Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

第104回選手権大会 準決勝

 泣いても笑っても今大会は後三試合。今年は残った四校すべてに味があって良いですね。

 日付の変わった今しがた各校のHPを覗いてみましたが、ベスト4をしっかりとアピールできているのは仙台育英近江高校。やっぱり経験のある2校は仕事が早い。初進出の聖光と下関国際は、そこまで手が回ってはいません。人手はほとんどが現地に張り付いているのでしょう。だからどうってわけではないのですが、各校の舞台裏を垣間見る思いです。

 しかし考えてみれば、自前のHPで報告しなくても、ネットがテレビが、そして新聞雑誌が、次から次へと校名を全国に向けて発信し続けてくれるわけですから、そもそもそんな必要ないのかもしれません。一体どれだけの費用対効果があるのやら、誰か検証してくれないものか。恐らく各校の経営者たちは今頃算盤弾きながら、こりゃやめられへんわ、そう嬉しい悲鳴を上げていることでしょうな。寄付云々以上に、来年の受験者数が楽しみですね ♫

 聖光と下関国際については、確かにここでヒール認定をしています。しかし、今後地元にどのように受け入れられていくのか、そこにも注目していきます。

 特に下関国際の坂原監督の好感度は上がりっぱなし。もしかするとこの夏一番輝いたのは彼ではないか。私はこの一ヶ月間高校野球以外見てないので、世間の動きはまったく知らんのですが、仮に今国政選挙があって、立件民主から比例で出ても、彼なら間違いなく当選するでしょう、ええ。

 特に大阪桐蔭勝利後のインタビューは良かった。最初の1分の間に ”本当に” が七回も出ました。まさにこの瞬間のためにこれまで闘ってきた、その思いが凝縮された内容であったように思います。

 ここ十年で最も私の胸を打った勝利監督インタビューは、99回大会、準決勝東海大菅生に延長の末勝利した直後の花咲徳栄岩井監督へのものでしたが、今回の坂原監督はそれを越えたかもしれません。野球しかできない男のバカ加減が哀しいまでに、否、可笑しいまでに伝わってきました。この男が付属幼稚園のマイクロバスの運転手となって、選手を乗せて遠征に出ていたという姿を想像するだけで、インタビューの一言一言が私の胸に突き刺さりました。

 今日下関国際が勝つかと言われると難しいように思うのですが、もうそういうレベルではないようにも感じます。一昨日の9回に突如甲子園で沸き起こったスタンドからの万来の拍手を、この秋、西京きずなスタジアムで再現できれば、その時下関国際は地元に受け入れられたことになるのではないでしょうか。