Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

2023 ドラフト点検 楽天 前編

 ドラフト直前であったか今年の高校生は不作である、というようなことを書いた。原因はコロナ。彼らが中学生時代、まともに野球と向き合えない時期があったことを理由に挙げた。空白期間とまではいわないが、球児たちに間違いなく影響を与えたと思う。

 そんな先入観を持っていたからか、この一年高校野球を眺めていて、こいつはすげぇぜ! そう唸らせるような選手には出会えなかった。まぁまぁ、そこはあくまで個人的な感想。それに去年だっていなかったし。

 で、実際蓋を開けてみれば、今回のドラフトにて上位指名の高校生は少なかった。指名が終わった後、やっぱりな、というのが先に来た。

 小難しいことを言えた義理ではないのであるが、コロナ禍の影響は思われているよりも根深く、しばらくは逸材に出会えないかもしれない、そんな覚悟は当の昔にしている。とはいうものの矛盾するようだが、いやいや、今年の高校生も楽しみな選手がたくさんいたよ、そんな台詞を待っている自分もいるわけで、 ドラフト前から大学生が主役という評判を複雑に眺めていた。

 ただ、夏の大会前にも書いたが、北海の熊谷、東海大甲府の兼松、そして上田西の横山、仙台育英の仁田、徳島商の森は面白いと感じていた。結果として、横山だけが1位で指名された。横山と仁田以外は志望届を出さなかったのでそこは旨なるかな、ではある。仁田の捲土重来に期待したい。と同時に打者に専念すればの条件付きだが熊谷の存在に胸が騒いだと白状しておく。去年の伊藤櫂人同様、また今年も中央へ行くのか、というのもあるが、年内にじっくりと熊谷については書いてみたい。

 

 というわけでまた前振りが長くなった。宣言通り今年のドラフトを球団別に点検していきたい。最初は楽天である。今回一番の指名をしたと思っている。

 まず、私のアマ野球を観戦する立ち位置を確認しておく。二十年ぐらい前までは、スカウトに負けまいとギンギンに力んで観ていたわけであるが、今はむしろ少し引いて、大学のリクルーター気取りで、 トップエリートよりも三年後、四年後に輝く選手はいないものか、そんな目線で眺めている。

 最近のアイドルオタは先物買いが主流だそうな。それと同じだといえば判りやすいか。ジャンルは違えどオタとはきっとそういうものなのだろう。なので先に挙げた選手で言えば、仁田や兼松あたりはその典型か。身体の線も細く、上背もないが、体幹が鍛え上がれば見違えるようになる、そんな選手を探すのだ。

 この一年もそんな塩梅で球児たちを眺めていた。そのフィルターに掛かった選手が、実は今回楽天に指名された。それも複数。

 まずは7位の大内。今年の春の県大会、名門東北を追い詰め名を挙げた。直接観たわけではないが動画を眺める限り、とにかく出で立ちが良い。彼がグラウンドに出れば、外野席からでもすぐ判る。190cmオーバーでありながら顔が小さく、当たり前のように手脚は長い。体重はどうだろう、本当のところはまだ70そこそこしかないと思う。因みにルックスも抜群。スター性は三重丸だろう、華がある。

 フォームは腰高で、マウンドの傾斜を生かし切るだけの下半身の粘りはない。テークバックも癖あり。背中には入れず真っすぐ腰のポケットあたりに下ろす。打者の目線を意識しているのだろうか。その流れから一気に担いで、真上から角度をつけて投げるが腕は結構撓る。そこに才能を感じる。持ち球はスライダー、フォーク。プロ入り後はフォークが生命線になるのだと思う。

 大学や社会人のリクルーターたちは、きっと涎を流して観ていたに違いない。その気持ち、哀しいまでによくわかる。

 いきなりプロはどうかと思ったが志望届を出した。本人も覚悟の上であろう。上下関係の緩い大学を狙うのがベストの選択ではなかったかとも思うが、もう言うまい。二年間は陸上部で良いので五か年計画で育てて欲しい逸品である。

 

 8位の青野はこの春に甲子園で全国デビュー。スケールのあるバッティングが投球以上に注目された。こちらは既に体格は出来上がっており、ねじりハチマキの似合うあんちゃんタイプ。脚力は恐らくない。強い背筋が支える豪快で癖のないスイングと、勝負度胸が売り。

 ただ、守備位置は限られてくる。サードぐらいか・・・・。捕手ができることで本指名を勝ち取ったと見る。

 ベイの宮崎が高校時代、ここまでの選手であったはずはない。そう思うと夢は広がる。こちらも五年は見て欲しい。そうでなければ高校生を指名する意味はないと思う。

 

 4位のワォーターズ 璃海。夏前に知り合いからイヒネより良いよ、そう言われて注目してました。ぱっと見で確かに違うわ、そう思わせるものを感じた。瞬時のスピード。明らかに高校レベルではない。ゴムマリのような体つきと身のこなし。守備は立命館宇治時代の金子や、かなり古くなるが西武の田辺を彷彿。

 ただ高校での成績はそれほどでもない。数字だけ見れば埋もれてしまうタイプか。目に焼き付いたものが評価されたのであろう。性格面までは判らないが、どこまで真剣に野球に取り組めるかが鍵か。まぁそれは誰にでも言えるわな、これ以上やめておこう。

 大内や青野と違って、恐らく来春からファームでスタメンを張るのではないか。

 

 以上三人の高校生。楽天にはまず社会人としての教育も、野球と並行して施してやって欲しいと願う。オコエのようにサボろうと思えば底無しで行けるのではダメってこと。そんな環境しか用意してないのなら、高校生を獲らないで欲しい。プロは個人事業主とはいえ、まだ十代であることを忘れないでもらいたいものである。

 取り合えず寝ます。楽天後半は明日以降で。