Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ラグビーの醍醐味について

 気が付けば今年も半分が過ぎました。ここまでラグビーについて、下がる話ばっかりしてきました。一ファンとして、少し反省の意志も添えて前向きな話題をできれば良いのに、そう思うこともしばしばあります。ただ私もこういう性格ですから、ここでは計らずも日本協会や新リーグを巡って悪態をついてしまう。自分でもうんざりしています。でも提灯記事ならそこら中に転がっていますもんね。それらと競い合う気はないのです。

 そんな中去年ですか、ラグビーはスポーツベッティングを取り込むべきじゃないか、みたいなことを書いたのを思い出しました、確かこのあたり、

tilleternity.hatenablog.jp

 今年の頭にも書いてました、

tilleternity.hatenablog.jp

 というのは、今月に入ってスポーツベッティング解禁の動きが全国紙を賑わせたようなのです。

www.yomiuri.co.jp

 読売が独自で抜いて、するとすかさず産経が打ち消し・・・・。

www.sankei.com

 何だかなぁ、って感じ。まぁ電通が裏で動いているのなら嫌な予感がします。解禁に安易に踏み切れないのも判る。しかしながら個人的にはやるべきではないかと。力ジノなんかよりはよっぽど良いとも思う。
 では、仮にラグビーくじが導入されたらどうなるのでしょうか? まあネガティブな面では記事中にあるように依存症懸念など。確かにその側面が無いとは言いません。がっ、それならまずはパチンコを早く一掃するなり、会員制にするなりしろと。

 八百長の件も、表の競艇や裏の大相撲よりも、都合30人でやるラグビーは難易度か高いので、その心配は薄いでしょう。
 因みに、ヨーロッパのサッカー賭博市場は、サッカー産業の売り上げと同じ規模だそうですから、今後もW杯に向けて盛り上がること間違いなし。あやかりたいものですね。
 というわけで、もしかしたら身近な話になるかもしれないスポーツくじ。今更ながらですがどんな風にサッカーファンが楽しんでいるのか、この機会に国内も含めてチェックしたいと思っています。
 さらに突っ込んでいうと、できれば Live betting をお願いできないかと・・・・。理由はラグビーとの親和性が高いのでは、そう睨んでいるからです。

 

 

 最近サッカーの試合自体観てないので何とも言えないのですが、サッ力一とラグビーって、根っこは同じスポーツなのに、割と異質だと思うことがあります。
 上手く表現できないのですが、観る側の醍醐味を感じる部分が本質的に違う、そう感じるのですよ。
 例えばサッ力ー観戦中よく、
そこヘパス出すの?

 そんな声を耳にしたことがありませんか・・・・。
 更に辛辣になると、

俺でも出せるんだよ、そんなパス!

 といった台詞を溜め息交じりに聴いたこともあります、今は知らんけど・・・・。

 その裏には、”わかりきった” 、もしくは ”見え透いた” プレーをするな、というのがあるのではないか。
 そこで思う、おそらくはサッカーファンが望んでいるのは、

よくぞそのパス通したっ!
 とか
あの角度、スペースもなかっただろ!
 そう思わず叫んでしまう、そんなシーンではないのか。
 つまり観る側のイマジネーションを超えたプレーが飛び出した時に、ファンとして痺れるのではないかと。確かにそういうプレーを間近で観た際、サッカーの虜になる人の気持ちが判るし、ファンタジスタという言葉の意味も理解できます。恐らくバスケ、特にNBAのファンの方も同じようなところがあるのではないでしょうか。

 ラグビー場合はどちらかといえば逆。試合開始キックオフからの7、8フェーズぐらいまでなら楽勝で予想できる。大袈裟に言うのではなく、セットプレーどころかモールやラックからの数プレーについても大概は想像がつきます。
 なのでむしろ、贔屓チームのプレーでストレスを感じるケースは、
おいこら、そこ一人で行くなっ!

 とか
そんな簡単に蹴るなよ!
 など、想定外のプレーをされた場合が多い。
 実際代表の例でいえば、少し古い話にはなりますが、エディーがヘッドセットを叩きつけるケースというのは、選手が自分の思い通りのプレーをしてくれない場合ばかりでした。

 まとめると、サッカーは

俺の想像の範囲のプレーじゃダメなんだぞ!

 であり、

 ラグビーの場合は

俺の思う通りにプレーしろ!”、

 ではないか?

 そう思ってみると、ラグビーはプレーではなく、ある種演技なのかもしれない。
 たとえば7年前のブライトンの奇跡後半28分の五郎丸のトライは ”府中12内” という演目を、囮を入れれば都合11人の選手(ラインアウトでリフティングをしてた選手とフォローの山田込み)で完璧に演じ切った、そう言えるのかもしれない。
 なんかフィギュアスケートに似てないか?
「トリプルトゥループから、3回転フリップ ー 2回転ループのコンビネーションを挟んで、行けっ、トリプルアクセルっ!決まったーっ!」みたいな。

 それを15人でやろうとするから堪らん・・・・。

 改めて整理するならば、

 ”ゴールが、想像もしない展開で訪れることを楽しむのがサッカー

 ”トライを、期待した通りの流れで奪うのを待つのがラグビー

 勝敗を予想する分には違いは無いが、Live betting のように、 例えば後半最初にトライを奪うのは誰か、これが賭けの対象となるのならどうか?

 ラグビーは試合の流れの読めるスポーツ、裏を返せばそれは予測や予想と言ってもいい。特にこの国のラグビーオタどもはそういうのが好きな気がするんだよね。
 「まずはあそこでああなって、その次はこっちでこうなって、ほんでなんとか持ちこたえたら、あっちは仕方なしに蹴りよるからその次こそがチャーンス!

 花園のバックスタンド中央、近鉄ライナーズのコアなファンたちが、グラウンドを指差しながらダミ声でよくやってる会話。聞いているとまぁ外す時もあるが、結構な確率で当たる。
 ラグビーが好きになり熱心に見始めれば、やがて試合の流れが読み込めるようになる。Live betting が導入されると、花園のおっちゃんたちのように自慢げに大声で展開を語るのではなく、
・・・・来い来い・・・・」、
 小声で両手を握りしめ、ゴールポスト裏でそう呟くファンが出てくるかもしれない。それもまた一興だと思う.
 実際、先のワールドカップアイルランド戦後半、福岡の逆転トライのケース、廣瀬の解説はこうだった、

「(レメキは)囮でですね、中村亮土選手が突っ込んで、攻撃の方向を変えるっていう、ここの、いつもやってますね、はいそうですね、この後ですね、これ史(田中)が逆側行くんすね、はい、はい・・・・
 次にどんなプレーが来るのか、それを俺は知っている。否、選手も含めてこっちは判っている。まるで劇画なら矢吹丈のクロスカウンター、プロレスなら猪木の延髄斬り、K1ならフグの踵落とし、新しいところでは井上尚也のダイナマイトブ口ーのように、それが飛び出すのをファンは今か今かと待ちわびる。恐らく敵も判っているのだろう。それでも決めてくれる、決めてみせる、それこそがラグビーの醍醐味かと。
 ちょっと誉め過ぎか・・・・。フランス戦、ほどほどに期待はしておく。俺も甘いなw