Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

天理大 制覇成る!

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 天理大学が遂に選手権制覇です。関西のチームの優勝は36年ぶり。実にお見事、優勝カップが久方ぶりに関ヶ原を越えて戻って来ました。

 帝京の9連覇、選手権連勝記録38を止めたのもこの大学ですから値打ちがあります。

 今回の優勝は、ある意味必然のようにも感じます。去年度、高校ラグビー桐蔭学園が優勝を成し遂げ、関東の高校が単独で花園を制したのは22大会ぶりのことでした。まぁそれに連動はしていないのでしょうが、関西勢の大学日本一もそろそろあるのかな、というかないといかん、そう思っていただけに良かったですわ。

 ラグビーのレベルを上げるためには、地域的な偏りは禁物です。令和に時代が変わったとたん、高校・大学、二つのラグビー界における ”負の偏差” が見事に解消したわけですから、この国のラグビーは更に発展すると思いますよ、ええ。因みに、一応私も大阪生まれの兵庫育ちという生粋の関西人なので喜びも一入です。

 

<本日の必然>

 待ち受けるシンデレラストーリー

 

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 小松監督も長年の労が報われたのではないでしょうか。しっかし、明日から大変ですよ。一躍時の人ですわ! 他の地方の方にはおおよそ理解できないと思いますが、関西のマスコミっていうのは実に独特で、こういうケースは絶対に放ってはおきません。まぁ見てておくんなはれ、これでもかって持ち上げまくりますから。しかも早稲田に勝っての日本一だけに付加価値は高い。テレビ、ラジオ、メディアに引っ張りだこ。恐らく吉本がそのマネジメントに名乗りを上げるのではないでしょうか、冗談抜きで。

 本も出るでしょうな。その時歴史が動いた的な感じのが。そして動かしたのは私ですみたいなやつ。まずは当然、天理教道友社から、うーん三冊かな。メジャーなところでは最近必死にラグビーに尻尾振り始めた文芸春秋から一冊。そして関西系の出版社から二冊、併せて計六冊は固いと見た。

 ただ、あえて希望を口にすると、故平尾氏がらみの描かれ方はやめて欲しいな。同い年で大学も一緒。それだけに、彼がいたから今の私があります、というのをメディアとしては欲しがるでしょうし、謙虚な方なので口にするとは思いますが、主役はあくまでも小松監督であって、関西大学リーグ三部に低迷していた部をどのように建て直したか、ってところにフォーカスして欲しいと思うのですよ。

 関西大学ラグビー界低迷の真相

 1980年代に一大ブームが起こり、昭和の終わりとともに奈落の底へ墜ちていった日本ラグビー界、その原因の一つとして、関西大学ラグビーの不発、というか長きに渡る低迷があるように思うのです。

 いまだに腑に落ちないのは、大学だけが独りでに逆走していった点。社会人は神戸製鋼が七連覇を成し遂げ、平成の間も何とか持ち堪えた。高校はというと逆に今に至る黄金時代を築き上げた。少し補足すると、そこはやっぱり聖地花園の存在が大きい。実際、花園というのは便利なところにありまして、神戸から1時間、京都からも1時間15分、奈良からは30分で行けます。だから近畿のちびっこラガーマンたちは小学校の頃から大阪、神戸、京都、奈良の四つの地区で競い合い揉まれてレベルを上げるのです。文句なく日本一のラグビー・マッド地帯です。

 ところが肝心の大学はといえば、低迷というか構造的に行き詰った。特にディフェンス面での後れは眼を覆うばかりで、1年→3年→6年→10年って感じで、平成になってからの最初の四年間で関東から10年分後れた。極めつけは平成四年度の同志社のイケイケラグビー。あれが妙というか、世間に変に好意的に受けとめられてしまった関係で、あの歪なラグビーについて検証することをしなかったので、あそこで組織ディフェンスの遅れは決定的なものとなり、関西勢が国立で勝つことはまず無理という状態にまで堕ちたのです。事実、関西の雄その同志社に至っては、平成に入ってから一度たりとて勝てないという・・・・。

 でっ、そういうのを高校の指導者たちもしっかりと見ていますから、上手くなりたかったら関東に行けっていうのが浸透してしまった。結果、近畿出身のラガーマンの多く(石見智翠館尾道日本航空石川も含む)は関東の大学に進むこととなり、関西大学ラグビーの衰退に追い打ちを掛けたのです。

 関西メディアにも責任が

  しかし、ある一つの大学スポーツにおいて、関西という日本における一大文化圏が束になって、平成の代まるまる低迷するというのはよっぽどのことですわ。我が阪神の暗黒期もなんやかんやで15年間ですから。しかも特筆すべきは先に書いた通り、下のカテゴリーでは近畿の高校が他の地域を圧倒、事実平成の間に20度優勝しているというのに、この矛盾、いやぁ、書いていて改めて思うけど、一つの奇跡ではないかと。

 じゃぁどこに責任があるのかといえば、いろいろとあり過ぎるので、そのうち時間があればじっくり書きたいのですが、取りあえず言えることは、関西のメディアが殊ラグビーに関しては脚しか引っ張らなかった、ということか。あのイケイケラグビーをいつまでもよくやったと言ってる時点でもう駄目なのですが、もっと象徴的に言えば関西ラグビー界の巨頭とも言える三人、もう亡くなられた方もおられるので、あえて実名では書きませんが、ロマンスグレー氏とプリンスと泣き虫先生、この三人について、ひたすら持ち上げるだけでその一面しか伝えようとしなかったからでしょうね。

 ロマンスグレー氏は栄えある第一回ラグビーW杯監督の座から遁走しましたが、それを不問にし、プリンスは才能の塊ではあったものの、代表という括りでは選手としても監督としても機能しませんでしたがそれも無かったことに。泣き虫先生はドラマやプロジェクトXなどで半分はファンタジーの如き描かれ方をされたのを良いことにそれを安直に追随、結局三人とも虚像として、メディアの描きたいように、コアなファンが待ち望む姿に、捻じ曲げられ潤色して伝えられ続けた結果、関西大学ラグビーの深刻な低迷の真相について、いつまでたってもメスが入ることはなかった。つまり、この三人の反証、および否定抜きにはその復活はありえなかったのにそれを避け続けた結果、こんなに遠回りしてしまったというわけです。まぁ泣き虫先生は高校の監督ですが、大学ともいろいろあったのですわ。三人の関西ラグビー界における功績は素晴らしいの一語に尽きるのですが、だからといって彼らの暗部に触れることをタブー視するというのは違うと思うのです。

 しかし天理大が時間を要しましたが日本一となって、時計の針は再び動き始めました。日本ラグビーが進化するには関東と関西のそれが、両輪となってあらゆるカテゴリーで噛み合ってこそ前に進むのです。令和を迎えたまさに今、この国のラグビー文化は必ず復活する、そう信じています!

 関西復権で悲喜こもごも

 今回の天理の優勝、すなわち関西の復権を苦々しく眺めている方も多いでしょうね。これで近畿の中学生や高校生が、別に大学は関東にいかなくてもええやん、ってなるでしょうから。早稲田、明治、慶応の伝統校には何の影響もないでしょうが、対抗戦下位やリーグ戦の東海大以外は、リクルートが厳しくなるでしょう。

 関西は関学、近大、京産みんな追い風。特に関大が伸びるのではないでしょうか。

 それと天理は盟主早稲田に勝ったわけですが、今回から留学生が云々というケチのつけられ方がなくなるのではないかと。今の、そしてこれからのラグビー日本代表のフォーマットとしてどちらが相応しいかといえば、それは明らかに天理ですからね。慶応ですらサモアから二人の若大将を呼んだし。これからますます留学生在りきこそが常識となるのではないかと。 

 最後に

 これで今年度のアマチュアラグビーは終わりを告げました。来週からはトップリーグが始まります。観客制限なので、その熱量を計ることができないのは残念ですが、私は来年から始まるという真のプロ化にこそ興味があるので、今年はほどほどのお付き合いで済まそうと考えております。

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 最後に花園で気になったシーンを一つ。準々決勝の東海大仰星対東福岡の一戦、あれってなんだったのでしょうね・・・・? 決勝トライはもみ消されるは、後半48分までやるは、もうグダグダ。第100回王者には地元大阪の東海大仰星こそが相応しい、そう大会委員会の悪巧みを白状したようなもの。唯一の一回戦免除からも実に判り易かったのですが、ここまでするかしかし。

 たぶんこういうインチキって対抗戦好きにはたまらんねやろうなぁって思っていたら、案の定、大友信彦曰く、”歴史的な名勝負” ですって、あれまぁ・・・・。更にダメ押しとばかりに、久方ぶりに覗いてみたら中尾もベタ褒め、

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  日本ラグビーが三十年以上の長きにわたり低迷を極めた最大の戦犯にして癌は、言うまでもなくこいつら狂会の連中ですわな。早くラグビーから手を引いてーっ!