Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフトを振り返る お値打ち指名編

 先週、神宮大会高校の部は大阪桐蔭、大学の部は中央学院の優勝で幕を閉じました。ともに初優勝ですが大阪桐蔭が初めてというのは意外ですね。そのあたり、さすが大阪のチームといったところか。これまでは指導者も選手もメリハリを心得ていたのでしょうか? つまり甲子園に集中、消耗と慢心に繋がる大会は程々に流していたように感じたものです。

 ところがどうも最近、大阪桐蔭における野球部の立ち位置が微妙になってきているような気配。そこを敏感に感じ取ったような気がするのです。そして今年は逆に狙いに来てたと。獲れるものから獲って、経営層にアピール、さすがは知恵者西谷!

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<本日の立ち位置微妙>

 是非選抜を東京で!

 それでは例によって早速のボヤキ。ということで神宮大会の高校の部に綾をつけると、やっぱ人工芝の上で全国大会を高校生に強いるというのはどうかと。それに神宮は東京六大学のものだしね。日本シリーズだって遠慮するぐらいに。だから昔から違和感がありました。そもそも平成の最初のころまで東日本以外の各地区は優勝チームを出していなかったし。

 それが正式にプレ選抜になって、神宮枠も設けられて、CSでの中継も始まってと、気合が入り出した。そして今回唯一その気にならない傾向にあった近畿地区も頑張った。しかも ”スーパー1年生BIG4” 揃って大活躍で花を添えた。お客さんも朝から寒いのに大行列。ある意味流れとしてはええこと尽くし。高校野球界にとって三つ目の大きな大会になる可能性もある。ならばもう一段というか二段、踏み込めんもんか。

 という訳でここから妄想全開で続けます。前回千葉の夏の予選の盛り上がりを関西の高校野球オタどもに観せたい、ってなことを書きました。まあ習志野が強い、という前提もあるのですが、そうでない場合も成田や銚子商などが勝ち上がれば決勝はマリンの外野を開放するまでにはなります。当然神奈川はといえば、必ず準決勝以降は横浜はフルハウス状態。東京も神宮の内野までは埋まる。埼玉も大宮は満員。一方近畿はといえば、大阪も兵庫も京都も決勝戦のスタンドはスッカスカ。淋しいなぁ・・・・。甲子園に出たら応援したるわ、ってなスタンスのフアンが多いのでしような。

 今年の夏、高校野球の勢力図は近畿が圧倒的であった、そうはっきりと示されました。がっ、意外にも予選の盛り上がりっていう点では平成以降東高西低なのです。南北海道なんかかなり熱い!青森、秋田、宮城もそこそこ。関東の4都県以外もその盛り上がりの熱量は高く、あまりにも関西とは好対照。

 実際、秋、春の関東大会を観にいったら渋滞に巻き込まれて、二試合目の終盤からやっと球場に入れたわ、なんてザラ。近畿大会ではここまで大変な目に遭ったことなどありません。つまりこの夏の勝ち上がりのような、西高東低などと単純に切り捨てられないものがある。

 でっ、また話を判りりにくくして恐縮なのですが、サラリーマンをしていた方なら何となく共感を持っていただけると思うのですが、日本のマーケットって、やっばり東京、関東なのですわ。地方でどれだけ売れても、東京を中心とする関東の市場で売れなければ決して認められることはない。

 では関東で高校野球がライト層も込みで認められるためには、どうすれば良いのか? 話の流れから言えば、都内のどっかにアマチュア野球専用の球場を造って、そこで神宮に替わる秋の全国大会をってことなんでしょと、連想されるかもしれませんがそうではない。もちろん球場は郊外で構わないので都下に造って欲しい。芝と土で、収容は3.5万ぐらいで結構。でっ、そこから思いっきり踏み込んで、はっきり言おう、春の選抜をやって欲しいのです!

 寝言はそこまでだ、そう思われるでしょうが、それぐらインパクトのあることをしないと、関東の人々の高校野球への関心は高まらないと思うのですよね・・・・。

 でっ、球場については置いておくとして、それってそもそも現実的か、ってところから始めないといかんのでしょうが、まず、近畿ベったりの高野連がそれを許すはずない、というのは確かにある。でも結局は経済がそれを決めるのだと、この夏痛感しました。ご存じのようにクラウドファンディング、惨敗しましたよね。あれをしたってことは、つまりは高野連といえども儲け抜きでは語れんということではないかと。ならば、あくまで ”夏=甲子園” が不動のものであれば、それほど大勢に影響はないと思うのですよ。東京で選抜大会をやれば、儲かりまっせーっ!

 用済み、毎日新聞

 なぜそこまで申し上げますかと言うと、実は選抜の主催であるところの毎日新聞の経営はまさに火の車。昭和の終わりから既に、聖教新聞の発行を請け負わねば経営が立ちいかないところまで落ちてはいました。そして今ではチャイナマネー頼りで何とか成り立っているような状況、まったく情けない。真剣に近いうちに身の振り方を考えなければならないところまで来ていると思う。ってことでさらに妄想モードのアクセルを踏むならば、日経あたりと手を組むというか、合併ぐらいあるのではないかと。

 正直いえば、経済記事や企業情報メインの日経こそ、本来その最初にネットに淘汰されてしかるべきではなかったか。今時、日経新聞で株価を確認するようなボンクラはいないでしようから。それに企業のHPもかなり充実してきて、自ら情報を発信していく、そんな時代に入ったようにも感じる。つまり日経という土俵はいらんということ。ちなみに平成の頭までは、基本株価は毎朝、日経新聞で確認して、大きな値動きのあった企業の記事を二面あたりに探す、というのがビジネスマンのスタイルでした。当時の投資家は短波放送をよく聞いていましたっけかな、懐かしい。

 そしてここまでスマホが普及し、ネツトがメインストリーム化した現在、日経の首筋にも冷たい風は容赦なく吹きこんでいます。新聞を読んでもらうための仕掛け、読み物として充実させるノウハウ、営業部隊が新規開拓するための武器としての大型イベントなどは、腐っても毎日新聞はまだ持っているので、今後のことを考えると日経には必要ではないかと。今なら安くで買い叩けるし。

 まあ両紙の合併は大げさかもしれませんが、苦境に陥った毎日の近況を鑑みるに、たとえば別府大分マラソンは無くなったし、選抜の開催権の返上、というかそれを売りに出すことは十分にあり得るかと。極端な話、どこが買い取ってもいいので、その際にはぜひ、東京開催を条件にしていただきたいのですわ。

 正直言いますと、関西の人が選抜野球を大切にしていない、というのもあるのです。夏こそ本番みたいなところがあって、MBSもかなり前に放送を打ち切りましたし。どうもこのまま選抜を甲子園でやっても形骸化するだけ。良くて現状維持。今以上に盛り上がることはない。阪神大阪ドーム開幕っていうのもそろそろやめて欲しいしね。オープン戦と見分けがつかんわ。それと併せて冬の花園もTBSにでも売ったらどう? そうすりゃもっと上手くやると思うのだけど。

 スカイツリーが押上に建って、山手線より東が一気に元気を取り戻しました。そろそろ山手線より西、多摩地区あたり、なんか付加価値のあるものを造ったほうが良い頃合いだと思うのですが、如何でしよう?

 おいおい、秋の神宮大会から始まって、なんで春の選抜の話になるんだよ、という突っ込みもあるかと思いますが、どうかご勘弁を。でっ、神宮大会について申し上げれば、やはり高校の部は神宮を出て、各地域で持ち回りでやるのが良いのでは、と思っています。選抜への関心が高まれば、自然、プレ選抜である神宮大会に対する注目は上がる。であれば各地方でやっても盛り上がると思います。もしくは名古屋固定でやるというのも良いかもしれませんね。

 くどいようですが、都下にアマチュア専用の野球場を!そしてそこでの選抜大会誘致を、そんな夢のような話があれば、全国の高校野球人気は今以上に熱いものになる、そう思っています。

 上位のお値打ち指名は?

 ではでは、ようやくここからドラフトの話。残念ながらリク工ストはなく寂しい限りですが、細々と極北のブログらしく、日陰を歩み続ける所存です、ええ。

 今回は趣向を変えて、各順位のお値打ちな指名という観点で振り返りたいと思います。

 まずー位のお値打ちは文句なく、を一本釣りした日ハムの指名でしようね。何故お値打ちかは、このあたりを参照願います。

tilleternity.hatenablog.jp

 間違いなく三年後には12、3勝してますわ。性格面が心配されているようですが、新庄なら・・・・まぁ大丈夫かな。

 次に二位はというと、去年、牧、伊藤という破格の選手を送り出した順位だけに注目されましたが、二匹目のドジョウはといえば、はっきり申し上げます、いません! 前に書きましたが口ツテの池田は牧を、広島の森、巨人の山田は伊藤をそれぞれ頭の片隅に描いての指名のようにも感じましたが無理でしょうね。因みに去年牧にいかずに元を獲ったオリックス、伊藤を獲らずに山野を指名したヤクルト、高田の楽天、佐々木の西武、それぞれの球団のスカウトたちは今改めて何を思う? オリとヤクは優勝したからチャラかもしれませんが、こういう時の反省こそが今後に生きると思いますよ、しないでしょうけども。まぁ、私も中森と伊藤を巡って綾をつけた前科者ですから偉そうなことは言えません、ええ。一応、”中森が秋のフェニックスで151キロ投げました!” 、念のためご報告までに。 再来年当たり幕張の山本由伸になってるかもしれませんし、期待しています。

 でっ、話を二位指名に戻しますが、今年は上手いな、そう思わず唸るような指名もなかったですね。一位の吉野、松川が意外だっただけに、それで押し出されて零れ落ちた佐藤、森、山田あたりの指名についても、美味しかったとは言えそうにない。いろいろと問題を抱えている投手ですから。唯一、個人的には広島の森が来年から出て来そう、って感じか。でも活躍っていうのは難しいな。

 三位指名には驚きの展開がありました。手前味噌ですが阪神の桐敷。実は春に知り合いから動画をいただいていて、どう?って言われて、うーんスライダーがあかんわ、って返しました。それについては確か書いた、このあたり。

tilleternity.hatenablog.jp

 でっ、あまつさえ指名後に完全試合達成の報を受けた際も、そんな騒がん方がええよ、ってそう思いました。なぜかといえば、これも前に書きましたが、大学の秋のリーグで、まともに四年が出張るのは東六、東都、関西連盟の三つだけ。後の地方リーグは就職活動やら単位取得に励んだり、もっとはっきりいえば、肩たたきされてベンチから外れてしまい、来年を見据えた三年以下で構成されたチームばかりのオーブン戦状態になっています。そこで19奪三振完全試合と言われてもねぇ、って感じでした。

 なので、この記事の吉野のコメントを読んだ時も、

www.daily.co.jp

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 正直、おいおい、冗談言うなよ! と感じましたもん。

 そしたら安部さんのこの記事が出てきてのけぞりましたわ。

number.bunshun.jp

 もし本当に桐敷がスライダーをしっかりと右打者の懐深くに投げられたのなら、一位競合クラスだったのかもしれない。ならば来年、伊藤ほど勝ち星は上がらないまでも、下位チームからせっせと勝ち星を挙げるのではなく(失礼)、上位と対戦しても踏ん張れる投球をしてみせるような活躍があるかもしれません。

 しかし、そもそも急に変化球が良くなるなんてあるのか? という向きもごさいますが、サウスポーに関してはありえます、なぜかは知らんけど。一番記憶に残っているのが、名電時代の工藤。実はあのドロップ、愛知の予選では投げられなかったのです。でっ、甲子園入りして宿舎で夜に仲間と隠れてトランプで遊んでいて、カードを座布団に何気なく叩きつけた瞬間、これかも、って閃いて、そのまま部屋を出てキャッチボールをしたらあのドロップが出来上がったと。

 そして、初戦で毎回の16奪三振ノーヒットノーラン達成。長崎西の名誉のために言っておくと、当時、ちょうどビデオが普及し始めていましたから、恐らく愛知県決勝の工藤の投球内容は頭に入れて対戦に臨んだのだと思います。 それでもまったく打てなかったのは、言うまでもなく想定外のドロップが突然繰り出されたからでしょう。話が違う、って感じか。

 レジェンドである江夏も、カーブが一年目は投げられなくて、二年目に林コーチが伝授してすぐモノにしました。左投手にはこういう話がは結構あります。だからもし桐敷が本当にそこそこのスライダーを投げられるようになっているのなら、あの完全試合も本物だし、来年、いきなり先発の一角に食い込むこともあり得る、そう思ってます。

 それと、春に桐敷の動画を観た際に、顔が ”阪神顔” というか、”大阪顔” なので、阪神向きかも、って笑い話をして盛り上がりまして。あの手の顔、大阪、特に市内を歩いてたら1ブロックごとにいますわ、間違いない。これはやるでっ、頑張れ桐敷!

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 注目物件は尋ね人!?

 四巡目のお値打ち指名は巨人の石田でしょうね。個人的には外れ一位もあると踏んでいた物件。

tilleternity.hatenablog.jp

 ただ来年は3軍で基礎体力作りで良いと思います。こういう指名、巨人はどんどん増やして欲しいな。

 五位は楽天の松井一択。

tilleternity.hatenablog.jp

 上でも書きましたが、真剣に今から楽しみです。

 六位以降では指名終了チームがかなり出てきていましたし、お値打ち選手はいないな。北山が日ハムの8位が意外と結構いろんなところで言われていますが、この秋の打たれっぷりから考えると妥当でしよう。むしろ、またまた手前味噌ですが、阪神7位の中川はあまり騒がれませんでしたが、ここってところで必ず打つので、個人的には京都予選の頃から注目していました。サイズは公証172cmですが、 恐らく167、 8でしょうね。ポジもキャッチャーは無理でしょうからセカンドや外野で鍛えて欲しい。たぶん前川よりやる。

 ここでさらに趣を変えまして、今回指名されなかった、または志望届を出さなかった選手の中で楽しみな逸材を紹介します。

 まず、最近はスカウトというよりも大学のセレクター目線で選手を眺めている気がする、というような話をしましたが、そういう意味では楽天3位の前田は欲しかったなあ・・・・。おいおいいきなり指名選手に戻るなよ、という突っ込みが聞こえてきそうですが、以前、元日ハムの小笠原が高校時代通算本塁打ゼロだったと紹介したことがありました。NTT東が少ない枠から無名の高校生をよくも拾い上げたな、いわゆる壁要員であったとしても、そんな話あるんかいな・・・・? とにわかに信じられなかったのですが、前田も同様に公式戦本塁打ゼロ。そしてそこからの3位指名。そうかありえるんだ、と思い知りました、ええ。そういえば確か門田もそうでした。こっちは時代がなぁ、なんて流していました。繰り返すようですがこういう話って、本当にあるもんなのですね。勉強になりました。

 でっ、前田以外で野手は誰かと言われれば、浦和学院の3番松嶋に注目しています。たぶん体重は70あるかないかじゃないか? 太ももなんて細い細い。身体も鉛筆。ただスイングは小さいが鋭い。バットを必ずー握り余して、ヘツドをしっかりと立てて初球からでも果敢に振りに行ける勝負強さもある。走る姿もまずまず。身体が無事にプロ仕様になれば四年後楽しみです。一体彼はどこの大学行くのでしょうか?

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 野手はこの子ぐらいか・・・・。しみじみコロナ以降の野手の不作というか、伸び悩んでいるなと感じています。

 一方甲子園組の投手は近江の岩佐静岡の高須が気になるかな。まあこれは誰でもそう感じるわな。他には広島新庄の西井。なんで俺を代えるんだ、という表情が忘れられませんな。

 岩佐は龍谷で決定、高須は明治という噂があります。東六はストライクゾーンが狭いので、時間がかかるかもしれませんね。西井は社会人でしょうか、情報あれば教えて下さい。今後もドラフト以外で気になる選手を紹介できればと思ったりしています。

 それでは今日はこのあたりで・・・・。