高校ラグビーは桐蔭学園の圧勝で幕を閉じました。毎年思うのですが、高校ラグビーってだいたい来年度の優勝チームが判ってくるものなのですよね。別に両睨みしながら試合を観てるわけではないのですが、なんとなく次はここだな、と伝わって来るものがある。なので少し、というかかなり早いですが、年明けぐらいから、来年度は京都成章の初優勝があるのではと感じたりしました。ちょっと皮肉が過ぎたかもしれませんね。つまり、決勝はやる前から今年の京都成章は桐蔭の敵ではなかったってことです。
更に申し上げれば去年の今頃、ああこりゃ連覇ですわ、そう思わせる試合っぷりを桐蔭は重ねていましたね。だから言うわけではないのですが、京都成章、本当に来年度はチャンスがあるように思うのです。ただし、大阪桐蔭に勝てればって話ですが。
<本日の両睨み>
謎のシード校選考過程
今大会はシード校を選びはしましたが、ほぼ全チームが一回戦から出場というのは良かったと思います。っていうのは、例年シード校の選出のされ方が変で、こいつ一回戦から出しとけよってチームが必ずある。パラフレーズすると、何でシードされてないのって高校が絶対出て来る。
例えば今回で言えば流経大柏がノーシードで関西学院がシード。でっ直接対決の結果は流経大柏が関西学院を寄せ付けず完勝。しかし記念大会でなければ、流経大柏は一回戦を戦い、その翌々日にフレッシュな関西学院と闘わなければならなかったわけで。結果は大会委員会のお望み通りになったかも。やっぱり変だったと感じるわけですよ。
個人的に来年度の優勝候補に挙げた京都成章も、かってはシードを巡って何度も嫌な目に遭っています。特に88回大会では間違いなくシードの実力があったというのに選ばれず、準決勝で惜敗。一試合多く闘ったツケを払わされた結果でした。裏には伏見工業の首領の横槍があったとか・・・・。
ベスト8の常連となったここ五年ぐらいはさすがにそんなことはないですが、もし伏見工業が健在なら、嫌がらせは続いたのでは、そう思うとぞっとします。京都成章が高校ラグビー界においてヒールかベビーフェースかと問われれば、比較的前者ですが、伏見工業との関係性においてだけは同情に値すると思ったものです。
またシード校選出の条件として、伝統校かどうかというフィルターが掛けられるようにも感じます。先に挙げた京都成章のケースは、確かまだ三度目ぐらいの出場だったはず。もしそうならば、目の前の今年のチームの実力を推し量る際に、過去の実績も参考にしているということになります。まるでバックミラーを見ながら車を前に走らせるような行為なので、危なかしくって仕方ありません。
啓光学園も被害者に?
2000年代前半に四連覇の偉業を成し遂げ栄華を極めた啓光学園ですら、その例外ではありませんでした。第74回大会でその嫌がらせは起こりました。
大会委員会はその年、シード校は例年通り選んだものの、A、Bのシード分けをしませんでした。何でも、実力が拮抗しているため選べなかった、ってな言い訳をしたと思います、何じゃそりゃ。
私なりにその真相に迫ると、実は当時は今から想像できないほど東高西低で、関東に有力校が並んでいました。前年優勝の相模台工を筆頭に、久我山、東農大二、日川、茗渓。それに対して関西勢はというと、常連の伏見も、大工大も予選で敗退。天理は春から低調で、西の横綱Aシードに相応しいチームは啓光のみ。私は間違いなく啓光がAシードになるので準々決勝までは間違いない、3日は花園へ観に行くか、勝手にそう算段していました。事実、あのチームから社会人(今でいうところのトップリーグ)に進んだ選手が一体どれだけいたことか。永島、駒居、浜渦、将太朗や高もリザーブにいたので、計7、8人は進んだはず(例の問題児、山崎勇気もいた)。それぐらい層が厚く、記虎さんをして歴代最強チームと評したほどだったのです。
でっ、大会はどうなったかというと、A、Bのシード分けをしなかったので、啓光は東の横綱と目された久我山と、まさかのベスト16で当たることになってしまいましたとさ・・・・。まさに大会前には決勝カードと言われた一戦が、元旦に行われることとなり、私も最後まで迷ったのですが、さすがに1月1日に花園というのは難しく、泣く泣く観戦は叶いませんでした、ええ。
結果啓光は惜敗。試合後、あの記虎さんが男泣き、スタンドに来ていた荒川先生があまりの激闘ぶりに青褪めるという、一部マニアにとって花園最高の試合と言われる一戦となったのでした。実はダイジェストをビデオに録っていたのですが、引っ越しの際に捨てたのが返す返すも悔やまれます・・・・。
勝利した久我山もこの死闘でゲームメーカの会田を失うこととなり、結果優勝には手が届きませんでした。
すべては大会委員会が啓光をAシードに選びたくはないという、アホらしい理由から始まったとしか思えず、裏にあるのは当時の下らない掟、つまるところ近畿のAシードには伏見、工大、天理以外は許されないという空気のためなのでしょう。まったくもってバカげてます!
では流経大柏シード落ちの理由は?
でっ、今大会のシードがまた酷くて、近畿から五校、関東から二校、九州からは一校。この偏り・・・・。100回記念大会は何とかして近畿勢に花を持たせたいからって、まぁ百歩譲ってわからんわけじゃないけど、見苦しいの一語。しかも関東のもう一校は目黒学院。流経大柏と比較してどうだったのでしょう? 二回戦で大分東明にコロッと負けたところを観るにつけ、何かあったのかなぁ、なんて勘繰ったりしちゃいます。
流経大柏は今回で四半世紀以上連続出場しているというのにこの仕打ち、まったく酷いもんです。まぁ、考えてみれば、目黒学院の前身は五度の優勝を誇る東京勢随一の名門目黒高校というところにあるのかも。伝統校優先の法則が、ここでも発動されたのか・・・・?
どうも流経大柏は、昔からシードに恵まれないようなイメージがあるのですよね。選手に対してはもう二十年以上も前から代表の主将に大抜擢されていたりして、埋め合わせというか、そういうのが結構あるのですが、チーム自体としては不遇な気がします。よっぽど大会委員会との相性が悪いというか、はっきり言えば嫌われているのではないでしょうか・・・・。でも、今の監督さんの悪い話は聞いたことないので、きっと前任の方なのかな、なぁんてね、テヘッ。