Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

日本シリーズを堪能!

 まだ五分五分、いや、オリックス優位。向こうは山本由伸と宮城が残っているが、こちらは村上以外は西勇とハゲしかいませんから・・・・。

 二度目の登板となる村上が、檻打線を再び抑え込む確率よりも、日本最後の登板となる山本が意地を見せる方が高い。となると、うちが最終戦で宮城を打てるのか、まして京セラドームで。そこがポイントではないのか。

 ただ一点、山本が都城の高校出身なので、大先輩の北別府と被る気がしなくもないか・・・・? 檻としては嫌なジンクスかもしれない。

 正直言えば、日本一にはまだ早いとも思っている。チームとして若過ぎる。佐藤輝と森下が、敵の胴上げを悔し涙を流しながら見る、この経験こそが二人の将来を思うと必要だからだ。

 しかし流石に木曜日は、勝手に朝八時出社にして四時に上がりましたわ。チケットは取れなかったですが今年最後の甲子園、最初からじっくりテレビ観戦するために。

 でも試合内容は終盤まで酷かったので、まじ怒鳴り声を上げまくりながら視てました。おかげで娘からは お父さんいらない!認定を頂きましたよ、ええ。

 

 先月、CSや日本シリーズは客層が違うと書きました。普段は阪神の試合なんか観ないような方が、甲子園に脚を運んだりチャンネルを合わせたりしているわけです。それは野球中継陣にしても同様で、全国ネットされる都合上、東京のキー局も一枚噛みますから、いつものように阪神とその一味達が解説する、というわけではない。

 たとえば五戦目のBS-NHKの担当は大野氏と田中賢介であった。阪神とは利害関係がない、というか田中はほぼ一年通して阪神の試合なんか見たことない。なので、8回裏、1点差に迫ってなお無死一二塁。中野がバントしたら、

 はぁっ? 中野にバント?? 森下なんかタイムリーエラーしてるし、打てっこないやろ、こいつら正気かよ???

 そんなノリで解説してましたよ、ええ。

 でもそれは、今年初めて真剣に野球を視ている方々の思いを代弁してもいるのです。森下のシーズン成績は2割3分程度でしかないのですから。

 しかして、春先のキャンプから阪神を観ているこちらとすれば、森下はああいう場面でこそ本領を発揮する男。つまりバントは当然となる。そしてそれは何となくのイメージだけではなく、たとえば檻の杉本が16発ホームランを放ってはいるものの、打点は森下と同じ41、打数もほぼ同じなので、客観的な裏付けがあるともいえます。

 つまりわれわれは、この日本シリーズで、敵のオリックスやそのファンと戦うだけではなく、一見のスポーツファンの野球観を相手にしてもいるのです。それだけに、ゲームを引っ繰り返してみせた森下の一打には胸のすく思いがするのである。

 

 昨夜は空が白むまで何度も試合を繰り返し観た関係で、昼まで寝ていた。そこから起きてスポーツ新聞を買おうと近くのコンビニを回ったら、どこも報知以外はほぼ完売。何とかサンスポだけ確保し、7店舗目でようやく全紙ゲットしました。これってよっぽどのことだと思います。平素、スポーツ新聞には見向きもしない層がお求めになったのでしょう。近年記憶にないですね。

 それと、日刊以外は一面がほぼ同じ! アングルまで同じというのもね・・・・。

 

 泣いても笑っても王手は掛けた。日本一は時の運であり、将たる岡田の指運に掛かっている。周りがとやかく言うのは野暮である。好きにやらせようではないか。

 

 


 最後になるが、これから虎の黄金時代を支えるであろう二人について。

 まず佐藤。一昨日の二打席目が気になっている。追い込まれてアウトコース、ストライクと言われても仕方ないストレートを見逃した末に低めのボールのフォークを空振り三振。変化球待ちに徹するならば、潔く二兎は追わず、立つ位置を前に移した方が良い。オリックスからは、リキんで腰を跳ね上げて打つ大山よりも、実は佐藤を怖がっていることに気付くべきであろう。

 次に森下。やらかす奴としてアマ時代から追いかけ続けた野球オタとして言わせて頂くなら、あの場面、初見の宇田川のフォークを何とか根性でカットし、低めのボール球に喰らい付いて左中間に弾き返す姿を観た時、思わず感極まった。

 この二人、そして井上がいる限り、阪神の未来は明るいと言えるだろう。

 個人的には甲子園で二勝、特に最終試合を劇的な勝利で飾りお腹一杯である。以前書いた、

 甲子園のファンの声援が、選手の躍動と表裏一体、寸分の狂いもなく重なる

 そんなシーンが観れただけで満足している。これ以上望むものはない、今はその思いだけなのである。