Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

第103回大会 雑感 Ⅱ

 今日は準決勝、なんとか八月中に夏の大会を終えることができそうですね。高野連も胸を撫で下ろしていると思います。

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 がっ、その一方でクラウドファンディングは駄目のようですな。まだ目標の二割も集まっていないそうです、ってそんなもん当たり前や。毎年春夏合わせて100万人以上お客さんを集めておいて、その上がりの積み重ねが余剰金や繰越金として懐にある筈でしょうに。寄付を考える人って、それぐらい調べてからするもんです。24時間テレビのように、薄っぺらい感情に押し流されて、じゃぁお釣りの48円をレジの前のこの募金箱に入れておきますね、っていうのとは訳が違う。行為に値するのかよく考え、調べてからそれをするのです。高野連銭ゲバ体質だということはバレている。なんで儲かってる組織にお布施をする必要があるのかと。そのビジネスモデルが通用するのは京都のお寺だけ。毎年儲かった分を使い切ろうとする中の人たちを何とかするのが先だろうに。みんなそう思っています。

news.yahoo.co.jp

 一昨日、 ”with コロナ” の高校野球を考えなければならない、というような話を書きました。具体的には、これからは練習試合をたくさん組めなくなることを前提に、改めてチームの強化方針について考えるべきでは、とも書かせていただきました。そもそも、練習試合をたくさん組めるチームと組めないチーム。地方をまたいで遠征できるチームとそうでないチーム。こういう格差というのはどうしても生まれるし、しかも固定化してしまう。当然それができる前者はどんどん強くなり、それができない後者のチーム強化は進まない。今年のベスト16に公立高校が長崎商と高松商の二校しかないのはつまりそういうこと。きっと予算の格差というのがあるのです。

 ここしばらくはコロナとの共生が求められるでしょうから、人流制限に配慮し、練習試合はある一定の条件の下で行われるようにしてはどうか。それは投手に球数制限を導入したという、昨今の高野連が推し進める方向性とも合致するはず。投手はそもそも予選や甲子園だけで消耗するというのではないのです。江川や桑田が言う、招待試合がキツかったというのは事実だろう。

 その一方で、私立と公立との間にある予算の差を何とか埋めたい、という気持ちもある。埋められないまでも、それがなるべく勝敗にまで表れないようにできないものか。ここまで言ってしまうと公立校保護の側面が強過ぎるか・・・・。

 私立の高校が野球部を自らの法人の宣伝に使うこと自体に問題はない、常々私はそう思っています。ただ私立は商売である以上、野球部を利用し一定の成果が表れ、受験者数や進学実績が軌道に乗れば掌を返すようなところがある。たとえば桐光や桐蔭にはその気配がありありと伺えるし、大阪桐蔭履正社あたりも監督の去就次第では強化に区切りをつける可能性がある。そこにカチンとくるわけです。つまり、高校野球をもっと大切にして欲しい! 商売や損得にだけ結び付けるのはやめてもらいたいのです。

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 与えられた時間は平等なので、練習時間に差は生まれない。というかそのはず。しかし、土日は朝から晩までとにかく練習試合を、それも他地方にまで足を運んで強豪校などと頻繁にやられると、それができないチームとの間にどうしても差がついてくる。つまり体で覚えるぐらいに実戦を重ねると、結果も伴うものなのです。だから監督自ら、もしくはコーチに大型免許を取らせるなどしてバスで選手を連れて行くというのまで出て来る。実際それでどんどん強くなっていくし。

 じゃぁそれができないのなら、知恵を絞って工夫を重ねて対抗しようぜ、となれば良いのですが、もうアホらしいほど差が開いてしまって、それをやろうとするような奴は駆逐されてしまいましたね、ええ。

 野球部にかける予算に制限を設ける、なんていうのもあるのでしょうが、特待生の扱いを巡って揉めたのと同じぐらい馬鹿らしい話だからやめた方が良い。なので、せめてそういう奴がまたやる気を起こすぐらいにまで環境を均すことはできないもんかと。でっ、 ”with コロナ” を良い機会に捉えませんか、というわけなのですよ。

 野球はコンタクトプレーがない分、考える領域は相対的に広いと言える。体に覚え込ませなければならないような戦術もない。まぁ殊更野球を考えるスポーツだとまでは言わないし、仮にそうだとして、冬場にまとめてそれについてやれば十分だろうという向きもある、これ以上は別の機会に譲ろう。ただバッティングについて申し上げるならば、”実戦” と ”考える力” を上手に組合せることをしなければ、質的向上はありえない、そう個人的に思っています。

baseballking.jp

 矛盾するようですが、経験値を上げることでチーム力は間違いなく向上する。そこに疑いはない。言い換えるなら、実戦を重視する指導で恐らく目先の結果はついて来る。じゃぁその ”目先” とか ”質” って何なの、ってなると思うので、今後の話もあるのであえてはっきりさせると、”目先”とは甲子園やそこまでの道のりを言うのであり、”質”とは卒業後も野球を続ける場合に必要とされるもの、という整理である。

 もっと明確に言うなら、甲子園で結果を残す打者を育てようと思えば、実戦を積み重ねて作り上げることは可能だが、その先、木製などの対応まで頭に入れて打者を育てようと思えば、しっかりとした技術を考えさせながら教え込む必要がある、ということ。つまりはそのノウハウがPL学園にはあったのではないかと。練習と実戦をバランスよく組み合わせる匙加減についてもPL学園は熟知していた、そう思えるのです。

 PL学園の打撃の神髄については明日以降で・・・・。

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