Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフト雑感:番外編

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 先週、今年の高卒野手について ”無農薬” と表現しましたが、判り難かったかもしれませんので補足すると、強豪校における指導っていうのは、こういう言い方は失礼かもしれませんが、”農薬” 的な側面もあるのだろうなと。つまり、速い球を投げられてもストライクゾーンに行かなければ意味がないし、一日10球しか投げられないようではこちらも同様。打者もどれだけスイングスピードが速かろうと、投手の投げる140キロのストレートやそれなりの変化幅のスライダーなどに対応できてこそ生きるのだし、逆にボールを捉えることはできても前に飛ばなければ試合には出せません。なのでまずは投球フォームや打撃フォームを整えてあげなければならないし、体力をつけるために身体も大きくしてあげなければなりません。そのための指導というのは不可欠です。それは商品として出荷する果物も同じ。甘みや味わいはもちろんですが、果物自体の形を整え、少しでも大きく育てることも重要。まぁそのために”農薬” を使うこともあるわけですから、高校野球名門校における指導と似てなくもないのでは、というわけです。

<本日の指導と農薬>

 天然ものにおける野手と投手の違い

 今年度の高校生野手を辛めに観てしまう理由についても、うだうだと書いてよく判らなかったことでしょう。簡単にまとめると野手の場合、いかに活きた球を痺れる場面で打てるのか、ってところに行きつくのです。成長というか、殻を破るには絶対にそれが要ります。守備も同様。そのためにはどうしても公式戦、それも場数が必要。さらにいえばそれは修羅場であればあるほど良いのです。

 じゃあ投手はといえば、もちろん同じようなところはあります。しかし明確に異なる点があるのです。それは投手の場合、一カ月や半年、一年という期間で投げられる球数には限度がある、ということです。それはもっと広げて人生に置き換えても構いません。

 バットは折れたら換えれば済む話ですが、投手の肘は折れたらそれでほぼ終わり。なので、高校時代から繰り返しそんな修羅場で投げる経験をさせる必要はない、私はそう思います。痺れる場面で投げた20球と、普段の練習の20球では、ダメージや疲労度がまったく異なりますから。スカウトが担当している投手に、頼むから予選でコロッと負けてくれ、そんな風に心の奥底で祈るのにはそういう深いわけがあるのです。

 だから投手の場合は ”農薬” の量も高校時代には打者ほど必要はないし、そういう風潮が定着し始めているようにも感じます。指導は簡潔にポイントだけで良い、そのように思うのです。

 ブログの方向性についての泣き言

 実は先週から忙しくて更新が滞り申し訳ございません・・・・。明日からも出張でまた間延びするかもしれません。本当は今日あたりまでに上位指名の気になった選手について感じるところは書いておきたかったのですが、残念です。

 ブログを始める前から思っていたのですが、やっぱり始めた以上は毎日更新が必須なのだろうなと。まぁ、それがあるからずっと手を出せなかったわけです。しかしそれに重きを置いて適当な内容で日々お茶を濁すというのもどうか、というのもあるのですよね。筆力があれば別なのでしょうが・・・・。マイペースでいいやと開き直って始めてみたものの悩みは尽きませんね。一応ジャンルは日記ですが、ここに訪れてくださる多くの方が日記として読んでくれているとは思えないし。ただそれって私の一方的な気負いなのかな、とも思うのですよ。

 というのは、私も日々のアクセス数は気にしているのですが、最近は多い時には1,500ほどもこの辺鄙なブログに訪れてくださる殊勝な方がおられて、本当にそれはそれは大きな励みになっています、有難うございます。がっその反面、結構夜遅くまでかかって6,000字超えのものを物した日のアクセス数が200ぐらいだったり・・・・。

 そうか濃いめの内容ではアカンのかと、結構軽めのものを間隔を空けずに更新して、そしたらやっぱり200ぐらいだったり・・・・。ところがその翌日また1,000近くまでアクセスが伸びたりで、何が一番観に来て下さるお客さまの心に響いているのか、それがイマイチ判らんのですわ。

 恐らくこれは独り相撲で、まだ始めて半年なので雑巾がけと思って、無心でひたすら書き続けるべきなのでしょうけど。でも、来て下さったからには、それなりに少しでも他にはない情報のようなものをお渡しできれば、というのもあるので、そのあたりの匙加減というか、読んでくださる方との一体感のようなものをそのうち掴めればいいのに、そんな風に感じる昨今です。

 というわけで、実に長い前振りでしたが、本日は少しだけ趣を変えたものをと思います。

 大学野球スカウト考

 今年はコロナの影響もあって、真面目なスカウトにとっては大変だったでしょうし、逆にテキトーなスカウトの方にとってはこれほど楽な一年はなかったと思います。仕事しなくても言い訳は腐るほど転がっていますからね。球団もスカウトの管理や評価には難しい一年だったことでしょう。それは大学野球界にとっても同じことが言えると思うのです。

 でっ、ここに来て主要な大学の来年度の新入生が発表され始めました。

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 大学野球に正式なスカウトはいないかもしれませんが、それに該当する関係者はいるのです。みなさん観る試合があまりにも少なくて大変だったでしょうね、お察しいたします。

 恐らくプロのスカウトと同じ苦しみを彼らも感じているわけです。では一体かかる事態をどのように凌いだのか、個人的に非常に興味がありました。そしてその答えが上のように出始めたわけです。でっ、その顔ぶれを眺めながら、私は、はたとある記憶を思い起こしたのですよ、ええ。ではそれは何か?

  実は数年前、関西のある硬式少年野球の指導者の方とじっくり話をする機会があって、その方曰く、いい選手がたくさんいる年は大変だよ、と仰っておられました。もちろん選手を寄越せ、下さいませ、まぁ色々といろんな方からあらゆる方法で打診があるのだそうです。その熱量にも差があって、電話だけから現ナマが飛び交うようなことも場合によってはあるのだとか。お金以外で口説きやすいのは選手の待遇、卒業保証に学費免除とか寮費や交通費まで面倒見るとか小遣い・・・・、ってやっぱり金ですやん。

 また、大学の進学先を具体的に挙げて保証するケースもあるそうです。つまり三年後には東六の〇X大学に絶対に進学させるから、みたいな。

 まぁ確かに、そこまでは私でも何となく想像がつきます。ですがここからです。一番驚いたのは大学から直接アプローチがある、という話ですね! つまり、どこの高校に進学するかは任せるが、三年後にはうちに来て欲しい、そういう誘いが中三に、もっと凄い時には中二の段階であるのだそうです。更にびっくりしたのは、夏休みにお誘いのあった選手に対して某大学(東都名門大)の練習会への参加要請があったという話でしたね、あれはマジびっくりしたわ。

 中学生もあまりの接待に思わず一服

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 もう20年以上も前の話だそうですが、その指導者の方は、自分のチームの中学生が参加するので、引率として某大学の練習会について行ったのだそうです。なんでもお客さまとして迎えてくれたそうで、接待は良かったとのこと。選手に対するそれも凄かったそうですが、それで調子こいた一部の選手たちが、練習の合間、一息つこうとベンチの裏でいつものように煙草を吸い始めた時にはさすがに慌てたわ、って笑顔で仰っていました、ええ。いやぁーっ、微笑ましいエピソードだなぁ♪

 因みに、PLからパリーグに一位指名され入団したI選手は、その時参加していた面子の中の一人だとか。ってキッチリ裏切ってるやん!

 なぜ今になってその話を思い起こしたかというと、先日発表されたある大学(先の某大学とは別)の新入生の顔ぶれを眺めていて、これって高校時代の実績よりも、むしろシニアやボーイズなどで活躍した選手ばっかじゃね、としか思えなかったのですよね。でっ、何故そうなったのか、個人的に深読みすると、コロナがあってどうしても高三の段階ではっきりと見極められないので、じゃあ高二の時点にするかといえば、層の厚いチームなどの場合、出番が限られてくるのでそこでも難しい、となると高一まで遡っても一緒。えーいもうしゃあない、いっそのことU15の代表候補格の選手を集めることにするわっ! そんな感じで勝負に出たのではないのか?

 まぁ取り敢えず来年以降の神宮の楽しみが増えましたので、個人的にはこれはこれで良いと思います。因みに、練習会を開いたという某大学というのは、しばらく二部に落ちていましたが来春に上がります。今は駅伝の方が圧倒的に凄いです。恐らく駅伝でも中学時代から青田買いしているのではないでしょうか? もう一つ進路ネタをかますと、その大学には志望届を出していれば今年中位で指名されたのでは、という野手の逸材が入学します。恐らく彼はボーイズ時代にすでに囲われていたのだと思われます。ってことは今もやっているのか・・・・?

 それと後に挙げたある大学というのは、東都一部の名門ではありますが、駅伝も含めてここのところまったく冴えません。うーん、この賭け大丈夫か?

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