Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

2024 ドラフトを目前に控えて

 やる気を失っている・・・・。
 肩入れした対象がすべて敗れる、というパターンがこの夏からずっと続いているのだ・・・ううっ・・・・。

 そんなん知らんがな、で片づけられそうではあるが。
 なので、 ドラフトについても書く気が起こらない。
 すべてにおいてやる気が沸かない、というのもあるし、夏以降体調が思わしくない、というのもある。
 がっ、どうもそれだけではないようだ。
 ドラフト、というかアマチュア野球を眺めるのは三度の飯より好きだし、この傷心の期間にもそれを続けている。
 だというのにドラフトについて書く気は起こらない。ということは何かあるはずなのだ、ほかに。
 むろん理由はいくつかあって、一つはネットスカウトを中心にYoutubeなどの動画で、恐っそろしいぐらいドラフト特集が組まれているから。いまさらこんな極北のブログで書く意味があるのか、そこを悩むのである。


 もう一つはやはり、二年前のドラフトで、高校時代から見守り続けた選手がものの見事に贔屓チームに指名され、望外なことに38年ぶりの日本一達成の最後の1ピースとして貢献したというのもあった。
 流石にドラフトがらみで得られる感動として、おそらくこれ以上のものは今後ないであろう、そう思うと力が入らないのだ。


 ただ、これぐらいの熱量の方が距離を置ける分、選手の見極めは利くかもしれないな、そんな風に思ったりもする。肩の力を抜いて感じるまま思いつくままに、気が付けば来週に迫っているドラフトについてせっかくだから書いてみたい。

 ドラフトに勝ち負けはある。巧拙もあるし、良いドラフト、悪いドラフトというのもある。もちろん悲喜こもごももついて回る。
 今年もTBSが三時間の特番を組むようであるが、そこまで世間の関心を惹くのは、 ドラフトが幾重もの構造で楽しめるからだろう。
 私はこのドラフトで、ある一人の選手の進路について興味を持っている。その選手の指名権を手に入れることができたチームが勝者ということになるのであろう。ではそれは誰か? もったいぶっても仕方ないので言う。柴田獅子である。

 

 しかし、である。今年のドラフトを柴田ドラフトだと言い切ることはしない。

 ニ年前は森下ドラフトだと言い切った。だが残念ながら柴田との関わりはいかんせん薄いのだ。生観戦したこともないし、良いとこ撮りの動画を眺めたに過ぎない。

 柴田の人となりも大して知らない。ベンチにいる時の表情や、仲間とのコミュニケーションの取り方など、できればさらっとでもいいから眺めてみたかった。

 はっきりいえば、私には柴田をあからさまに推す資格はない、ということなのだ。


 ただ心の叫びとしてこれだけは伝えたい。
 入札で行けば、どこの球団でもこの選手を獲れまっせっ!

 

 柴田を得ることができたチームが勝者、ということになるのであろう。
 それがどこであるかを知るには、黙って行儀よく10月24日を待つしかない。TBSが特番を組むのもむべなるかな、なのである。

www.tbs.co.jp


 柴田獅子を一言で言い表せば、Next大谷であろう。
 ただし二刀流ではない。
 打撃において、である。


 身体の大きい打者にしては珍しく軸足をバッターボックスのホーム寄りギリギリに据える。前の脚、腰は大谷以上にオープンに開き、そこから果敢に踏み込む。

 出色であるのは腕を畳んで打つのが上手い点だ。バットは内側から出て、スイングの軌道は長身の軸に巻きつくようである。
 腕を伸ばせばボール1、2個分外であっても十分に届くので、真ん中外寄りのボールでも脇を絞り肘を畳んだまま振りに行く。そしてミートの直後、丁寧に折り畳まれていた腕が一気に伸び、フォローの大きさは圧巻。まるで蕾みから一気に花が開くようで美しいとすら思う。
 またこれだけ脚が長いのに、スタンスが狭い高校生の打者を観るのは大谷以来だろう。スタンス幅の狭い打者は、田淵がそうであったように長身でも駒のような軸回転ができるため理にも適っている。
 以上、大谷にしかできないことのかなりの部分を柴田はできている、ように映る。
 また前脚を上げてみたり摺り足にしてみたり、踏み込んでから引き付けてみたりを、打席どころか投球ごとに、それも甲子園のかかった県予選決勝の場で試そうとする発想、とても常人の感覚ではない。
 結局その決勝で敗れるわけであるが、柴田に涙はなかったという。なんとなく判る気がした。


 何度でも言おう、今なら一位入札するだけで柴田の指名権を得ることができる
 そんなチームが出てくれば、出て来るべきだと思う。