Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

Rの時代 Ⅶ

 諦めました・・・・。

 目前に控えたラグビーW杯、日本代表の応援はほどほどにして、世界のラグビーがどこへ向かうのかを観察することに切り換えます。

 今年度に入って、ラグビーの記事は ”Rの時代”、というタイトルに統一しました。四年に一度のワールドカップを、内輪受けでもいいから盛り上げたかったのでそうした。いちいちお題を考えるのが面倒臭かったというのもあるが。

 ”R” というのはいうまでもなく、”Rugby” と”和” をかけたわけだ。われながら安易なネーミングだと反省している。しかし、そこにedカードも重なってくるとは、お釈迦様でも・・・・。

 ただし、カードについては、7月に南アフリ力で行われたU20W杯でも、日本代表のキープレイヤーたちがレッドカードを受けている。

www.rugby-japan.jp

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 背景には今年に入ってタックルの基準を肩より下に変えるなど、危険なプレーに対し厳格に処するとWRが示唆していたというのに、LEAGUE ONE 以下、そこへの適応が甘かったからだろう。結果として、日本チームは力テゴリーを問わず、タックルが高かったり反則への意識が薄い傾向にある、とレフリーたちに共通認識として刷り込まれたのだと思う、知らんけど。そこは事前にしっかり抑えるべきでなかったか。どうしてこういう動きを、素早く、そして柔軟に受け入れようとしないのだろう・・・・?

 実はルールやレギュレーション変更などに対して後手後手に回るという失態は、昔から日本協会のお家芸の一つである。確か、ラインアウトのリフティングが導入されたのはシーズン中の12月だった記憶がある。96年のこと。

 また、今のように体にピタッとフィツトするジャージが導入可能となったのが03年のW杯からであったが、日本代表ときたら、規定変更を読み込んでおらず、ダボダボのやつでオーストラリアに見参・・・・。どこの田舎チームかと思ったわ。おかげで小野澤なんかジャージの袖や肩口を捕まれて振り回されてました。

 しかもその開幕の三週間前に、わざわざトップリーグの開幕をやるという地獄絵図。代表の選手は合宿を一時切り上げて、自分のチームに戻って試合をさせられたというからたまりません。つくづく協会の仕事のできなさには呆れる、というか、おまえらときたら、どこまで代表の邪魔をすればいいんだよ! 。変われないのか、変わる気がないのか。

 ただ、この手のお粗末さは、エディーが就任してから一旦なくなったのだがな・・・・。おそらくあの頃の緊張感は、もうないのでしょうね。

 

 

 先週のイタリア戦後の選手たちの対応を眺めていると、なんとなく、 ”W杯で結果を出せばいいんだろっ!” 的な居直りが見られるような気がするのもどうかと。それができたら誰も言わんし、アナも訊かんて、ええ。

 解説の田中、五郎丸も結構辛口で良かったですが、”それって、夜中だからできるんでしょ!” と、突っ込みを入れたくなりました。あっ、田中は違うか。あいつはいつものことや!

 本番では二試合のゴールデンでの放送が待ち受けている。五郎丸はそこでも解説を任されると思う。きっとー転してマイルドな口調に切り替えるのでしょう。一方、田中はあかんやろね、恐らく。ということで、田中起用の時間帯や、五郎丸の語り口にはフィールド上よりも注目に値するかもです。

 代表に目を移すが、間に合うとか間に合わないとかではなく、もともとやる気がないのと違うか・・・・? ジェイミーにやる気がなかったら、当然、ブラウンもそうなる、ってことで、W杯を目の前にしてこんなこと言いたくはないが、さすがに、もうダメかもしれないね・・・・。逆神にならんことを切に望みながら、そう呟やいておきます。

 

 今後、世界のラグビーがどこに向かうのか、そんな大それたこと、私ごときに判りません。がっ、これだけは言えるのでは、ということが二つある。

 ーつはより安全なスポーツを目指していくということ。具体的に言えば、タックルの基準もそうだが、たとえばスクラムの孕む危険性、特に一列の選手への負荷を軽減させる方向に舵を切ったと思う。またラインアウトのルールも整理されていくはず。結果としてセットプレー中に怪我をするリスクは減り、マイボールのキープ率も上がるのではないかと。ここは体格的に不利な日本にとって有利に働くと思う。

 もうーつは国籍。選手の生まれた国がより優先されるようになるのでしょう。その方がシンプルでいいと思う。ですが、この点は留学生や助っ人頼りのわが日本にとって厳しい。ただしこの流れでは、サッ力ーの基準に倣うだけと言え、それではラグビーらしくはないだろ、っていう意見も出てくるのでしょうね。

 ラグビーはー部の国だけで行われるマイナースポーツではあるが、一応ワールドカップについては、世界第三のスポーツイベントだとの自負もある。なので差別化というか、五輪やサッ力ーとは違う、そう言える部分を残しておきたがるとは思う。

 ただし、日本はあくまでそういったフォーマットを巡る変遷の度に翻弄される側である、ということは自覚しておかないと。決してそれらを決めるプレイヤーに混ぜてはもらえない、ということを。だからこそ、今回のタックルのルール変更などがあれば、どこよりも迅速に受け入れないとダメなはずでは・・・・。

 

 これからのラグビーの流れを簡単にまとめると、体格差はセットプレーでは出なくなるであろう。しかし、フィールドプレー中でのその優劣は顕著になる、そんな感じ。

 まさに今、バックローだけではなく、バックスリーにも190cm 台が必要と言われている。走れる超高身長の選手への需要はさらに高まっていくことになるのでしょう。日本はそのニーズに対してどのような手を打つべきなのか、そこが間われる大会になるかもしれません。

 言うまでもなく、今大会も大型選手は海外産にフルアウトソーシングしている。これは日本ラグビー界が構造的に抱える問題。そんなの今に始まった話ではない、そう開き直られればその通りなのですが、ものごとを理解することと対応することと克服することは、それぞれ異なる次元の話。大昔から判っているのなら、早くなんとかせぇーっ!、ってことですわ。

 その反面、サイズはないがきらりと光る選手が世界にはいるのも事実。たとえばバックスリーなら、 ハーフぺニーはウェールズの主軸として実に息の長い選手であるし、コルビは今大会でもトライを量産するであろう。バック口ーでもジョージ・スミス、ポーコック、クワッガ・スミス、フーパーなど、サイズがなくとも、大型選手と伍して闘える選手はいたし、今もいる。ではそのための条件がどこにあるのか、背の低い選手に望まれるプレーとは何なのか、大会を通じてその手掛かりを探せればと思う。

 またミスマッチや凸凹が生じた際に、周りの選手がどうフォローすべきなのか、そこもしっかりと確認・点検したいですね。

 まぁ、もうここまで来たらとやかくは言いません。結果が出なけりゃ協会や大学ラグビーが悪いということで、これまで通り叩き続けるし、ベスト8に残れれば、選手はよくやった、で丸く収めましょう。つまり両建てで行きますよ、ええ。

阪神 優勝へのカウントダウン 番外逆神編

 今、ラグビー日本代表、W杯前最後の試合イタリア戦を観てますがひでぇな、こりゃ。

 全敗もある。逆神になりたいわ、マジに。

 逆神と言えば、わが阪神、昨日は青柳が粘投で6勝目、木浪が初本塁打グランドスラム!! これからも逆神として頑張る所存です。

Rの時代 Ⅵ

 久しぶりの花園であった。懐かしい場所に訪れるというのは嬉しいものである、がっ、そればかりではない。いろんな思いがこみ上げてくる。この年になればなおさらである。

 今回は寂しい、いや、正直悲しい、そう感じた。日本代表の不甲斐ない戦いがそれを誘ったのは確かである。相も変わらずスクラムは冴えず、ハイボールへの対応も甘い。ランメーターでは大幅にトンガを下回り、ハンドリングエラーも一向に直らない。まったく溜息しか出ないお寒い試合内容であった。

 しかし、私を嘆かせたのはそれだけではない。それ以上にグラウンドの状態、特に芝生、そこにいろんな幾何学的なラインが描かれているのが物悲しかったのだ。

 花園はもうラグビーだけのものではない、そう思い知る刹那が辛かったのである。

 それを言うなら、味スタや横国、エコパ、昭和電工をおまえらは我が物顔で使ったじゃねぇか、そう言われそうである。その通りだ、われわれはサッカーファンに不義理を働いている。そのバチが当たった。

 ラグビーだけで花園を維持するのでは、東大阪市民に迷惑をかけ続けることを意味する。管理指定業者を大阪FCに奪われたのは日本ラグビー協会の失策。すべてはラグビー側に問題があるわけで、つまりはてめぇの責任なのだ。

 しかし、である・・・・。花園はラグビーの聖地であり、そしてかくいう私の思い出の場所でもあるのだ!

 母親の実家がラグビー場の前の交番の迎えの筋にあった。あまり詳しく書くと特定されそうなのでやめるが、花園ラグビー場は文字通り目と鼻の先であった。

 子供の頃、春、夏、冬休みはそれぞれ半分以上、そこで暮らした。少なくともその期間、私にとって花園ラグビー場は生活の一部であったのだ。

 私の家は、犬を五匹も六匹も七匹も八匹も飼うし猫も飼う、そんな家系なので、私は犬や猫とーつの布団で寝て育った。おかげで私の学生服は常に毛だらけであった。よく馬鹿にされたものだ。

 部活で疲れ果て家に帰り、ぼーっとしていると、気が付けば猫が膝の上に乗っていて、犬が横に来て肩を寄せて来る、そんな日常であった。

 母親の実家での祖母との一日は、朝6時頃に起きて、犬を散歩に連れていくところから始まる。まだ小学生の私の両手は二匹の犬に引っ張られ、祖母は三匹の犬に引きずられる様に家を出る。するとベランダや庭に残された犬が、自分の番はまだなのかと容赦なく吠え出す。祖母がその度にシーッと大きな声を出す。朝っぱらから、と周囲の住人の顰蹙の的であったことは間違いない。苦情もよく出ていたようだ。

 実は舞台裏を申し上げるなら、犬を散歩に連れ出す、そこまででも一苦労していた。犬どうしの相性から、一回目に連れて行くのはこの子とこの子じゃないとダメ。そんなルール通りに散歩の準備をするだけでもかなり骨を折った。

 私の家もたくさん犬を飼っていたが、阪神間奥座敷、つまり田舎なので、それこそ行ってこいって感じで放し飼いをしても、まったく問題にもならなかった。今思うに大らかな時代だったなぁ・・・・。なのでむしろ悪戯をしたりすると、出ていけー、っと門から蹴とばして外に出す、すると捨てられまいと犬が申し訳なさそうに家の周囲をクンクン鼻を鳴らしながら歩いて回り、外からこちらの出方を伺ったり、玄関で伏し目がちに入れてくれるまで動こうとしない、そんな感じであった。

 だが、都会とは言えないまでも東大阪ではさすがにそういうわけにはいかず、何匹も犬を飼ってしまうと、逆に家から散歩に出たがる犬を抑えながら、外に連れ出すだけでも一苦労。一度に犬を都合五匹、二人して連れていく先、それは言うまでもなく目と鼻の先にあるその花園ラグビー場であった。

 ラグビー場を縁取る小さな径、足元を遮る伸び放題の雑草を犬たちはものともせず掻き分け、時計とは逆回りに半周ぐらい歩く。と、祖母がここから入れる、そう手招き、その元へ駆け寄る。

 金網に下の方に穴が開ているのだ。祖母、三匹の犬、そしてニ匹の犬、私の順でしゃがんで金網をくぐる。すると、手入れはそれほど行き届いてはないがー面の芝生が広がっている。喜々として飛び跳ねる犬を放してやる。今でいうところの第三グラウンドか。

 近鉄が一番早くに市に手放した陸上競技場と花園中央公園のあたりは、当時はミニゴルフ場で、祖母と私は大胆にもそこへ犬を連れて毎朝散歩に来ていたのだ・・・・。

 「おかぁーちゃまぁ(祖母の愛称)、ここ、犬とか連れてきて大丈夫なん?」← っていうか、おまえとババァだって駄目なんだよ、普通はな!

 「うん、まだ係の人みんな寝てる、大丈夫、あんたは心配せんでもいい!」

 考えてみると、近鉄ラグビー部の社員寮はラグビー場本体にあった。あの谷口もそこで暮らしていたことになる・・・・、そう思うと複雑である。

 すると祖母はやおら肩にかけたバックからアイアンを持ち出し素振りを繰り返し、あろうことかゴルフボールを打ち出すのであった。

 そう長くはないフェアーウェーを転々とするボール。それを我先にと追いかけ、そしてそれを咥え祖母目掛けて戻ってくる犬どもの誇らしげな表情や、そのたびに大袈裟に誉め、両頬を撫でまわしてやる祖母の幸せそうな姿が忘れられない。

その景色は私の幼いころ、昭和五十年代前半の原風景のーつなのだ。

 まぁそう思い返すと、当時、第二、第三グラウンドはミニゴルフ場で、花園ラグビー場は打ちっぱなしでもあった。だったらサッ力一と共用でも問題ないやろ、そう言われると返す言葉はない。ないのであるが、あの線だらけで、短く刈り上げられた芝生を見るのはさすがに忍びなかったのだ。

 

 明日のフィジー戦、忖度や先方に疲れがなければ間違いなくボコられます。そして日本はランキングを落とし続けるのでしょう。坂道を転がるように元の日本代表へと戻っていく。魔法はとけた。なにもかもがもう遅く、われわれはなにもかもをなくす、それを受け入れる準備にとりかかる必要があるのかもしれませんね。

 でも日本ラグビー協会や、関西ラグビー協会、そして大学ラグビーファンのみなさんは、きっとそれで満足なのでしょう。

 合掌

Rの時代 Ⅴ

 先週、正式な、というか今年度のラグビー日本代表初戦が大分で開催された。しかし残念なことに、観客数は二万に届かなかった。前週の秩父宮から二千人以上減った計算。スタジアムのキャパの半分も埋め切れなかったことになる。新ジャージお披露目というカードを切っておきながらこれ。結果としてのこの動員を読めなかったとしたなら、日本ラグビー協会は実におめでたいといえる。前回の記事で誉めただけに残念である。

 果たしてわざわざ遠征してまで、あえて大きな箱でやる意味があったのだろうか? 想像するに、大分開催に至った理由は三つ。まずJリーグの日程もあって都内などの主要なスタジアムを用意できなかった。次は、大分のラグビーファンから地元を挙げての熱烈なラブコールがあった。そして最後に政治的トップダウン・・・・。まぁ考えるに、理由として成り立つのは三つ目だけではないか。

 まず、都内ならば秩父宮でやれただろ、って話。初戦、五戦目のチケット争奪戦は凄まじかった。二戦目が同じカードで同一拠点での連戦になろうと需要は間違いなくあった。

 次に大分からのラブコールであるが、集客が二万にも及ばない時点で、それはなかったとの整理でいいと思う。大分ではニ年前にもオーストラリア戦を開催している。観客数は1万7千人あまり。私もそこに居合わせたのだが、もう少し何とかならんかと思った。

 普通の組織であればその反省を生かす。それでも大分で開催されたわけだから、つまりは政治的なトップダウンがあってそれに抗えなかった、そう思いたい。なので同情の余地はなくもない。しかし、である。仮にそうであっても、選手への配慮が欠けていたのではないか。大事なこの時期にお寒い観客席を見せつけ、ラグビー人気の陰りを本人たちに体感させてしまうのは避けたかった。四年に一度の大勝負を闘うための環境というのは、外ならぬ協会が音頭を取り、ファンやメディアが神輿を担ぎ選手をそこに乗せる、 そういうものだと思うのだが。

 森-御手洗ラインが生んだ案件、と言われればそれまでである。であればなおのこと、協会はいろんな意味でもっと根回しをし、汗をかくべきではなかったか。権力者の身勝手な要求に屈し納得できない気持ちは判る。しかし二人は老害ではあるが、身内で間違いはない。大分で決まったのなら、気持ちを切り替え全力を尽くす。何よりファンのため、そして選手のために。正直、日本ラグビー協会からそのあたりの気概というかバイタリティというか、そういうものを感じたことがない。残念である。

 もしかしたら彼らのなかでは、先週の一戦は大成功とされているのではないか? W杯直前のこのタイミングに大分で代表戦を開催する、それだけで意義があったのだと。政界や財界の大物の顔を立ててみせる大仕事を成し遂げた、即ち勝利、という安易なプロット。なんという低いハードルのミッション・・・・。

 恐らくニ人は、ガラガラのバックスタンドを眺めながら苦虫を噛み潰していただろうに。そこにまで頭が回らないところに、協会の連中の無能さを感じてしまう。サラリーマンとしても失格。まぁだから彼らの多くが出向という形で協会に来ているのだろうけど。体のいい厄介払い、その吹き溜まりこそがリアル日本ラグビー協会なのである

 

 チケットが高すぎる、そんな評判も良く耳にする。しかし、値付けは間違っていない。安売りこそ論外。高価であっても、それは文字通り身体を張って闘う選手へのリスペクトの表れ。ならばなおのこと売れるところで売らないと。それでもチケットが余るのなら、子供たちを招待ぐらいはできたとも思う。せめて代表には満員の中で試合をさせてやりたい。そしてそこからフランスに送り出すべきである。

 

 日本ラグビーの戦略上、”地方” が重要なターゲットであることは認める。私も同じ思いである。それは協会HPに掲載された先の代表戦の公募からも伺える。しかし、である。協会は LEAGUE ONE の各チームが首都圏に2/3も偏ってしまった事実をどう見ているのだろう。そこに手を打つ気はあるのか? むしろその埋め合わせとばかりに、日本代表が地方を回っているような。つまりは逆になっている気がするのだ。切り分けとして LEAGUE ONE にはなるべく地方にバラけてもらい、代表は都内で商売する。その方が理に適っている。大きいマーケットと小さなマーケット、どっちがどっちって、小学生でも判るやろ!

 少なくとも今回のチャレンジカップは全試合秩父宮でも良かった。その方が客が集まり盛り上がり、そして儲かったとも思う。それでも大分で決行し、札幌でもやるという。目先のもの以上の何かを、日本ラグビー界が得たであろうことを祈る。

tilleternity.hatenablog.jp

 

 この週末のサモアとのテストマッチ、本戦を占うことにはならないと書いた。壮絶な譲り合い、もしくは控えのアピールの場と化ける。同ーグループである以上、お互いに手の内を明かせるはずはない。セレクションマッチがもう一試合増えた、そう思って観るのが正解だろう。

 これも以前書いたが、日本代表はこの秋のW杯で1勝しかできないと踏んでいる。つまり本番ではサモアにも勝てないと。理由としては今回の日本遠征に不参加の欧州勢、つまりはサモアのキーマンたちがフランスでプレーしていることを上げる。第二の故郷とまではいかないだろうが、地元意識ぐらい芽生えている。きっと追い風になるだろう。しかもそこに元AB'sやワラビーズが加わる。前回、前々回のようにはいきますまい。日本代表勝利にー縷の望みをかけるなら、その頼みの綱はレッドカードとなろう。すでに気後れしている自分がいるようだ。

 

 イングランド大会から積み上げてきたものを失うのは辛いが、もう一度堕ちるところまで堕ちたほうが良い、そう思えるようになってきた今日この頃である。

 

 なんだかいつも以上に辛辣な内容に終始してしまった。ラグビーファンには申し訳なかった。明るい文章を書く気にはなれないのだ。その気持ち、阪神ファンならご理解いただけると願う。そこに今日は甘えたい。

阪神 優勝へのRの時代

 頭の中が混乱している。休日の三日間収まる気配はない。このタイトルから今の私がどんな状態であるのか、お察しいただければ幸いである。原因は言うまでもなく、どちらも弱いことがその全て。まぁ、今に始まった話ではないのであるが。

 実はこの三連休、GW頃から楽しみにしていた。できれば現地に繰り出すか、そんな算段でもあったのだ。片や新ジャージのお披露目を兼ねたW杯イヤー最初の代表戦、片や12球団最弱のチームを甲子園に迎えての三連戦。ファン心を擽らないと言えば嘘であろう。結局企画倒れに終わったが、それでも計画を練るだけであれこれと楽しい日々であった。結果として自宅で高枕での試合観戦も悪くはない、筈であった・・・・。

 

 まず阪神であるのだが、タオルがいる、そんな感じにヘロヘロ。ところが運よくここでオールスターブレイク ♪ 選手たちにとって束の間の休日、ゆっくり休んで欲しい、ってみんな出るやんけ!図らずも選手とファンの嚙み合わなさぶりが露呈してしまった格好・・・・。

 それでもここまで来れば後二ヵ月、その日暮らしでも何でもいいから凌いで欲しい。幸い横浜も巨人もモタモタしている。広島も今だけだろう。ってことで開き直れば楽しめないわけではないか。実際まだ首位だしな。というわけでカウントダウンは継続することとしたい。

 ラグビー日本代表はといえば、果たしてあの二連敗から収穫があったのかなかったのか・・・・、先物取引で大豆にでも手を出した気分である。この被害者意識、良くないのは分かってはいる。しかし協会に騙され続けてきたという黒歴史の堆積が、私を必要以上に憂鬱にさせているのかもしれない。そう思い直してNZ-南アフリカ戦を観てみたのであるが、いやはや All Blacks の凄さったら、嫁が思わず声を上げるほど。凄味だけではなくラグビーの楽しさも、普通の人にしっかりと伝えてくれる。仮にこの秋頂点を極めることができなくても王者の名に相応しい、そう感じ入った次第である。

 あの All Blacks 強さは上澄みだけの特別なものではなく、それを支える裾野の広さというか岩盤の強さというか、とにかくその国のトップアスリートがラグビーをしていることをナチュラルに伺わせる。つまりは All Blacks XV も素晴らしいチームだということ。この時期に闘わせてもらっただけでラッキーなのではないか、そう感謝したい。協会も仕事をしてないわけではないか、いやいや、実際はジェイミーとブラウンの顔で実現したブッキングか。まぁひとまずは協会の功ということにしておこう。あのメンバーから、一人でも多くの選手が All Blacks に招集されることを祈る。

 というわけで三連休の残された時間は、穏やかに過ごそうと思う。 

Rの時代 Ⅳ

 本日、後数時間で日本代表の試合がキックオフ。新ジャージのお披露目も兼ねて大分での開催。おかげで別府のホテルはどこも賑わっているのだとか。われらの Brave Blossoms が閉塞続く地方経済の起爆剤として貢献します、って感じでしょうか。でもチケットの売れ行きはイマイチのような。お寒いバックスタンドが画面に映り込まないことを、猛暑の中震えながら祈っています。

 そういえばこんな告知があったな。

www.rugby-japan.jp

 地方が好きなのか、はたまた都内の競技場を抑えられないからなのかは判りませんが、この度の国内の五連戦のチケットの売れ行きを眺める限り、秩父宮、花園以外はボロボロなのに・・・・。つまりラグビー人気の首都圏頼りは明確。国立、横国の規模は無理にしても、代表戦で味スタあたりをコンスタントに埋められるようになる、そこを目指して努力するところから考えればと思うのですけどね。この唐突とも思しきお知らせからは、むしろ地方に舵を切り直したように取れる。一体どういうマーケティングをしているのか、そう首を傾げたくなります。

 私ならTier1のチームが、秋と初夏に2チームずつ来てくれるよう頑張ろう、まずはそこに全力投球だ、となるのですけどね。もちろん開催は首都圏限定で。地方は切り捨てることになりますが、単価は一万近くでも売れると思いますよ。安定した収益になるのではないでしょうか。

 代表としても、各二試合 × 四カ国で年に八試合、そこそこ強度の高い試合をできればサンウルブスなき今、良い経験を積めるとも思う。もちろん年に強豪国を四つというのが難しのは理解します・・・・。ただ、今回のお知らせを眺める限り、来年のイングランドオールブラックス戦も公募の対象。そこは国立や横国で埋まるやろと。地方に流してどうするねんと。どうにも奴らが何を目指しているのか判りません。

 貴族気取りのIOCの連中を真似て、公募に応じて下さった各地で協会の糞野郎どもが美味しい思いをしたいから、という不純な動機でなければいいのですが。新秩父宮の訳の分からんコンセプトといい、どうにもホスピタリティの方向性が外に向いてない点を憂慮する次第です。

 

 さてさて今日の代表戦、果たしてどんな試合になるのやら。50点以上取られて惨殺か、もしくはノートライに抑えられての完敗か。おまえの絞首刑、木綿がええかそれとも麻か? 切腹ならコの字か一文字か? そう迫られているような気がしてなりません、ええ。

Rの時代 Ⅲ

 お粗末様でした。

 それ以上の表現を私は知らない。JAPAN XVといえども、この時期に80分を通じてトライを獲る気配のまったく感じられない試合をしてしまうのはまずい。スポーツ紙に出たのは、厳しい合宿明け云々の言い訳はではなく、「チームを戻していくのには時間がかかる」というもの。まぁ斜め上って感じか。

www.yomiuri.co.jp

 試合内容をあまり振り返りたくはないけれど、やはりスクラムが鬼門になりそうだ。

前半、ゴール前中央のペナルティ、スクラムを選ばれた上しっかりとコントロールされ九人は釘付け、そこから展開で易々とトライを奪われた。

 前半の最後、不要なノッコンから相手ボールスクラム。狙い通りのペナルティを奪われ3点献上。あれで勝敗は決した。言わんこっちゃない。

www3.nhk.or.jp

 

 今大会のメンバーに魅力を感じないと前々回書いた。コアメンバーに変化がないのが不満なのだ。しかし誤解して欲しくはないのだが、本番に入れば、未明であろうと寝ないで応援する、オタとしてそこに手抜かりはない。口ートルたちの最後の輝きを見守る。死に水は取ってやる、フランスでのテーマはそこだ。

 

 

 しかし、である。毎回これでは困る。しっかりと世代交代できるよう、十代や二十代前半の有望な若手を、誰が、どのように、どこまで育成するのか、そこに対する明確な答えが欲しい。

 まず LEAGUE ONE の各チームが責任もって育成する、本来それが筋であろう。一応プ口化を目指しているらしいので、そもそもチームを活性化させるためにも有望な若手は不可欠なはず。だが現状、若手の育成に力を入れようにも、チーム内を見渡したところでそんな存在そのものがいない。見事にその年代はスカスカ。なぜか・・・・?花園で活躍した選手はほぼ100%が大学に進学するからだ。各有力校の監督さんたちは皆そう進路指導している。

 となると協会がU20なりの力テゴリーに有力選手を集めて指導する以外ない。しかし、である。それは何十年も前から既にしている。今年も南アフリカ開催のU20世界選手権にチームを送り込んでもいる。まぁ全敗しそうな気配ではあるが・・・・。

rugby-rp.com

 

 大学では部活内のレギュラー争いこそが大切なので、協会からU20強化合宿への協力依頼があってもそれほど積極的に有力選手を差し出そうとははしない。これも二十年来の恒例。いつもの景色。協会の人間はほぼ伝統校のOBなので、そのあたりの事情には察しが良く忖度は当たり前。今回のHCもその内情に呆れちゃったのか途中で辞めたし・・・・。

www.nikkansports.com

 じゃあ、大学が責任持って育成しているかと言えば、玉石混淆。帝京のようにほぼプロのところもあれば、同好会同然の大学もある。各校の指導レベルについてはブラックボックスといえよう。ということで一周回って、 LEAGUE ONE が現在のように、大卒の選手を改めて鍛え直す、という以外の道はなさそうだ。

 実はそこに一理ある。NFLも大学生以外はドラフトで指名しない。身体ができていない段階で先物買いしてもお互いメリットは薄い、恐らくそいうことだろう。

 ラグビーとアメフト、互いに格闘系楕円球技、似通った要素も多い。案外間違ってないかも・・・・。だがそこまでだ。そもそもNFLと LEAGUE ONE を同じ土俵で語るのは、とてつもなく意味のない行為。力レッジフツトボールはNFLの下部組織として、育成だけではなく営業面でも機能している。力レッジフツトボールのスターがドラフト1位でプロの門を叩き、ルーキーとしてどこまで活躍できるのか、そこに注目するのはNFLの愉しみ方のーつ。物語としてもしっかりと繋がっている。

 では翻って LEAGUE ONE はどうだ? 果たして即戦力の新人が衝撃のデビューを飾ったことがあるか? まあ振り返るに大目に見て、姫野、福岡、松嶋、稲垣、日和佐、田中史あたりは結構一年目からやったか。代表に定着できたのも5年前の新人賞姫野が最後。もちろん毎年表彰選手は選ばれるのだが、多くの選手が時間とともに埋没していく・・・・。

 恐らく、大学ラグビーとのレベルが開きすぎているところに問題の核心があるのだろう。中村亮帝京大卒業後、サントリーのレギュラーに定着するまで思った以上に時間がかかったことでもそれは判る。 LEAGUE ONE 目線で申し上げれば、大学ラグビーは選手の育成機関として機能していない、そういうことになる。二十歳前後で伝えておかねばならない部分というのもきっとあるはず。

  しかし大学に言わせると、冗談じゃない、そもそも大学はそんな場所ではなく教育機関です、それで終わる。大学ラグビーファンも、選手は大学の4年間だけでも活躍してくれれば御の字、って感じでそれを後押し。花園からの物語はそこで途絶える・・・・。あんまり言いたくはないが、コレクターのごとく毎年高校代表選手を漁り尽くす某大学はマジでいい加減にして欲しいものである。

 じゃあ、やっぱり LEAGUE ONE でしっかり育成するしかないな、これで二周目。それはそれでいいのだけれど、メンバー表や試合内容を少しでも眺めれば判るが、助っ人依存度が高過ぎて、とても若手選手が育つような枠自体が個々のチームにはない。大枚はたいて海の向こうから獲ってきた以上、社員よりそっち使うやろ。

 協会に金がないのも、自転車操業しかできないのも理解するが、四年単位のサイクルで日本代表が結果を出さなければ、スポンサーがつかない、ということを頭に叩き込んで欲しい。そのための投資をしっかりしてください。それをしないと逆に四年後、八年後にご自分のクビを絞めることになるのだぞ、と。

 まあ俺は定年まで後数年だから別にええよ、協会にはそんな奴ばっかりだ。

 合掌