Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

Series TWO TRIBES Ⅰ

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 火曜日に阪神がついに宿敵スワローズ相手に今シーズンの初勝利を上げました♪

 今年は変則日程なので100敗も覚悟していました(白目)。がっ、これで波に乗ってくれるでしょう。昨夜は逆転サヨナラスリーランという劇的な敗北を喫しはしましたが、あくまでも負けは捕手梅野に付くので、矢野監督の頭の中の星勘定は、実質勝ち越しとなりました。メデタシメデタシ!

レジ袋一斉有料化までに借金完済だ!(半分本気)

目指せ優勝!(眉唾)

頑張れタイガース!(棒)

 しかし、である。好事魔多し、試練は容赦なく虎を襲う。なんと当ブログでも一押しの守屋が右肩痛でまさかの離脱っ・・・。

 二年連続50試合登板と言わず、今年は70試合ぐらいを目指して投げて欲しかったのに、そうすれば奇跡の100敗も視野に入ったはず。こうなったら主将糸原には200出塁をお願いします。

 そして、守屋の登板数の替わりはそうそうないのですが、坂本の先発マスク数を新しい指数として加えることにします。もちろん残りの試合はすべてスタメンを期待しています。

6月25日現在

阪神借金数:4 ↑

Joker糸原 出塁数:7 出塁率: .318↓

クラッシャー守屋 登板数:2 与死球数:2

真っ黒坂本 先発マスク数:1 ← new

 

 さて、本日は定点チェックの三回目ということで、確かブログ開始直後に、アメリカと中国、アフターコロナの勝者はどっちだ、というようなことを書きました。ので、それの定点チェックをと思ったのですが、これってよく考えてみると、今後ブログの中でずっと追い続けていくべきテーマなのですよね。というわけで、米中対立ということで切り出してシリーズ化します。今日はその一回目です。

<本日の出しもの>

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トランプは長江を泳いだのかっ!?

 アメリ中国 この二つの国が、今後の世界のカギを握っていることに異論はないでしょう。「Gゼロ」の名付け親である政治学者イアン・ブレマーあたりは、ロシアを混ぜたがったり、EU新興国なども侮るなかれとか言っていますが、もうそんなこと言い出したらキリがないので、私はこの二国で良いと思っています。

 コロナに終息の気配が見られないだけに、色々と応酬が続いていますな。

□ トランプ米大統領、中国からの批判に「醜行」 (5/21)

□ 中国外相、アメリカが「陰謀論」拡散と批判 新型ウイルス (5/25)

□ 米死者10万人超 トランプ大統領 中国を改めて非難 新型コロナ (5/29)

□ 米議会で「ウイグル人権法案」可決 米中関係さらに悪化も (5/28)

 でっ、当然二つの国だけが争うのではないのです。周辺の国、というか世界のほとんどの国がこの争いに巻き込まれていくのだろうと思います。ただ、この二つの国が陣営に分かれて戦争する、もしくはその準備をするとかではなく、価値観を元に分化していくのだろうと。

 つまり、この二つの国の対立の構図には "民主主義国家" か、"そうでないか" が焼き直しで重なってくるということです。

 よくアメリカが内向きになったとか、世界の警察の役割から降りたとか言われていますが、果たしてそうか? 実際にWHOから脱退し、WTOへもそれを仄めかし、国連人権理事会からも脱会しました。それだけではなく、国連については分担金を滞納し、TPPからもパリ協定からもユネスコからも離脱・脱退を繰り返しています。それらをもって、アメリカが引き籠ったというのは容易いですが、私には、こういった一連の行為をアメリカがするたびに、「また駄々をこねている」 と感じると同時に、トランプが前回の選挙で掲げた"Make America Great Again!" のフレーズを思い出すのです。

 端的に言うと、アメリカは今の枠組みに満足していないのでしょ。もっとはっきり言えばうんざりしている。だから決して引き籠ったのではなく、世界に新しい秩序を築き、そこでまた主役に返り咲きたいのだ、そう言っているように感じるのです。じゃあ差し当たって、どこで主役になれていないのでしょうか? その象徴はなんと言っても中国が提唱し主導する "AIIB" でしょ。アメリカはあれを絶対認めることができないのです。

 ”AIIB” には、まずイギリスがG7の中では先陣を切って参加を表明し、以降、雪崩を打ってG7では日本以外のすべての国が加盟してしまった。つまりカナダまで加盟した。それが16年の8月の最終日。きっとアメリカにとっては耐えられない屈辱だったのではと思うのです。あれはちょうど大統領選挙の直前でした。あの当時トランプが国内でさかんに叫んでいた例の呪文、”Make America Great Again!” が、果たしてどのように人々の心に響いたのか、そこに思いを馳すと、あの選挙結果もすんなりと胸に落ちる気がするのです。

 つまり、アメリカは内向きになどなってはいない、あの呪文の根底にあるものとは、気に入らない今の枠組みを新しいものに作り替えるぞ、ってことだと私には感じる。あえて中国的に言うならば、あの呪文はシグナルなのですよ。そう、毛沢東が長江を泳いで見せたように。

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 じゃあ、新しい枠組みとはなんぞやといえば、それが、"民主主義国家" か、それとも "そうでないか" を改めて問い直し、シンプルにその価値観の元に繋がり直そうというものではないかと。 

世界:中国 = 日本:韓国?!

 そもそもこの二十年、世界は中国に対して寛容でした。見返りとしてビジネスチャンスにたくさん恵まれました。しかし、良い面だけではなく、悪い面も積み重なって、トータルでいえばそっちの方が目立つようになり始めた。だから国際的な枠組みを見直す良いタイミングだというのは、事実としてあるのだと思うのです。

 ちなみに、この世界と中国との関係は、日本と某国との関係と限りなく相似形です。つまり日本は予習のチャンスに恵まれていたといえるのでしょうね。その割にそれを活かせてはいないか・・・・。まぁ、”AIIB” に参加しなかったことは、低迷が続いた平成期における唯一のメガヒットだと私は思っています。

 ただ、価値観を選択するという行為のその前に、それをするタイミングがいつなのかという話は出て来るのでしょうね。

 香港台湾が熱いのは、彼らにとって、その選択がまさに今だからです。

 しかし、あれを中国との位置関係が問題なのだとか、香港は中国の一部だからね、などと言っていたら、大変な目に遭うのではないでしょうか。オーストラリアも試され始めている状況なのですから。ただそれ以外の国は、できるだけそれを先送りにしたい、というのも共通する本音でしょうね。

 ドイツやイタリアあたりは平気で良いとこどりしようとするでしょうし。特にドイツは絶対に渋る。なぜそんな選択を、一方的に迫るのかと。

 余談ですが、トランプがメルケルと致命的に合わないのはよくわかる気がします。メルケルにとって中国の存在は多様性の象徴のひとつぐらいにしか考えていないからです。社会主義下で育った彼女にとって、中国の言うことはごく普通であり、一種の原風景なのかもしれませんから。

 どこの国にしたって、選ぶとすればそりゃ間違いなく "民主主義国家" だけど、今はその時ではないだろうと。つまり、まだ中国のマーケットを当てにしているわけですわ。まずは国民を喰わさないといけないでしょと。価値観やイデオロギーで飯が食えるのかと。

 それと、そもそもトランプ自体が、大統領選挙を前にして、自国の農家の票のことを考えて、それを当てにしてまだウニャウニャと言っている有様ですしね・・・・。 

www.nikkei.com

 中国の付け入る余地はまさにそこなので、そこについて、そろそろ真剣に考えなければなりません!

 

社会・共産主義 ≧ 自由・民主主義!?

  東西冷戦も二つのイデオロギーの争いのように思われがちですが、当時の西側では資本主義自体がまだ成熟していなかったし、敵の手の内、つまり社会主義や、それが目指すところの共産主義が何たるかを判ってはいなかった。個人的に言えば西側は東側のポテンシャルを買い被ってもいた。それが絶妙なバランスを生み、実力差は甚だしかったのに戦後から東西冷戦終結まで半世紀近くを要したように思います。まぁ、日本はその時間と地理的な旨味を最大限に活かしたと言えますけどね、テヘッ。

 実に人間臭い社会主義の、その奥にあるという、共産主義の周りは常に理想によってキラキラと装飾されていて、西側の人間にはよく判らなかったし、騙されもした。私もコロッといったクチですわ、テヘペロ。

 しかし、未だに共産党は小池氏の弁によると、「旧ソ連は『社会主義』を冠してはいたけれども、民主主義はなく、覇権主義はひどかった。社会主義が失敗したのではなく社会主義とは縁もゆかりもない社会が崩壊した・・・・中国については・・・・香港では人権侵害の弾圧。そういう意味では社会主義をめざす国』という根拠はなくなった(原文ママ)」と語り、さらに共産党は「資本主義時代の自由と民主主義などの成果をすべて受けつぐ・・・・最も人間の個性・多様性を大事にし、自由と民主主義を守る政党なんだ(原文ママ)」だって。うわっ、なんかまだこんなこと言ってます・・・・。

 

www.jcp.or.jp

  凄い、まったく凄いぞ・・・・。

 まず、ソ連の失敗は社会主義の失敗としてカウントしていないところが、どういうんだろう、あえて言えば新しい、いや実に怪しく新しい解釈なのですよ。思わず "ヤルはこいつ" と呟いた。少なくとも社会主義そのものは間違っていないと言い張るところや、シレッと自由と民主主義を守ると言い切るところも見事であり、相も変わらず、少しは学べよ、そう突っ込みたくなる。

 それと”資本主義時代の”ってところこそがミソなのです! ”時代” ってことは、今とは区切られ世の中が "社会主義共産主義" (共産党は二つを便宜上? 一緒にしている) に変わるってことだから。いやぁ、本当に騙されないようにしてくださいね。だいたい民主主義を守るっていうのなら、民主主義のままでええやろっ! なんでそこに気づかん?

 蛇足ですが、久しぶりに赤旗日曜版をチラッと見ましたけど、宇都宮先生に室井、浜、山口というオールスターキャストですっかり胸ヤケしました、そして北原みのりがそこにいないのが少し寂しい。でっ、今週の 「ひと」 は海老名香葉子さんだそうです。赤旗も人選べよと。よりによってって感じするぞ。どうせいつもの空襲と絵本の話ばっかりなんだろうけど、特集するからにはちゃんと脱税の経緯についても一通り訊くんだろうな! こういうウラオモテのあるところが共産党はダメなのだとつくづく思うのです。また、そういう人がワラワラと集まってくる。一種の磁場なのだろうか? 疚しい人が引き寄せられ、そこへ行くと不思議な光でも浴びて、どこまでも正しく清貧な人、もしくはそういった人に心から寄り添う篤志家にでもなった気がするんでしょうね。なお、今週の赤旗日曜版には前川喜平さんが登場します、トホ・・・・。金平兄さんも呼べよ!

  話が大きく逸れましたが、元に戻すと、東西冷戦というのは価値観ではなく、ただの縄張り争いだったのです。なのでイデオロギーなんてみんな後付けだったと。でっ、翻って今回の米中の対立はといえば、本当に価値観が問われる争いになるのだと思うわけです。つまり、冒頭であえて "民主主義国家" か "そうでないか" と書きました。なぜ、"そうでないか" で大きく括ったのかというと、そこを "社会主義" とか "共産主義" とか "社会主義共産主義" とかを入れたところで、もうどうにでも先の小池氏のように逃げ回れるわけですよ。更に言えば屁理屈こねて、例えば ”新自由主義” ってやつも出て来る。「わしらは新自由主義やから保留やで」、とか言い出しそう。そうなってくると市場に政府の介入を容認するニューリベラリズムと、その逆のネオリベラリズムがいて更にややこしくなる。

 しかしこれだけは言える。あらゆる国が総じてコロナ対策や自国の景気浮揚策にジャブジャブお金を入れており、まさに非常事態である現状において、何人もそれを否定できない以上、今さら ”新自由主義” だの ”グローバリストだから” は通じはしないと。

 なので、もう一つそこに重ねるものが必要になるわけです。それは "法治国家""独裁国家" かということ、つまり、米中の対立の構図は、三重映しに重ねると判りやすくなる。

 まさに今、香港の人々巨大な独裁国家と闘っているということなのです。

 そして、差し当たって我々が、彼らの身に起きていること、つまり中国の抱く国際的野心と闘うことを自分のこととして捉え直したうえで、何ができるだろうと考えた時、それは、まず中国が ”法” を守らぬ独裁国家であること、その証拠を集め、それを広く世の中に伝えることなのだろうと思うのです。そして、”法” の下の平等・人権というものが果たして中国ではどうなっているのか、ここについても同様。そして最後に彼らの言う "法" が何であるのかを突き詰めること。はっきり申し上げるなら彼らの言う "法" とは多くの部分で "情" と重なっているのだと私は個人的に解釈しています。"法" は揺るぎのないものなのですが、"情" は流されるものです。だから我々はそういった中国の非常識な部分を問い続けなければならないのです。

 それと現実的な問題として、中国のマーケット抜きにしては自国の経済が成り立たない状況が生まれています。そういう意味では、コロナで国と国の行き来ができなくなったまさに今、ある意味我々は "中国なき世界" を先駆けて疑似体験できているのです。だからこの状況を嘆くのではなくチャンスと捉まえ、自分たちの内にそれを創出しようと試みることが求められているのだと思うのです。中国を当てにするのではなく、新しいお客さんや仕入れ先、工場や従業員を探すのです。もちろん簡単なことではないのですが、新しい市場やサプライチェーンをできるだけ早く築くべきです。そのためには価値観を一にする仲間と共に行動すべき時なのです。

 なので、このシリーズでは並行して、”TPP” ”セキュリティダイヤモンド構想” などの現状についても随時取り上げていきたいと思っています。

www.kantei.go.jp

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