Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフト雑感:上位の皆さま編 ①

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  ドラフトから三週間ほどになりますが、すでにかなりの選手が仮契約を済ませた模様。というわけで、来る人がいれば去る人も出てきます。かってのドラ1選手にも、厳しい現実が突き付けられたようです。

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 吉住については指名直後から、育成1位予定選手を間違って端末に入力したのではないか、という都市伝説がありましたな。他にも工藤監督がドラフト直前、ビデオを観て渡辺久信と被ったので決めたというのもあって、真相については判りません。結局、どのような力学で指名に至ったのか、謎のまま彼はユニフォームを脱ぐことになるのでしょうか・・・・。

 去る人は選手だけではありません。

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 ここ数年のSBのドラフトを眺めていると、1位については完全にクジ頼みで、外した時はむしろ下手な部類に入るように感じます。ただここは育成から続々と這い上がって来るので、それでリカバリーが効いている。つまり近年においてはスカウトの手腕よりも、選手を育てる環境や蓄積された育成ノウハウの方に分がある、そう感じます。上の記事はその見立てを補強するかもしれませんね。

 永山氏は千賀や甲斐を見出し、今宮、柳田を獲得し、古くは山田秋や和田、大隣の逆指名を取り付けたことで名を馳せた方です。かなりの大金を動かせるやり手とも伺っております。そのお方が優勝を決めた直後に退団・・・・。なんらかの事情があったと見た方が良さげ。

 でっ、この記事の最大のポイントは、氏の退団前、直近の肩書にあるかと。”独立リーグ担当” となっています。これは結構意味深。つまりここ数年間の1位選手の度重なる不振の責任をとらされる形で独立L担当に追いやられ、そしてついにこの秋・・・・、って感じでしょうか。

 ただ永山氏のもう一つの肩書、それは ”プロスカウト”。つまりプロであり、実績や人脈も十分にお持ちの方ですから、楽天や日ハム、DeNAあたりが放ってはおかないでしょう。

 来月上旬「野球太郎」が発表されるそうですが、一度スカウトの人事異動、新任や退団だけではなく、担当替えなども含めたスカウトたちの動き・流れをトレースし、ここ15年ほどのドラフトの球団別巧拙について検証してもらえませんかね。そしてその際に重要になってくるのは、タイムラグを考慮すること。たとえばまさに吉住投手のケースなども、17年の暮れに入団して、明けて二か月後の春のキャンプのお披露目で、観る人が観ればオイオイとなったはず。じゃぁその段階ですぐにスカウトの責任者のクビが寒くなるかと言えばそうではなくて、今回のように数年経ってから現れる。そのあたりを踏まえて検証して欲しいのです。ぜひともお願いしたいものです。

<本日のトレース>

 鈴木 昭汰(法大→ロッテ D1位) 

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  今年のドラフトで意外と言うかやっぱりだったのは、最終盤に来ての東六の投手の値上がり、インフレですね。前にも書きましたが、このリーグのストライクゾーンはアマとしては狭いので、成績をそのまま鵜呑みにできる、そんな傾向にあるのです。それで一番評価を上げたのが、この鈴木と入江の両投手ではないでしょうか。

 高校の時から甲子園にも何度も出ており、野球好きの方は、まぁみんな知っている、それぐらい有名な投手です。その彼がこの秋神宮でMax150を超えたというので、俄然注目が集まりました。しかも蓋を開ければ外れ1位で競合までしたと。ですが、あれは  ”競合” というよりも ”鉢合わせ” なので、これをもって更に評価を上げる要素にはならないかと。

 ストレートだけではなくスライダーのキレも確かに良いのですが、アマチュアというか所謂ネットスカウトのよく使う表現 ”積んでるエンジン” 、これが軽いように感じるのです。ボールに角度もなくコントロールもアバウトだし・・・・。それと高校時代は打たれた後、性格面の優しさというエクスキューズが付いて回ってもいたな。

 しかしドラフト直前には阪神の外れ1位の噂も立ち、一瞬肝を冷やしましたので、今年なら1位もあるのだろうなと覚悟はしていました。でも正直例年なら2位相当かと。個人的には今年の候補左腕の中では三番手だと思っております。

 来年の予想は難しいですね。先発では厳しいので中継ぎでしょうか。

 2021年度成績 1勝2敗 3H 防御率4点台

 

 山野 太一(東北福祉大→ヤクルトD2位)

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 散々ここで岡林スカウト課長や真中元監督を腐してきましたが、今年のヤクルトのドラフトは実に良かったと思っています。というのは1位で木澤を、2位でこの山野を獲れたからです。二人とも私の好きなタイプの投手です。

 今年の左腕は早川がダントツで、それを後方から追う一番手が彼だと考えていました。

 上背の無い左腕で、スリークオーターから投げる点も上に挙げた鈴木と同じ。コントロールがイマイチなところも一緒。しかし神宮のマウンドの鈴木が身長より小さく観えたのに対して、この山野のユニフォーム姿は決して小さくは映りません。176、7はありそうにも観えます。身体のわりに腕が長いのと、東北福祉のユニフォームが膨張色だからかもしれませんが、私は個人的にこれはオーラの一種だと受けとめました、ええ。

 山野の最大の売りは球のキレ。実際の回転数を数字で確かめたわけではないので説得力には欠けるかもしれませんが、ストレートはしっかりと縦スピンが効いていて、さらにスライダー、カットは、ともに ”ググッ” 、もしくは ”キュッ” って感じで曲がるので、左打者にはもちろん、右にとっても嫌な球種です。これにチェンジアップをそれなりに混ぜておけば、少々コントロールが悪くても十分プロで通じると思うのですよね。

 フォームがまたゆったりとテークバックまでは力感を落とし気配も殺し、そこから一転、左腕が鞭のように撓って出てくる。杉内とよく喩えられますが結構似ています。ただテークバックの肘の位置をもう少し高くして欲しいかな・・・・。

 1位もありと思っていただけに、投手難に泣くヤクルトにとって垂涎のシロモノと言えるのではないでしょうか。即戦力間違いなしです。

 頭からも中抑えでも行けますが、まずは先発で行って欲しい。栗林と並ぶ新人王候補だと思います。

 2021年度成績 6勝3敗 防御率3点台 セリーグ新人初完封ゲット
 

 木澤 尚文(慶応大→ヤクルトD1位)

 彼については前にも書きましたが、個人的に好みのタイプの投手。何よりマウンド上で絵になります。

 先日の早慶戦、早稲田の早川が主将であるがゆえ、一球ごとにマウンドから大きめのゼスチャーで周りに対してメッセージを伝えようとする姿が、なんとなく一人だけ別格で、学生というより体育教師然としていて少し引いたのですが、一方の木澤というと一言 ”漢” というかエースの風格が漂っていました(ピッチング自体は早川の圧勝でした。大人と子供の差があった)。躍動感があって真上から腕を振り下ろすその力感というか角度は、画面を通じても圧せられ、それだけに力みも伝わってきましたが、変にギクシャクしたところはなく、体重移動もスムーズで、胸が撓み腕が遅れて出て来る、実に画面映えのする魅力的な投球フォームです。

 150キロ超のストレートはもちろん威力十分ですが、プロ入り後柱になるのはフォークと縦スラ、二種類の落ちるボール。どちらも現段階でプロ仕様で、フォークは左打者に、縦スラは右打者にそれぞれ有効と思われます。ただし、コントロールは雑で、二人に一人はフルカウントまでいくタイプ。それだけに球数を考えると先発は無理。来年清水が草臥れると思うのでセットアッパーで行きましょう!

 マウンド上で吠える姿から一転、学生服で表に出て来ると、そこにはまだあどけないベビーフェースが。フォークボール以上のこの落差、まさに圧巻!間違いなく女子アナは落ちるでしょう、ええ。

 2021年度成績 3勝1敗 15H 防御率3点台

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