Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

五輪から甲子園へ(高校野球初日予想あり)

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 というわけで東京五輪が終わりました。やってよかったという声もあれば、早速コロナ禍がここまで酷くなった落とし前を、という声もあるようです。個人的に申し上げれば、東京五輪開催支持、最悪でも2032年の開催権を得る形で中止、と思っていましたが、早々にIOCから11年後はブリスベンで決まりというリークが出ましたので、そうなると開催強行しかありえない、という立場でした。閉会式を終えた今の気持ちは素直に言えば、やってよかった、私はそう思っています。

 前回も書きましたが五輪は選手のもの。周りに何の権利があってやめろというのか、正直最後まで理解できませんでした・・・・。

 コロナに対しては誰もが平等。そこにはなんの格差も貴賤もございません。それはトランプやジョンソンが罹患したことで判る。つまり誰もが等しくコロナの脅威にさらされ、そして無力であり、この一年半の間に大なり小なり禍を被っているのです。

 亡くなった方、近親者を失った方、金銭的な被害や職を失った人もたくさんいることでしょう。肉親や友人に会えなくなった方や、結婚式や成人式などの節目を見送らざるを得なかった方も。もちろん日々の予防も虚しく感染し、今も闘病生活や隔離を強いられた方なども、以上の皆さまにはここで謹んでお見舞い申し上げます。

 私だってすでに陽性者かもしれないし、この極北のブログに訪れてくださる皆さんも同様です。つまりみんなが被害者なのです。でもそれを殊更意識する人としない人、それを振り回す人としない人。更に言えば五輪中止にまで増殖させねば気が済まない、という感覚やその持ち主の一連の行為には、得体の知れない不気味さを感じます。そこに私の理解は及びません。五輪を巡ってここまではっきりと分断が生まれたことに、後味の悪いものを感じています。

 以前、五輪の賛否については左とか右ではなくて、冷たい人間を焙り出す良い機会になれば、みたいなことを書きました。五輪反対を強固に、そして軽々しくも叫んだ人々、関口、青木、内田、姜、玉川、坂上、ヒロミ、”#SaveLivesNotTheOlympics” や ”#東京五輪絶対阻止同盟”の面々・・・・。みなさんには彼らの姿がどのように映ったのでしょうか? 今後もこういう輩の振る舞いや言説には注目していきたいと思います。

 一方で、”メダリスト絶対正義” といった五輪の持つ ”漂白力” に対しても警鐘を鳴らし続けたいと思うのです。”アマチュア” と ”プロ” とを場面に応じて巧みに使い分ける一部の選手の所作には、現在の五輪の在り方と同様の違和感を抱くし、貴族然、というか貴族そのもののIOCと、そんな彼らの顔色を伺うだけのJOC、腹が立って言葉がそれ以上続きませんが、それらには正直吐き気すら覚えます・・・・。まぁそれでもやって良かったと、中止なんてありえなかったと感じますね。

 何より選手の選んだ道と、そこから積み重ねられた努力が報われたこと、スポーツの火が消えることなく次の大会へと繋げることができたこと、この二点は後世に判断は委ねますが、今大会の意義として挙げたい、そう心から思っています。

<本日の後味>

 一日本人としてロシアに祈りを

 大会前にメダルラッシュがある、とも書きました。それはある意味必然。特に採点や審査、審判の判定が勝敗を左右する競技においては。これはホームタウンディシジョンとは微妙に違うのです。もし今大会中止になっていれば、関係者の多くは失職していました。大会の運営やIOCに深く関わっている関係者ほど、この大会が、どれだけ東京、そして日本が、何の見返りもなく、ただただ持ち出しを膨らませるだけで成り立っているのかを理解しています。だから、日本の選手に対して甘くなるのは当たり前なのです。

 具体的にこのシーン、あの場面と言うのは悪趣味なので控えたいのですが、あえて私が唯一今大会肩入れしていたソフトボールを例に取るなら、準決勝にも相当するカナダ戦、タイブレークの延長8回裏、一死満塁から打者山田に対する二球目のアウトコース低めは明らかにストライクであり、あれがボールになったから次の配球を内側に入れざるを得ずサヨナラ打が生まれました。あれがストライクならあのイニング、点が入らなかったかもしれない。リリーフの後藤が完璧なのは40球まででしたから、負けの可能性は五分以上でした。となると次のアメリカ戦では絶対に勝たなければならなくなったわけで、仮に決勝に出られても、二連戦の勝ち負けは逆になっていたかも。一球の判定がメダルの色を左右したと言えるのではないでしょうか。

 そう思うと大会四日目、男子体操団体、最終種目、ロシア(もうROCとはあえて書きません)の選手たちの闘いは見事でした。一方的なアゲンストの中で演技を強いられたのですから。観客が入っていれば無理だったかもしれませんね。

 採点結果を待つ彼等の表情、そして歓喜。今大会最も美しい、そう個人的に感じた場面でした。金メダルおめでとうございます!!

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 私は彼等の様に、逆境に陥った選手の闘う姿にどうしようもなく惹かれる。スポーツの醍醐味はそこだと思うほどに。理由はと問われると、いろいろとあって上手く説明はできませんが、自分もいつそんな目に遭うか判らないから、という面はあります。逃げ出さず彼等の様に自分は闘えるだろうか、その時どんな反応をするのか、どんな行動を取ればいいのか、その示唆がきっとそこにはある、そう感じるのです。

 あの日、私はロシアを応援し、あの瞬間、ロシアの選手のために祈りました。”スポーツの力” という言葉は好きではありませんが、それはきっとあるのです。あの瞬間を観れただけでも、私の中だけかもしれませんが、大会開催に意義があったと思っています。

 電通と視聴率

 それと今大会開催して良かったと言える事がもう一つあります。それは電通という存在がどれだけ無意味であるか、白日の下に晒されたということ。それも開催の大きな意義だったと言えるかもしれません。ただ開会式や閉会式を仕切れる存在が、この国には残念ながらなかった、ともいえるわけで、日本のエンタメ界の限界を知ったようにも感じました。

 これからのスポーツビジネスの方向性を暗示するような事象も垣間見えて来ました。

www.sportbusiness.com

 IOCが、どれだけNBCからの放映権料に依存しているのかってところ。

 その肝心要のNBCもどうやら苦戦・・・・、

forbesjapan.com

 さてさて、今後どうなることやら。もう言い値でスポーツイベントの放映権料を釣り上げることは無理のようですね。このあたりについては来週あたりにでも書いてみたいと思います。

 電通と言えば、この国の視聴率も一手に引き受けており、だからこそ好き放題できる、という感も否めません。今大会の開会式はこんな感じだったそうです。

www.nikkei.com

 少し高すぎる気がしますね。開会式を一切合切請け負ったはずでしたが、直前になって積み重なった悪事が世間にバレて、結果としてこれほどの数字を出さざるを得なかった、つまりあえて高い数字を出してみせて有耶無耶にしたように感じるのです。

 ここまで書けばご理解いただけているでしょうが、私は視聴率は電通によって操作されていると思っています。VR一社しかこの数字を出せないという現状に胡散臭さを感じるのです。私が子供の頃はベンチマークとなるもう一社、ニールセンがありました。でも電通と民放が企んで追放し、VR独占となったのです。以降、出来レースが続いています。

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 少し話は逸れますが、今日から毎日?甲子園の予想をするつもりなので、それに先駆けてこの三連休の間、注目された競技や閉会式の視聴率を予想したいと思います。

 過去のVRの視聴率を眺める限り、サッカー日本代表の数字はなるべく高く。野球の数字は低く出す傾向にあります。理由は電通にとってサッカー代表はW杯を始め全面バックアップする一蓮托生の関係であるのに対して、野球では思うように美味しい商売はさせてくれません。そもそも読売新聞、中日新聞ソフトバンク楽天オリックス、阪急阪神HD、みんな広告代理店を子会社として持っています。NPBの人気チームは、別に電通のお世話にならなければならない関係にはないのです。

 つまり良い視聴率を出しても何のメリットもない、というわけです。アメリカ戦の19.9%には絶対に20%台に乗せないという意地を垣間見た気がしました。そして韓国戦が26.2%で、翌日の卓球女子決勝を26.3%とするあたりにも意図を感じてしまうのです。もちろんこれは私の憶測にすぎませんので、話半分でお願いします。

 それでは8月6日から順に、

○ サッカー男子代表 3位決定戦(対メキシコ戦)

 Eテレで18時開始という不利な面もありますが、くどいようですが電通からすれば悪い数字は絶対に出せません。前日の卓球女子団体決勝戦と同じぐらいにまとめたいところ。しかし女子卓球は野球の日韓戦よりも少しでも上げるために高目に出し過ぎた都合で、それに引っ張られる形で少し違和感を感じてしまうほど高くなるでしょうね。

 というところで世帯視聴率は26.5%。瞬間最高は女子卓球に譲って30.5%。

○ 陸上男子100m×4 リレー決勝

 実は電通には陸上で高い数字を出さなければならない理由がございまして、

hochi.news

 もちろん言うまでもなく電通が総合プロデュースでしょ。高橋氏は最後の花道として名誉最高顧問あたりに就任するのではないでしょうか。という背景からかなりの高視聴率を出して3年後に繋げねばなりません。そもそも今大会最大の注目の的でもありましたからね。

 というわけで、世帯視聴率は30.5%。瞬間最高視聴率はサッカースペイン戦に迫る41.5%

 翌8月7日。

○ 野球決勝(アメリカ戦)

 個人的には平均で35%は出たと思います。瞬間最高は45%以上でしょ、普通ならば。でもそうは問屋というか電通が許しません。できればサッカーよりも低く出したい。しかし、NHKが19:30から本放送に上手い具合に切り替えたり、終了後も一度ニュースを挟んで区切ったりで、サッカースペイン戦のハーフタイム込みの3時間よりも圧倒的に条件が良い。つまり良い数字を出さないと操作がバレかねない、というか信用に関わる。なので泣く泣く上の数字を出してくるとは思います。でも、やっぱりスペイン戦凄かったよね、ってところは残したい。つまり分割がなければサッカーが上ってことにしたい。なので、瞬間最高や個人視聴率はサッカーよりも低く抑えると思います。

 ってことで、世帯視聴率は31~33%の間。瞬間最高視聴率は39.9%。こんな感じにまとめるのではないでしょうか。

 そして最終日。

○ 男子マラソン

 これも陸上。高く出したい。恐らくニュースで分割されているでしょうから、どこかの時間帯が30%台に乗ったことにするのではないでしょうか。

○ 閉会式

 自社で仕切っているので、開会式同様低くは出せません。

 ズバリ35.5%。

 

 大会ナビゲータなんていらない!

 五輪について最後に一言だけ。

 今回、ジャニタレがナビゲーターとかの名目でやたらと出しゃばったようですね。民放各局も右に倣えだそうで。まぁ地上波は極力観ていないので、それについてなんら言える立場ではないのですが、やっぱりそれって異様だと思う。本当に ”スポーツの力” とやらを伝える気が、地上波各局にはあるのでしょうか?

 なぜそういうことを言うのかといえば、今回、陸上男子100m×4のリレーがああいう形で途中棄権になりました。私はその瞬間、これから起こるであろう事態が頭によぎりTVを消したので、以降のことは一切知りません。直後スタジオで待機していたタレント風情がフォローとして何かを言ったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。

 ただ一つ言えるのは、スポーツである以上、シナリオはないので何が起こるか判りませんし判りようがありません。国中で期待する競技が ”まさか” という形で終止符を打つことは充分にありえるのです。そして今回それは期せずして起こりました。そうである以上、そういう事態が起こった後もしっかりと視聴者に対して放送を澱みなく続けることができるような体制、そして編成にすべきではないのか?

 競技の直後の余韻を気難しそうな解説者に任せるよりも、お茶の間の人気者を特設スタジオに侍らせて、彼らに好きに喋らせた方が視聴者の目線といった観点では相応しいのかもしれないし、メダルを取った直後などは、彼らの方が表現力や画面映えがして、喜びがよりダイレクトに観る者に伝わるかもしれない。視聴者への気配りと言われりゃ確かにそうかも。

 でも繰り返すようであるがスポーツにシナリオはない。結果が最悪で終わることは大いにありえる。そうなった場合、必然的に要求されるであろう選手たちの気持ちの代弁は彼らにはできっこない。そこを望む方が間違いなのかもしれないが、じゃぁナビゲーターってそもそも何なの、ってどうしても思ってしまう。というか、メダルを取った直後のお祭り騒ぎ以外、彼らに任せられる役割ってあるのだろうか・・・・?

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 付け焼刃の知識を得意げに披露したかと思えば、選手と差しで話した映像を差し込んでみたり、その時の会話を彼らの貧弱な語彙力で再現させることに、いったい何の意味があるのだろう・・・・。しかもギャラも相当高くて製作費はそこで跳ね上がるそうじゃないか。もちろんそれは受信料からでしょ。もういい加減にして欲しい。はっきり言おう、ナビゲーターなんていらない。仮にどうしてもそういう役回りが必要だというのならば、元アスリートか、少なくともニ十年以上取材経験のある方に任せるべきだと思うぞ。

 更に眩暈がするのは24日開幕するパラリンピックの応援大使に就任した輩は、誰もが認めるこの分野の目利きだと自身で思い込んでいるそうなのです。まるで悪夢。頑張りは理解せんでもないが気が狂いそうです・・・・。絶対に観ない!

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 甲子園初日予想

 なんの脈絡もございませんが、夏の甲子園の初日の予想を一つ。こういうことをするのは十年ぶりでしょうか。優勝予想も華々しくしたいのですが、それは明日。少なくとも今日出る6校から優勝チームは出ませんのでご心配なく。つまり今日は大勢に影響のない三試合ってこと。というわけでリハビリとウオーミングアップも兼ねて・・・・。

第一試合

日大山形(山形)ー 米子東(鳥取

 なぜか「ボーイズビーアンビシャス」で始まる校歌を持つことで有名な日大山形。投手の枚数は多いが、与四死球の数も多い。唯一まともな制球力を持つ斎藤がエース。打撃もほぼ並。

 一方の米子東は県内では鳥取西と競う超進学校。頭脳は今大会出場校の中でもトップ。選手の試合の綾や流れに対する理解度は高い。しかし実力は低い・・・・。

 観客が入れば米子東にはOB力が高いので恐らくアルプスを満員にして応援や雰囲気も選手の士気を高めるはずだが残念ながらその光景はない。逆に毎年山形勢のアルプスは友情応援の西宮あたりの公立校がブラバン引き連れ参戦してもガラガラ。選手はそれ見て意気消沈のところ、言うまでもなくその心配はない。

 地力の差は結構あるが、案外縺れると見る。しかし最後は日大山形が引き離す。

 米子東にハンディ3

 

第二試合

新田(愛媛)- 静岡(静岡)

 済美の出現で地殻変動が起きた愛媛、というか松山市内の野球地図。遂に最終兵器新田が甦った、と言いたいところであるが、いかんせんブランクが長すぎ。しかも意外にも夏は初出場。初勝利は遠いと見る。

 静岡も名門ではあるが野球推薦の枠は多く、毎年県内では必ず上位に食い込む隠れた才能集団。投手高須は大学経由で4年後ドラフト上位指名も見込める逸材。新田は点が取れるだろうか・・・・。

 本来であれば静岡は控え投手も良いので、優勝候補のダークホースぐらいには挙げたいところであるが、監督が新任なのだよな。前の監督が更迭された裏に名門ならではの生臭さを感じている。

 新田にハンディ4

 

第三試合

東明館(佐賀)ー日本航空(山梨)

 この勝負は正直酷。日本航空は春の関東大会で東海大相模に勝った経験を持つ言わば猛者。地元近畿出身も多い。初出場の東明館に勝てと言うのが無理な話。

 東明館にハンディ6

 本日はこんなところでご勘弁を。