Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

阪神 優勝へのカウントダウン Ⅰ

 先日、また下書き途中のものをアップしてしまった・・・・。

 保存が面倒、というか、何度か保存したはずのものが消えたことがあって、苦肉の策としてこの日までにはアップできるだろう、そう見込んだ日付で予約更新を入れることにしていた。しかしてそこからまったく手を加えることもできず、あまつさえ予約を入れたことすら忘れ、その結果・・・・。しかも二日間も放置・・・・。

 おまえ、自分のブログぐらい毎日見るようにしろよなっ!

 というわけで気が付けば7月。私は一応、第一四半期に限っては仕事をメインにするようにしている。4月からの三ヶ月間頑張って今年度の方向性を打ち出すことができたら、そこからは何とか一年動いていくように思うからだ。逆にこの三ヶ月サボると、その一年はボロボロ、そういうことが多かった。

 なかには夏ごろまでは好きにさせて様子を見て、そこからグイグイ持っていきたいところまで引っ張る、そういう人もいる。私には残念ながらそんな胆力も底力もない。つまり、私の組織はここから惰性で動いていくことになるのだろう・・・・(小声)。その代わりにここの更新は頻繁にできるようになるんじゃなかろうか(さらに小声)。私が社会人として失格であることはいうまでもない。

 実は3月の頭に股関節を痛め、そこからジョギングを封印している。じゃあジョギングに当てていた時間でブログを書くか、普通そうなる。私も当初はそんな風に決めていた。その結果がこのザマである。自分という人間のポテンシャルにガッカリ、そんな第一四半期でもあった。

newscast.jp

 

 今年はこれから秋にかけて、個人的に楽しみにしているスポーツイベントが目白押しだ。わが阪神が首位キープで折り返しに向かい、夏の甲子園予選も始まった。そしてなんといってもラグビーW杯が9月に開幕。夏から秋にかけて長めのお休みを頂くつもりでいる。今年度に入って休みもほどほどに仕事をしてきたのはそのためでもある。ここまでおざなりにしていた極北の当ブログであるが、これから更新の頻度を上げていきたいと思う。

 今年のセリーグのペナントの行方は縺れそうな気配だ。しかしてそれは望むところである。できれば今や関東一番人気の横浜、伝統の巨人、そして球界のアイドルわが阪神の三竦みが希望である。

 だがここに来て阪神のパフオーマンスに翳りがみられる。既視感というか、鳴呼やっぱり今年も駄目なんや、そんな雰囲気が関西の街で溢れ始めた。優勝から遠ざかること18年、その一年一年の積み重ねが、もともと少なかった阪神に対する信頼をじわじわと削っているのだろう。人間、日ごろの行いこそが大切ですもんね、ええ。

 「どうして阪神は優勝しないのですか?」

 プロの阪神ファンであるところの私に、直球勝負を挑むビギナーのトラキチたちが後を絶たない。

 「・・・・うーん・・・・、まぁ結局のところ、目線なんだよね。」

 「ええっ、目線!?」

 「・・・・そう、・・・・つまりね、っておい!

 語り始めるた途端、” そっか目線かよ・・・・、打線じゃなくて・・・・” そう呟き去っていく後姿を見送るのが常である。 

dokodemofit.com

 

 というわけで、プロであるこの私が、阪神が優勝できない最大の原因であるとするファンと選手の間の ”目線” について語らせていただく。

 今から8年前、仕事の関係でよく中国地方、特に広島でお世話になることがあった。私は普段は標準語で喋る。また東京から出向いていたこともあって、私から阪神ファン臭は完全に消えている。広く野球への造詣が深く、カープも憎からず思っている、そんな気配を漂わせて近づくのである。

 それが功を奏し心を許してもらったのか、広島ファンたちはカープへの愛を訥々と私に向かって語ってくれた。

 「黒田はようカープに帰ってくれたもんじゃのう! うんうん、そうじゃろーっ?!

 薄っすら涙さえ湛え語りかけてくる、そんな気配である。

 ” ええ、なんでも20億のオファーを蹴ったそうじゃないですか ”、カープ愛をくすぐってみせる私。

 「おおよ、そうなんよ、そこなんよ、あいつは漢の中の漢なんよ!

 結局その後、コアな広島ファンの集会にまでお呼ばれし、メンバーの呉服屋の大旦那から ”漢気黒田着物(女性用)” なるものまで見せてもらえるに及んだ。誰が着るねん!もちろんそんな突込みなど入れない。どこまでも大人の私であった、ええ。

 まぁ阪神ファンとしては居た堪れない空間ではあったが、広島高校野球界の大御所と話す機会にも恵まれ、一野球ファンとしては有意義な時間であった。

 そしてその集会に出くわした結論として私は感じた、

 広島ファンの目線が確実に変わった、と。

 目線とは単純に言えば、チームを見上げているか、それとも見下ろしているか、である。元来カープファンは選手を見下ろしていた。主力であろうと妻帯者であれば流川あたりで夜遊びしようものなら余裕でチクられた。それは首脳陣どころかオーナーの耳にまで及ぶのが常であった。しかし潮目は変わった。黒田が20億を蹴ってカープを選んだ、それが始まりであり全てであった。

 「カープのユニフォームっちゅうのは、驚くほど価値が貴いらしいのう♪

 「カープはやっぱりわしらの誇りじゃけ!

 当然、その流れとしてカープの選手たちも黒田の同僚という括りで、ファンから見上げられる存在と成った。

 似たような現象は過去にもある。

 ホークスが90年代半ばから小久保や井口、松中など、巨人との争奪戦に悉く勝利し、城島や斎藤などの育成にも成功。スター軍団へと華麗に変身。腐った卵の標的ですらあった王監督もリスペクトの対象へと昇華した。言うまでもなく九州の鷹ファンの目線の変化がそれらを生んだのである。

 また今世紀に入り北海道では、ダルビッシュに始まり中田翔、ハンカチ、大谷と、次々に逸材を手に入れる僥倖に恵まれ、当時の日ハムの選手たちはファンから身に余るほどの羨望を集めるに至った。そして結果、両チームがどうなったかはあえて書かない。

 まずい、カープも優勝する日が来てしまう!

 そう直感したあの日であったが、その翌年から三連覇である。

 翻ってわが阪神の場合はどうだろう? ファンは本当のところ、選手をどのように眺めているのだろう?

 稼ぎはあいつらの方が多いかもしれへんけど、仕事はわしらの方がキッチリやるで!

 まぁそういうのんばっかりですわ。

 実際、この選手を是非とも観に甲子園に行きたい、そう思わせる存在が今、阪神にいるかといえば微妙。藤浪をしっかり球界のエースに育て上げることができれば話は違ってきたのかもしれないが、彼は今、オークランドで便利屋をやっている。大器佐藤輝からも藤浪臭がプンプンするとの評判。私の秘蔵っ子である森下、井上、及川、遠藤の育成も遅々として進まず、ファンの選手に注がれる眼差しは下がりっぱなし。ますます選手たちはトラキチから見下ろされることになりそうだ。

 阪神ファンの目線の角度、こればっかりは一朝一夕にどうにかなるもんではない。そもそも選手を見上げるようになりたいですか?そう彼らに間うたとしたら、一体どんな言葉が返ってくるのだろう。正直、決してそれを望んでいるようには思えない・・・・。

 では、阪神ファンと選手の関係はどのようなものか? 12球団一距離が近いというのは間違いないだろう。例えるなら、彼らは選手を甥っ子や親戚のお兄ちゃんみたいな感じで眺めている。しかしてそれでも控えめな表現であり、実際のところ、文字通り家族同然に思っているファンも一定数以上にいるようだ、しかも一方的に、ある意味恐ろしいことである。

 今年のオールスターファン投票、阪神の選手たちが席巻した。

www.sponichi.co.jp

 誰の仕業なのか・・・・? 無論彼らである。勢い、俺らが出してやった、となる。つまり、阪神の選手たちはオールスターに相応しいから選ぶ、というよりも、ファンが力を合わせてオールスターに送り出してやる、というややこしいアングル。選手たちにとっては光栄な話である。そこに間違いはない。がっ、そのなんというのか、”やってやった感” 、なんとかならないものだろうか。恐らくそう思う選手も少なくはないだろう。このトラキチと選手の間の目線を巡る構図。いつまでたっても嚙み合わない。一野球ファンとしてジレンマを感じる。歯痒い限りである

 誤解していただきたくないのであるが、今回投票で選ばれた阪神の選手たちがオールスターに相応しくないと言っているわけではない。昨今、目に見えて良い素材の選手が揃ってきたというのは間違いない。優勝できるチームである、ナチュラルにそうも思う。後はその素材をどう活かすかであり、またファンとして、どのような環境を作り盛り上げていくかである。

 少し話は逸れるが、これからの数年間、阪神はドラフトでも勝つと思う。これは恐らくドラフトウォッチャーにしか判らない感覚なのだが、良い選手が集まり始めると、不思議とドラフトの籤運が良くなったり、ほぼ無競争で掘り出し物が獲れたりするようになる、そんな流れがある。佐藤輝はもちろんだが、今年の森下、井坪、去年の中川、一昨年の伊藤将、中野などがそれだ。

 とはいうものの矛盾するようであるが、ファン目線理論からすれば、今年の優勝は横浜で間違いない気がする。横浜ファンのバウアーを始めとして三浦監督や牧を遠巻きに眺める目線、それはまさにこの秋の歓喜を雄弁に物語っている。しかし、である。実はこの私、三年前に開始直後の当ブログにて、この五年間で阪神は二度優勝すると宣言した。

tilleternity.hatenablog.jp

 その手前、それを証明するチャンスは今年と来年しかない。因みに連覇はないとも書いたが、そこはご容赦願いたいところである。

 実際のところ去年までの三年間を振り返ってみて、コロナ禍の優勝というのはどうなのか、というのがあった。ファンの熱気や歓声、それらとのー体感があってこその戴冠だ。まして阪神、それ抜きでは絶対に語れないであろう。トラキチたちの選手に対する目線の角度はさておき、何とか今年こそ優勝して欲しいと願う、その思いに偽りはない。

 ということで今回のタイトルとさせて頂いた。いかんせん、内容は明るいものにはならなかった。しかし、とりもなおさずわが阪神、現在首位にいる。これから秋までプ口野球関係はこのタイトルでシリーズ化し書いていきたい。久方ぶりに力の限り、当ブログで阪神の応援を続けたいと思う。