本日は少し趣きを変えまして映画の話などをと。お題にある「失われた週末」、この作品大戦中に作られたものでして、監督はビリー・ワイルダー。小粋で洒落が効いていて私が最も愛する監督の一人です、ええ。主演のレイ・ミランドは少しジャック・ニコルソンの入った渋いオッサン。お相手のジェーン・ワイマンはレーガン元大統領の最初の奥様だったことでも有名ですね、ってちゃうわーっ!このタイトルはそっくりそのまんまラグビーのことぢゃーっ!
<本日の失われた週末>
暗黒時代臭
先週末、ラグビー好きの方はどのように過ごされたのでしょうか? そしてこの週末はどうしましょう・・・・。もうJspoの番組表なんかまともに直視できません。いったい藤島某の ”ラグビー 一人語り” だけでも一日に何回転させるねん! どうぞ一人でお気の済むまでやっとけよって感じ。あれはヤケクソになってやっているのか? Jspoの編成の方はみんな、いまだに悪い夢でも見てるような気でいるのでしょうが、うなされるのは金を払ってまで、あんなもんを繰り返し観せられるこっちの方ぢゃ!
恐らくカスタマーセンターにも結構な量の苦情が入っているのだろうな、そう思うと気の毒で解約の電話を掛けられません。もうこのままにしとくか・・・・。2月から自動的にプロ野球セットを再契約することになっているので、Jspo1~3が二重契約になるんだよな。あっそうだ、少し手間だけどWebで解約手続するか、テヘッ。
最期のTL開幕に向けて、BSNHKなんかも特番を組んだり、一昨年のNHK特集を再放送したりで、それなりにお膳立てをしてくれたというのに、ぜんぶ空振りに終わりましたよ、ええ。もちろん相手はコロナなので、あんまりあれこれ言いたくはありません。ですが、もう少し何とかならなかったの感は、皆さんそれぞれ腹の中にお持ちではないかと。大成功に終わったW杯以降、協会は選手の頑張りを帳消しにするがごとく、脚を引っ張っているようにも映るのですよ。マジで阪神の暗黒時代の時に嗅いだ臭いがプンプン漂ってきます。センスもないし、観る眼の方もどうでしょう・・・・。この人にこんなことを、とか、こんな人呼んでくるの、とか、そんなんばっかり。これではやることなすこと裏目に出ますわな。
前にも書きましたが、返す返すもオータムネーション参加しときゃ、今の代表戦なら放映権料だけで一試合2億は下らんでしょ、ほぼTire1とやるわけだし。それを三試合分ですからちょっとした額にはなります。それをまんま協会の懐にというのではなくて、むしろ財政に日本以上に苦しむ欧州の各協会に気前よく配れば、また次も呼ぶからねってなったかもしれません・・・・。
そりゃ事前に合宿ができなかったろって声もありますが、イングランドやフランスも準備不足で酷かったわけで、それなりの勝負はできたと思うのです。結局コロナというよりも、TLを万全の状態で迎えるために見送ったように個人的に感じたのですが、そこまでしたのにいざ蓋を開けたら我々の週末は失われ、”ラグビー 一人語り” の大量リピート放送に化けましたとさ。元気なのは藤島某だけだったというオチ・・・・。なんかこの展開見たことあるぞ。そうそう、阪神の暗黒時代、選手はボンクラばっかりでミスタータイガースどころかその候補と呼べるような選手すらすっかりいなくなって、結局生き残ったのは ”ミスタートラ 唐渡吉則” ただ一人だったという情けない笑い話がありましたが、それともろに被るやないか。これは相当に深刻です。
協会の逆走?!
まぁ、私なんぞW杯で17-145で惨敗し大恥をかいても、足掛け24年に渡って引き分けを挟んで16連敗しても、欧州遠征でスコットランドに100点取られ負けても、ファンであり続けることができたので、これから何が起ころうと恐らく大丈夫です。ただ一つだけ言わせていただけるのならば、協会には本当に日本代表を魅力あるコンテンツにする気があるのかいな、ってところなのです。まさかそんなことはないでしょうが、「協会の収入の半分近くは早明戦の上がりなんで」、みたいなことをヘラヘラ笑いながら言ってた時代に戻りたいわけじゃないでしょうねと、真剣に不安になってくるのですよ。たとえば花園の指定管理業者を巡っての清宮しかり、今回の新リーグフォーマット発表会見の谷口しかり、完全に逆走してる・・・・。
まぁ、谷口は知らんけど、髭森、清宮がこれまでずっとラグビーと付き合い続けてくださった盟友ともいえる企業を切れないというのは判るのですよ。企業も先の私と同じような心持で、昭和平成を通じて部を維持してきたわけですから。でもプロ化にあたって25社はいかにも多い。特にDIVISION3の6社にプロ化の底辺を支える気概があるとは正直思えない。そもそもこの6チームもDIVISION2で一括りにしなかったのは、レベルが違い過ぎて試合にはならないからでしょ。逆に言えば、その6チームだけで試合を繰り返し行っても、決してレベルは上がりません。穿った見方をすれば惰性で部を維持しているだけ。協会はプロ化に際してさえ、そんな6社の面目を重んじ、場の提供までしたことになります。切り離したと取れなくもないがこの判断、裏目に出ないことを祈るばかりです。
今協会に必要なのは、B.LEAGUEにおける川淵氏のような存在なのでは・・・・? ラグビープロ化のためには鬼畜にまでなって過去の柵を断ち切り、それはそれ、でもこれはこれ、と冷徹に仕分けのできる人の出現が待たれます。
”R”の時代
ネガティブなことばかりをひたすら書き続けましたが、それは大いなる期待の裏返しでもあります。だから協会の一連の逆走すら、考えようによっては前向きに捉えることも可能。たとえば、清宮氏は去年の10月末にひっそりと新リーグの準備室室長を退きましたが、それってまったく願ったり叶ったりなのかなと。こういう向いていない方にはその化けの皮をどんどん剥がされて退場していただきたい。髭森氏にもガラス屋さん時代の実力を遺憾なく発揮していただければ、早晩同じ道を辿る様に思います。
ラグビーに対し大い期待するのは、単にファンだからというのも勿論ありますが、時代がラグビーに手招きをしている、そう感じることがあるから。ラグビーはまさに令和の時代に相応しいスポーツなのです。
”歌は世につれ” とよく言われますが、私はスポーツこそある意味、その国の今の姿を映し出す鏡、つまり今鏡だと思っています。
昭和30年代以降、戦後の復興が起り未曾有の経済成長に湧く中で、内向きな相撲やプロ野球が隆盛を極めたのは実に判り易い例です。横並びで豊かになり、談合さえ順機能し常態化する世の中には、大相撲の予定調和や巨人のV9は必要だったのです。
平成になって東西の壁が崩壊し、やれボーダレスだの国際化だのと口やかましく背中を突かれた時代には、世界の共通言語と言われるサッカー、そしてワールドカップやオリンピックに対し国民の興味が一手に注がれたのにも大いに肯けます。確かにこの前までそんな三十年間でした。
じゃあ、令和はどんな世になるのかといえば、恐らく国と国とが価値観で繋がり直す時代になるのだろうなと。文化もそういった新しい単位で醸成されていくのではと感じます。もちろんワールドカップやオリンピックのような世界的なイベントの価値が損なわれることはないでしょうが、その一方で一つの価値観で結ばれた国々の間だけで行われるスポーツ、例えば日米での野球や、日本と欧州、オセアニアの間のラグビーなどは自然浮き上がるのではないか、令和の今、大いなる期待を込めてそう思うのです。