Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

阪神 優勝へのカウントダウン 番外夏高編

 慶応の優勝で夏の甲子園は幕を閉じた。なんとも表現しがたい雰囲気が浪花の街を覆っている。長髪をなびかせ苦労を味わうことも、これからそれを知ることもないであろうお坊ちゃんたちに深紅の優勝旗を浚われた、そこに対する違和感と言えばいいのであろうか。まぁ庶民の僻みと言われればそれまでであるが・・・・。

 今回は特別な大会となった。そこに異論はないであろう。朝日の「夏の甲子園増刊」の表紙の少女が ビシッと決まれば、その大会は盛り上がる、という個人的なジンクスが活きであることは証明されたわけだ。表紙の子は文句なしのどストライクであったが、大会の展開自体は私好みでは・・・・。

 しかし、である。今回は特別な大会になる、そこに気づいていながら慶応優勝を連想しないまでも、その可能性を選択肢にすら挙げることができなかったことを悔いている。なぜ、なぜ、なぜ、・・・・、”慶応優勝 = 特別” ではないか。まだまだプロの高校野球ファンへの道は遠く険しい。

 それにしてもこの展開、高野連にとってはしめしめであろう。閉幕後も当分夏の甲子園が話題を掻っ攫うのだから。特に美白王子こと丸田はお茶の間の人気を鷲掴み! 今だから言うのだが、ハンカチはイヤな奴感がそこかしこに滲み出ていた。まぁエースなんてそんなもんと割り切って見ていたが、丸田にはその気配がまったくない。末永く愛される選手になって欲しい!

 侍JapanU18の放送は Jsports の独占であったが、こうなると民放が黙ってはいまい。台湾開催なので時差も少ない。美味しい放送になるかもしれない。高野連に予期せぬボーナスが転がり込むことになる。まさに大会は大成功であろう。

 であるが彼らの対応には綾をつけたい。決勝戦の前日にU18代表を発表するのはどうなのか? 背番号10ながら仙台育英の実質エースの先発湯田が選に漏れた末に撃沈。 ボーダーと思われたところ選ばれた丸田が先頭打者ホームラン、というコントラスト。発表は閉会式の後にやるべきだろっ!

 

 慶応制覇を受けて俄然色めき立つ、そういう界隈もある。特に私立大学の各付属校には変化がみられるのではなかろうか。日大や東海大のそれは平常運転かもしれないが、西の雄たる名門大がこぞって付属校野球部のテコ入れに奔走するはずである。

 たとえば関大北陽あたりはどうか。もともとが強豪校であったが、系列に入ってから日も浅く知名度もない。ここぞとばかりに強化に取り組むと見る。学校内ではこれまで絶対に通らなかった規模の野球部の予算が、すいすい前に進んでいくようになるのであろう。野球用具関係のメー力一の営業さんは日参すべきでは。

 ”甲子園で慶応に勝てるかも”、この世に数多ある私立校にとってまるで夢のような、というかまさに夢であろう。そこを目標に鎬を削るというのも悪くはないか。

 もう一つ気になって仕方がないことがある。それは 根性野球 が、今後全否定に向かうのではないかということ。時代の流れと言われればそれまでかもしれないが、それは違う!そう叫びたい気持ちでいっぱいだ。できれば打倒慶応を目指し、俺たちは一日25時間練習するぞっ!そんな野球バ力の率いるチームが甲子園に乗り込むことを願っている。

 

 

 

 

 さてさてわが阪神も、これで来週にはようやく甲子園に戻れる。凱旋試合や優勝試合は無理でも、9月のどこかで甲子園に行き、嫁と娘に虎戦士の雄姿を拝ませてやりたいところであるが、そうは問屋が卸しはしない。チケットは当然のように高騰している。庶民にとっては困った秋になりそうである。