Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフトを振り返る 独鷲編

 またまたドラフト関係の更新が滞ってしまいました。申し訳ございません。我ながらその適当さ加減に呆れております。ほんま根っからのダメな奴・・・・。

 極北にある当ブログ、基本ボヤきで構成されていることは、読んでいただいている方には重々こ理解いただいていると思うのですが、こういうブログに対する自らの姿勢なども、恒常的に嫁にボヤいて、そして呆れられる始末。ボヤくって何なんですかね、残念なことがあると言わずにおれない、そういうことか。ただここでボヤくことで、日々のストレスの発散にはなってはいるのかな。寝不足になることも結構あるけどさ。

 更新した日に300アクセス以上あったりしたら、素直に嬉しいです。睡眠不足の気だるさも吹き飛びます。もしそれが継続できたら、月に1万アクセスも見えてくるかも。別にこれで小遣い稼ごうとはまったく思ってはいませんけどさ。 あっ、そもそも毎日更新は無理か。平気で十日もサボる癖によう言うで・・・・。

 さてさてこの一週間、いろいろありましたな。我が阪神の歴史的V逸もございましたが、実は先週の土曜、大分までラグビーの代表戦を観に行っておりました。ペナント最終盤に阪神そっちのけでラグビーですわ。しかして、それは正しかった。でも、やっぱり虚しさは残ったなぁ。一応真珠入りの阪神ファンを名乗っているので。ただ大きい声では言えませんが、なんか今年の阪神、絶好調の頃からどうも本腰入れて応援するに気にはなれなかった・・・・。結局甲子園にも一度行っただけやし。やっぱコロナの影響もあるということか。

 じゃぁそこまでして行ったラグビーの方はどうだったかといえば、こちらもたいして収穫はなかった。近いうちに、「日本ラグビーの憂鬱」シリーズ、を再開したいと思いますので、期待しないで待ってくださいませ。
 ではでは本日は「ドラフトを振り返る」、ようやく三回目、楽天のドラフトを振り返ってみたいと思います。

<本日の本腰>

 ブンブン丸後継者現る?!

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 1位の吉野はドラフト当日の速報でも述べましたが、まさか1位があるとは思わなかった選手。評判は良かったですし、安部さんが必ず上位指名する球団があると断言し、その通りのこの結果。驚きました。
 では中央球界では無名だった彼が、いったいどういうタイプの選手なのか、興味のある方も多いと思うのでなるべくわかりやすく申し上げます。まず外見は 185の 78 ってことでかなりの瘦せ型。来年ファームでもその細さ、一際目立つでしょうね。プロの身体になるには少し時間が必要ではないでしょうか。未来図は山田とか誠也とか言われていますが、どっちともタイプは異なるように思っています。
 というのは、終始体重を後ろに残せているところは素晴らしいのですが、とにかく腕や肘の使い方が独特で、あまりこの手の打者にはお目にかかったことがないという物件。youtubeや横からの写真でこ確認いただきたいのですが、スイングの際に腕が伸び気味になっていることがわかるかと。こんな感じです。

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 構え自体は右脇を空けて力みがなく理想的で、吉野の最大の特徴はそこから② のようにスイングをリードする前腕(左腕)が伸びきり、③、④ では両腕が真っすぐになっているのが判るかと。同時に力が抜けて軽く振っているな、というのも伝わってくるのではないでしょうか。

 ちょっとここから話が逸れますが、前腕だけなら肘に余裕がないというか、棒のように伸び切った状態になる打者というのは過去にたくさんいました。その代表を申し上げると、右打者ではどんでん岡田。左打者では松井。この手のタイプの打者は、スイングスピードがえげつなく速いというのが共通する特徴。

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 早稲田時代の岡田について、今でもはっきり覚えているのは、アマの一つのカテゴリーの枠内であそこまで無双できたという意味で、高校野球の清原に匹敵するのではないかということ。それぐら東六では飛び抜けた存在でした。

 78年秋のシーズン、三年の岡田は三冠王を獲ります。戦後早稲田初の三冠王でもあり、マスコミも大騒ぎしたので忘れられた面があると思うのですが、確か盗塁王も獲ったから四冠王だったと思ったんだけどな・・・・。

 岡田はああ見えて通算成績だけで言ったら、ホームランは20本で4位ながら、打率、打点は歴代ダントツのトップなので、文句なく東京六大学史上最高のバッターだと思います。
 当時中学生だった私は岡田の打撃を食い入る様に観ていたのですが、全方向に長打があって、しかもここ一番で必ず打つ勝負強さも記憶に鮮明に残っています。クローズドスタンスと後ろ脚の膝を予め内側に入れておく打撃フォームも参考にしました。そしてしみじみ、こういう打者が巨人に行くのだろうな、そう素直に思ったものです。

 しかしそんな岡田でも、プ口ではタイトルを獲ることは叶わなかった。生来のボンボン気質で遊び呆け毎晩のように酒を飲みに出るという、まあ本人としては本望だったのでしようが、フアンとしては残念でなりません。ただ、技術的に言えば、岡田のこの左腕の張りは、鋭いスイングの源泉であると同時に、手元で変化したり伸びるプロの球筋に対しては厳しい部分があったのではなかったか。つまり瞬時にバットの軌道を微調整するには不向きなバッティングスタイルだったと思う。
 そういった感覚があったので、松井のメジャー挑戦宣言時、岡田と同じように前の腕が伸び切る癖のあるフォームが、果たしてMLBで通用するのか、という疑念がありました。むしろ非の打ちどころのない由伸こそがメジャー向きではなかったかと今でも思っています。

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 結局松井は薬物全盛の時代という逆風もあり、本塁打のキャリアハイは31本どまり。手元で動くメジャーのボールにアジャストできずゴロキングと揶揄されることもありました。

 でっ、吉野に話を戻すのですが、どんでんや松井の様に、バットをトップから引っ張り出す時に前の腕が突っ張るというタイプではないようにも見えます。どちからといえば、ミート直前にバットを投げ出す、という感じか。まぁどっちにしてもスイングが身体の遠くで回るタイプ。”アウトサイト・イン” ではなく、”アウトサイド・アウト” かな・・・・。こういうタイプはバットの描く弧が大きくて、飛距離のある打者が多いです。

 過去によく似たタイプと言うことで物色したところ、完全な相似形ではないですがこの二人か、

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 共にバットを放り出すような大きくて豪快なスイングでした。吉野ほどではないですが両腕が良く伸びて、まるで剣道のよう。ただ、両腕に遊びを持たせられないこともあって確実性はなかったかな。仮に吉野がこのタイプなら、打率は期待できないかもしれませんね。反面、その豪快なスイングで、宇野、池山同様、ファンに愛される、そんな打者になれるのではないでしょうか。あっ、それと忘れていましたがフォローも大きいなぁ、

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 右打者でここまで大きい高校生は珍しい。腰に負担が掛かるということも申し添えておきます、っていうかすでに腰痛持ちっていう話もありますな。そのあたりも含めて、ぜひ下の youtubeでもご確認願います。


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・来年の成績:ファームで二割、7本

 

 二位の安田は正直よく判りません。愛知の大学リーグの2部ってことで、どこまでその活躍や数字を受けとめていいのか、かなり悩みます。サンプルになる動画も少なくって・・・・。ただ今を時めく広島の栗原からも本塁打をかっ飛ばしたそうです。

 そのあたりの潜在能力を買っての堂々の二位指名! 先の栗林だけではなく、床田や源田など、ここのところ好選手を輩出する中部・東海地方の大学の期待の星になってもらいたいものです。


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・来年の成績:たぶんずっとファーム

 

 私的最優秀高校生野手

 三位の前田は個人的に今年最もお気に入りの打者です。最近、高校球児をどちらかといえば大学のリクルータ目線で観ているような気がしており、そういう意味では一番、”うちのスポーツ推薦受けてください!” と口説きたくなる選手ですね。

 まずサイズが、182 の 98 であそこまでよく動けるなと。決して俊足ではないのですが、あの身長なら90kgでも恵体というのに、そこから10kg近くあるにも係わらずあのスピードと身のこなし。よっぽどバランスと骨格が良いのでしょうね。それだけで将来性を感じます。

 スイングも癖がなく鋭い。しかも投げては140キロ後半を平然と投げる。背筋も強い。高校時代の中村紀をスケールアップさせた感じか。ただ、高いレベルでの野球経験はほぼない。そもそもこの春までは真剣に消防士を目指していたというし。因みに公式戦でホームラン打った経験はありません。それが裏口(失礼・・・)で甲子園に出て、いきなり脚光を浴びたわけで、本人も選抜以降の注目度には驚いているのではないでしょうか。

 正直来年は木製バットへの対応以前にプロのレベルの高さに驚く一年になるのではないかと。でも、五年後には吉野以上に仕上がっている可能性は結構あると思っています。

 三島南からは初のプロ野球選手。稲木監督を、ぜひ「NPB AWARDS 2021」で表彰してあげて欲しいですな。

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・来年の成績:ファームで修業

 

 四位のは、名前とその経歴だけで、「奄美に封印された古代ユダヤの秘密」 みたいなトンデモ本が書けそうですな。日猶同祖論者が泣いて飛びつきそうです。

 ピッチングは高校時代の松井を彷彿させるという話もありますが、あそこまで胸を張って投げてはいません。無駄のない理想的なフォームだとは思います。そのあたりは175cm前後の投手が一番奇麗な、教科書通り投げ方ができるといつも思う。つまりフォームをいじる必要はまったくない。変化球の手元の切れが抜群とか言われていますが、そこは確認できでいません。

 ドラフト前後の特番では中学時代の心温まるエピソードは紹介されたのでしょうか? 今時珍しい良い話ですよね。


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・来年の成績:こちらもファームで修業

 

 

 五位の松井はここのところ地方大学として最も注目されても良いはずの金沢学院大のエース。今年二人指名されました。きっと何かあるはず。というのはこの投手は高校時代はまったくの無名で公式戦では勝ったことすらありません。それが四年でここまで仕上がるなんて。自分の足元に油田がある、そう思い込むのは普通は無理。でも信じることで結果は出るのですね。

 フォームは190cmオーバーなのに硬いところがなく躍動感があります。左脚の膝を上手く内側に入れてから蹴り出すように踏み込むところは元西武の西口を彷彿とさせます。フィニッシュも似ています。ヤクルトのエースに育ちつつある奥川にも似てますな。

 これだけの投手が五位で残っていただなんて。このドラフト最大の出物かも。もちろん来年の春いきなり一軍かといえば難しいと思いますが、キャンプで紅白戦で投げるチャンスがあればぜひ観てください。少なくとも五位の投手ではありませんから。

・来年の成績:シーズン中の1軍、十分あります!


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 六位の西垣は報徳ー早稲田とアマ球界のエリートコースを歩んできただけに、どうしても対照的な経歴の五位の松井と比べてしまう・・・・。順位でいえば12人の差しかありませんが、この差はかなり大きい。恐らく高校卒業時には天と地ほどの開きがあったと思う。片や大学野球界を代表する環境に恵まれた一流大学で揉まれ、もう一方はそのあたりのちょっとした強豪高校と変わらない施設の地方の大学でマイペースで努力を重ね、それでこの四年間で逆転してしまうわけだから恐れ入る。まだ松井の話をしているな、いかんいかん。

 西垣は高校からそうなのですが、手投げをやめるところから始めるべき、とも思ったがもう無理か。変化球は良いのがあるのと使いべりはしなさそうなので、中継ぎならワンチャンあるかも。

・来年の成績:頑張ってください!

 

 七位の吉川は観ていません、スイマセン。

 総括

 良い選手なら獲る。他のチームの値付けには興味なし。そんなスカウトたちの叫びが聞こえて来そうである。しかしそれでも吉野は二位で、安田は三位で獲れたのではなかろうか? そして一位では誰か左腕でも、という気はするが、しかしそれをしたら四位で前田が獲れないだろ、そういうことなのか・・・・。

 どうも小深田の指名あたりから吹っ切れた感がある。しかし、その小深田も山崎に取って代わられた。そのあたりの検証抜きに、前へ前へと進み過ぎてはいないか? 楽天自体は好きなチームだが、石井は相変わらずのいけ好かん奴。外野がガタガタ言う必要はないわな。

 吉野と前田については非常に楽しみであり夢のある指名。来年のイースタンが今から楽しみである。阪神ファンでそうなのだから、鷲ファンならなおのことのはず。ぜひイレブンスポーツに加入いただき、彼らの成長を見守って欲しい。

 なお松井は五位以降の選手の中では一押しの大器です。来春ちょっとしたサプライズを呼ぶはず。楽しみにしてください!

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