今日から待望の第95回選抜大会が始まります。桜の蕾同様期待も膨らみます!
これほどまで選抜が待ち遠しかったのは何年振りでしょうか。WBCの喧騒をよそに、私は高校野球に引き籠る所存です。何が楽しみって、まずはヒール校が少ない。たったの一校、智辯和歌山のみ。清々しい大会になりそう。
更に申し上げるなら、久方ぶりに名勝負が繰り広げられる、そんな予感がするのです。
というわけで、大会が始まる前に、滑り込みで展望などを記しておきたいと思います。
まぁ本命の大阪桐蔭、対抗には仙台育英と広陵というのが一般的な見方。そこに異論を唱えるつもりはありません。あくまでこの三チームが軸ですが、脇役も充実しているだけに、予想も弾みますな。
ではまずベスト8。左の山から順に、
智辯和歌山、東北、履正社、広陵、大阪桐蔭、沖縄尚学、報徳、仙台育英。
関東・東京勢は去年総崩れでした。コロナ禍による自宅待機で部活自粛中、一番遊んでしまったのがここの選手たち。誘惑の質も量も他の地方とは違うだけに仕方なし。
一度緩んでしまった体制を立て直すには時間が必要。つまり一過性のものではないので全消し。それと東北は今年もやる、しかも春から、そう感じる。
次にベストバウト候補を、日程順に、
・東北 vs 山梨学院 初日第一試合
・英明 vs 智辯和歌山 二日目第三試合
・健大高崎 vs 報徳 六日目第一試合
続いて今年の有力ドラフト候補。投手から私的評価順に、
・盛田(報徳)
・友広(北陸)
・前田(大阪桐蔭)
・仁田(仙台育英)
・高橋(仙台育英)
・平野(専大松戸)
・宮國(東邦)
・寿賀(英明)
投手のレベルが去年と段違いに高い。そしてガタイも良い。
逆に打者は真鍋(広陵)以外は現時点では候補には推せないっすね。素材としては小川(大阪桐蔭)と岳原(山梨学院)ぐらいか。正直、今の段階では判らない、というのが本音。
でっ、優勝は文句なく仙台育英。
高橋、仁田、湯田、田中の継投から、二点取るのは至難の業。打線は弱いと言われがちですが、どこを切っても1番、2番、6番という並びが出てくるって感じで、しぶとく三点以上は稼ぐ。対戦相手が近畿勢であろうと負けるイメージがわかない。ってことで夏春連覇、宮城のみなさんおめでとうございます!
では恒例の本日の対戦予想ですが、東北、北陸、沖縄でお願いします。ハンディを切りたいところですが、どうせ途中で面倒になってやめるので、最初からしません。ご了承願います。
最後になりますが、冒頭で思わせぶりに ”久方ぶりに名勝負が繰り広げられる” と書きました。その根拠はというと、王者大阪桐蔭の西谷監督にあります。どうも一昨年あたりから、原点に立ち返り三年生中心のチーム作りをし、同じ技量なら上級生を使うようになった、そう感じるからです。
去年、打撃面で穴となっていたショートに、鈴木、工藤を起用し続けました。新チーム以降のことを考えると、素材で二人を凌駕する小川を使いながら育てるという選択肢もあったはず。しかしそれをしなかった。あえて二人に拘ったように映った。そして迎えた準々決勝、結果的に工藤の三重殺で春夏連覇は途絶えた。
直後の守備、私はてっきり小川がショートに入るのだろうと思った。しかし西谷さんは工藤を使い続けました。あの場面、果たして木内や高嶋、前田に馬淵ならどうだったか・・・・? 嫌な言葉ですが懲罰交代となったことでしょう。
最期まで三年生と心中する覚悟なんだ、そう感じ入ったし、勝ち負けを越えて良い光景を見せてもらえたとも思った。勝利の女神が何故西谷さんにばかり微笑み続けるのか、理解できたような気がしました。
もう二年以上前になりますが、春夏の甲子園からドラマが消えた、そんな風に嘆いたことがあります。そこでこうも書きました。
「我々高校野球を観る側の心に響く、奇跡や名勝負と語り継がれる多くのドラマが、最期の夏という三年生だけが持つ情熱や意地を源泉としている」
三年生だけが持つ情熱や意地は、監督が三年生と最期まで戦うという意志を示さない限り芽生えません。
西谷さんの覚悟と、大阪桐蔭の戦いぶりに期待します!