Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフトを振り返る 醒竜編

 今年のドラフトもつつがなく終わりました。この時期、すっかり抜け殻になっている人がいるかもしれませんね。一年以上追っかけた選手が犬猿のライバルチームに指名されたりして・・・・。箱入り娘を嫁に出す父親の心情でしょうか。

 また祭りの後の寂しさのようなものを感じている方も多いと思います。そういう方にはぜひ、近所でやっている高校野球大学野球の公式戦を観に行っていただければ、そう思うのです。特に高校野球の秋の大会を観て、気になる選手をチェックして、四か月後の選抜で再会した時、大袈裟ではなくちょっとした感動があります。こんなに身体が大きくなるんだ、こんなに球が速くなって、バットも振れるようになるんだ、といった発見はまさに Priceless ! あえて言葉にすれば ”萌えいずる春も冬あらばこそ” って感じでしょうか。そのビフォー・アフターを味わうためには、前を知っておく必要があるでしょ。秋の大会はそれなんです。たぶん家庭菜園が趣味の方などとも相通じるものがあるでしょうね、ええ、知らんけど。

 でっ、Jspoが北海道から秋季大会をやり出しましたが、いまいち力が入っていない。そろそろ高校野球チャンネルとか作ったらどうかと。本来は SkyA や Gaora がそれをやるべきなんですが、あそこは二つとも親会社がじり貧だというのに人件費を圧縮できないのでCSへの投資がままならず、前者は女子ゴルフを中心にゴルフレッスンチャンネルに、後者はテニスとマイナー格闘技チャンネルに、という別に誰にも望まれていないそれぞれの道を歩み始めるのではないかと。おそらく阪神戦の放映権料は、動画配信サービスが群雄割拠で相次いで新規参入が見込まれるなか高騰するでしょうから、早晩お別れやろな。もう阪神は関テレ系列やから、両チャンネルは野球そのものと縁を切る良いタイミングではないでしょうか。つまり潮時。となるとこれからどこが高校野球の受け皿となるのか? ということで需要が生まれるわけですよ。

 だけど高校野球の地方大会を放映するための中継機材のレンタル費用、お高いんでしょ? それらを扱える人繰りも大変! そう思われがちですが、それなりのレベルで良いのであれば、たとえば「Sports Bull」の大学野球放送がサンプルとしてあります。特に東都大学野球の場合は全試合無料配信でいつでも見れる。それでもビジネスとしてかろうじて成り立っているようです。

sportsbull.jp

 商売抜きかもしれませんね、このご時世に、見上げたもんです。

 他にもJsportsのオンデマンドの大学ラグビー

jod.jsports.co.jp

 こちらは有料。ご覧になられた方は判ると思いますが、かなりお粗末な代物ですぜ。それで ¥1,980/月 、高っ! 入っている奴出て来いって、俺じゃん・・・・。だから贅沢は言わん。これに毛の生えた程度でやれば、予算は低く抑えられるので採算は取れるんじゃないのか?

 もちろん今後はネット配信こそが主流となっていくのでしょうが、観る側の環境への依存度が高いので、安定したサービスというのは難しい。かといって配信側がどこまで責任もって視聴者に寄り添うために技術を上げられるかといえば限界がある。やっぱテレビがええで。やりなはれスカパー! やってみなはれJCOM! 高校野球チャンネル立ち上げ期待しています。

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<本日のやってみなはれ>

 ナゴヤドームにテラスは必要か?

 でっ、今日から今回のドラフトを球団別に振り返ってみたいと思います。そのトップバッターは立浪監督誕生が秒読みの中日ドラゴンズ。伝説の切り込み隊長が帰ってくる以上、取り上げんわけにはいきますまい。

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 まず今回のドラゴンズの指名を眺めながら感じたこと、それはホームランテラスって、やっぱ作れないんだな、ってこと。だって1位のブライトも2位の鵜飼も、真の長距離砲が必要ってことでの指名でしょ。裏を返せば、ホームランテラスさえ作れれば、あの二人の指名は無かったのではないのか、と思ってしまうので。

 今日日、メジャーでも球場は小さくする傾向にあって、たとえば四年前に開業したトゥルーイスト・パークの右中間は114mで116mあるナゴヤドームより狭いです(わが甲子園は118m)。またコメリカ・パークみたいにラッキーゾーンを作ってブルペンにして狭くする球場も普通にでてきている。だからナゴドはMLBに出しても十分に広い球場の方でしょ。甲子園の場合は高校野球の縛りがあるから致し方ない面があって、しかも球団の体質自体が自分の首絞めるの大好き。ナゴドにそういう縛りはないし、中日の体質はまぁ似たような感じだけど、あの広さに特に意味を見出せないのなら、さっさと作ればいいのにと。今年のロッテが強いのも球場を狭くしたのはあるでしょ。

 中日の球場といえば、今でも個人的にはやっぱりナゴヤ球場のイメージが強くて、あの狭い両翼に常に満員の一体感溢れるライトスタンドの応援は、広島球場以上に嫌でした。もちろん虎はナゴドを苦手にしているのだけど、どっちかといえば星野を引き抜いてしまったことへの後ろめたさみたいなものがファン共々あって、それがあの球場での勝利に対する執念を削いでしまったような気がするので、それほど負けても腹は立ちません。

 むしろあのナゴヤ球場で、田尾あたりの低い弾道のライトライナーがそのままスタンドに飛び込んでガックリきてたら、今度は平野までそれをやりやがって、そしてライトスタンドは大盛り上がり、っていうのが心底嫌でしたね。

 ドームに本拠地が変わって外野スタンドが三層構造になってから、その一体感が失われたと思うのです。どうせだったらテラスを作って外野を四層構造にして徹底的に切り刻んだほうが良いのではないかと? というのは立浪復帰によって来年はやばいのがわんさか戻って来ると噂されているし、そういう方々と一般のファンやライト層が一緒になって外野で盛り上がるというのはコンプライアンス上宜しくない。そういう意味でもテラスは必要。思い切ってテラスはすべて立浪シートにして、じゃんけんできない手の持ち主の中日ファンは全部そこへ集めて、そこへの出入りを担当する係員は愛知県警か最低でもALSOKにさせて完全に切り離す、というのはいかがでしょうか。いっそのことテラスではなく檻にして、フェンスは鉄格子にするというオプションもあります。

 まぁほとんど冗談ですが、来年の中日のコンプライアンス面は、一野球ファンとして今から憂いております。しかし、話が逸れまくるな・・・・。

 中日指名選手の妥当性は?

 ではでは中日のドラフトですが、まずブライトは打席での体重移動が結構あって、頭の位置も上下にブレます。前に出ながらも真ん中で回るタイプ。今年になって覚醒し、春の選手権で爆発。ただ対戦投手が左に偏っていたので、個人的にはあまり評価できなかったな・・・・。入って来る球だけではなく、逃げる球、特にアウトコースに対する感受性を見ておきたかった。

 隅田からの一発は見事でしたが、やはり左から。つまりツキに恵まれた感は否めません。とはいうもののそれを掴んでみせた本人が立派なんですけどね。

 スイングの鋭さは出色だし、身体のバネ、強さ共にピカイチ。ストライクゾーンを上げて、低めよりも高めを狙いに行く姿勢も買い。ただ守備、肩は普通。プロでセンターを守れるのかは疑問。

 なんでも福留に憧れ、早々にドラゴンズを逆指名していましたし、中部地方のメディアの推しも凄いものがあったそうで、ドラフト当日には朝から女子アナが大学に待機していたとか。さらには立浪のプッシュもあったようです。何だか仕組まれていた感はありますな。乗ったら誰にも止められない爆発力は魅力。後はその再現性が気になる。それと怪我も。

・来年の成績:.220 10本 6月~8月までレギュラー

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 2位の鵜飼は地元中京高校出身の大砲。巨体の割にスイングもリストも身のこなしも柔らかい。そこから脚も決して遅くないタイプであることが判る。グリップは独特で、常に肩の位置より低く、さらにあっちこっちに生き物のように忙しなく動く。その動きは平田に似ている。

 さらにテークバックの前には必ずヒッチをしてグリップを一端下げてから上げ直す癖があって、果たしてこれがどうか・・・・? プロは鵜飼のこのルーチンが一通り終わるまで待ってはくれない。鵜飼から合わせにいくしかないのだ。その際この動きは邪魔になる。タイミングの合う投手からは間違いなく打つが、そうでない場合はからっきしというタイプか? ローボールヒッターであるところも気になるな。また果たして守備位置はどうする? 来年は2軍で修業かも。

・来年の成績:ファームで15本、ホームラン王もあるよ!

 

 3位の石森は地方大→独立リーグ出身の絵に描いたような苦労人。フォームは言われているほどダイナミックではなく、むしろオーソドックスな左腕。150超のストレートだけではなく左腕にしては珍しくフォークもある。いきなり中抑えでいけるのではないでしょうか。応援したくなる投手です。怪我には気をつけてください。

・来年の成績:1勝 5H

 

 4位の味谷は、ここ五年、大阪桐蔭以上にレベルの高い打者をプロに送り出す埼玉のアベレージヒッター製造工場花咲徳栄がお届けする2021年型最新モデル。いかにも花咲徳栄的って感じの打者ではないですが、スイングの軌道、身体の回転、バットコントロール、どれを取っても超高校級。いやはやさすがだと思ったら、去年の井上同様大阪産。そういえば西川もそうか・・・・。岩井さん、もっと関東出身の球児を鍛えて下さい!

 たぶん、内野をやったりするかもしれません。打者として早くから使いたくなるタイプです。

・来年の成績:ファームで .220

 

 5位の星野、6位の福元は観ていません。大商大とはパイプがあるように思ったりします。

 総括

 セリーグでは唯一我が道を行くドラフトとなった手前、熱心なドラファンにとっては恋人の公開レイプを見せられているような趣さえあったかもしれない。しかしここ数年、柳、根尾、石川、高橋とクジに勝ち目玉を掻っ攫って来たわけだから我慢しましょう。しかも今年は間違いなく不作。それは中日自身の指名した選手の数が示している。ならばここらで一呼吸入れるのも一興。今回最小のこの六人をしっかり育て、徳を積む一年にしてください。

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