遂にわが阪神、首位陥落です。そして今日から甲子園でその連勝中のカープを迎えての決戦。阪神に決め手はなく、広島がこのまま走るとも思えず、横浜もそろそろ上がり目でしょうから、巨人も含めて当分盛り上がりそうですね、ええ。
まさにこれから勝敗や贔屓選手の活躍に一喜一憂、野球オタとして痺れる季節となりました。プロの阪神ファンとしては平静を装い余裕を取り繕い、日々の生活に起伏を作るつもりはない。しかし、心の揺れを楽しもうとは思っています。
ここのところの暑さはまさに異様! そして高校野球の予選の盛り上がりもヒートアップ! 正直、そっちを書きたいのですが、もう少し我慢しますね・・・・。
というわけでプロ野球である。後半戦のわが阪神の戦い、というかセリーグの優勝争いやその展望について、まぁ、あれこれいろんなところで書かれているようです。ので、詳しくはそちらに譲ることとし、今日は少し趣を変えて、個々の選手について取り上げさせていただく。結果として後半戦の鍵を握るような選手を紹介することになれば、それはそれで実りのあるものになるのではないでしょうか。
まずは伊藤将司である。実はこの投手についてはドラフト時評価を見誤っている。できればあそこで明石商の中森(現口ッテ)を獲って欲しかった、そう書いた。
あれから三年、私のあの時の判断は据え置かせていただくつもりであるが、伊藤がすでに23勝も上げており、これほどの活躍をするとは読めなかった。いやはやこの不明、詫びる必要があるだろう。なぜそこが判らなかったのか、そう詰められたら返す言葉はない。あの年4球団競合の目玉であった早川でさえここまで18勝なのだから・・・・。
伊藤の社会人時代のダイジェスト、それは都市対抗を賭けた予選決勝、NTT東日本戦において他はない。結果ー安打完封。あれで評価を上げたと思う。確かドラフト直前だった。もしもう少し早ければ、阪神の指名の前に消えていたかもしれない。
その一戦、私も比較的しっかりと観たように思う。確かに伊藤のピッチングは良かった。だが結構芯を喰った当たりも多く、ところが悉く正面を突くという幸運に恵まれた。それはJR東が、相手打者ごとに明確にシフトを敷いていたから。あれは7、8年前の話であったか、データスタジアム社の知り合いから、最近は社会人野球の強豪チームとも年間契約できるようになりました、という話を思い起こした。つまりJR東は組織の力でNTT東に勝った、ということになろう。反面、伊藤についてはあの完封劇をそのまま鵜呑みにはできないな、そうも思った。
また先の記事でも書いたが胸を張れないフォームや、ストレート、スライダーの回転数の不足も気になった。左打者への胸元の制球力は高く評価していたが、右の強打者を打ち取るイメージも正直湧かなかった。
ただ今思い返せばであるが、打者の強い当たりがことごとく正面を突いたというのは、伊藤がしっかりとそこへ飛ぶところに投げたから、というのは言えるのであり、それこそが彼の投球の真骨頂なのであった。そこに思いが至らなかったことを、プロの阪神ファンとして猛省している。これからはたとえ火の出るような当たりが続いても、結果として打ち取っているのなら、与四球率との兼ね合いもあるのだが、特に技巧派左腕の場合は評価するようにしたい。
また伊藤はドラフト直前の記事で、佐藤輝を外した際の1位候補にも挙がっていた。読後不安に駆られたと、正直に告白しておこう。だが、この二年半の活躍だけで、仮にドラ1であってもお釣りが来るレベル。それを2位中盤で獲ったわけで、阪神のスカウトは慧眼であったといえよう。
ただ反省材料も記しておきたい。その直前の記事の中で、伊藤よりも法政の鈴木の方が上の評価であったのだ。なぜ鈴木を評価してしまったのか、そこをうやむやにせず、更に組織として高みを目指す意味でも徹底的に検証して欲しい。
次に取り上げるのは、同じ20年ドラフト組の中野である。これまたドラフト時に大して評価をしていなかった。自分の観る眼のなさを痛感している。この場でお詫びする次第である。
中野は社会人時代は代表の常連であった。小力のあるリードオフマンといった体で、ここまで脚を売りにできるなどとは思わなかった。都市対抗などでも盗塁を仕掛けるシーンを見たことはなかったし、阪神入団後も紅白戦で立て続けに盗塁を失敗した。どれも余裕でアウト。覚えておられる方も多いのではないか。そこから筒井コーチの助言を得て帰塁のテクニックを学び、盗塁王を獲るまで変貌を遂げた。しかもほとんど失敗せずにだ・・・・。話は逸れるが、これは筒井コーチがいかに有望であるかを語るエピソードでもある。彼は手放さないほうが良い。
また打撃もしぶとく落ちる球にもついていく。バットの先っぽや根っこなど、芯を外してもヒットを放つテクニックをすでに会得しているようだ。なんとも心強い。
ショートとしては肩がなかったが、二塁の守備は両リーグでもトップクラス。特に今シーズンは開幕からどれだけ投手を救ったか。糸原可愛さに、ニ年間ショートに固定し続けた矢野政権の愚を思い知るのである。
ドラフト直後、井端がしきりに持ち上げていたのも頷ける。そういえばキャンプ当初、掛布が打撃を誉めていたっけな。だが二人ともここまで進化するとは思ってなかったであろう。脚がある前提だが、この手のタイプの需要は高い。去年もドラフト2位の頭の方で小柄な内野手が指名されている。その友杉が果たして二年後に中野を超えるだろうか?
中野の6位と伊藤の2位。こういう指名を続けていけば間違いなくチームは強くなる。阪神のスカウトには、これから猛暑のなか大変な作業になると思うが、健康には重々留意いただき、指名候補選手の最終確認を頑張って欲しいと願う。
いやぁ、今日は内容なかったなぁ・・・・