先月ドタバタのうちに幕を閉じたラグビー「LEAGUE ONE」。ここで散々綾を付けました。フアンを置き去りにし、選手は裏切られるだけだと。結局のところラグビー日本協会もチーム関係者も親会社しか見てない、とも。書いていてホント虚しくなりました。
ですが、これってラグビーに限った話ではありません。実はプロスポーツ界ではよくあることなのです。
たとえば一昔前のプ口野球。平成の最初の頃ですか、当時近鉄のエースだった野茂が、地元藤井寺での開幕戦、先発投手として球場にやって来て車を球場にある駐車場に停めようとしたら、係の人が両手を振って飛んできて、そこに勝手に停めるな、おまえは一体何様なんだとまさかの説教。「いや、俺、開幕投手の野茂なんだけど!」、と言ってみるも、今日は近畿日本鉄道の役員がたくさんお見えになるので、ここはその方々の専用の駐車場なんだぞ、だから停めるのは罷りならんと譲らない。野茂は怒りを通り越して、もうアホらしいやら哀しいやらで、帰らせてもらいます、って車に乗って球場を出ようとしたところを仰木監督やチームメイトが必死になって押しとどめたという、嘘のような本当のお話。
結局、野茂はその日マウンドに上がったのでフアンを置き去りにせずに済みましたが、当時のプロ野球は「LEAGUE ONE」の現状と似たようなものだったと思ったりします。
そういえば最近、Jリーグでもこんなことがありましたね。
神戸をサッ力一の聖地に、そのためにイニエスタの銅像を建てるのだとか。しかもクラウドファンディングって、ファンから金を集めるの・・・・・? せこっ、眩量がするわ。
まぁ確かに神戸を聖地にしたいと思ってるファンは一定数いるのでしょうよ。百歩譲ってイニエスタの銅像のために金出すって奇特な方もいるかもしれません。でもね、一番それをしたかった輩、それはヴィッセル神戸の中の人じゃねぇの? しかも三木谷が喜びそうなことだけは率先してやる、所謂イエスマン達のいかにもやりそうなこと。
そしたら、
速攻で見透かされてやんの、バ力じゃね。てめえの出世の道具として選手やフアンを利用するなっ、力スが!
レッドハリケーンズとヴィッセル神戸の件は、選手とファンを蔑ろ感がそっくり。先月書いたものと読み比べてみてください。
なおレッドハリケーンズについては哀しい後日談があって、地元大阪のファンが新幹線に乗って秩父宮まで行ったのだとか、しかも何十人も。そして彼らは現地で試合中止を知るというまさかのエンディング・・・・。この人たちってある意味、何周にも渡って置き去りにされてる。扱いが軽すぎ。これがファンに対する仕打ちか?
ファンが置き去りにされ、選手が裏切られた最たるケースと言えば、15年のW杯 ブライトンの奇跡直後のトッブリーグ開幕戦。詰め掛けたファンは長蛇の列を成してチケットを買い求めるもあえなくソールドアウト。だというのに秩父宮のスタンドは何故か空席だらけ・・・・。一体裏では何が起きていたのか? 本当のところは試合を主催する協会の人間以外は判りますまい。しかし事の真相は深読みをするまでもなく恐らくこうでしょ。
つまりは、チームの親会社が社員の名目上は福利厚生として「スポーツ友の会チケット」だかなんだか名称は忘れましたが、会員特典としてシーズン中にお好きな試合を二試合に限り観戦できる、みたいなのがあって、協会はそれらのための席を確保していたのですわ、きっと。裏を返せば、トップリーグ時代にスタンドを埋めていたのは大半が企業からの動員だったってこと。まるで都市対抗野球やで。
しかも肝心の会員はといえば、お付き合い、もしくは半強制的に友の会に入っているので、特にラグビーなんか興味のない人ばっかりだったという。だから開幕戦だろうとプラチナチケットだろうと観に行く義理などあるわけない。更に言えば、会員費は大概の場合給与からの天引きなので、もしかするとチケットの権利を有していたことすら気付いていなかった社員もいたんじゃないか。
空席を見た選手は激怒。田中がまた泣いたというのはもはや伝説。
協会もチームも7年前の大失態から何にも学んでない。学ぼうともしない・・・・。
そういえば稲垣がええこと言ってましたな、
ホンマ、協会はどうするんっすかね? フランスW杯ではーつ勝つ程度と踏んでいます。
協会がチーム強化を怠り、選手の足ばっかり引っ張って、フアンの姿はといえば、親会社の向こうに少し見えるかな、って程度なんやろ。なんせ親会社様から頂いたお情けが彼らの固定給やからね。餌くれる人の言うことしか聞かないって、ホンマ番犬やで。
因みにそのお情けというのは、先に述べたように社員の給与から厚生年金とか団体保険とか組合費なんかと一緒になってこっそり引き落とされているというもの、そこを見逃してはならない!
何を言いたいかといえば、ラグビーの魅力を訴えて回ったり、球場に脚を運んでくださいと頭を下げてお願いしたり、つまり地道な営業努力を積み重ねたものでは決してないってこと。つまるところはただの”仕組み”。お金が脇に逸れてこっちに向かって流れてくる仕掛けを作ったに過ぎません。電通の大好きなやつ・・・・。そんなの商売じゃないし、稼いだものでもない! だからその 有難みを理解できないのでしょうね。
日本ラグビー協会の面々は日本代表や新リーグからは潔く身を引いて、社会人ラグビー協会って名前を変えて、そこの主に収まった方がええと思うで。大好きな早慶明同の伝統校もそこへ持っていって管轄すれば。結局ラグビーの未来の足を引っ張っているのは既得権益なのですよ。伝統とか、過去からの堆積とか継承とか、そういうのを全部ひっくるめて ”柵” っていうんですわ。でもそういうのに命懸けてる中尾亘孝みたいなのがいるのも事実。だからそこに集めてしまえ。でっ、その中で対抗戦とか思う存分やればいい。きっと藤島大も大喜びするんじゃね。そこに神鋼とかも絡めば盛り上がるやろ、それなりに、俺は見ないけど。
だいたい協会のトップにプロとしての経験の持ち主が岩淵以外いないってところがなんとも。それが、自分よりはるかにデカい海外の選手相手に体張ってるプ口選手を束ねて、その上に立とうなんて虫が良すぎるわ。それならラグビーは素人でも、プロの企業人がやった方がええ。