいます。決勝Rに入ればまた違ってくるのでしょうけど。

 とにかく、ラグビー日本協会はしっかりと仕事をするように。ホント、書いていてストレスが溜まります。あーっ蒸し暑い!!

 さてさて今日の試合が果たしてどうなるかは判りません。がっ、このどうにもむしゃくしゃする気持ちを晴らしてくれる、そんな闘いをお願いします!

 

Rの時代 Ⅰ

 ラグビーW杯まで後ニヵ月。週末には最初の対外試合が行われる。vs All Blacks XV、相手にとって不足はない。これを皮切りに国内で5試合、ヨーロッパでイタリアと1試合、立て続けに腕試しは続く。私も月末には花園に行く。恐らくラグビーファンにとってこれからの二ヵ月、あっという間に過ぎていくのであろう。まったく砂時計の上にいるような気分で落ち着かない。だが、私なんぞどこに落ちようが砂まみれになろうが構わない。もっと心配なことがある。果たして今回の日本代表がどこまで闘えるのか、これに尽きる。

 私にとってこの四年間とは、ラグビー日本代表の現在地を探し求める日々であった。

 世界と闘えるのか? サンウルブスが無くて大丈夫か? リーグONEはプロの集団になったのか? 大学ラグビーはこのままでいいのか? 花園のレベルはどうだ? そして世界のラグビーはどこまで進化したのか・・・・?

 恐らくそれらの答えのすべてをW杯2023での日本代表の闘いが、ーつーつ、丁寧に、判り易く、目の前で紐解き、明らかにしてくれるのであろう。その時、できれば暗い気持ちで答え合わせをしたくはない。結果が伴わなくても、前向きになれるものを見つけたい、そんな思いである。

 

 まずはここでどこよりも早く、W杯における日本代表の闘いを占ってみたい。まぁ控えめに言うのであるが、勝利は初戦のチリ戦のみ。イングランドには前半拮抗も後半突き放され、サモアには前半から圧倒され、後半の最後にらしさは見せるも追いつけず、そしてアルゼンチンには力負け、そう予想する。できれば外れて欲しい。良い方向で裏切られることを切に願う。

 今大会の日本代表に対するメディアの注目度は、どうやらわれわれが思っているよりも高い。前回もそれなりの扱いだったが、日本開催であったことを割り引く必要がある。四年前の快進撃でライト層が振り向いた、今回も振り向けることは可能との読みであろう。

www.chunichi.co.jp

mainichi.jp

 

 二戦目となる対イングランド戦のチケットは全体で5番人気。日本代表の試合がアウェーのW杯でプラチナ化しているのだという。嘘のような話ではないか。こう来れば、それより上の四試合の組み合わせも気になる。恐らく開幕戦のフランス-NZ戦がダントツ。フランスーイタリア戦もTop5に入っているであろう。前回覇者南アフリカアイルランドスコットランドとの戦いにも注目が集まる。となると日本ーイングランド戦は、プールCの一抜けを賭けたオーストラリアーウエールズ戦と肩を並べる、そんな格付けであろうか。もちろん相手がイングランドだからであるが、それでも立派になったものだ。名誉なことである。

 イングランド大会のその直前、エディーが日本代表を、対戦相手から、そして海外の観衆からリスペクトされるチームにする、そう宣った。当時、まぁええけどさ、結果を残してから言おうぜ、そう思ったものだ。あれから8年、日本代表はよくやってきたと思う。できればこの地位を失いたくはない。今回もしっかりと世界に爪痕を残す、そんな大会にしてもらいたいと願う。恐らくここを訪れる多くの方も同じ思いであろう。

 

 先ほどネガティブな予想をした。対外試合やテストマッチをじっくりと眺めてからそれをしろよ、そういう見方もあるだろう。がっ、その必要はない。仮にAll Blacks XV に為す術もなく敗れたとしても、日本は過酷な合宿明けであり想定内、そんな言い訳が先に来る。

 ではトンガやサモア、フィジーはどうか? クソ熱いうえに湿度の高い環境下で、彼らがベストのパフォーマンスを見せるわけがない。特にサモアは手の内を隠すだろう。仮に同じメンバーであってさえ、9月にはまったく別のチームが待ち受けている、そう思ったほうが良い。つまりアイランダーたちとやる三試合もまた、参考にはなりはしない。

 もしかすると8月のイタリア戦でのみ、滅多に観れない牽牛織姫の逢瀬のようにその片鱗を垣間見ることができるかもしれないが、結局のところ日本代表の現在地は、W杯のその蓋を開けるまで判らない。サンウルブスを失ったその喪失感を、梅雨空を恨みながらしみじみと感じる次第である。

 最後に先のネガティブな予想のその理由を記しておきたい。やはりセットプレー、特にスクラムに問題が生じると見る。

 去年のトゥイッケナムでのイングランド戦、前半全くスクラムを組ませてもらえず惨敗した。なぜ日本はスクラムであんなに反則を繰り返したのか? もちろんいろんな理由があるのだろうが、私の見立てはといえば以下の通りだ。

 この二十年間、スクラムはルール改定を繰り返し、組み合う一列目の間隔が狭くなった。コールもエンゲージからセットへと変わた。それにも熟れてきた現在、その短くなった距離の中で、いかに間合いを取って相手一列に有効なプレッシャーを掛けられるかが鍵となろう。特に対日本であれば、まずはそこで積極的に仕掛けてスクラムの優位を、序盤で一気に決めてしまおうという狙いになるのではないか。もちろんレフリーへの印象操作という側面もある。

 日本人の一列目はやはり身体が小さい。骨組も残念ながら世界レベルで言えば太くはない。その体格差を活かして仕掛けてくるプレッシャーとは、ルールの許す範囲で距離を置いて、そこから速く強く組む、ある意味エンゲージ時代のヒットに近い衝撃を相手に与えることを意図するものになるのであろう。

 そう思ってあの日の具や坂手の表情を見ていると、組んでからの押し込みや、揺さぶられてからどうこうではなく、とにかく先制パンチともいえる一撃に面喰った、といった印象であった。

 こうなると相手からすればしめたもの。こちらの一列は、何とかそのぶちかましの衝突を和らげようとするであろうから、少しでも距離をつめようと自然前のめりになってしまう。結果、そこからコラプシングやアーリーエンゲージを誘発するというロジック・・・・。このイングランド戦序盤の光景が、以来脳裏にこびりついて離れない。

 更にここから踏み込んで想像するなら、サモアやアルゼンチンは前半の15分間、そこで組むスクラムが全てとばかりに渾身のー撃を加えてくるのではないか。無論彼らも消耗するのであろうが、極端に言えば残りの65分間のスクラムは組んでいるだけで構わない、とにかく前半の15分で日本の一列目を粉砕せよ、対日本の戦略としては、これが一番正しいように思う。

 ではどうすればいいのか・・・・?

 長谷川コーチの手腕やうん千万したというマーシンをもってしても対応できるのは相手八人による押し込みや、一列二列目が仕掛けてくる左右からの圧力、つまり揺さぶりまで、最初のヒットだけはどうにも打つ手はない。そもそもが、ヒットでもエンゲージでもなくセットなのだが・・・・。

 調布でスクラムを星屑のように粉砕されたあの日以降、一列目はほぼ日本の選手とばかり組んできた。その代償を四年に一度の祭典で払わされることになるのでは、そう心配する星祭の朝である。

ラグビーの醍醐味について

 気が付けば今年も半分が過ぎました。ここまでラグビーについて、下がる話ばっかりしてきました。一ファンとして、少し反省の意志も添えて前向きな話題をできれば良いのに、そう思うこともしばしばあります。ただ私もこういう性格ですから、ここでは計らずも日本協会や新リーグを巡って悪態をついてしまう。自分でもうんざりしています。でも提灯記事ならそこら中に転がっていますもんね。それらと競い合う気はないのです。

 そんな中去年ですか、ラグビーはスポーツベッティングを取り込むべきじゃないか、みたいなことを書いたのを思い出しました、確かこのあたり、

tilleternity.hatenablog.jp

 今年の頭にも書いてました、

tilleternity.hatenablog.jp

 というのは、今月に入ってスポーツベッティング解禁の動きが全国紙を賑わせたようなのです。

www.yomiuri.co.jp

 読売が独自で抜いて、するとすかさず産経が打ち消し・・・・。

www.sankei.com

 何だかなぁ、って感じ。まぁ電通が裏で動いているのなら嫌な予感がします。解禁に安易に踏み切れないのも判る。しかしながら個人的にはやるべきではないかと。力ジノなんかよりはよっぽど良いとも思う。
 では、仮にラグビーくじが導入されたらどうなるのでしょうか? まあネガティブな面では記事中にあるように依存症懸念など。確かにその側面が無いとは言いません。がっ、それならまずはパチンコを早く一掃するなり、会員制にするなりしろと。

 八百長の件も、表の競艇や裏の大相撲よりも、都合30人でやるラグビーは難易度か高いので、その心配は薄いでしょう。
 因みに、ヨーロッパのサッカー賭博市場は、サッカー産業の売り上げと同じ規模だそうですから、今後もW杯に向けて盛り上がること間違いなし。あやかりたいものですね。
 というわけで、もしかしたら身近な話になるかもしれないスポーツくじ。今更ながらですがどんな風にサッカーファンが楽しんでいるのか、この機会に国内も含めてチェックしたいと思っています。
 さらに突っ込んでいうと、できれば Live betting をお願いできないかと・・・・。理由はラグビーとの親和性が高いのでは、そう睨んでいるからです。

 

 

 最近サッカーの試合自体観てないので何とも言えないのですが、サッ力一とラグビーって、根っこは同じスポーツなのに、割と異質だと思うことがあります。
 上手く表現できないのですが、観る側の醍醐味を感じる部分が本質的に違う、そう感じるのですよ。
 例えばサッ力ー観戦中よく、
そこヘパス出すの?

 そんな声を耳にしたことがありませんか・・・・。
 更に辛辣になると、

俺でも出せるんだよ、そんなパス!

 といった台詞を溜め息交じりに聴いたこともあります、今は知らんけど・・・・。

 その裏には、”わかりきった” 、もしくは ”見え透いた” プレーをするな、というのがあるのではないか。
 そこで思う、おそらくはサッカーファンが望んでいるのは、

よくぞそのパス通したっ!
 とか
あの角度、スペースもなかっただろ!
 そう思わず叫んでしまう、そんなシーンではないのか。
 つまり観る側のイマジネーションを超えたプレーが飛び出した時に、ファンとして痺れるのではないかと。確かにそういうプレーを間近で観た際、サッカーの虜になる人の気持ちが判るし、ファンタジスタという言葉の意味も理解できます。恐らくバスケ、特にNBAのファンの方も同じようなところがあるのではないでしょうか。

 ラグビー場合はどちらかといえば逆。試合開始キックオフからの7、8フェーズぐらいまでなら楽勝で予想できる。大袈裟に言うのではなく、セットプレーどころかモールやラックからの数プレーについても大概は想像がつきます。
 なのでむしろ、贔屓チームのプレーでストレスを感じるケースは、
おいこら、そこ一人で行くなっ!

 とか
そんな簡単に蹴るなよ!
 など、想定外のプレーをされた場合が多い。
 実際代表の例でいえば、少し古い話にはなりますが、エディーがヘッドセットを叩きつけるケースというのは、選手が自分の思い通りのプレーをしてくれない場合ばかりでした。

 まとめると、サッカーは

俺の想像の範囲のプレーじゃダメなんだぞ!

 であり、

 ラグビーの場合は

俺の思う通りにプレーしろ!”、

 ではないか?

 そう思ってみると、ラグビーはプレーではなく、ある種演技なのかもしれない。
 たとえば7年前のブライトンの奇跡後半28分の五郎丸のトライは ”府中12内” という演目を、囮を入れれば都合11人の選手(ラインアウトでリフティングをしてた選手とフォローの山田込み)で完璧に演じ切った、そう言えるのかもしれない。
 なんかフィギュアスケートに似てないか?
「トリプルトゥループから、3回転フリップ ー 2回転ループのコンビネーションを挟んで、行けっ、トリプルアクセルっ!決まったーっ!」みたいな。

 それを15人でやろうとするから堪らん・・・・。

 改めて整理するならば、

 ”ゴールが、想像もしない展開で訪れることを楽しむのがサッカー

 ”トライを、期待した通りの流れで奪うのを待つのがラグビー

 勝敗を予想する分には違いは無いが、Live betting のように、 例えば後半最初にトライを奪うのは誰か、これが賭けの対象となるのならどうか?

 ラグビーは試合の流れの読めるスポーツ、裏を返せばそれは予測や予想と言ってもいい。特にこの国のラグビーオタどもはそういうのが好きな気がするんだよね。
 「まずはあそこでああなって、その次はこっちでこうなって、ほんでなんとか持ちこたえたら、あっちは仕方なしに蹴りよるからその次こそがチャーンス!

 花園のバックスタンド中央、近鉄ライナーズのコアなファンたちが、グラウンドを指差しながらダミ声でよくやってる会話。聞いているとまぁ外す時もあるが、結構な確率で当たる。
 ラグビーが好きになり熱心に見始めれば、やがて試合の流れが読み込めるようになる。Live betting が導入されると、花園のおっちゃんたちのように自慢げに大声で展開を語るのではなく、
・・・・来い来い・・・・」、
 小声で両手を握りしめ、ゴールポスト裏でそう呟くファンが出てくるかもしれない。それもまた一興だと思う.
 実際、先のワールドカップアイルランド戦後半、福岡の逆転トライのケース、廣瀬の解説はこうだった、

「(レメキは)囮でですね、中村亮土選手が突っ込んで、攻撃の方向を変えるっていう、ここの、いつもやってますね、はいそうですね、この後ですね、これ史(田中)が逆側行くんすね、はい、はい・・・・
 次にどんなプレーが来るのか、それを俺は知っている。否、選手も含めてこっちは判っている。まるで劇画なら矢吹丈のクロスカウンター、プロレスなら猪木の延髄斬り、K1ならフグの踵落とし、新しいところでは井上尚也のダイナマイトブ口ーのように、それが飛び出すのをファンは今か今かと待ちわびる。恐らく敵も判っているのだろう。それでも決めてくれる、決めてみせる、それこそがラグビーの醍醐味かと。
 ちょっと誉め過ぎか・・・・。フランス戦、ほどほどに期待はしておく。俺も甘いなw

嘆きの日本ラグビー

 先月ドタバタのうちに幕を閉じたラグビーLEAGUE ONE」。ここで散々綾を付けました。フアンを置き去りにし、選手は裏切られるだけだと。結局のところラグビー日本協会もチーム関係者も親会社しか見てない、とも。書いていてホント虚しくなりました。

 ですが、これってラグビーに限った話ではありません。実はプロスポーツ界ではよくあることなのです。

 たとえば一昔前のプ口野球。平成の最初の頃ですか、当時近鉄のエースだった野茂が、地元藤井寺での開幕戦、先発投手として球場にやって来て車を球場にある駐車場に停めようとしたら、係の人が両手を振って飛んできて、そこに勝手に停めるな、おまえは一体何様なんだとまさかの説教。「いや、俺、開幕投手の野茂なんだけど!」、と言ってみるも、今日は近畿日本鉄道の役員がたくさんお見えになるので、ここはその方々の専用の駐車場なんだぞ、だから停めるのは罷りならんと譲らない。野茂は怒りを通り越して、もうアホらしいやら哀しいやらで、帰らせてもらいます、って車に乗って球場を出ようとしたところを仰木監督やチームメイトが必死になって押しとどめたという、嘘のような本当のお話。

 結局、野茂はその日マウンドに上がったのでフアンを置き去りにせずに済みましたが、当時のプロ野球は「LEAGUE ONE」の現状と似たようなものだったと思ったりします。

 

 そういえば最近、Jリーグでもこんなことがありましたね。

www.kobe-np.co.jp

 神戸をサッ力一の聖地に、そのためにイニエスタ銅像を建てるのだとか。しかもクラウドファンディングって、ファンから金を集めるの・・・・・? せこっ、眩量がするわ。

 まぁ確かに神戸を聖地にしたいと思ってるファンは一定数いるのでしょうよ。百歩譲ってイニエスタ銅像のために金出すって奇特な方もいるかもしれません。でもね、一番それをしたかった輩、それはヴィッセル神戸の中の人じゃねぇの? しかも三木谷が喜びそうなことだけは率先してやる、所謂イエスマンのいかにもやりそうなこと。

 そしたら、

hochi.news

 速攻で見透かされてやんの、バ力じゃね。てめえの出世の道具として選手やフアンを利用するなっ、力スが!

 

 レッドハリケーンズヴィッセル神戸の件は、選手とファンを蔑ろ感がそっくり。先月書いたものと読み比べてみてください。

tilleternity.hatenablog.jp

 なおレッドハリケーンズについては哀しい後日談があって、地元大阪のファンが新幹線に乗って秩父宮まで行ったのだとか、しかも何十人も。そして彼らは現地で試合中止を知るというまさかのエンディング・・・・。この人たちってある意味、何周にも渡って置き去りにされてる。扱いが軽すぎ。これがファンに対する仕打ちか?

 ファンが置き去りにされ、選手が裏切られた最たるケースと言えば、15年のW杯 ブライトンの奇跡直後のトッブリーグ開幕戦。詰め掛けたファンは長蛇の列を成してチケットを買い求めるもあえなくソールドアウト。だというのに秩父宮のスタンドは何故か空席だらけ・・・・。一体裏では何が起きていたのか? 本当のところは試合を主催する協会の人間以外は判りますまい。しかし事の真相は深読みをするまでもなく恐らくこうでしょ。

 つまりは、チームの親会社が社員の名目上は福利厚生として「スポーツ友の会チケット」だかなんだか名称は忘れましたが、会員特典としてシーズン中にお好きな試合を二試合に限り観戦できる、みたいなのがあって、協会はそれらのための席を確保していたのですわ、きっと。裏を返せば、トップリーグ時代にスタンドを埋めていたのは大半が企業からの動員だったってこと。まるで都市対抗野球やで。

 しかも肝心の会員はといえば、お付き合い、もしくは半強制的に友の会に入っているので、特にラグビーなんか興味のない人ばっかりだったという。だから開幕戦だろうとプラチナチケットだろうと観に行く義理などあるわけない。更に言えば、会員費は大概の場合給与からの天引きなので、もしかするとチケットの権利を有していたことすら気付いていなかった社員もいたんじゃないか。

 空席を見た選手は激怒。田中がまた泣いたというのはもはや伝説。

www.nikkansports.com

 協会もチームも7年前の大失態から何にも学んでない。学ぼうともしない・・・・。

 そういえば稲垣がええこと言ってましたな、

friday.kodansha.co.jp

 ホンマ、協会はどうするんっすかね? フランスW杯ではーつ勝つ程度と踏んでいます。

 協会がチーム強化を怠り、選手の足ばっかり引っ張って、フアンの姿はといえば、親会社の向こうに少し見えるかな、って程度なんやろ。なんせ親会社様から頂いたお情けが彼らの固定給やからね。餌くれる人の言うことしか聞かないって、ホンマ番犬やで。

 因みにそのお情けというのは、先に述べたように社員の給与から厚生年金とか団体保険とか組合費なんかと一緒になってこっそり引き落とされているというもの、そこを見逃してはならない!

 何を言いたいかといえば、ラグビーの魅力を訴えて回ったり、球場に脚を運んでくださいと頭を下げてお願いしたり、つまり地道な営業努力を積み重ねたものでは決してないってこと。つまるところはただの”仕組み”。お金が脇に逸れてこっちに向かって流れてくる仕掛けを作ったに過ぎません。電通の大好きなやつ・・・・。そんなの商売じゃないし、稼いだものでもない! だからその 有難みを理解できないのでしょうね。

 日本ラグビー協会の面々は日本代表や新リーグからは潔く身を引いて、社会人ラグビー協会って名前を変えて、そこの主に収まった方がええと思うで。大好きな早慶明同の伝統校もそこへ持っていって管轄すれば。結局ラグビーの未来の足を引っ張っているのは既得権益なのですよ。伝統とか、過去からの堆積とか継承とか、そういうのを全部ひっくるめて ”” っていうんですわ。でもそういうのに命懸けてる中尾亘孝みたいなのがいるのも事実。だからそこに集めてしまえ。でっ、その中で対抗戦とか思う存分やればいい。きっと藤島大も大喜びするんじゃね。そこに神鋼とかも絡めば盛り上がるやろ、それなりに、俺は見ないけど。

 だいたい協会のトップにプロとしての経験の持ち主が岩淵以外いないってところがなんとも。それが、自分よりはるかにデカい海外の選手相手に体張ってるプ口選手を束ねて、その上に立とうなんて虫が良すぎるわ。それならラグビーは素人でも、プロの企業人がやった方がええ。

罰と報い

 いつも扉の絵を提供いただいているHF氏、私は氏のファンなのですが、氏の作品の多くを一気にご覧になれるサイトができたそうなのでご紹介いたします。

www.singulart.com

 気に入った作品があれば、直接ここでお求め頂くことも可能なようです。お暇な時にぜひとも訪れてみてくださいませ。

 さてさて、あっという間に5月も終わり、季節は夏へと変わりました。6月はサラリーマンの私にとって最も悩ましい試練の月。雨が続く梅雨の朝、通勤の道すがら、または満員電車の中、両手は力バンと傘で塞がります。改札を通るだけでも傘を落としたり、はたまた突然スマホが鳴ろうものなら大変! 咄嗟にスーツの内ポケットからスマホを取り出したのはいいのですが、傘も力バンも、そして力バンの中のものまで路上にぶちまけたことがあります。

 しのつく雨に打たれながら、部下の突発休の連絡を受ける私・・・・。

 梅雨は嫌。本当に嫌です。ジメジメ湿度も。それが二か月近く続く。サラリーマンにとって尋常ならざる存在なのだから、いっそのこと一つの季節に繰り上げたらどうか?

 春の次は梅雨、梅雨が明けたら夏、でっ、夏は9月の中旬まで。少なくとも私の脳内ではそうなってます。そう思ってみると案外夏って短い、 二か月あるかないか。そうか、ならば茹だるようなあの暑さも我慢できそう。では梅雨の雨と湿度はどうか・・・・? 季節に繰り上がろうと無理やな。

 

 ジメジメした話は嫌なのですが、前回のドコモ・レッドハリケーンズの謎のPCR検査三連発の続きです。なかには「あれは、ドコモの後継チームであるコムの入れ替え戦行きを阻止するための援護射撃を意図したものなんだよ」 というもっともらしい意見もあるようですが、敢えて言います、それはないでしょうね。理由を真面目に書くとちょっと長くなって収集がつかなくなるのでしませんが、簡単にまとめると、コムの社用携帯こそドコモ製でしょうが、社員個人のスマホの半分は、昔からauだと思う、そう書けばご理解いただけるのではないでしょうか、ええ。

 ただ援護射撃というのがまったくの的外れかといえばそうではありません。援護射撃はありました、ドコモではなく、それは協会から・・・・。

 協会としてはコムの二部落ちはどうしても避けたかった。なので何としてでも最終節のリコー戦はやりたかったのだと思います。それこそが試合中止の判断を、当日まで引き延ばす醜態を招いた原因ではないかと、知らんけど。

 でっ、結果はといえばこれ、

www.nikkansports.com

 お天道様はすべてお見通し、ざまぁーみろでございます。

 言わずもがなですが、何故に協会がコムの二部落ちを避けたかったかといえば、これ、

www.nikkei.com

 改めて感じたのですが、新リーグの正式名称「NTTジャパンラグビー リーグワン」って、これまた今更ながら長かったな。字余り感半端ない。そりゃ東京ベイなんちゃらとかが生まれますわ。

 でも次年度には恐らくこの冠は外れるでしょうから、いろんな意味でスッキリするんじゃないですか。厳密に言えば違うのでしょうが、タイトルパートナーがチームを持ってるというのはやっぱ変だったと思う。あっ、それとコムとドコモは事業共創パートナーから外れるかも。これも協会からすれば痛いな。

 ただ一番怖いのは、「ヒト・コミュニケーションズ ジャパンラグビー リーグワン」に落ち着いたりすることか。もしそうなったら・・・・。これ以上は言葉にできません。サンウルブスしかり花園ラグビー場しかり。まさにホラーや。

日本ラグビーの憂鬱 番外編

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 しかしなぁ、開幕で去年と同じことするか・・・・。少しは学べよ!

 これ、協会責任取るんだろうなぁ?

 硝子屋も清宮もよう、目障りだから藪木もひっくるめてやめちまえっ!

 まったくこいつらときたら、熱血漢ぶるけどヨイショも辞さぬ、みたいな世渡りの上手いだけの輩ばっかりで、世界と闘ったことあるのは一人もおらん。おまえら全員チンポついとるんかっ?!

クビぢゃぁーっ!

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日本ラグビーの憂鬱 最終回

 というわけで、新年早々一発目、嫌なシリーズでしたが今回をもって最終回にしたいと思います。さすがに栄えある新リーグがまさに明日始まろうというのに、ケチを付け続けるわけにもいかんでしょ、ってことで最後にするだけで、あまりに酷い有様が目の前で繰り広げられたら(結局は観るんじゃん)、当然手を変え品を変えて、ここでボヤき倒す所存です。

 このシリーズ、前回はかなり前になりますな・・・・、

tilleternity.hatenablog.jp

 ただこれは、オリンピックにかこつけて、7’sの惨状を嘆いただけなので、実質的にはこれか、

tilleternity.hatenablog.jp

 でっ、早速おさらいなのですが、

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 ⑤を除くと新リーグの方向性は残念ながら正反対。まぁ私の言ってることが正しいなんて、これっぽっちも思ってませんが、ちょっと日本協会をはじめ、新リーグの中の人たち、センス無さ過ぎじゃないか、ってことでずっと綾をつけてるわけですわ。

 はっきり言ってしまうと、彼らのやってることはJリーグに追随しすぎ。確かに同じフットボールを根にしているところや、代表への依存度、W杯が生命線であるところなど重なる部分は多いけど、①~③まではなんも考えずに真似てみましたとしか思えん。しかも三周遅れぐらいで、そこが一番情けない。

 まず、②についてはJリーグですら閉鎖型へ路線変更とまでは言わんが、緩やかな人気チーム限定でのプレミア化を模索し始めてます。

hochi.news

 つまり、三部構成なんて大所帯過ぎるので、昇降格は残すがJ1の上にプレミア化した新リーグを新設して敷居を高くしたうえで、改めて10~14チームでやり直そう、って案。まぁこれも取って付けた感はあるが、結局、”開放型” の限界にようやく向き合い始めたってことだと思いますよ。

 昇降格があると、どうしても目指すところが ”残留” だけになってしまいがち。そんなチームってファンからすれば魅力に欠ける。経営側も常にビクビクして長期的な視野に立ったチーム作りや投資ができない。当然大口のスポンサーもついてくれそうにない、ってことで、最上位リーグを作ろうって流れになったのでしょうが、昇降格がある以上、これもアカンと思いますわ、ええ。

 ラグビーは後からのプロ参入なんだから、こういう先駆者の苦しんでいるところをしっかりと踏まえてバスケみたいに柔軟に対応すりゃいいのにね。当面は大変でしょうが、こちらの選択の方が正しいと思うのです・・・・、

www.asahi.com

 次に③のスタジアムも含めてまるっと自治体任せの部分にも、これではビジネスにならん、とようやく考え始めたJリーグのチームが出て来ました。

ibarakinews.jp

 球団が自分の力でスタジアムを造るからこそ、「街のシンボルになる」のですよ。鹿島がなぜに自治体との縁を切ろうとし始めているのか、そのあたりをもう少ししっかりと、ラグビー新リーグの中の人たちは分析するべき。プロ野球も一部の落ちこぼれを除くと、ほぼ自前でスタジアムを運営し始めています。当然ではありますが、利益、収益を最大化するためです。

 ただ広島カープのように、完全なJリーグ方式で、一見すると大成功を収めたような球団も確かに出ています。しかし、である。ここはそもそも、”市民球団” と標榜しながら、実は ”松田家の持ち物” という二枚舌を巧みに使い分けて市民だけではなく県民を騙し続ける詐欺球団なので、そのうちバチが当たります。

 確かにスタジアム建設という途方もない初期投資は、親会社からすれば馬鹿げた、というか一種の与太話にしか思えないのでしょうが、本当に長い眼で先を見据えて商売をするのなら、そこは避けては通れないと気付くはずなのに・・・・。そもそも何百億掛かるわけではないのですから。楽天が良い例です。

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 つまり、旧態依然とした球場や競技場を改修する場合、土地も土台もあるので、それほどの投資にはならないってこと。もちろん17年前のお話なので、今なら建設費用はもっと高騰しているという向きもあるのでしょう。しかし上の記事が示す通り百億にも満たないわけ。仮に高くついたところでその半分にもならないって。ポイントは既にある資産を上手く利用すること。

 そもそも宮城県営球場はダルビッシュが ”糞球場!” と散々酷下ろした代物で、実際に出来上がるまでは、あんな見事なものが出現するとは誰も信じていなかった。

 

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 そしたらこんなに変わった! だからこそ、宮城の人々の心を揺り動かしたのではないのか・・・・? しかも改修後はそのまま宮城県に寄付という男前っぷり。オリックスがいつまでも果たさない約束を早々に叶えてみせ、晴れて楽天イーグルスは ”おらがチーム” になったと(はっきり言うが、オリックスが何度優勝してみせたところで、関西はおろか大阪の人間の心の琴線には触れることは無いぞ)。

 翻って老朽化した競技場が、いったい世間にどれだけ転がっていることか。なかには国体開催を押し付けられた果てに、図体だけデカくなってどうにも始末に負えんというのが、地方には必ずある。なぜそこに上手くつけ入ろうとしないのか? それを専用スタジアムにしてしまうと、もう国体が回ってこないやないか、などとすかさず突っ込みを入れる頭の旧い方々がお役所にはいるかもしれないが、平成の後半から、自治体は国体から逃げ回っているのが実際のところ。どれだけ国が予算紐付きで誘致を促しても、結果、真っ赤っかで終わるってことはバレている。ならば、役割を終え朽ち果てつつある競技場を、ラグビーの力で魔法を掛けて甦らせてはどうか? 重要なことなので繰り返しますよ、ポイントは既にある資産を上手く利用すること、です!

 恐らくここで④の問題が出て来るのだろう。年に数試合しか主催できないラグビーの分際で、専用スタジアムなんて有り得ない、っていう良く聞くオチ。そこで思考が止まるから、Jリーグから三週遅れているんだよ。先に上げた鹿島がその答えを用意してくれています。

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 専用スタジアムとはいえ、そこをただ公式戦の開催に限定するのは確かに勿体ない話である。まず、ラグビーとして他にもファンに観てもらいたいものがあるではないか。たとえば練習する選手の姿、それは熱心なファンであればこの目に焼き付けておきたい風景だろう。

 手前味噌になるが、我が阪神が23年前に始めた安芸のキャンプ中継、あのフォーマットは年を追うごとに定着し普及し始め、今やほとんどの球団の練習模様が、2月になればCSやBSのチャンネルで観られるようになった。阪神とSkyAの突拍子もない試みが、鉱脈だったとまでは言わないが、ファンの心を捉え、有料放送に足るコンテンツに育ったといえる。

 言うまでもなくそれを支えるのはファンの熱量と、それに応えようと身体を張って己を鍛える選手の姿の循環だろう。専用スタジアムが、ファンと選手、互いの想いを反射させる装置の役割を果たし、強くなっていくチームの姿がその光によって照らし出されるようになれば、それこそが理想の関係だと思うのだ。鹿島アントラーズが狙っているのはまさにそこだろう。

 更に言えば、秋から冬のスポーツであるラグビーの場合、専用スタジアムがあればNPBやJリーグのように春先に長期のキャンプを張る必要はない。選手はラグビーが仕事なのだから、試合に出たけりゃ日々グラウンドに通い、年中練習を繰り返せばいい。そうすりゃファンにとって専用スタジアムは、自然そこに行けば選手に会える場となるだろう。芸能界を俯瞰できる立場にはないが、AKB48が社会現象になった最大の決め手は、「会いに行けるアイドル」というコンセプトにあったのではないか。まぁ電通の操作の有無は置いておくとして、ファンとの距離感を劇的に変えたことに間違いはない。

 そしてAKB商法は、そのままそっくりラグビーにも当てはまると言えるだろう。ファンにはどんどん直接スタジアムまで会いに来てもらって、試合前後にはできないファンとの交流を存分に行うことでCS(顧客満足度)を高めれば良いではないか。もちろん商売なのだから、練習とはいえ300円なり500年なり徴収すればいい。選手やチームにしたところで、練習にファンが金を払ってまで観に来てくれると思えば力の入り方も変わって来るだろう。観衆の中で結果を出すのがプロなのだから、メンタル面も鍛えられるのではないか。

 またラグビー以外でも人が集まる場を目指すならば、商業施設の併設が望ましいだろう。そうすれば男女問わず幅広い年齢層が足を運ぶ拠点となる。すでに日ハムはそこを目標に動き出している。何度も言うが、後発なのだからそのあたりのケーススタディには恵まれているというのに、そういうところだけはラグビーの特殊性を盾に、目を閉じ耳を塞ぐから、東大阪市に呆れられ花園ラグビー場のような悲劇が起こると思うのだが・・・・。

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 確かにラグビー専用スタジアムの建設にはリスクが伴う。しかしだからこそ知恵を絞ればやりようはいくらでもあると思う。そういう意味では、本拠地をラグビー以外のプロスポーツが居並ぶ関東周辺に安直に拘る、League ONE の中の人たちの見識を疑うのは私だけだろうか? 地方でやるからこそ大切にされるという発想はなかったのか? まるで昭和末期の低迷から脱せなかった頃のパリーグの偏ったチーム分布(関東:3 近畿:3)を彷彿とさせ、いきなり躓くと思うのだが・・・・。

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 ラグビープロ化のリスクの一つに、図表にも記しましたが、公式戦の少なさと同じく保有選手の数の多さが挙げられます。しかしこれも逆手に取るべきだろう。チームにとって選手たちは商品。ファンに対してどうやって訴求、プロモーションを行うかを考えた際、その多さはむしろメリットになる。

 たとえば再び芸能界の話になるが、アイドルを一昔前の様に、郷ひろみ山口百恵松田聖子田原俊彦中森明菜、などなどピンで売り出すのは事実上もう不可能だそうです。理由はいろいろとあるのだろうが、一言でいえば多くの人々のニーズをたった一人で背負い賄うのは無理って事。思い返してみれば、郷ひろみは ”新御三家” 、山口百恵は ”中三トリオ” でデビュー当初は売り出していましたわ。田原俊彦も ”たのきんトリオ” だから決してピンではなかった。そこらあたりからシブガキ隊や少年隊など最初からユニットがメインになり出し、ヒカルGENJI、SMAPを境にどんどん構成人数が増えて行って、ついにはAKB48に行き着いた。もうEXILEが何人で構成されているかなんて、そうそう知っている人はいないだろう。

 ラグビーの話に戻りますが、まずは一人の大スターを生み出すなどという大それたことを考えるのではなく、最初から15人を擁するユニットを組ませて売り出す感覚で選手たちを眺めてみれば良い。まずジャニーズ系ならバックスに必ずいる。ノッポもデブもチビもすべて揃うし、EXILEのようないかつい兄貴タイプがお好みなら、三列に日焼けして墨の入った奴なら腐るほどいる。なかには新宿二丁目の熊専のお姐さん方を虜にできるような逸材までご用意できます! つまりあらゆる嗜好を満たせる要素がラグビーには詰まっているのです。まさにONE Team!

 多くの人々のニーズという観点で言えば、最近の犯罪防止などのポスターの変遷からも、大人数によるユニットの優位性が見て取れる。

 たとえば一昔前、平成の中頃までであれば、江角マキコあたりが決めポーズで、「痴漢? みっともないからやめなよ!」みたいな喚起ポスターが主流でした。まぁ最近でもこういうのがありましたわ、

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 つまりはこういうやつ。江角マキコはあくまで私の想像上のものですが、独りで吠えたり注意を促すタイプのやつが主流だったはず。

 ところが最近のはこんな感じなんですよ、

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 つまり色んな年齢層に対して、それぞれが強みを活かして訴えかけることで犯罪を防止しようということか。漫才師が独りで叫んだところでたかが知れてるけど、ユニットでかかれば誰か一人ぐらいは、この人が言うんなら聞こうかな、っていう感じにさせてくれる。時代劇や演歌歌手の大御所がいればジャニーズのリーダもいる、EXILE系もいるしモノマネタレントにAKB系に正統派アイドルも、つまりは色んな要素を織り交ぜれば注意が行き渡るだろうと。それは裏を返せば老いも若きもそれぞれの嗜好に多様性の波が押し寄せ、それがすでにニ、三度往復した、そんな時代になっている証ではないか 。

 もう一度ラグビーに戻る。確かに保有選手の多さはチーム運営上のネックである。しかし、個性的な選手が集まっているからこそ、いろんなプロモーションが打てて、男女の別は勿論、あらゆる年齢層のファンを呼び込めるのではないか、そう経営層が気付いてくれる日が遠くない未来にやって来ることを信じたい。

 主催試合は年に多くて10試合。となれば、少なくとも三万人のキャパのスタンドを毎試合満員のファンで埋めるぐらいでないと選手を喰わすことはできない。あらゆる意味で選手の可能性を、どこまでファンと一緒になって親会社が信じられるかが今後の鍵になるのだろう。

 恐らくラグビーはプロ化に最も向かない競技だ。世界を見渡したって成功している事例はほとんどない。この日本で、「まだ世界にないリーグをつくろう」とするのも大いに頷ける話。しかし、である。結局のところ新リーグの肝となるはずであった独立法人化に踏み切ったチームが、東芝と静岡(ヤマハ)だけってところが残念でならない。 退路を断って、リスクに挑む覚悟がなければ成功などない。これはなにもラグビーに限った話ではないではないか。今、新リーグに欠けているもの、それは即ち覚悟だろう。しかし、それもいつか必ず・・・・。

 ひとまずは、League ONE を信じることから始めようと思う。

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