Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

球春到来!!

 先週東京で春一番が吹いたそうですが、東京五輪の熱はどんどん冷え込んでます。森大会組織委員会会長は、この事態を一体どうするのでしょうね。

 世界の流れ的には今大会は見送りなのでしょうが、その空気を読もうともせずに「必ず開催」を明言して、海外からバッシングを受けたその舌の根も乾かぬうちに今回の女性蔑視発言・・・・。

 恐らくIOCとして、今年に入ってから一番頭を痛めていたのは、仮に東京大会開催をなし崩し的に見送るとして、誰がその責任を負うのか、差し当たっては誰がそれを言い出すのかってところだったと思うのです。もしバッハ会長が口火を切ろうものなら、世界中のアスリートを敵に回すことになるので、それは避けたいから開催国で判断してよと。一方JCOはといえば、たとえ朝日の世論調査が一桁になろうとも、頑なにやるとしか言わないでしょう。だってずっと被害者だったのに、一転ここにきて悪者になるなんて考えられませんから。中止、もしくは延期にするというのなら外圧という形以外はありえない。結局、誰もがそんな風に他人ごとだと思って、一体誰がそれをするのだろうねと、とりあえずどこかに都合の良い悪者はいないかなぁ、なんて世界中を見渡していたこのタイミングでこれが出たわけですわ。今頃、IOCでは ”見ぃーつけたっ!” の大合唱でしょうね。

f:id:TailEnder:20210207012855p:plain

 まぁ日本としてはこのまま放置してたら、時空を超えて、そもそも開催国としてどうなんだってところからやり直しにされそうなので、今週末あたりで辞めてもらうのだと思います。

 森元氏の功績には、ラグビーW杯日本招致が挙げられますが、これだけ長く政治家やっていれば、一回ぐらいまぐれでホームランも打つでしょうよ。一切讃える必要はありません。

 ただ、今回個人的に心配している案件があって、森元氏が辞めた後、誰がそのポジに就くかなのですわ。もしも万が一、現理事のT氏がその座に就こうものならば、この先も日本スポーツ界は大変なことになると思うのです・・・・。彼はスポーツ界の生き血を啜って生きて来た男なだけに胸騒ぎがする。がっ、それは次回で。

<本日の春一番>

 

 キャンプ中継の変遷

 一週間ほど更新ができなかったのですが、決してサボったわけではないのですよ。今月に入ってNPBは一斉にキャンプインした関係で、当然のようにキャンプ中継も始まりました。ほぼ全球団のキャンプ模様を観ることができるわけですから、可能な限り録画したり再放送を眺めるようにしているのですが、それをしていると夜中になるので、書く時間がまったくない。つまりインプットするものが大量にあるので、アウトプットが追い付かないという格好。きっと世間ではそれをサボっている、そう呼ぶのかもしれませんけどね、ええ。

 去年のドラフト以降、偉そうに上位指名選手についてここで散々ケチをつけましたので、なるべく彼らの今の姿を追いながらキャンプ中継を眺めるようにしています。やっぱり新人選手を観るのは楽しいですね。これがあるから野球ファンはやめられません。新たな発見があれば、逐一ここでご報告していきたいと思います。

 しかし改めて思うのですが、毎日ほぼ全球団のキャンプがLive中継されているというのには感慨深いものがあります。確かSkyAが阪神のキャンプの録画放送を始めたのが99年でしたか。先陣を切ってとか、先駆けてとかいうのとはまったく違っていました。一種異様というか、何て言えばいいのでしょう、無謀、もしくはヤケクソでやってるやろ、って感じでした、ええ。

 当時HPをやっていたのですか、”おっそろしい番組が始まったもんや”、そう書いたのを覚えています。なんせ延々とキャンプの模様だけを、しかも淡々と垂れ流すのですから。私のような野球オタには持って来いの番組ではありましたが、普通の野球ファンにはどのように映ったのでしょう。当時から阪神OBの福家氏がディレクター兼コメンテーターで、中継の合間にボソボソと的外れなことばかり喋りだすので、そのたんびに ”頼むから黙っとけっ!” そう画面に向かって突っ込むのがルーティンでした。因みに福家というこのオッサン、ノミの心臓で有名で、中学時代に身長が185cmまで伸びて、このまま一体どれだけ背が伸びるのやろって不安になって人目を憚らず泣いたという男・・・・。(うちは不肖この私の背が180cmに届いた時、お袋が赤飯とすき焼きでお祝いしてくれましたけどね、ええ。これが普通の反応とちゃう? 天国のお母さんありがとう! あの時のすき焼きの味、一生忘れないからね)

 まぁ開始当初は夜の8時頃からの放送でしたが、それが02年でしたか、生放送になって、そんな需要あるんかいなと思っていたら、巨人もやり出し、日ハムが北海道移転と同時に続いて、気が付いたらJspoまで4chも使って右に倣え。今ではヤクルト、横浜、西武、千葉ロッテまで・・・・。いやぁホント感慨深いですわ。こんな鉱脈だったなんてね。

 ただここに来て、新たな潮目を迎えているようにも感じます。というのは開拓者であるSkyAがどうも今年から変なのですわ。たとえば、一昨日のキャンプ最初の休日、従来であれば第一クールの総集編を昼間から延々と流すのが常でしたが、それをやらなくなったのです。土日も生放送だけで、夜の再放送は今年もなし。なんか怪しいぞ、昔は翌朝の再放送までやっていたというのに・・・・。多分、キャンプ中継といえども放映権料が高騰し始めたのでしょうな。これだけ各スポーツチャンネルでやり出したわけですから、スポーツ配信サービスもほっておかないでしょうし。前にも書きましたが、SkyAやGAORAから阪神が逃げる日が近づいているように感じる今日この頃です。

 ずっと思っていたのですが、折角の超優良コンテンツなんだから、球団ももっと上手くタイガースで商売してくださいな。この機会に、あの家電量販店との単独スポンサー契約も打ち切ったらどうかと。もっとええとこ探してこいよ、あるやろうが他にピッカピカのIT企業とかさぁ!

f:id:TailEnder:20210207030355p:plain

 先週の新たなる発見

 先週のキャンプ中継を眺めていて感じたことをいくつか。

 まず阪神ですが、佐藤に関してはまだ全然判りません。どんでんが紅白戦の初球にインコース投げさせたことを激オコしたのが最大のツボでしたね。それと佐藤蓮は案の定ストライク入りませんわ。せやからまだ一軍は早いって。明日にでも安芸へ送還してください。

 一番評判の良いのが2位の伊藤と8位の石井。伊藤は今日の紅白戦に投げるそうです。社会人時代は左打者をまったく寄せ付けなかったのですが。プロでもそれができるかが最大のポイント。左打者のインコースを衝くのが上手かったのですが、なんせ今の社会人の打者のレベルってほぼ氷河期なんで・・・・。あの球威で左打者の胸元を衝いて果たして通じるのか、最大の見どころです。

 でっ、先週一番驚いたのは巨人ですな。超大型の出物があったとか。

 実は去年、コロナで一番被害を被ったのは高校生の野手だとここで書かせていただきました。

tilleternity.hatenablog.jp

 公式戦がまともになかったので、野手は経験を積む場を無くしたのだと。その際、きっと多くのスカウトが見落とした掘り出し物が眠っているはず、とも書いたと思うのですが、なんかそれがいきなり現れたようです。

 巨人が5位で指名した秋広優人! 身長はなんと2m。こういうタイプは大抵動きがぼんやりしているのですが、かなりシャープのようなのです。

 

 

 何かいい感じ♪  あんなにでかいのに身体の回転で打てていますし非常に柔らかい。投手としても145キロを投げるそうですから、きっと背筋も強いと思われます。何だかワクワクしますね。

 出身は千葉の船橋。やっぱり巨人の主軸野手には地元の選手が必要と思っていたので、そういう意味では待望の大器といえるかもしれません。早く観たいのですが、どうやらいきなり紅白戦に出場させるのだとか。よっしゃさっそく観れる、と思ったら試合は月曜だそうです・・・・。いや、あのぉ、紅白戦の初戦ぐらいは土日にやってよね。今年は無観客だけど、せっかく毎日生中継してるんだから、ファンは楽しみにしてるのですよ。

 老舗の名門二チームの営業姿勢には、まだまだ課題が多いようです、ええ。

f:id:TailEnder:20210207040721p:plain

大いなる助走

 先週の話で恐縮ですが、ラグビートップリーグ再開の日程が決まりました。

 

 ほぼ一カ月の延期となります。コロナもそうですが、二月の下旬って結構雪の特異日もあるので、今度こそは邪魔が入らないことを祈りたいと思います。

 

<本日の特異日>

 新リーグへの長い旅

f:id:TailEnder:20210126230413p:plain

 

 前回、現在の協会の能力や彼らが示すビジョンに疑問を呈する内容を書かせていただきました。花園を巡る失態もそうですが、果たして開幕直前のクラスター発生を回避できなかったのか。TLを万全で迎えるため、去年一年代表の活動を棒に振っただけに口惜しくてなりません。

 また来年から始まるプロ化構想、25社3部構成は大所帯過ぎやしないかと。W杯の余熱と勢いを鵜呑みにして完全プロ化や世界最高峰リーグをぶち上げた清宮氏ですが、下交渉には興味がなかったようで、ラグビー不遇の時代から支えた多くの企業から当たり前のように反発に遭いあえなく途中下車。上の写真でも右隅でぼやけて映っているのが象徴的ですね。

 結局この前の会見で出てきたのは、3フェーズに分けて徐々にリーグを確立させるという気の長いお話。それが終わるのが12年後って、いったい俺いくつやねん・・・・。この壮大な計画のあらすじを理解できている方がいたらご教示願いたいものです。

 言いたくはないが、このご時世に12年にも及ぶ悠長な話を平気で持ち出せるあたり、ビジネスセンスの欠片も感じることができません。自分たちの代でケリをつける気なんかないってことでしょ。よくこの内容で会見できたよねと。普通の企業なら、12年後なんて言った時点で株主が逃げます。一種の責任放棄なので。それに結果として、改革に消極的な企業を巻き込んでしまったこと、後々命取りにならなきゃいいのですが。

the-ans.jp

 25社は決して一枚岩ではないでしょうから、これからじっくり時間をかけて淘汰というか、振るい落としをするのでしょうね。逆の言い方をすれば、プロ化に熱心ではない企業の逃げ道を作ってあげた格好ですが、それにしても12年は長すぎるような気がします。最悪、現状維持という名の引き分け狙いが大勢を占めていくこともありえる。勝敗のつかない泥試合が、見えないところでまさに今起きていて、当然それは外に伝わってはきません。ファン無視とか、そんな被害者ぶって大袈裟に騒ぎ立てるつもりはないのですが、せっかくプロ化を目指して新しいリーグを立ち上げるわけですから、少しは公明正大にお願いできないものか。とにかく先の会見では、私の頭が悪いだけかもしれませんけど、よく判りませんでしたわ。

 

 日野レッドドルフィンズの場合

 ここからは私の周囲の話ってことで、はっきり言ってたいしたものではございません。新リーグ立ち上げの裏で何が起こっているかは想像するしかないのですが、果たして今どういう状況なのか少しでもその手掛かりになれば、それと並行して自分の頭の中を整理したいというのもあって書くことにしました。こんな話もあったよ、ってレベルだと思ってくださいな。

 まず、私は大学時代に遊びでラグビーを齧ったぐらいなので、現在のラグビー関係者にこれといった伝手があるわけではありません。ただ、同じクラスだったラグビー部の友人やその仲間と腐れ縁が続いていたりします。

 お互い社会人になって、偶然なのか、それを装った必然なのか、仕事で出会うことがごくたまにですがあって、今回はその中の一つです。

 たしか三年前ほど前だったと思います、仕事で日野自動車に勤めている知り合いと会うことになりました。彼は大学時代体育連盟のラグビー部。公式戦にも主にリザーブで試合に出るといった感じの選手で、卒業後ラグビーはきっぱりと引退。社業に専念していましたが、日野自動車がW杯を目の前にして本格的に力を入れ始めた関係で、時折部の後方支援をしているとのことでした。

 まぁ、私もこんな男ですから、久方ぶりに会って、まず仕事はそっちのけでラグビーの話をしてしまいましたよ、ええ。ちょうど日野自動車はサムエラをキヤノンに獲られた次の年ぐらいでしたから、勿体ぶるのもなんなんで、最初からその話を振ったのを覚えています。ここからはその時の話ですが、掻い摘んで書くと、

 ① サムエラの件についてはキヤノンへの怒りが収まらない

 ② 指導者として大西将太朗を招聘したが失敗した(フルタイムかパートかは不明)

 ③ まさに今、大物を指導者として口説いて成功した

 ④ W杯目前にして、絶対にTLに昇格すべく社内一丸となっている

 ⑤ 部の運営に関してトヨタからの圧力は特にない

 こんな感じでした。

 最近その知り合いと会っているかどうかは想像にお任せするとして、日野レッド ドルフィンズの最新の情報については下記を参照願います。

f:id:TailEnder:20210127214541p:plain

https://hino-reddolphins.com/news/

 

 ということで、私がその当時感じたことをありのままに書くと、まず④については紛うことなく本物でした。実際にW杯の前年に見事昇格してみせましたし。ただ①や②の結果をみると、予算的には厳しいのだろうな、というのは伝わってきました。サムエラへのキヤノンのオファーは凄かったのでしょうし、それと当時の将太朗は確か吉本所属だったと思うので高くついたのかもしれませんね。

 ③については箕内弟をFWコーチに招聘していたのだと思います。今はHCに昇格されていますね。⑤については、はっきりと否定していました。調子乗って言うんじゃなかったと反省してます、スイマセン。

 白状すると、本当に一番訊きたかったのはW杯の後どうするのってところだったのですが、流石にそれを口することはできませんでした。TLへの昇格で頭が一杯って感じでしたし。

 今にして思えばですが、やっぱりW杯開幕前は世間にも相応の高揚があったように感じます。当時はこれで大丈夫かいなと思ったもんですが、そうでなければあそこまで盛り上がりませんしね。だから日野自動車ラグビー関係者も、祭りの後についてまではまだ考えてなかったのだと思います、むべなるかなと。 

 でっ、なぜ日野自動車についてこんな古い話を持ち出したかといえば、W杯が成功裏に終えたものの、コロナもありその熱が醒め始めた今、ここあたりがDIVISION1の12チームに残れるかどうかのボーダーだからです。

 トップリーグの運営費って?

 来年、新しいプロリーグが誕生するとして、1チーム当たりどれぐらいの運営費が必要なのでしょう? その前にまずは差し当たって現状いかほどのものなのか、それを知る手掛かりがドラマ「ノーサイド・ゲーム」の中で出ていたのだとか、

friday.kodansha.co.jp

 かなり事実に基づいた数字だそうですね。その裏付けというわけではないですが川淵氏のこれ、

diamond.jp

 期せずして川淵氏が「ノーサイド・ゲーム」劇中の数字を補強してくれました。タイトルの ”清宮改革” は置いておくとして、記事の中で具体的に15億という数字が出ていますね。

 でっ、ここからはいつもの個人的な妄想になるのですが、当然プロ化となれば15億では済まないのではと。強引にざっくり申し上げるならば、アイコンとなる海外のスター選手も欲しいでしょうからそれも含めると20億。更に競技場の確保、練習施設の維持管理なんかもあるでしょうし、何だかんだで併せて25億ぐらいは覚悟しておいた方が良いでしょう。上の川淵氏の話の中で、Jリーグは開幕当初10億ぐらいの運営費で始めたそうですが、今は平均30億の売り上げがあるのだとか。できればラグビーも早くそれぐらい稼いで、選手に少しでも多くの給料を払ってあげて欲しいものです。

 じゃぁその選手たちは今、TLのプレイヤーとしていったいどれぐらい貰っているのでしょう? 稲垣が男前にも母校のグラウンドを全面芝に張り替える費用を出したそうですが、そういう記事を見聞きするにつけ、案外、というか結構貰っているのだろうとは感じます。もちろんこれも妄想、もしくは想像でしかありませんが、十年以上前のラグビー暗黒時代の記事にこんなのがありました。

www.nikkansports.com

 元日本代表といっても、キャップ数は一桁だった三木のホンダ時代の年俸がなんと2,500万! しかも、05年から4年間ですから都合一億稼いだことになります。言うまでもなくホンダは今も昔も弱小。

 この記事が出た当時、えっ、そんなに貰ってるのっていうのが大方の反応でした。選手はこういう情報は連携するので、代表クラスの選手なら、日本代表が激弱で、TLは企業の運動会程度でしかなかった時代から、これぐらいは稼いでいたことになるのかもしれません。

 少し三木について補足すると、記事の中で中国に行ったという件が出てきますが、彼は残留孤児の孫で中国生まれ。京都学園から龍谷大、トヨタなどを経てホンダ。高校卒業時の寄せ書きに、”大学ではラグビーを頑張る” とだけ力強く書いていたのが印象に残っています。四年間チームは低迷していましたが彼のプレーだけは大向こうを唸らせ、レフリーを驚かせたと記事になったりもしました。ディフェンスはダメでしたけどね。現役選手で言えば誰でしょうか、コムの池田とサントリーの中靏の中間に位置するような選手だったかな。そういう意味ではこの二人も同じぐらい貰う資格はあるはず、そうなるよう願っています。

 あくまで噂ですが、プロ契約でなくても手当などがかなりの額になるという話もあります。だから現状こそがベストという選手も多いとか。新卒選手の半数近くが社員としての待遇を望んでいるとも。しかし時代はもう令和。昭和の遺産である企業スポーツに、そう明るい未来があるとは思えません。現状維持が良いというのは一種のノスタルジーであり、この国固有の甘えでは?

 厳しい言い方かもしれませんが、二年後のフランスW杯で結果を出さなければ、エディ、ジェイミーで八年掛かって築き上げたすべてが崩れ落ちると断言しておきます。そうなったら新リーグや企業のラグビー部など跡形もなく吹っ飛ぶでしょう。つまるところ、この国のラグビーの命運を握るのはあくまで日本代表。選手は自惚れでいいから、日の丸を背負う自分の姿を想像できないようでは嘘。ならばラグビーと向き合うにあたって、退路を断つ覚悟はできるはず。そもそもそれ抜きには、Tire1の猛者どもと闘うことなど不可能なのだから。

 企業もラグビーからこの先も何かを得たいのなら腹を括るべき。プロ化は日本ラグビーの未来のために必要なプロセスだと思います。

f:id:TailEnder:20210128000653p:plain

 

 選手の給料や待遇など人件費の話はここでいったん置いておくとして、プロ化したチームの運営費の総額を25億とするならば、少なくともその金額をどう稼ぐのか、プロである以上商売である以上、そこが肝になるわけです。そして恐らく、協会はそれを新リーグに参加するという25社に対してしっかりと示せていないのだと思われます。

 これもあくまで仮説ですが、日野自動車ラグビー部に毎年10億の費用を捻出しているとします。見返りは社内の一体感の醸成と、ラグビーというスポーツを通じての世間へのメッセージの発信。W杯という付加価値もあり、ここまでなら投資は回収できたかもしれません。問題はこの先です。

 協会から、プロ化した新リーグを作るので、部には最低倍の予算が必要といきなり告げられたらどうなるか。更に本拠地となる1.5万人以上収容できる競技場を自治体と交渉して用意してね、と付け加えられたら・・・・。まぁ普通は無理ですとなる。ここでその要求を呑む数社とだけ前に進めれば良かったのですが、25社はある意味一蓮托生で切り崩せなかったのでしょうね。ラグビー関係者のお偉いさんには、先のノスタルジー、というか幻想に凝り固まった方も多いでしょうし、出る杭は打たれるという思いや、プロ化に前向きな一部の企業にとっても、支出をできるだけ抑えるためにはプロ化に消極的な企業を手元に置いておきたいというのもある。結果、なんにせよ全社が新リーグの参加を表明。25社による3部構成という大所帯と、12年という壮大な構想だけが会見で発表され、我々ファンはやっぱりとがっかりと大丈夫かなぁ、という思いに浸っているというわけです。

 散々ここまで書いて話が元に戻ったところで、新リーグの課題や意義などについては明日以降で。 

f:id:TailEnder:20210128001522p:plain

失われた週末

f:id:TailEnder:20210121201445p:plain

 

 本日は少し趣きを変えまして映画の話などをと。お題にある「失われた週末」、この作品大戦中に作られたものでして、監督はビリー・ワイルダー。小粋で洒落が効いていて私が最も愛する監督の一人です、ええ。主演のレイ・ミランドは少しジャック・ニコルソンの入った渋いオッサン。お相手のジェーン・ワイマンレーガン元大統領の最初の奥様だったことでも有名ですね、ってちゃうわーっ!このタイトルはそっくりそのまんまラグビーのことぢゃーっ!

 

<本日の失われた週末>

 暗黒時代臭 

 先週末、ラグビー好きの方はどのように過ごされたのでしょうか? そしてこの週末はどうしましょう・・・・。もうJspoの番組表なんかまともに直視できません。いったい藤島某の ”ラグビー 一人語り” だけでも一日に何回転させるねん! どうぞ一人でお気の済むまでやっとけよって感じ。あれはヤケクソになってやっているのか? Jspoの編成の方はみんな、いまだに悪い夢でも見てるような気でいるのでしょうが、うなされるのは金を払ってまで、あんなもんを繰り返し観せられるこっちの方ぢゃ!

 恐らくカスタマーセンターにも結構な量の苦情が入っているのだろうな、そう思うと気の毒で解約の電話を掛けられません。もうこのままにしとくか・・・・。2月から自動的にプロ野球セットを再契約することになっているので、Jspo1~3が二重契約になるんだよな。あっそうだ、少し手間だけどWebで解約手続するか、テヘッ。

 最期のTL開幕に向けて、BSNHKなんかも特番を組んだり、一昨年のNHK特集を再放送したりで、それなりにお膳立てをしてくれたというのに、ぜんぶ空振りに終わりましたよ、ええ。もちろん相手はコロナなので、あんまりあれこれ言いたくはありません。ですが、もう少し何とかならなかったの感は、皆さんそれぞれ腹の中にお持ちではないかと。大成功に終わったW杯以降、協会は選手の頑張りを帳消しにするがごとく、脚を引っ張っているようにも映るのですよ。マジで阪神の暗黒時代の時に嗅いだ臭いがプンプン漂ってきます。センスもないし、観る眼の方もどうでしょう・・・・。この人にこんなことを、とか、こんな人呼んでくるの、とか、そんなんばっかり。これではやることなすこと裏目に出ますわな。

 前にも書きましたが、返す返すもオータムネーション参加しときゃ、今の代表戦なら放映権料だけで一試合2億は下らんでしょ、ほぼTire1とやるわけだし。それを三試合分ですからちょっとした額にはなります。それをまんま協会の懐にというのではなくて、むしろ財政に日本以上に苦しむ欧州の各協会に気前よく配れば、また次も呼ぶからねってなったかもしれません・・・・。

 そりゃ事前に合宿ができなかったろって声もありますが、イングランドやフランスも準備不足で酷かったわけで、それなりの勝負はできたと思うのです。結局コロナというよりも、TLを万全の状態で迎えるために見送ったように個人的に感じたのですが、そこまでしたのにいざ蓋を開けたら我々の週末は失われ、”ラグビー 一人語り” の大量リピート放送に化けましたとさ。元気なのは藤島某だけだったというオチ・・・・。なんかこの展開見たことあるぞ。そうそう、阪神の暗黒時代、選手はボンクラばっかりでミスタータイガースどころかその候補と呼べるような選手すらすっかりいなくなって、結局生き残ったのは ”ミスタートラ 唐渡吉則” ただ一人だったという情けない笑い話がありましたが、それともろに被るやないか。これは相当に深刻です。

f:id:TailEnder:20210122001736p:plain

 協会の逆走?! 

 まぁ、私なんぞW杯で17-145で惨敗し大恥をかいても、足掛け24年に渡って引き分けを挟んで16連敗しても、欧州遠征でスコットランドに100点取られ負けても、ファンであり続けることができたので、これから何が起ころうと恐らく大丈夫です。ただ一つだけ言わせていただけるのならば、協会には本当に日本代表を魅力あるコンテンツにする気があるのかいな、ってところなのです。まさかそんなことはないでしょうが、「協会の収入の半分近くは早明戦の上がりなんで」、みたいなことをヘラヘラ笑いながら言ってた時代に戻りたいわけじゃないでしょうねと、真剣に不安になってくるのですよ。たとえば花園の指定管理業者を巡っての清宮しかり、今回の新リーグフォーマット発表会見の谷口しかり、完全に逆走してる・・・・。

f:id:TailEnder:20210122021745p:plain

 まぁ、谷口は知らんけど、髭森、清宮がこれまでずっとラグビーと付き合い続けてくださった盟友ともいえる企業を切れないというのは判るのですよ。企業も先の私と同じような心持で、昭和平成を通じて部を維持してきたわけですから。でもプロ化にあたって25社はいかにも多い。特にDIVISION3の6社にプロ化の底辺を支える気概があるとは正直思えない。そもそもこの6チームもDIVISION2で一括りにしなかったのは、レベルが違い過ぎて試合にはならないからでしょ。逆に言えば、その6チームだけで試合を繰り返し行っても、決してレベルは上がりません。穿った見方をすれば惰性で部を維持しているだけ。協会はプロ化に際してさえ、そんな6社の面目を重んじ、場の提供までしたことになります。切り離したと取れなくもないがこの判断、裏目に出ないことを祈るばかりです。

 今協会に必要なのは、B.LEAGUEにおける川淵氏のような存在なのでは・・・・? ラグビープロ化のためには鬼畜にまでなって過去の柵を断ち切り、それはそれ、でもこれはこれ、と冷徹に仕分けのできる人の出現が待たれます。

 ”R”の時代

 ネガティブなことばかりをひたすら書き続けましたが、それは大いなる期待の裏返しでもあります。だから協会の一連の逆走すら、考えようによっては前向きに捉えることも可能。たとえば、清宮氏は去年の10月末にひっそりと新リーグの準備室室長を退きましたが、それってまったく願ったり叶ったりなのかなと。こういう向いていない方にはその化けの皮をどんどん剥がされて退場していただきたい。髭森氏にもガラス屋さん時代の実力を遺憾なく発揮していただければ、早晩同じ道を辿る様に思います。

 ラグビーに対し大い期待するのは、単にファンだからというのも勿論ありますが、時代がラグビーに手招きをしている、そう感じることがあるから。ラグビーはまさに令和の時代に相応しいスポーツなのです。

 ”歌は世につれ” とよく言われますが、私はスポーツこそある意味、その国の今の姿を映し出す鏡、つまり今鏡だと思っています。

 昭和30年代以降、戦後の復興が起り未曾有の経済成長に湧く中で、内向きな相撲やプロ野球が隆盛を極めたのは実に判り易い例です。横並びで豊かになり、談合さえ順機能し常態化する世の中には、大相撲の予定調和や巨人のV9は必要だったのです。

 平成になって東西の壁が崩壊し、やれボーダレスだの国際化だのと口やかましく背中を突かれた時代には、世界の共通言語と言われるサッカー、そしてワールドカップやオリンピックに対し国民の興味が一手に注がれたのにも大いに肯けます。確かにこの前までそんな三十年間でした。

 じゃあ、令和はどんな世になるのかといえば、恐らく国と国とが価値観で繋がり直す時代になるのだろうなと。文化もそういった新しい単位で醸成されていくのではと感じます。もちろんワールドカップやオリンピックのような世界的なイベントの価値が損なわれることはないでしょうが、その一方で一つの価値観で結ばれた国々の間だけで行われるスポーツ、例えば日米での野球や、日本と欧州、オセアニアの間のラグビーなどは自然浮き上がるのではないか、令和の今、大いなる期待を込めてそう思うのです。 

f:id:TailEnder:20210122035709p:plain

こないだ速報 1/14

f:id:TailEnder:20210113233502j:plain


 こないだに速報も糞もないですが、腹立つことばっかりで、もうやってられませんわ。まずこれ、

www.washingtonexaminer.com

 NZはあっち側に寝返ったそうです。しゃーない、オーストラリアとしっかりやって行こう!

 更にこれ、

www.bbc.com

 別に台湾のすべての人が手放しで訪問を待ちわびていたなんて思いませんが、アメリカの国連大使の訪問があればこそ、そこから色んな打つ手が出て来るわけで、それが来ないとなるとね・・・・。期待させといてこのがっかりをどうするかっていうのもあるし。こっちも心底がっかりです。

 もうバイデン政権まったく信用できません。きっとお隣の国との揉め事にも首を突っ込んできた挙句、一方的に譲歩を迫るのでしょうね、わかります。

 話は変わって去年の暮のこれ、

www.sponichi.co.jp

 この記事の一月前にIOCのバッハ会長が来日していて、恐らくはスポンサーの引き留めのお願いに来たのだろうと思っていたのですが、そこは企業もよく踏み留まり頑張ってくれました。噂では保険金も500億入るらしいので、今年はコロナが落ち着けばできるような気がしてきました。会長の渾名が ”蜃気楼” だけに不安っちゃぁ不安ですが、どうかアスリートの皆さんの願いが通じることを、薄汚れた私ですが祈っています。

 

 じゃあ今年のプロ野球はというと、

ryukyushimpo.jp

 やりますか・・・・。開幕後もしばらくは良くて観客制限ですから、売り上げの目途が立たない中で、出費だけどんどん膨れていくことになるのでは・・・・。

 もう3月末開幕なんかはスパッと諦めて、G/W開幕にして、キャンプは3月からそれぞれの地元の球場でやれば出費も抑えられるように思うのですが、中止すりゃしたで結構な支出があるのでしょうね。引くに引けないとはこのことか。今年はオリックス以外の全球団を応援します。頑張ってください、コンプライアンス遵守でお願いします!

 次はこいつ、

www.sportspromedia.com

 これ2019年ですよ。コロナ関係なしで14億$の赤字ですか、ザマァーみろ! 

 DAZNは非上場なので手の内が判りませんでしたから、docomoと組んだあたりから、あの金額でホンマに採算取れるのかと逆に気味が悪かったのですが、そうですか、14億$の赤字ですか。ということは、昨年は良くて倍ぐらいの赤字が出てもおかしくないのでは? ちょっとだけ気分良くなって来たわ♪

 もしこいつにNPBもTLも独占で持っていかれたら、基本、検証用にほぼ全ての試合を録画する私にとって、悪夢のシナリオだったのですわ。

 打者のバットの角度とか、投手のボールの握りとか、オフザゲートの位置とか、タックルボックスの範囲とか、そういうのは録画でコマ送りで観ないと判りません。プラズマに拘ったのもそのため。夜中それを必死で検証しているのを嫁がまるで狂人を(以下略

 そして最後はこれ、

www.sponichi.co.jp

 もう、ちゃんとしてくれよ。何のために去年代表戦を見送ってまでして今週末のTLに備えたというのか・・・・。選手が皆、ベストな状態で開幕を迎えるためではなかったのか?

 Tier1の色んな国からお誘いがあったというのに、それらをすべて断って、それでこれですか? Tier2の主要な国も含めて、去年代表戦を一試合もしなかったのは日本だけですよ。完全に取り残されてます!

 踏み出すべき時にはあくまで慎重にと決してそれをせず、慎重になるべき時にはそれを貫けずぶち壊す。もうあかん。今の体制では無理。髭森も清宮も谷口も、現体制は薮木に至るまでみんなクビ。総取っ換えでお願いします! って後がおらんのか・・・・。

天理大 制覇成る!

f:id:TailEnder:20210112001616p:plain

 天理大学が遂に選手権制覇です。関西のチームの優勝は36年ぶり。実にお見事、優勝カップが久方ぶりに関ヶ原を越えて戻って来ました。

 帝京の9連覇、選手権連勝記録38を止めたのもこの大学ですから値打ちがあります。

 今回の優勝は、ある意味必然のようにも感じます。去年度、高校ラグビー桐蔭学園が優勝を成し遂げ、関東の高校が単独で花園を制したのは22大会ぶりのことでした。まぁそれに連動はしていないのでしょうが、関西勢の大学日本一もそろそろあるのかな、というかないといかん、そう思っていただけに良かったですわ。

 ラグビーのレベルを上げるためには、地域的な偏りは禁物です。令和に時代が変わったとたん、高校・大学、二つのラグビー界における ”負の偏差” が見事に解消したわけですから、この国のラグビーは更に発展すると思いますよ、ええ。因みに、一応私も大阪生まれの兵庫育ちという生粋の関西人なので喜びも一入です。

 

<本日の必然>

 待ち受けるシンデレラストーリー

 

f:id:TailEnder:20210112003450p:plain

 小松監督も長年の労が報われたのではないでしょうか。しっかし、明日から大変ですよ。一躍時の人ですわ! 他の地方の方にはおおよそ理解できないと思いますが、関西のマスコミっていうのは実に独特で、こういうケースは絶対に放ってはおきません。まぁ見てておくんなはれ、これでもかって持ち上げまくりますから。しかも早稲田に勝っての日本一だけに付加価値は高い。テレビ、ラジオ、メディアに引っ張りだこ。恐らく吉本がそのマネジメントに名乗りを上げるのではないでしょうか、冗談抜きで。

 本も出るでしょうな。その時歴史が動いた的な感じのが。そして動かしたのは私ですみたいなやつ。まずは当然、天理教道友社から、うーん三冊かな。メジャーなところでは最近必死にラグビーに尻尾振り始めた文芸春秋から一冊。そして関西系の出版社から二冊、併せて計六冊は固いと見た。

 ただ、あえて希望を口にすると、故平尾氏がらみの描かれ方はやめて欲しいな。同い年で大学も一緒。それだけに、彼がいたから今の私があります、というのをメディアとしては欲しがるでしょうし、謙虚な方なので口にするとは思いますが、主役はあくまでも小松監督であって、関西大学リーグ三部に低迷していた部をどのように建て直したか、ってところにフォーカスして欲しいと思うのですよ。

 関西大学ラグビー界低迷の真相

 1980年代に一大ブームが起こり、昭和の終わりとともに奈落の底へ墜ちていった日本ラグビー界、その原因の一つとして、関西大学ラグビーの不発、というか長きに渡る低迷があるように思うのです。

 いまだに腑に落ちないのは、大学だけが独りでに逆走していった点。社会人は神戸製鋼が七連覇を成し遂げ、平成の間も何とか持ち堪えた。高校はというと逆に今に至る黄金時代を築き上げた。少し補足すると、そこはやっぱり聖地花園の存在が大きい。実際、花園というのは便利なところにありまして、神戸から1時間、京都からも1時間15分、奈良からは30分で行けます。だから近畿のちびっこラガーマンたちは小学校の頃から大阪、神戸、京都、奈良の四つの地区で競い合い揉まれてレベルを上げるのです。文句なく日本一のラグビー・マッド地帯です。

 ところが肝心の大学はといえば、低迷というか構造的に行き詰った。特にディフェンス面での後れは眼を覆うばかりで、1年→3年→6年→10年って感じで、平成になってからの最初の四年間で関東から10年分後れた。極めつけは平成四年度の同志社のイケイケラグビー。あれが妙というか、世間に変に好意的に受けとめられてしまった関係で、あの歪なラグビーについて検証することをしなかったので、あそこで組織ディフェンスの遅れは決定的なものとなり、関西勢が国立で勝つことはまず無理という状態にまで堕ちたのです。事実、関西の雄その同志社に至っては、平成に入ってから一度たりとて勝てないという・・・・。

 でっ、そういうのを高校の指導者たちもしっかりと見ていますから、上手くなりたかったら関東に行けっていうのが浸透してしまった。結果、近畿出身のラガーマンの多く(石見智翠館尾道日本航空石川も含む)は関東の大学に進むこととなり、関西大学ラグビーの衰退に追い打ちを掛けたのです。

 関西メディアにも責任が

  しかし、ある一つの大学スポーツにおいて、関西という日本における一大文化圏が束になって、平成の代まるまる低迷するというのはよっぽどのことですわ。我が阪神の暗黒期もなんやかんやで15年間ですから。しかも特筆すべきは先に書いた通り、下のカテゴリーでは近畿の高校が他の地域を圧倒、事実平成の間に20度優勝しているというのに、この矛盾、いやぁ、書いていて改めて思うけど、一つの奇跡ではないかと。

 じゃぁどこに責任があるのかといえば、いろいろとあり過ぎるので、そのうち時間があればじっくり書きたいのですが、取りあえず言えることは、関西のメディアが殊ラグビーに関しては脚しか引っ張らなかった、ということか。あのイケイケラグビーをいつまでもよくやったと言ってる時点でもう駄目なのですが、もっと象徴的に言えば関西ラグビー界の巨頭とも言える三人、もう亡くなられた方もおられるので、あえて実名では書きませんが、ロマンスグレー氏とプリンスと泣き虫先生、この三人について、ひたすら持ち上げるだけでその一面しか伝えようとしなかったからでしょうね。

 ロマンスグレー氏は栄えある第一回ラグビーW杯監督の座から遁走しましたが、それを不問にし、プリンスは才能の塊ではあったものの、代表という括りでは選手としても監督としても機能しませんでしたがそれも無かったことに。泣き虫先生はドラマやプロジェクトXなどで半分はファンタジーの如き描かれ方をされたのを良いことにそれを安直に追随、結局三人とも虚像として、メディアの描きたいように、コアなファンが待ち望む姿に、捻じ曲げられ潤色して伝えられ続けた結果、関西大学ラグビーの深刻な低迷の真相について、いつまでたってもメスが入ることはなかった。つまり、この三人の反証、および否定抜きにはその復活はありえなかったのにそれを避け続けた結果、こんなに遠回りしてしまったというわけです。まぁ泣き虫先生は高校の監督ですが、大学ともいろいろあったのですわ。三人の関西ラグビー界における功績は素晴らしいの一語に尽きるのですが、だからといって彼らの暗部に触れることをタブー視するというのは違うと思うのです。

 しかし天理大が時間を要しましたが日本一となって、時計の針は再び動き始めました。日本ラグビーが進化するには関東と関西のそれが、両輪となってあらゆるカテゴリーで噛み合ってこそ前に進むのです。令和を迎えたまさに今、この国のラグビー文化は必ず復活する、そう信じています!

 関西復権で悲喜こもごも

 今回の天理の優勝、すなわち関西の復権を苦々しく眺めている方も多いでしょうね。これで近畿の中学生や高校生が、別に大学は関東にいかなくてもええやん、ってなるでしょうから。早稲田、明治、慶応の伝統校には何の影響もないでしょうが、対抗戦下位やリーグ戦の東海大以外は、リクルートが厳しくなるでしょう。

 関西は関学、近大、京産みんな追い風。特に関大が伸びるのではないでしょうか。

 それと天理は盟主早稲田に勝ったわけですが、今回から留学生が云々というケチのつけられ方がなくなるのではないかと。今の、そしてこれからのラグビー日本代表のフォーマットとしてどちらが相応しいかといえば、それは明らかに天理ですからね。慶応ですらサモアから二人の若大将を呼んだし。これからますます留学生在りきこそが常識となるのではないかと。 

 最後に

 これで今年度のアマチュアラグビーは終わりを告げました。来週からはトップリーグが始まります。観客制限なので、その熱量を計ることができないのは残念ですが、私は来年から始まるという真のプロ化にこそ興味があるので、今年はほどほどのお付き合いで済まそうと考えております。

f:id:TailEnder:20210112030023p:plain

 最後に花園で気になったシーンを一つ。準々決勝の東海大仰星対東福岡の一戦、あれってなんだったのでしょうね・・・・? 決勝トライはもみ消されるは、後半48分までやるは、もうグダグダ。第100回王者には地元大阪の東海大仰星こそが相応しい、そう大会委員会の悪巧みを白状したようなもの。唯一の一回戦免除からも実に判り易かったのですが、ここまでするかしかし。

 たぶんこういうインチキって対抗戦好きにはたまらんねやろうなぁって思っていたら、案の定、大友信彦曰く、”歴史的な名勝負” ですって、あれまぁ・・・・。更にダメ押しとばかりに、久方ぶりに覗いてみたら中尾もベタ褒め、

blog.livedoor.jp

  日本ラグビーが三十年以上の長きにわたり低迷を極めた最大の戦犯にして癌は、言うまでもなくこいつら狂会の連中ですわな。早くラグビーから手を引いてーっ! 

第100回 花園決着!

f:id:TailEnder:20210110000544p:plain

 高校ラグビー桐蔭学園の圧勝で幕を閉じました。毎年思うのですが、高校ラグビーってだいたい来年度の優勝チームが判ってくるものなのですよね。別に両睨みしながら試合を観てるわけではないのですが、なんとなく次はここだな、と伝わって来るものがある。なので少し、というかかなり早いですが、年明けぐらいから、来年度は京都成章の初優勝があるのではと感じたりしました。ちょっと皮肉が過ぎたかもしれませんね。つまり、決勝はやる前から今年の京都成章は桐蔭の敵ではなかったってことです。

 更に申し上げれば去年の今頃、ああこりゃ連覇ですわ、そう思わせる試合っぷりを桐蔭は重ねていましたね。だから言うわけではないのですが、京都成章、本当に来年度はチャンスがあるように思うのです。ただし、大阪桐蔭に勝てればって話ですが。

 

<本日の両睨み>

 謎のシード校選考過程

f:id:TailEnder:20210110013539p:plain

 

 今大会はシード校を選びはしましたが、ほぼ全チームが一回戦から出場というのは良かったと思います。っていうのは、例年シード校の選出のされ方が変で、こいつ一回戦から出しとけよってチームが必ずある。パラフレーズすると、何でシードされてないのって高校が絶対出て来る。

 例えば今回で言えば流経大柏がノーシードで関西学院がシード。でっ直接対決の結果は流経大柏関西学院を寄せ付けず完勝。しかし記念大会でなければ、流経大柏は一回戦を戦い、その翌々日にフレッシュな関西学院と闘わなければならなかったわけで。結果は大会委員会のお望み通りになったかも。やっぱり変だったと感じるわけですよ。

 個人的に来年度の優勝候補に挙げた京都成章も、かってはシードを巡って何度も嫌な目に遭っています。特に88回大会では間違いなくシードの実力があったというのに選ばれず、準決勝で惜敗。一試合多く闘ったツケを払わされた結果でした。裏には伏見工業の首領の横槍があったとか・・・・。

 ベスト8の常連となったここ五年ぐらいはさすがにそんなことはないですが、もし伏見工業が健在なら、嫌がらせは続いたのでは、そう思うとぞっとします。京都成章高校ラグビー界においてヒールかベビーフェースかと問われれば、比較的前者ですが、伏見工業との関係性においてだけは同情に値すると思ったものです。

 またシード校選出の条件として、伝統校かどうかというフィルターが掛けられるようにも感じます。先に挙げた京都成章のケースは、確かまだ三度目ぐらいの出場だったはず。もしそうならば、目の前の今年のチームの実力を推し量る際に、過去の実績も参考にしているということになります。まるでバックミラーを見ながら車を前に走らせるような行為なので、危なかしくって仕方ありません。

 啓光学園も被害者に?

f:id:TailEnder:20210110022102p:plain

 

 2000年代前半に四連覇の偉業を成し遂げ栄華を極めた啓光学園ですら、その例外ではありませんでした。第74回大会でその嫌がらせは起こりました。

 大会委員会はその年、シード校は例年通り選んだものの、A、Bのシード分けをしませんでした。何でも、実力が拮抗しているため選べなかった、ってな言い訳をしたと思います、何じゃそりゃ。

 私なりにその真相に迫ると、実は当時は今から想像できないほど東高西低で、関東に有力校が並んでいました。前年優勝の相模台工を筆頭に、久我山東農大二、日川、茗渓。それに対して関西勢はというと、常連の伏見も、大工大も予選で敗退。天理は春から低調で、西の横綱Aシードに相応しいチームは啓光のみ。私は間違いなく啓光がAシードになるので準々決勝までは間違いない、3日は花園へ観に行くか、勝手にそう算段していました。事実、あのチームから社会人(今でいうところのトップリーグ)に進んだ選手が一体どれだけいたことか。永島、駒居、浜渦、将太朗や高もリザーブにいたので、計7、8人は進んだはず(例の問題児、山崎勇気もいた)。それぐらい層が厚く、記虎さんをして歴代最強チームと評したほどだったのです。

 でっ、大会はどうなったかというと、A、Bのシード分けをしなかったので、啓光は東の横綱と目された久我山と、まさかのベスト16で当たることになってしまいましたとさ・・・・。まさに大会前には決勝カードと言われた一戦が、元旦に行われることとなり、私も最後まで迷ったのですが、さすがに1月1日に花園というのは難しく、泣く泣く観戦は叶いませんでした、ええ。

 結果啓光は惜敗。試合後、あの記虎さんが男泣き、スタンドに来ていた荒川先生があまりの激闘ぶりに青褪めるという、一部マニアにとって花園最高の試合と言われる一戦となったのでした。実はダイジェストをビデオに録っていたのですが、引っ越しの際に捨てたのが返す返すも悔やまれます・・・・。

 勝利した久我山もこの死闘でゲームメーカの会田を失うこととなり、結果優勝には手が届きませんでした。

 すべては大会委員会が啓光をAシードに選びたくはないという、アホらしい理由から始まったとしか思えず、裏にあるのは当時の下らない掟、つまるところ近畿のAシードには伏見、工大、天理以外は許されないという空気のためなのでしょう。まったくもってバカげてます!

 では流経大柏シード落ちの理由は?

 でっ、今大会のシードがまた酷くて、近畿から五校、関東から二校、九州からは一校。この偏り・・・・。100回記念大会は何とかして近畿勢に花を持たせたいからって、まぁ百歩譲ってわからんわけじゃないけど、見苦しいの一語。しかも関東のもう一校は目黒学院流経大柏と比較してどうだったのでしょう? 二回戦で大分東明にコロッと負けたところを観るにつけ、何かあったのかなぁ、なんて勘繰ったりしちゃいます。

 流経大柏は今回で四半世紀以上連続出場しているというのにこの仕打ち、まったく酷いもんです。まぁ、考えてみれば、目黒学院の前身は五度の優勝を誇る東京勢随一の名門目黒高校というところにあるのかも。伝統校優先の法則が、ここでも発動されたのか・・・・?

 どうも流経大柏は、昔からシードに恵まれないようなイメージがあるのですよね。選手に対してはもう二十年以上も前から代表の主将に大抜擢されていたりして、埋め合わせというか、そういうのが結構あるのですが、チーム自体としては不遇な気がします。よっぽど大会委員会との相性が悪いというか、はっきり言えば嫌われているのではないでしょうか・・・・。でも、今の監督さんの悪い話は聞いたことないので、きっと前任の方なのかな、なぁんてね、テヘッ。

 

f:id:TailEnder:20210110023828p:plain