Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフトの甘い罠

 去年のドラフト球団別寸評も残すところはわが阪神のみ。

 一応勝ち組に混ぜています。がっ、世間では阪神のドラフトについては否定的な見解が定着している。べタはほぼDeNAが鉄板でその次が阪神、って感じでしょうか。

 まぁ五人で指名を打ち切ったこと、そして下位の二人が独立リーグというのも不興を買ったのでしょうね。

 では阪神のプロファンとしてはどうなのか、そのあたりをここでじっくり書いてみたい。それこそが極北に位置する当ブログの意義でもあろう。

 しかし、である。

 その前にやらねばならぬことがあるのではないか、そう立ち止まってしまう。一昨年の秋、すなわち23年の阪神のドラフトについて振り返ること抜きに、次に取り掛かろうというのはムシが良過ぎやしませんか、と。

 なぜか・・・・?

 実は今月中に、このブログを立ち上げてから評させていただいた過去のドラフトについて、その答え合わせをやる覚悟だからだ。

 ならばその先駆けとして、一昨年の阪神のドラフトについて書くべきであろうと。

 ただし、ドラフトの成否なんて翌年に即結果が出るものではない。だいたい一サイクル経過しないと判りようもない。そこはご理解いただけると思う。

 ではその一サイクルとやらが何年なのか・・・・?

 悩ましい問題である。

 一応、ざっくり三年としましょう。

 なので過去のドラフトの振り返りは、20年と翌21年の二回とするか、そんなもんでしょ。ここまでは案外すんなり腹落ちしていただけるのではないか。

 ではなぜそれをする前に、阪神の23年のドラフトについて触れるのか、そこはやはり椎葉の存在があるからです、ええ。

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 あの年のドラフト前、一番の注目投手として椎葉の名を挙げていました。

tilleternity.hatenablog.jp

 

 記事中にも書いたが、椎葉ドラフトなどとまで言うつもりはなかった。直接観ることもできなかったし。でもYouTubeなどに上がった動画の中の椎葉の投球、それは見事で、万全で怪我無くキャンプを過ごせば160㌔も夢ではない、そう素直に思っていた。


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 まあ戦力的には一つ二つ勝てれば御の字とも書きましたが、

tilleternity.hatenablog.jp

 

 それが、一年通して二軍にいて、しかもこの成績・・・・。

 ・23試合

 ・30イニング

 ・防御率 4. 45

 ・奪三振 18

 ・四死球 15

 ・暴投 6

 ファームですらここまで通じないとは思わなんだよ、ええ。

 本当に四国アイランドリーグで159㌔の剛球を投げていたのか、そこまで遡って疑うべきなのだろうか? あの動画は幻だったの?

 特にショックだったのは、フレッシュオールスター日本ハムの新藤からレフトへ特大の本塁打を叩き込まれたことか。

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 新人選手にとって晴れの舞台なのだから、あの場面ぐらいは椎葉も思い切って腕を振ってくれると思っていたのですが。二軍といえどもフレッシュオールスターって新人には特別なもの。いや、新人だからこそ最初で最後の機会と意気込むものでしょ。

 あの蕭一傑ですら、中田翔を三球三振に仕留めて見せていますから。

 そこで完壁な一発を喰らうとは。しかも打たれた後「楽しく投げられた」って、プロとして大丈夫なの・・・・。

www.sanspo.com

 

 岡田が去年のキャンプを打ち上げたあたりで、”椎葉はどっか故障してないか?” としきりに怪しんでいました。

 しかし何とかシーズンを通じて投げ切った。しかも先月の台湾でのWLにまで派遣され、主に先発を任されたりしてそれなりのイニング喰ってました。つまりほぼ一年間皆勤。

 なので怪我はないと考えた方が無難か。ただ先発タイプではないのでね・・・・。

 じっさい、肝心な球速はといえば安定の140㌔台で、なんとか打たせて取る粘りの投球。上の動画を再現するような気配など一向にない。

 そこで思ってしまう、あの動画はなんだったの、と。

 去年の五月に二軍でまったく通じなかった際、椎葉がアドバイスを求めた徳島の同僚で155㌔右腕の西武の宮澤も一年で育成落ち。言うまでもなくアイランドリーグ時代の投球が全くできなくなったから。

 椎葉と一緒やん。

 これはどう考えればいいのか?

 

 ここで思い当たるのが早稲田の大石

 西武に入ってから一度も売りであった150㌔の快速球を投げることなく球界を去った。つまりプロ入り後、アマ時代の投球ができなくなるというのはレアケースではないということ。

 しかしファンとして、またドラフトオタとしても、これはなかなか受けとめがたい現象である。

 因みに大石は入団した年、それも開幕直後に肩を故障していたのだとか。

sportiva.shueisha.co.jp

 

 ドラフトで六球団競合した大石と二位の椎葉を同じ土俵に乗せるのは気が引けるが、似ているといえば似てるかも。春のキャンプの段階で球速が出なかった点なども。

 結局大石は記事中にあるように、医者からは肩に問題はないと言われ続け、その違和感や痛みと付き合うだけのプロ野球人生だったようだ。

 でっ、椎葉の場合嫌な予感がするのは、一位の下村が合同自主トレの段階で肘の状態が思わしくはなく、結局開幕直後にTJ手術を受けるようになったこと。結果、その割を喰った可能性はないだろうか?

 つまり二位の椎葉までが故障を抱えるようなことは許されなかった。たとえ肩に問題があったとしても、それを公にはできないのだと。

 ドラフト上位の二人が怪我を抱えていたことが、春先になって判るようでは、スカウトどころか編成陣もその責を負うこととなる。ゆえに大人の事情が働いて、椎葉がどんな状態であろうとも去年一年完走を強いられたとしたら・・・・。

 まぁ、下衆の勘繰りはここまでにします。

 ドラフトオタが妄想したところで何も起こりません。椎葉が今年シーズンで出す結果がすべて。われわれはそれを待つしかないのですから。


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