アメリカがえらいことになってますな・・・・。トランプ陣営よりantifaの方が一枚も二枚も上だったってことか。これだけ選挙前から組織だって戦略的に行動できるってことは、裏には糸を引く誰かが、と勘繰りたくなります。
とにかく今年は楽観論は禁物。何が起こるのか、常に最悪の事態を想定しておきましょう。アメリカがそこまで腐っているとは思いませんが、内側から中国に侵略されるのを覚悟をした方が良い。
恐らく次は台湾、そして日本。もう日本もかなりやられてますぞ。我々日本人の根性が試される時ですが、まぁ後十日は静観が良いでしょう。
<本日の勘ぐり>
佐藤蓮のエンジン
何んとか本日をもって、去年のドラフトがらみについては最終回という運びとなります。やれやれです。でっ、お題である佐藤蓮ですが、投手としてのその能力、かなりのものと見ています。
ノースリーになってテンパって、そーっと置きにいった球でさえ150キロ出ますから、こういうのはあまり観たことはありません。腕を振り回し天井向いて投げるわけでもなく、普通に軽く投げて150キロ。軸脚にしっかり重心を移してゆったり投げれば、もっとスピードは出るかもしれません。これがいわゆる積んでいるエンジンの大きさってやつです。しかも、左打者のインハイのストレートがスライダー回転しているようにも見える。もしそうなら、これは天からの贈り物かもしれません。
でもだからといって持ち上げずに、三年間実戦を離れていたという事実を踏まえたうえで、焦らず夏ごろまではフォーム固めで良いと思うのです。なのでウエスタンでの登板も、まずは社会人や専門学校との試合を経験してからって感じで、高卒並みにゆくりでお願いしたい。本当は田面もそれぐらいで良かったのに、年齢もあって焦って、コントロールも定まらないのにシートバッティングで投げて、でっ身内に当ててしまい、責任を感じて更におかしくなった(当時の二軍監督もあの平田)。こういう精神面の脆さ、性格の優しさは佐藤蓮にも伺えます。お世辞にもプロ向きとは言えないでしょう。だからこそ田面の二の舞は勘弁して欲しいのです。そろそろ過去に学ぼう!
阪神にもここ七、八年で150キロを計測する投手が、田面以外にも結構現れたのですよ。藤浪は別格として、松田、望月、小野、才木、小川・・・・。その後どうなったかといえば、松田は移籍後退団し、それ以外もみんなこの春一軍にいるかといえば極めて怪しい。正直何がいかんのか、特に望月と小野のバックネット直撃の暴投を観るにつけ、共通する何かがあるように感じる。
別に阪神だけではなく、ヤクルトの星、梅野、中日の鈴木、広島の岡田、矢崎、ぱっと思いついただけで各球団必ずいる。全員元々制球が悪いというのもあるのですが、果たしてそれだけか? 思うに、どうも色んな球種に手を出し過ぎているように感じるのだが。
彼らが病むに至る傾向を眺めていると、仮に今年佐藤蓮がたまたまそれなりの投球を一軍で見せても、早晩彼らの仲間入りを果たすような気がするのですよね。
佐藤蓮には大きな縦のパワーカーブがあって、あれは高校時代スリークォーターから投げている頃からの球種なので、当面変化球はこれだけにしてその精度を高めること、そして併せてストレートの制球、特にカーブの後に投げるストレートに磨きを掛けるべき。みんなその球を狙って来るしね。
とにかくどこかで壁にぶつかって、それで病んでも帰るべき場所をしっかりと創ってやって欲しい。望月や小野を観ていると、どこの段階に戻ってやり直せばいいのか判らなくなっているように思うのです。良かった時期といってもねぇ、それがいつのどの感覚なのかも見失ってしまっているという・・・・。
佐藤蓮には迷ったらストレートとカーブを徹底的に磨き直す、そういう帰れる場所を創る、そのためのキャンプにしてください。余計な変化球には手を出さなくていい。沖縄なんかにも連れていく必要はない。安芸で充分です、寒いけど。
江川の面影
佐藤蓮の腕の撓りを観ていると思い出す投手が三人います。元日ハムの押本と中込と江川です。今の佐藤蓮は中込に似ているかもしれませんが、もう少し柔らかさが出れば江川に近いものが出て来るのではないかと密かに期待しています。
このフォームで投げる投手はそうはいません。腕の使い方が独特なのです。具体的に言えば、リリースの直前に肘を体の内側に引き込みながら投げる。そうすることで、腕が描く弧が小さくなり、同時に振りは速くなるのでリリースの瞬間、ボールに伝わる力はより大きくなる。意識的にそういう使い方をしているかというと、そうではないと思います。この肘の動きの鍵は脇にあるのです。江川がそうでしたが、ボールをリリースする直前に脇を軽く絞ると、自然とこういう腕の振りになります。中込や押本も同じタイプで、上半身の筋量に恵まれた投手に時々観られるフォームです。
中込は当時の田丸スカウト部長がどうしても欲しいと、阪神にしては珍しくわざわざ囲い込みをしてまで獲った投手。それだけにどこにそこまでの能力があるのかと、じっくりと観察したことがあったのですが、結論だけ申し上げると、田丸さんは中込に江川の面影を観たからではなかったかと(決して間違ってはいなかったが、性格面の見極めは甘かった)。
えっと、ここまでもそうですが、ここからは更に相当マニアックな内容を妄想全開で書くので、もうええわと思われる方は読み飛ばしてください。
日米投球フォーム事情
佐藤蓮が大学時代を通じて上半身を鍛え抜いた、というのは方向性として正しいと個人的に思っているのですが、ちょっとその背景について書いてみたいと思います。
かなり横道に逸れるのですが、助っ人としてやって来た外国人投手のフォームについて、下半身の使い方が滅茶苦茶とか、まったく下半身を使っていないとか、上半身だけで投げているとか、解説者が扱き下ろしているコメントに出くわすことがよくあります。まぁ、メジャーで通用しなかった投手がやって来るわけですから欠点は多いのだろう、そういう先入観で観ているからかもしれませんね。確かにそういう投手はいますが悪いばかりかというと、強ちそうではないのです。荒っぽく表現すると、メジャーの投手は総じてそんなもんです。下半身を上手く使えないからああなっているのではなくて、むしろそれを使う必要がないから、という側面もあるのです。
逆い言えば、メジャーのピッチングコーチが日本の投手を観たら、きっとこう言うのではないか、
「もっと上半身を使って投げろ」
「下半身に頼るな、腕は上半身についているのだぞ」
「ウエートトレーニングをして、その貧弱な上半身を何とかしろ」
まぁそこまで口に出して言うかは判りませんが、きっとそれぐらいのことは感じているでしょう。
更に申し上げるなら、メジャーの投手は体を横回転させて投げるのに対して、日本の投手は縦回転させる、この違いも大きい。日本の投手コーチで、柔道の一本背負い引き合いに出して、あの腰の使い方を、とかいう人がいましたが、きっとメジャーでは大外刈りなんですよ。奇麗な縦回転のフォーシームを投げられないのも、多くの右投手が投球直後一塁側に倒れ込むのもこのため。だから190cmオーバーの外国人投手が日本に来て、スリークォーターから投げるのを見て、もったいないとか、もう少し上から投げれば角度が付き打者は見難くいのに、とか、せっかくの長い腕や長身を活かせていないと思ったこと、きっとあるでしょ? 確かにそうなのですが、そこには彼等にとってのセオリーがきっと存在しているのです。究極的に言えば、身体を横回転させて投げるのだから、横から投げるのは普通でしょと。ビッグユニットと言われたランディー・ジョンソンは208cmあるのにほぼサイドスローでした。
その昔、解説者時代の球道中西が、来日直後のカーライルを見て、脇に物を挟んだような投げ方だとバッサリ切り捨てていました。実際阪神では大した活躍はできませんでしたが、メジャー復帰後ほぼ年間通じてローテーションを守ったことがありました。なので実力はあったと思うのです。この ”脇に物が挟まった” という表現に、日米の投手の違いが端的に表れているように感じます。
さらに突っ込んで言えば、この投げ方をもっと日本の投手やコーチは研究すべきではないかと。なにもカーライルだけがそんな投げ方をしているわけではないのだから。例えばサイヤング賞を三度獲ったマックス・シャーザー、まさに脇に物を挟んだような投げ方、つまり腕をしっかりと伸ばして投げてはいません。
じゃあ何でそんな投げ方をしているかというと、メジャーの投手は上半身、特に腕の回りにあるあらゆる部位を使って投げているからだろうと。つまり脇の筋肉もしっかりと使って投げているのです。
江川が怪物と言われたのは、もちろん剛速球の持ち主だったというのもありますが、上半身の大きさや厚みも規格外であったことも見逃せません。そしてその発達した上半身を、メジャーの投手のように極端にではありませんが上手く使い、そして持って生まれた柔らかい下半身も相まったればこそ、今でも日本球界最高の投手と称賛される所以ではないかと。
佐藤蓮の投球メカニズム
高校時代コントロールを気にするあまり腕を下げてスリークォーターから投げていた佐藤蓮は、大学時代の四年間で10キロ以上のビルドアップに成功し、真上から投げ下ろす本格派へと変化を遂げました。腕の振りの鋭さ、速さ、撓りは、鍛え抜いた上半身の賜物であり、意識的に右脇の筋肉を使って肘を引き込み、ボールのリリース直前を狙い腕の振りを速める。すると加速した腕の振りの力がダイレクトにボールに伝わるため、置きに行ったようなボールでも、軽々150キロを計測する。
ただ同時に不安もあります。同じタイプの中込が三度にわたって肘にメスを入れたように、肘への負担は確実にあると思うのです。首脳陣にもそこはご理解いただきたい。
もしかすると今年度最高の出物かもしれないこの物件ですが、実戦経験の少なさを鑑みれば焦りは禁物、来月のキャンプではあえてじっくりブルペ浸けにすべきかと。上でも触れましたが球種も限定し、フォークもスライダーも投げられますがそれらは一端封印。ストレートとパワーカーブだけにして、まずはフォームを身体にしっかり馴染ませる期間に充ててください。もし佐藤蓮にチェンジアップを、などと言いだしたら黄信号ですな。
話をメジャーに戻すのですが、今でもまずは二つの球種で充分と言われるのだそうです。まぁ、向こうはファストボールとブレーキングボールの二分類で、スライダーやカット、スプリットもファストボールだというのもありますけどね。それでも球種は日本と比べると至ってシンプル。そこに下半身重視の日本と、上半身重視のメジャーの差があると見る。
上手く説明はできないのですが、持ち球はストレートとカーブだけだった江川が、日本球界を十年以上に渡って席捲できたのは暗示的。もちろんその鍵は一際ごつくてぶ厚い上半身にあったのでしょう。昭和の世にあって傑出した存在だった江川は、当時からメジャーに最も近い存在だったことに異論はないはず。ぜひとも佐藤蓮には自身の完成形として江川卓を意識し目指して欲しいものです。
2021年成績:今年は一年鳴尾浜で頑張れ!
そして蛇足
最後まで上半身に拘るのですが、日本の投手ももっと上手く上半身を鍛え、投球に活かせる部位を探すべきだと感じますね。腕の周囲の筋肉をしっかりと使いこなせれば、スピードだけではなく制球の精度も上がるはず。しかし残念ながらそのサンプルとなる指導者があまりいないという・・・・。桑田ですら桑田道の話をいまだにするしね。マエケンあたりが指導者になるのを待てと言うのか?
”球児、右膝ちゃうか?” でマニアの間ではお馴染みの山口高志氏などは、”ピッチングはとにかく腹筋背筋だ” と言っておられましたが、スカウトをやらされたりブルペン担当だったりで、投手コーチとしては不遇に終わった感が否めず、下半身主導の旧態依然とした指導方法と上手く折り合えなかったからではと勘繰ったりします。
そんなご時世の一方で、すでに少年野球レベルではそれが浸透し始めているように感じることもあります。少子化で明らかに野球人口が減る中にあっても、中高生の投手のストレートの速度は上がり続けているからです。この現象、実に興味深い。走れ走れしか言わない古参の解説者が依然発言力を持ち、その弟子たちがまだコーチの職にありつけているその裏で、アマチュアの指導者の新陳代謝は進んでいるのかもしれません。まぁ、走れ走れが間違っているわけではないのですけどね。