Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

Rの時代 Ⅲ

 お粗末様でした。

 それ以上の表現を私は知らない。JAPAN XVといえども、この時期に80分を通じてトライを獲る気配のまったく感じられない試合をしてしまうのはまずい。スポーツ紙に出たのは、厳しい合宿明け云々の言い訳はではなく、「チームを戻していくのには時間がかかる」というもの。まぁ斜め上って感じか。

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 試合内容をあまり振り返りたくはないけれど、やはりスクラムが鬼門になりそうだ。

前半、ゴール前中央のペナルティ、スクラムを選ばれた上しっかりとコントロールされ九人は釘付け、そこから展開で易々とトライを奪われた。

 前半の最後、不要なノッコンから相手ボールスクラム。狙い通りのペナルティを奪われ3点献上。あれで勝敗は決した。言わんこっちゃない。

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 今大会のメンバーに魅力を感じないと前々回書いた。コアメンバーに変化がないのが不満なのだ。しかし誤解して欲しくはないのだが、本番に入れば、未明であろうと寝ないで応援する、オタとしてそこに手抜かりはない。口ートルたちの最後の輝きを見守る。死に水は取ってやる、フランスでのテーマはそこだ。

 

 

 しかし、である。毎回これでは困る。しっかりと世代交代できるよう、十代や二十代前半の有望な若手を、誰が、どのように、どこまで育成するのか、そこに対する明確な答えが欲しい。

 まず LEAGUE ONE の各チームが責任もって育成する、本来それが筋であろう。一応プ口化を目指しているらしいので、そもそもチームを活性化させるためにも有望な若手は不可欠なはず。だが現状、若手の育成に力を入れようにも、チーム内を見渡したところでそんな存在そのものがいない。見事にその年代はスカスカ。なぜか・・・・?花園で活躍した選手はほぼ100%が大学に進学するからだ。各有力校の監督さんたちは皆そう進路指導している。

 となると協会がU20なりの力テゴリーに有力選手を集めて指導する以外ない。しかし、である。それは何十年も前から既にしている。今年も南アフリカ開催のU20世界選手権にチームを送り込んでもいる。まぁ全敗しそうな気配ではあるが・・・・。

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 大学では部活内のレギュラー争いこそが大切なので、協会からU20強化合宿への協力依頼があってもそれほど積極的に有力選手を差し出そうとははしない。これも二十年来の恒例。いつもの景色。協会の人間はほぼ伝統校のOBなので、そのあたりの事情には察しが良く忖度は当たり前。今回のHCもその内情に呆れちゃったのか途中で辞めたし・・・・。

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 じゃあ、大学が責任持って育成しているかと言えば、玉石混淆。帝京のようにほぼプロのところもあれば、同好会同然の大学もある。各校の指導レベルについてはブラックボックスといえよう。ということで一周回って、 LEAGUE ONE が現在のように、大卒の選手を改めて鍛え直す、という以外の道はなさそうだ。

 実はそこに一理ある。NFLも大学生以外はドラフトで指名しない。身体ができていない段階で先物買いしてもお互いメリットは薄い、恐らくそいうことだろう。

 ラグビーとアメフト、互いに格闘系楕円球技、似通った要素も多い。案外間違ってないかも・・・・。だがそこまでだ。そもそもNFLと LEAGUE ONE を同じ土俵で語るのは、とてつもなく意味のない行為。力レッジフツトボールはNFLの下部組織として、育成だけではなく営業面でも機能している。力レッジフツトボールのスターがドラフト1位でプロの門を叩き、ルーキーとしてどこまで活躍できるのか、そこに注目するのはNFLの愉しみ方のーつ。物語としてもしっかりと繋がっている。

 では翻って LEAGUE ONE はどうだ? 果たして即戦力の新人が衝撃のデビューを飾ったことがあるか? まあ振り返るに大目に見て、姫野、福岡、松嶋、稲垣、日和佐、田中史あたりは結構一年目からやったか。代表に定着できたのも5年前の新人賞姫野が最後。もちろん毎年表彰選手は選ばれるのだが、多くの選手が時間とともに埋没していく・・・・。

 恐らく、大学ラグビーとのレベルが開きすぎているところに問題の核心があるのだろう。中村亮帝京大卒業後、サントリーのレギュラーに定着するまで思った以上に時間がかかったことでもそれは判る。 LEAGUE ONE 目線で申し上げれば、大学ラグビーは選手の育成機関として機能していない、そういうことになる。二十歳前後で伝えておかねばならない部分というのもきっとあるはず。

  しかし大学に言わせると、冗談じゃない、そもそも大学はそんな場所ではなく教育機関です、それで終わる。大学ラグビーファンも、選手は大学の4年間だけでも活躍してくれれば御の字、って感じでそれを後押し。花園からの物語はそこで途絶える・・・・。あんまり言いたくはないが、コレクターのごとく毎年高校代表選手を漁り尽くす某大学はマジでいい加減にして欲しいものである。

 じゃあ、やっぱり LEAGUE ONE でしっかり育成するしかないな、これで二周目。それはそれでいいのだけれど、メンバー表や試合内容を少しでも眺めれば判るが、助っ人依存度が高過ぎて、とても若手選手が育つような枠自体が個々のチームにはない。大枚はたいて海の向こうから獲ってきた以上、社員よりそっち使うやろ。

 協会に金がないのも、自転車操業しかできないのも理解するが、四年単位のサイクルで日本代表が結果を出さなければ、スポンサーがつかない、ということを頭に叩き込んで欲しい。そのための投資をしっかりしてください。それをしないと逆に四年後、八年後にご自分のクビを絞めることになるのだぞ、と。

 まあ俺は定年まで後数年だから別にええよ、協会にはそんな奴ばっかりだ。

 合掌