前編で今年は150㌔をクリアする大社の投手は二十人近くに上る。だからその投手の中から最も好みの投球フォームの投手を指名すれば、というようなことを書いた。
しかしそれだけで終わらせるというのも喰えない話である。当ブログとして推しの投手を挙げておく。
まずは亜細亜の斉藤。
高校の時は少し有名だった程度の投手。正村さん就任後最初の作品? ということでよろしいのでしょうかね。
正村氏はかねてより、当ブログー推しの指導者であった。
斉藤の成長については正村さんの功を真っ先に挙げたい。
斉藤はここまで通算成績は8勝11敗。たとえ二桁勝っても、同じ数だけ負けるタイプかもしれない。ただ投球フォームは無理がなく伸びしろはあると思う。堂々の外れ一位候補といっていいだろう。

春を制した東北福祉のエース二人、今頃評価が割れているのではないか。
馬力の堀越は中日の松山や巨人の大勢をイメージすれば、プロ入り後の方向性が判りやすくなると思う。大勢の入団直後みたいに、「まずは先発で(By 某水野部長)」などとボケた発言をしてしまうと、本人や関係者が困惑するのでなるべくやめてもらいたいものである。ただ一点、テイクバックが背中に入り過ぎているのが気になるかな。
櫻井はまとまり過ぎている感はあるが、東洋大の村上、青学の上村の流れを汲む投手。二人のおかげでポテンシャルのわりに高評価があるかもしれない。

前回東洋の島田について、フォームを眺める限りどうも怪我持ち臭いと指摘したが、日米大学野球を辞退する運びとなった。
怪我の詳細は判らないが、本人のことを思うとむしろ良かったと解釈したい。秋も全休でいいと思うがどうか。
次に打者。
まず法政の松下。春はしっかり三割も打ち、大学侍Japanの主将にも選ばれ順調である。
しかしてこの春の六大学はさながら ”魔空間” と化していた。三割打者が実に17人・・・・。因みに東都はたった四人。つまりは4倍です
いま日本球界はどのカテゴリーも例外なく強烈な投高打低。なのにここだけはどこ吹く風。
なんでこうなるのか?
そのカラクリはこうだ。
まずは東大というボーナスステージがあって、更にやる気があるのかないのかわからん立教もある。このニカードで荒稼ぎできる、とうわけ。
また審判の質が他の大学リーグと比べて格段に高い。なのでストライクゾーンが狭い。また神宮の使用優先権も彼らが持っている。なので地方のリーグや高校野球でよくある、中盤から急にゾーンが広くなって試合のテンポが上がる、というカオスな現象がない。よって終始バタつかず自分のペースで試合ができ、とくに打者は落ち着いて打席に入れる。
日本球界広しといえどもここだけ。ゆえに ”魔空間” が生まれるというわけです。打者は割り引いて考えるべきでしょうね。
結論を急ぐなら、去年の秋も含めて松下の成績をそのまま鵜吞みにはできない、となる。
ただ彼は典型的な撫で肩で、スラッガーとしての風格は備えているように感じます。

次に日大の谷端であるが、ご存知のように春はドツボであった。ただ評価が著しく下がったようには思えない。ではこのまま上位で消えると言い切れるかというとどうか。
あくまで個人的な評であるが、谷端は現巨人の若林と被って見える。バットの使い方や、芯で捉えた時のライナーの打球の質が似ている。
でっ、何が言いたいかというと、駒大時代の若林を上位で指名しますか、ということ。彼が何位で西武に指名されたか、ここに訪れる皆さまであればご存知の通り。
もちろん長打力は谷端が上だが、スピードは圧倒的に若林に分があり、体格的にも谷端は若林よりも大きいようには見えない。
評価が難しい物件ではあるが、三位あたりが妥当な気がする。高掴みに注意である。
では本日の本題でもあるが、打者でイチオシは誰か?
私的に西南学院の栗山をお奨めしたい。
各球団入札で立石に行くのは理解する。だけど最低でも五球団はいくので、滅多なことでは当たりません。今年のドラフトは、その後のプランBの精度が勝負の分かれ目となるのは自明。数少ない有望な打者をどこで指名するか。難しい駆け引きになると思うし、2025ドラフトの最大の醍醐味であろう。
栗山の打撃スタイルはまだ原始的で、突っ込みが激しい。踏み込んだ右膝が早く回るのも課題だ。しかしスイングや身のこなしに癖はない。後ろに残して軸で回る感覚を覚えれば大化けするかもしれない。進化を心待ちにしたくなる逸品である。二位の後ろ、三位の頭で残っていれば飛びつくべきではないか。

ここからは、私が森下の進学以降ウォッチすることとなった中大について。
まずはイチオシの伊藤櫂人。大阪桐蔭時代から注目している。
暇な方は上の三つの記事を読んでみてください。いかに私が伊藤を評価していたかわかるかと思う。まぁどうでもええけど。
でっ、伊藤は一応ホームランは二本打った、だがそれだけの春であった。
以前も述べたが、”剛の立石、柔の伊藤” だと思っている。来年のドラフトの目玉に、とまでは言わないが、この選手は絶対にお奨めできる。
理由はいろいろとある。まずこの動画を見てもらおう。
伊藤のスイングが、他の打者と違ってゆっくりとしているのが判るのではないか。それでも十分な飛距離のホームランを打っている。しかも相手は今年のドラ1候補の中西。なぜそれができるかといえば、彼がフルスイングしなくてもヘッドを走らせる術を心得ているからだろう。
毎年プロ入りする野手は十人以上にのぼるのであるが、この技量をすでに手にしている選手は少ない。
ところが、である。この三年間、伊藤は停滞している。ホームランこそ計6本打っており、残り三シーズンあることを思えば大学通産5本の牧をすでに上回り、9本の森下を抜くのも時間の問題であろう。
しかしてそれでも伊藤は停滞しているといえる。ベスト9はわずかに一度。爆発したシーズンがないからだ。
プルヒッターの伊藤に、みえみえのアウトコース主体の投球を相手は仕掛けてくる。だが伊藤はそれを仕留められない。外のボールとの距離の取り方で沼っているように映る。
踏み込むと飛びつくような打ち方になり軸足が浮く。それがすべてだと思う。いっそのことアウトステップしてみてはどうか?
まぁ見守るしかない。ここまでにしよう。おそらく伊藤自身、丸山が候補合宿に呼ばれたことでケツに火が点いたであろうしな。

三年ほど前であったか、中大にはプロ入りの可能性のある野手がゴロゴロいる、というようなことを書いた。もちろん森下、北村がいたからであるが、私は同様に髙橋隆や石井、中前も在学中から買っていた。特に高橋。
どうやらこの秋、怪我さえなければ石井も含めて指名があるかもしれない。
この春の中大のメンバーを眺めてみても、ぜひプロ入りして欲しい、そう思わせる野手がやはりゴロゴロいる。
ドラフト候補の投手がたくさんいるチームというのは毎年必ずある。今年で言えば明治に青学、亜細亜だろうか。しかし野手がゴロゴロとなるとなかなかない。強いてあげれば明治に気になるのが四人、法政にもそれぐらいいる、ぐらいか。
では中大はどうか。そう書くとまず皆川や繁永だろ、と思われるかもしれないがそうではない。
皆川は右肩の開きが早く、投手と胸が合ってから打つタイプなので、その分バットの出が一コマ遅れている。結果、ストレートに弱くはないがミスショットが多い。亜細亜時代の藤岡とそっくりである。こういうタイプはセンターから左に長いのを打つものだがそれもない。
藤岡は大学時代何度も三割を打ったが指名漏れした。なんとか二年後に上位で入団の運びとなった。しかしプロ入り後もそのままである。ロッテファンにとって藤岡は頭痛のタネではなかろうか。
脇に逸れてしまったが、つまり言いたいことはこの秋の皆川の指名を私は疑っている、ということ。本人のためにも社会人でしっかりと打撃の欠点を矯正してからで良いと思う。
主将の繁永は肩に故障を抱えていると見ている。二年の秋以降であったか、まともなスローイングができていない。ギリ封殺いける、という場面でも一塁にしか投げない。肩、スローイングに自信がないのだろう。
バッティングは文句なく通用するし、勝負強さも買う。上手く育てば横浜時代の基のような玄人好みの選手になれる。しかしこちらもこの秋のプロ入りは見送って、社会人で肩を直してから改めてプロを目指すべきだろう。

逆にこの秋のドラフトという意味では松嶋はどうか。伊藤同様これまで何度もここで取り上げてきた。
しかしてこの春もさっぱりであった。おいどんの慶応戦で一発放って、それだけで終わってしまったようだ。外野の守備も相変わらず冴えない。だがあのスイング、どうにも捨てがたい。
実をいえば、東都出身のNPB野手で大学時代にまともな成績を残せたという選手の方が珍しい。森下にしたところで三割打ったシーズンは二度だけ。今年一皮むけた末包に至っては東洋時代試合に出ていないし、横浜でショートのレギュラーを狙う石上が成績を残せたのは一シーズンだけ、しかも二部時代。
亜細亜時代の矢野が光ったのも首位打者を獲ったシーズンのみで、田中、板山は二シーズンだけ。木浪に至ってはまともにシーズン完走したことがない。
まぁようするに、それでもプロ入りしてみんなそこそこやっている、ということである。
松嶋がベストナインに選ばれたのはたったの一度(しかも一塁で)。この秋指名があるかと詰められるとキツいが、スイングだけではなく走力も含めてプロで見てみたい選手だ。今年七人ぐらい指名予定のあるチームがあれば、最後の一人としてお薦めしたい。
中大には三年以下で伊藤の他にも、プロのスカウトにぜひじっくり見て欲しいとお願いしたくなる野手は多い。二年の熊谷はもう投手は諦めてはどうか。打者に専念すれば、プロでタイトル獲得も可能な逸材だというのに・・・・。
新妻は高校侍JAPANにも選ばれた捕手。鋭いスイングに鉄砲肩。なぜ試合で使わないのか理解に苦しむ。
一年の山根はこの春二打席だけであったが、改めて特別な打者だと思った。がっ、彼にも投手をさせている・・・・。藤本の守備は大学生に混ざってもやはり飛びぬけていた。髙橋の二度引きをどう直すかにも注目している。
以上、伊藤に熊谷、新妻、山根、藤本、青木あたりは、もしアーリーエントリーがあれば、ドラフトで指名があるかもと思わせる野手である。
投手も150㌔を軽々と越えて見せる高橋史に平井。そしてなんといっても原埼、十川の左右のツインタワーは、ともに長身にもかかわらず上から投げ下ろせる。観ていて惚れ惚れする。つまり中大は素材の宝庫というわけである。
しかし、である。彼ら全員が獅子奮迅の活躍をみせたとしても、中大が優勝するというイメージはまったく湧かない。これはある意味凄いことだと思う。
大学球界随一の ”魔空間”、それは中央大学野球部のことかもしれない。

本日は以上です。
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