前回の記事で広島のドラフトについて書いた。一応勝ち組、負け組、分け組の三つに分け、広島をその分け組の中の一つとして扱ったわけです。
がっ、先月の記事において、広島は負け組に入れていたことに更新後に気付いた・・・・。
俺ってボケてるのか?
我ながら恥ずかしい限りである。
あらためて申し上げます。分け組は千葉ロッテ、オリックス、ヤクルト、SB。
負け組が西武、横浜、中日、広島、です。
分け組をわざわざ二回にわたって記事にするからこうなったのかもしれない。
というわけで、今回は負け組の寸評を一気に書いて終わらせます!
なお、分け組のオリックスについては触れない。広島やヤクルト以上に気に入らない球団だから。反社と公然と組むような親会社のチームを、ここで扱うわけにはいかないのです。
ということで今回は2024ドラフトの負け組、広島以外の三チームについてご紹介いたします。
負け組の胆の部分、それは中日をそこに入れているところであろう。
金丸のクジを引いた時点で完勝、というのが世間の相場。
「いったいどの口が中日を負け組などと言うのか?」
「ケンカ売ってるだろ!?」
「今回の指名、中日は圧倒的な勝ち組である!」
「そこから負け組へと持っていった、その道筋を聞こうじゃないか!」
「中日のドラフトは完壁なんだよっ!」
そんな声が怒気をはらんで飛んできそうだ。
まぁ確かにそうではある。
それでは説明しよう。
世界中の読者を魅了するという作家村上春樹、彼は78年に初優勝することとなるヤクルトの姿を観て、小説を書いてみようと思い立ったというのはあまりにも有名な話。だがドラフトについては恐らくまったく興味ないであろう。そんな彼が、もしドラフトについて語ったならば、きっとこの台詞をキメてくれるに違いない。
「完壁なドラフトなどといったものは存在しない、完壁な絶望が存在しないようにね」
・・・・そういうことなのです。
芦屋育ちの似非関西人でもある村上春樹は、こうも語っている。
「僕らにとって、鰻はまむし、野球は村山であった」
名古屋では鰻とは ”まぶし” だそうであるが、関西においては "まむし” となる。これは言葉が転じたものではない。ご飯に「まぶす」からではなく、ご飯の間にうなぎを挟んで蒸す、つまり「まむし」とは鰻を「真蒸す」ことで油を抜くところから来るのである。
名古屋と大阪・・・・。
新幹線でわずか五十分の距離。
しかし近鉄特急では二時間ゆっくりかかるように、文化面では大きく違うのである。
恐らく名古屋と大阪では、鰻と同様にドラフトの解釈についても似ているようでいて、実は大きな違いがある、そこをご理解いただきたい。
まして金丸はわれらが村山の直系の後輩。
村上春樹は故郷関西を語る時、わざわざ村山の名を引き合いに出した。彼の言い回しに倣いもう一度繰り返そう、
「完壁なドラフトなどといったものは存在しない、完壁な絶望が存在しないようにね」
けだし名言!
”ドラフト” のところを何に入れ替えても、たとえば ”文章” でもいい、”監督” でも ”采配” でも ”判定” でも ”解説者” でも、いっそのこと ”スカウト” でも成立する普遍性が素晴らしい!
なぜ中日のこの度のドラフトが負け組なのか、これでその真意が伝わったのではないでしょうか。
お付き合いいただき感謝申し上げます。
後は淡々と気になる選手だけ上げていきます。
まず中日一位の金丸。
関西学生連盟において20勝3敗も凄いが、240イニングで、312奪三振というのには畏れ入る。
数字的には立命時代の東と比べても2ランク上である。
とはいうものの気になる点がある。
以下の四つ。
・腰が完治しているか?
・シーズンを通じてイニングを食えるか?
・封印しつつあるカーブの使い方
最後にこれは好みの問題ではあるが、
・上半身が立って引っ掻くように投げるところ
だろうか。
ライマルがもういないのも、新人王争いに少なからず影響を及ぼすとも思ふ。
あっそれと、関西学生連盟の打者のレベルが下がり気味なのも気になるところではある・・・・。
二位の吉田はこのドラフト最大のトラップと書いた。のであまり書く気はしないが、腕の振りが全体的に緩く、チェンジアップから逆算しているように感じるところを上げておきます。
あれに打者が慣れだして当てられるようになった際にどうするか。
ただ左腕の見極めは我ながら悪い。去年も武内で大外ししている。四年前も伊藤将で同じ失敗を(以下略)。
吉田は各方面からの評価も高く、三敗目を喫することになるのだろうか(三敗じゃすまんって)。
三位以降、森、石伊、高橋、有馬は「野球小僧」がお奨めしそうな指名をそのまま再現した感じ。少し薄気味が悪いが確かに良い指名である。
やはり二位でニキータに行けたのに行かなかった点が、私的に負け組へ分類した最大の要因なのだろうか。
結局ヤクルトに持っていかれ、替わりが吉田というのにも落としどころを見出せずにいる。吉田はヤクルトが指名するもの、そう勝手に決めつけていたというのもあるか。
吉田とニキータが逆だったなら・・・・・。
やはりニキータに行けたのに、ってところが味噌なんだよな。
ドラフトオタの業は深い。
西武はクジで二度敗れ、結果高校生内野手という指名経緯ではなく 宗山を入札した時点でドン引きした。
アイコンとなる選手が欲しい気持ちは理解するが、今西武に必要なのは火力不足を補う大砲だと思うので。
たとえば仮に宗山が獲れたとして、どこを守らせるつもりだったのであろう。まだ三十一の源田がそう易々とセカンドに引っ込むとは思えない。というかそんなタマではない。
二年前の蛭間もそうだけど、指名前にどんなビジョンを編成は描いていたのだろう・・・・?
斎藤、渡部に狩生などポジティブになれなくもない指名だけれど、来年戦いつつチームを再建していく道筋の見えない指名でもあった。
まぁ端からおまえなんぞにそれを見せるつもりなどない、そう言われそうではあるが。
せっかく武内、隅田、今井、光成と投手陣は役者が揃っているだけに、ここ数年のドラフトではスラッガーに特化して指名しまくる、というシナリオしかないように思う。
だがこのチーム、流れとしては来年立石に行ってしれっとクジで勝ったりするんだよね、ああコワ。
最後にDeNAですが、いまだに一位竹田の余韻が各方面で残っている気がします。
ドラフト前にも書いたが、二位はあると思っていました。
でもそれは竹田に対する評価ではなく、そういうチームが出るんだよね、っていうのを見越して書いたわけで、その通りというか、更にその斜め上を行くって・・・・。
いやマジで、オタの戯言を真に受けたわけではないだろうに、 そこを跳び越すから凄いわ。
ただDeNAは独自に数値を集積しドラフト候補を解析、 その結果竹田になった、と喧伝しており、そこについては凄くそそられる。オタ心をくすぐるのです。
なんでも、第3世代のスカウティングだそうで。
第1はあったとして、第2って何だっけ、とか、いきなり第3かよ、って感じもするが・・・・。
とはいうものの、三年前の指名で魅せた13番目に徳山でもわかる通り、東六に対する信頼というか依存から抜け出せていない気がします。
まぁそれらも含めて、当たりの助っ人を連れてくれば全部チャラになること、この秋に証明してくれたわけで、 ドラフトオタとしては複雑。
竹田は新人ながら、今の涌井を少し若返らせたような大人の投球が持ち味の渋い投手。フォークが決まれば案外やるかも。なんとなく逆に竹田を猛烈に応援したくなってきた、ええ。
年が明けたら早速竹田ウォッチ始めます。
本日は以上です。
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