Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

2022 ドラフト検証 ストップウォッチ編 Ⅱ

 明日からキャンプイン。去年のドラフトの話をできるのも今日まで。

 ということで昨日の続きである。

 

1.内田 湘大(利根商 ⇒ 広島)

 0:56

 50秒台ということは、恐らく想定通りか。

 無名ながら、内田は個人的に蓋を開けたら二巡目の上の方で指名されると踏んでいたので驚きはなかった。スイングは鋭く、マウンドに立てば145㌔を優に超えるボールを投げる。背筋の強さを感じさせる。外野はもちろん、鍛えればサードも行けるだろう。 

 ただ打席で突っ込む癖がある。なので私がスカウトなら、矛盾するようだが2位では獲らないと思う。

 まずプロのストレートをどう打つか。今年はファームで250は打席を与えてください。

 

2.小孫 竜二(鷺宮製作所楽天

 0:53

 小孫も楽天は予定通りの指名だろう。ショットガンを彷彿とさせるフォームと、そこから繰り出される剛球。去年指名があっても良かった。

 ポイントはあのストレートが、プ口相手に空振りを獲れるのか、その一点。ファールや見送りでも駄目。空振り、それがすべてだ。

 しかし2位があるとは。御見それいたしました。

 

3.萩尾 匡也(慶応 ⇒ 巨人)

 0:55

 巨人もすんなり予定通り2位指名。

 事前に知り合いから情報が入って、今年の巨人は2位で萩尾を指名するところから逆算してドラフトを組み立てているようだから、森下の指名はないよ、そう釘を刺されていた。私が予てより巨人森下の実現を目論んでいたことは、ここの開設直後から訴えてきた通りである。だがその野望は、早々に破綻していたことになる、ええ。

 萩尾は六大学野球様の三冠王。しかも成績はシーズンを重ねるごとに右肩上がり。普通であればもっと騒がれてもいいはず。しかし1位の評価はついぞ聞こえてはこなかった。恐らく打席で軸足を引く悪癖を見逃さなかったのだと想像する。伊藤隼が首を傾けてスイングするのは見逃されていたというのに・・・・・。

 慶応卒だけに、春から一軍は決まったようなもんだろう。守備がイマイチで、たまに一発のある右の外野手。そういえばそんな奴がすでにいたな。きっとそいつは玉突きに遭うのだろう。

 

4.古川 雄大佐伯鶴城 ⇒ 西武)

 0:54

 これまた予定通りの指名・・・・。

 ここまで書いて改めてこの企画、やる意味あるのか、そう思い始めた、われながら気付くのちょっと遅いぞ。

 今年は1位で9チームが事前に表明したことでも判る通り、無風ドラフト。ドラフトオタの私に言わせれば談合ドラフトだ。それは2位以降にも表れている、面白くない。

 古川は文字通りのフィジカルモンスター。ただ右半身主導の打撃スタイルが気になる。しかしそこは西武、打席でしっかり強振できる打者に育て切るるのだろう。左打ちに変わるというのもありだと思う。四年後に期待しましょう。

 

5.門別 啓人(東海大札幌阪神

 0:57

 57秒はここまでのMAX。おいおいどこやねん、と思ったらわが阪神。2位門別は想定通りの指名のようだが、

 ”うわっ、内藤が残っている、どうする!”

 そんなやり取りがあったのだろうか、それとも齋藤と選巡したのか・・・いや、ないわ、たぶん。わずか数秒の違いだし。恐らく葛西あたりの端末の操作が遅かったのでしょうね。

 

6.大津 亮介(日本製鉄鹿島 ⇒ SB)

 0:55

 ここも順当なのでしょうね。出身が地元九州出身ということで狙いすました指名。

 SBの指名はここのところ独自路線で驚かされるケースが多い。この位置は高評価だと思う。細身なところなどはこれから鍛えがいがある、ってなことになっているようだが、もう今年で25だぞ。

 因みに帝京大卒。近年、帝京OBの上位指名が増えている。ほぼ社会人経由のところも合わせて少し気になってきている。

 

7.吉野 光樹(トヨタ ⇒ 横浜)

 1:11

 初めての一分越え。ここはちょっと迷ったのではないか。即戦力の右か左か、それとも力のある野手か、でっ、結局吉野。

 しかしてこの指名、私が去年の東六担当スカウトなら、右の即戦力を上位というのはちょっと勘弁してください、ってなるな。言いたくはないが、徳山、三浦がダメだったと白状するような指名だからだ。

 もう一年、あのニ人にチャンスをやって欲しい、心の中でそうぼやくかも。

 ちなみに吉野については凄く評価してます。ここを参照願います。

tilleternity.hatenablog.jp

 

8.内藤 鵬(日本航空石川オリックス

 2:34

 このタイム、さすがに何かが起きた、そう見ていいだろう。

 ただNPBの担当者らしき方がオリックスのブースに訪れている。なので、単純に端末への入力を誤った可能性もある。

 たとえば内藤鵬の ”鵬” の字が変換しなかったとか・・・・。そりゃないか。

 聞くところによれば、プロ志望届を提出した選手は一覧でデータ化されていて、そこから選択方式だとか。まぁ、最悪でもコピぺで貼り付けてEnter、最後に主催側から確認のやりとりがあって指名発表に至ると思われるので、その作業のどこかで躓いたことも予想される。

 内藤については細川、リチャードとどう違のかと以前書いた。横浜とSBがスルーした際に胸を撫で下ろしたのは私だけではないはずだ。

 なんで撫で下ろしたかって?

 もしこの二球団が指名していたら、明らかな違いがあるってことでしょ。

 

9.西村 瑠伊斗(京都外大西 ⇒ ヤクルト)

 1:18

 

10.澤井 簾(中京大 ⇒ ヤクルト)

 0:57

ヤクルトの西村、澤井は連続指名。西村についてはここで書いた。

tilleternity.hatenablog.jp

 猫背で華奢に見えるが、首の太さが目を引く。体幹は強いのだろう。投手としてMAX 145㌔。

 折り返し3位の澤井も評価が高いな。正直ここまで高いかというほど。どこ守るんだろう。

 

11.齋藤 響介(盛岡中央 ⇒ オリックス

 0:29

 オリックスが齋藤を指名。がっくり、しかも最短タイム・・・・。

 潰したら恨む!

 

12.林 琢真(駒大 ⇒ 横浜)

 0:51

 横浜は大して迷いもせず意外にも林を指名。迷走する駒大を支えた功労者。たぶん四年間大変だったと察する。できればもっと上位で報いてやって欲しかったが、まあ3位なら十分か。

 

13.甲斐 生海(東北福祉 ⇒ SB)

 0:47

 SBは甲斐。これまた独自路線。恐らくこの選手をここまで評価していたのはこのチームだけだと思う。

 

14.井坪 陽生(関東一 ⇒ 阪神

 1:05

 大阪ニッカンがこの日の朝にすっぱ抜いた。それまでほとんど名前は上がらなかった。私もスルーしてました。申し訳ない。お詫びにこのあたりで詳しく書いたのでご勘弁を。

tilleternity.hatenablog.jp

 

15.野田 海人(九州国際大付 ⇒ 西武)

 1:05

 いうまでもなく楠城案件・・・・

 

 もうこのあたりになると、それぞれの理由と事情で、戦力とか抜きにして欲しい選手を指名している感じ。なので例年以上に評価が繰り上がったイメージ。

 改めてそこに気付いたので、この作業に意味があったこととしよう。ということで、このあたりで打ち止めにしたい。

 しかし不作という背景もあって、去年度好評だった「お値打ち指名編」を、今年度はできなかった・・・・。一応、録画したり直接観戦し動画に収めた選手を一通り見直しましたが、下位でお値打ち感のある選手、いないのですよねぇ。

 巨人育成の三塚も、怪我があったからなのか入団テストを経ての指名だという。これも一種の談合だろうか・・・・。

 そんな中あえて挙げれば、3位の齋藤(檻)、田中晴(口ッテ)、4位の高野(口ッテ)、大野(SB)、5位日高(檻)がそれぞれお値打ちか。ただ、高野を除くと甲子園に出ている。なのでここを覗きに来るぐらいの方なら、みんな観てると思うのですよね。こんな辺鄙なブログに、わざわざ来てやっているのだから、誰も知らないような選手を紹介してくれよ、というのが人情だとも思う。今年度はそれができないのが悔しい。

 不作と嘆く中で思い返してみると、大阪桐蔭の二人、海老根、川原が指名から漏れたのは納得できない。海老根は中位までに、川原は下位で指名があってしかるべきだった。やはり大阪桐蔭、というか西谷さんが平田の引退や根尾の扱いを巡って中日にクレームを入れた、というのは実際にあったんじゃないかと勘繰ってしまう。

 それを受け全球団が一致団結してしまい大阪桐蔭包囲網、まぁそこまでのものではないまでも、”間違いない” そう見込める選手以外は大阪桐蔭の選手はややこしいから手を出すな、そんな風になってしまったのではないか・・・・。

 しっかし、である。この嫌な雰囲気の一連の騒動の中で怪我の功名というか、光明もあった。それは松尾、海老根、伊藤の三人の右の野手の進路が、三者三様、プロ、社会人、大学に別れたこと。

 この三人、タイプは違うしそれぞれ欠点も抱えているが、打者としての潜在能力は計り知れないものがある。子供のころから野球エリートで、三年間同じ釜の飯を食い指導を受け高校球界を代表する強打者となり、これからそれぞれの道で、どのように育成され成長していくのか非常に興味深い。

 特に海老根は社会人野球界を上げてのバックアップを受けるのではないか。松尾は横須賀で言わずもがな。伊藤も危うく立教の難を逃れて上手い具合に中央に収まった。

 彼らが野球人として、この先いったいどのような軌跡を描いてくれるのか、実に楽しみである。

 

 

 それでは明日は野球オタにとってお正月。娘の想い出の一枚で今年を締めくくります。

 

 皆々様、よいお年を!