Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

2022 ドラフト 高校生編 Ⅰ

 というわけで9月は全休と相成りました。この極北のブログに脚を運んでくださる奇特な方々も、今回ばかりは見切りをつけたのではないか。つまりそれなりにではあるが、いてくださった有難い読者を失ったということ。だが後悔はない。気分が乗らない時は筆も進まない。休むのも一興。気分を変えてここからドラフトもあるので頑張ろうと思います。

 ということで、待望のドラフトについて、本日は高校生編としたい。

 がっ、その前に今年のドラフトの傾向について書かせていただく。2022年ドラフトは一言でいえば不作。しかして、それはコロナの影響にどっぶり浸かった世代なので仕方あるまい。

<本日のどっぷり>

 

 今ドラフトの傾向

 ではどれぐらい不作なのか、「過去ここまで不作だった年がありましたか?」いきなりそう問われた場合でも、恐らく余裕で ”ありましたよ!” そう答えるだろう。

 最近だと17年の清宮ドラフト、1位相当の層が薄く、すでに外れ1位の半分が辞めたのでは・・・・。そう思って後何人残っているのか、指折り数える手が震えます。恐らく阪神馬場、巨人鍬原、中日鈴木の首筋にも冷たいものが走っていると思われる。

 その十年前、07年も凄かった。高校生を切り出してやった最後の年。大社は大場に6球団、長谷部に5球団。そのあたりの事情を突くと頭を抱えるスカウトも多いことだろう。

 翌08年も低調であった。野本、松本、 大田がそれぞれ重複した。あの大田にだ。しかも残りの二人ときたら・・・・。今となっては想像を絶する次第である。

 当時、私もまだ若かったし今よりは真剣にアマ野球を眺めていた。がっ、特に08年については力が入らなかったのを覚えている。なんだかんだ言ったところで、07年は中田翔がいたし、そして四年前は清宮がいた。さらには今を時めく村上も裏で控えていたわけで、つまり目玉の選手は必ずいた。特に高校生にそれがいるといないでは大違い。

 相も変わらずマクラが長くなりましたが、今年のドラフトを一言でいい表すならば、高校生にアイコンとなる選手がいないドラフト、つまりは08年型と言えるのではないでしょうか。

 じゃあおまえがスカウトなら誰を上位に、それも1位に薦めるんだよ、そんな風に問われたとして改めて顔ぶれ、動画を眺めてみたのだが、この選手なら外れ1位に推せる、そういう投手が一人だけいる、それは田中晴(日本文理)だ!

 田中晴也(日本文理

 身体が強い上、矛盾するようだが仕込みの甘さも伺える。つまり体幹の強さはまだない。しかし積んでいるエンジンのデカさは傍からでも伝わってくる。腕の振りも良いし指に掛かった球は去年の風間、森木より上、私はそう見る。また打撃の良さから野球センスの高さも垣間見える。外れたら黙ってこの選手を指名して育てましょうよ、マジでそう言いたくなる逸品だ。

 ただメンタルの弱さはあると思う。裏日本産独自なものか。甲子園で二度にわたって結果が出せなかったことからもそう指摘せざるを得ない。それでも新潟が生んだ史上最高の投手だと思います。

 さてさて果たして何位で彼の名前がコールされるのか、まったくもって見ものである。今から楽しみ。今年の高校生投手NO.1投手、お忘れなく!

 浅野翔吾(高松商高

 目玉のいないこの秋ではあるが、空座と思しきアイコンに収まろうという候補がいないというわけではない。大巨人軍から早々に指名確約を取り付けた浅野(高松商)がそういった存在か。しかし、去年の今頃、浅野がドラフトの目玉になるという論調はなかった。二年ながら甲子園の左中間に大ホームランを打つという大仕事をしたというのにだ。浅野を目玉に仕立てようというのは、報知新聞の熱量だけでは恐らく無理だろう。目玉には ”十年に一人” 、とか ”大器” とか ”逸材” というフレーズが似合う。浅野の双肩にそれらを乗っけるのは容易なことだが、いかにも重い・・・・。

 しかしそれでは盛り上がれない。「浅野ドラフト」、とりあえず来週あたりからそんな造語が日テレ界隈から飛び出す気配はプンプン。まぁそれはそれでいいだろう、盛り上がるのなら。というわけでもったいぶっても仕方ないので寸評に入ろう。

 技術的には問題はない。右脚の軸も、左肩の壁も見事である。確か去年、あれ、高松商に一人だけ大阪桐蔭の選手が混ざっているぞ?、そんな表現をしたと思う。それだけの打者である。個人的に評価している。

 ただ肉体が育ち切っている、というか仕上がってる気がするのだ。つまり伸びしろはあるのだろうか? 脚はあるが守備は怪しい、そこももう少し見極めたかった。

 和製アルトゥーべの声もかかるが、彼のようにそれなりの長さの木製バットを振り回せるのか、打の鍵はそこ。

 来年のキャンプ、ファンは彼の姿を探さず見つけ出せるのだろうか? オーラの有無もチェックしたい。

 

 山田 陽翔(近江)

 山田も去年の夏の段階で大手柄を挙げている。優勝候補大阪桐蔭を仕留めて見せたのである。しかし浅野同様来年の目玉に、という声は起こらなかった。こちらもサイズ、ボリューム共に不足してしるように映ったからだ。

 またここに来てボールが微妙に動く、とかそんな報告が上がって来るのだが、そういうのも気になっている。

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 私はこういうのを評価を上げる材料とはカウントしない。その昔、ハンカチの球はマー君には及ばないが、天性のセンス、打者との駆け引きが上手く絶妙な間合いや球の出し入れで・・・・、みたいな表現でやたらと持ち上げられたのを覚えている。しかしてどうであったか。結果はすでに出ている。インサイドワークまで引き合いに出されたら、私ら素人には口の出しようがない領域。ならば開き直ってありのままを見た方が良い。

 山田の完成形はライアン小川だと思う。小柄ながら角度があって、コントロールも絶妙で落ちるボールを効果的に操る。小川になれる要素はある。ぜひ目指して欲しい。でもこれって全ての高校生投手が目指すべき姿ということになるんだよね、我ながらちょこっと無責任か・・・・。まぁまとめると小柄ながら角度はある山田には、そこを目指せる可能性があるってあたりが無難でしょうか。

 また山田は打者としての評価もある。私は春の段階ではそちらを評価していたぐらいだ。しかしそれらを合わせても3位相当だと思う。ただ山田の場合、上位の指名があっても良いとは思う。あれだけ今年の甲子園を沸かせたわけだし、報労ということで上位指名を。結局そっちかよ。

 

 齋藤 響介(盛岡中央)

 次に挙げたいのが盛岡中央の斎藤。この夏、もっとも予選で球数を投げた投手ではないだろうか、調べてはないけど。それが言いすぎならば、もっとも魂のこもった投球を重ねた投手、というのはどうか、こちらも根拠は当然ない。

 投球フォームは正直滅茶苦茶で、テークバックは後ろに手を回す程度。その後、腕を担いで振り回すように投げる。極端に言えば、右腕を真上に上げて、一度身体を弾ませることを合図に、そこから一気に投げ下ろす、それだけってイメージ。

 この投手の不思議なのは、そんなフォームなのになぜか腕が撓るところ。普通、体に巻き付くように腕を使うからこそ撓る、個人的にそう思っており、そんな風に考えてみると、テークバックの段階で身体の重心の移動や回転と腕は連動する、もしくはそれを意図させるのが普通なのだが、彼のフォームはそれを拒否している。

 右腕だけが身体の動きと合ってなくて独立している、そんな感じ。それで140キロ半ばの球をこれでもかと投げ込んでくる。またテークバックが小さく担いで投げるのでフォークがよく落ちる。ここまで落ちる高校生のフォークを観るのは誰以来か・・・・、わからんわ、覚えてない。さらに110キ口台の大きなカーブや力ットも良い。独特の間合といい打者は何とも組しにくいだろうな。花巻東に一点差で勝ち切ったあたりにはメンタルの強さも感じる。

 私はフォームの美しくない投手は評価しないのだが、彼からは特別な臭いを感じ取っている。たとえば4年前の戸郷や、かなり前になるが敬愛学園時代の五十嵐。特に五十嵐は何度も球場に足を運んで観たのだが、いわゆる担ぎ投げで、あれでは怪我するために投げているようなものだと感じたのを覚えている。

 果たしてプ口がどのような評価をしているのか知りたい。今年の東北はレベルが高く、彼はぽっと出の投手ではない。白状すれば、未曽有の不作の年だし、私がスカウトなら思い切って1位でもとも思うが、本人が身構えるので2位以降のほうがいいかな。それとあの投球フォームも弄るべきではないとも思う。

 身長177cmの72kg、 正直キャパはない。しかしこのサイズだからこそあの投け方が嵌ったのではないか? 185cm以上の投手がフォームを真似たらボールは暴れまくるだろう。

 最後になるが腕の撓り。その源泉は肘から先、二の腕あたりと手首が強いのではないか? 人の鍛えられないところの強さを感じさせる底知れぬ投手、盛岡中央齋藤響助、お薦めです。

 因みに盛岡中央のあのユニ。監督はプリンスホテル関係者と見た、知らんけど。

 

 今日はここまで。明日以降で松尾西村三塚あたりを。