Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

コロナとの共生?! ありやなしや

<今日のテーマ>

 

コロナを伝えるオールドメディアの限界

A:「新型コロナの現状を、我々はどう受け止めればいいのだろうか?」
 また、
B:「この国の人々は今、日常について何を感じているのだろうか?」
 AとB、上手く伝える自信はないのですが、あえて二つの質問を上下に併記しました。
 これって同じ質問じゃないの、って感じた方もいるかもしれません。
 ① ・・・”我々” = ”この国の人々”
 ② ・・・”受け止める” ≒ ”感じる”
 上の二つの式は納得していただけると思います。
 ではこれはどうでしょう?
 ③ ・・・”新型コロナの現状” ≦ ”日常”
 多分、新型コロナの感染者にとっては
 ③´・・・”新型コロナの現状” = ”日常”
 だと思われますが、ほとんどの人々にとっては、
 ③´´・・・”新型コロナの現状” < ”日常”
 つまり、世間の多くの人にとって、新型コロナは日常の中の一つの要素であるということです。つまり、別の言い方をすると、日常は、経済社会学び遊びなど、まぁ色んなもので構成されていて、新型コロナは今、比較的大きな比重を占めるものの、その一つに過ぎない、ということです。当たり前のことです。
 現実的な問題として、当面我々はコロナと生活することを余儀なくされており、そこでAの質問がある

 次に残念ながらコロナが要素として新たに加わってしまったことや、その影響も含めて最近どうですか、というのがBの質問でしょうか。

 でっ、Aの質問に対する回答とするなら、我々は緊急事態宣言が出され色んな制限を受け入れながらも、検査者の数は決して多くはありませんが、「感染者数死者数少なく抑えている、といった事実を踏まえると、比較的上手くやっているかも」、と言えるかもしれません。

 世界中の国と比較するのはフェアではないので、たとえばG7とか、G20の国に限定してもそれは言えるのだと思われます。事実、海外のメディアからは謎だ、不思議だという枕詞をつけられながらも日本の健闘ぶりが報じられています。

 この流れを受けてか、国内のメディアからも以下の記事が出ました。

www.fnn.jp

 とはいうものの、新型コロナはあくまで日々の生活において、嫌々押し付けられたとしか言いようのない要素であって、感染者やそれによる死者が実際に身近で出ない以上、その数にリアリティを感じられる人はそう多くはない。なので、むしろ「それによって生じた制限による悪影響が先に立ち、これまで積もりに積もったものも含めてもういい加減にしろ」というのがBに対する答えになるのかもしれません。
 そして、前にも取り上げましたが、特にここのところの国の対応については不満をお持ちの方が多い。となると当然のように先日の調査結果とほぼ同じような内容のものが出てくるわけです。

www.asahi.com

 しかし、今回も中国が首位って、普通に考えてありえんし、それを胸張って伝えることにどんな意義があるのか、真剣に問いただしてみたい気も致しますが、まぁ良いでしょう、切り替えていきます。 

 でっ、一つ目が官邸の応援団であることだけが存在意義となっているFNNの記事で、二つ目が現政権に対して文句をつけることだけで読者を繋ぎとめている朝日新聞の記事です。まずはこのことを踏まえたうえで読む必要があると思います(しかも朝日は有料記事)。

 それぞれについて一長一短あってここであれこれ申し上げるつもりはないのですが、まずFNNの記事については、事実をベースにそろそろ自分の国について評価してやりましょうや、って感じ。朝日の記事はいつもの通り政府や指導者はけしからん調査結果こそがそれを証明している、の一点張り。

 まぁ、どちらもその通りだとは思います。何よりも感染死者数の数から見れば、日本はケチのつけようがありません。しかし、政府の方針については朝日の読者層だけではなく、産経の支持層の右派保守からも中国の入国制限の時期について、何故もっと早くできなかったのか、という意見をよく耳にします。今回の一律10万円については左右両陣営が仲良く”遅い”と仰っているようですし、更にいえば左の方々から言わせれば、困っている人々に対しては薄すぎる、となるのでしょう。
 繰り返しになりますが、それぞれ確かにごもっとも。前も申し上げた通り、我々日本人というのは自分も含めて国内に限るとほぼすべてに対して常に厳しく、そして過小評価することを思い起こしていただければこんなもんでしょ。
 ただこの二つの記事を読んでいて感じるのは、いくら日本人が思いやりに溢れていても、仏の顔も三度まで、そのうち限界が来るってこと。それと政権を叩き続け、お望み通り旧民主党勢や山本太郎だかがこの国を仕切ったとしても、それでコロナウイルスどうにかなるものでもない、ってことです。
 つまりはっきりと一言で言えば、コロナと共生するつもりなどない!
 それがこの国の総意です。大概の国もそうでしょ。

 治療薬やワクチンが見つかって困るのは、自慢の検査ノウハウや防疫体制についてチヤホヤしてもらえなくなる国と、マスク外交ができなくなる国ぐらいですから。
 だからそろそろ治療薬やワクチンの開発の現状やその最前線について真剣に報じるべき時期が来たかと。
 いやいや、それらは仮にできても一年はかかるんだぞ、というお叱りの声もあるでしょうよ。もちろんその通り、それを前提にその時期が来たと言っているのです。

 個人的に申し上げるなら、とっくの昔に東京オリンピックはないものだと覚悟しているし、高校野球も来年の選抜までは諦めています。つまり、これからの一年間に限るなら、新型コロナとの共生もやむをえない、そう割り切ります。しかし、その間については文字通り国を挙げてあらゆる面でコロナと闘い、その過程についてはすべて透明性を持ってありのまま我々に伝えて欲しい、それが可能ならということで一年間は我慢します。
 しかし、である。多分そのあたりの分野になると、新聞やテレビの専門記者はほとんどいないか役立たずなので、ちゃんとした記事をものすることはできんのでしょうね。小保方さんの件なんてその最たる例で、新聞が報じる内容はネットの周回遅れもいいとこ、それも二周も。つまり、STAP細胞捏造事件の真相について、新聞や週刊誌やニュースワイドショーでもっともらしく語る記事の内容は、難波紘二先生のブログには二カ月も前にきちんと整理されて書かれていたものばかりでした。
 かといって科学雑誌なんて月刊誌や下手すりゃ季刊誌とか。それでは真剣に苦しんでいる方々、感染者はもちろんのこと、例えばいつになったら満席でお客さんを迎えることができるんだとか、いつごろ発注の量が元に戻ると考えて調整すりゃいいんだとか、そもそもその資金繰りはどうすりゃええんやとか、喫緊の問題を抱え固まってしまっている人に対して、真摯に情報を伝える、その体制すら整っていないことになるのではないかと。
 真剣にコロナ銘柄の株価をチェックすることが、差し当たって、治療薬やワクチン開発の最前線を伺い知る最も正しい目安と考えるのですが、それではやっぱあかんと思うんだけどな・・・・。
 こういうことこそ別にオンラインではなく、デイリーのバッチ処理で良いんだから、オールドメディアの腕の見せ所だというのにね。まぁ、彼らが万が一にも真剣に取り組み始めたとしても、今さら新聞も買わないし、地上波も見ないけどさ。

 

コロナと国籍の問題

 コロナについてはほぼ毎日色んな情報が溢れ、テレビだけでも上はノーベル賞受賞者MCパネラーに仕立てた討論番組から、下は過去の映像で堂々と街角の人出を捏造したり、世論調査結果の円グラフを数字はそのまま気合と配色で中心角度と面積の改竄を行った下衆以下ワイドショーまでいろいろですが、オールドメディアが総じてどうしても避けたくて仕方ないテーマがあるようです。それは新型コロナ感染者における国籍の問題です。

www.kyoto-np.co.jp

www.huffingtonpost.jp

www.mhlw.go.jp

 まず、コロナ感染者について「日本国籍」か「外国籍」かを問うことは差別になるのだ、というのがオールドメディアにとっての前提というか、建前になっているようです。確か三月の初め頃でしょうか、新型コロナの感染者「3割が外国人」だとかのデマが出たのは。しかしそれは感染者の国籍について発表するのを途中でやめたことにも原因があるのではと思うのですが・・・・?

 一体、厚労省が感染者の国籍を調べない、などということがあるのでしょうか?医療の現場では保険証とか普通に提出を求めると思うのですが、それで判るんじゃないのかな・・・、詳しくは知らんけど。
 そもそも国籍を問うことが差別に繋がるという発想があること自体を理解できないのですが、まぁそれを百歩譲って認めたとしましょう。しかし、それはオールドメディアに限ったローカルルールということでお願いします。国際的なエチケットだなんて決して思わないでいただきたい。
 たとえば先日取り上げたスウェーデンなどはきっちりと、国内外に当たり前のこととしてその事実を知らしめています。

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 外国生まれのスウェーデン在住者の人口における各国出身者の割合(青)および感染者における各国出身者の割合(紫) 公衆衛生局のHPより

 

forbesjapan.com

 このグラフの引用元の記事の中では、

「感染者や重症者に移民のバックグラウンドがある人が多いというニュースも衝撃的でしたね。この表を見ても、ソマリア系、イラク系、シリア系、トルコ系などの人々の感染者率が際立っています」と普通に語られています。

 続けてスウェーデンでは、移民のインテグレーションがうまく進まず、近年多くの問題が起こっています。スウェーデンに住んでいてもスウェーデン語を理解しない人や、独自の文化を維持しているため多世代家族であったり、行事などの際に大勢で集まる機会が多いなど、クラスターとなる要因が複数存在したのでしょうね。と結論付けられてもいます。

 もちろん、それができる背景には、「移民であってもなくても、貴賤貧富の区別等しい医療が受けられるのは、スウェーデンの凄いところですね。」
「『人間には皆同じ価値がある』という民主主義の精神が、ICU治療の選択の場でも浸透している」とも語っています。まぁ、これを伝えてくれる現地在住の日本人医師や、翻訳者兼エッセイスからは零れんばかりの北欧押しが感じられ、そえゆえデリカシーに欠ける部分がないとは言えませんが、移民やその出自が決してタブー視さるれものではないことはご理解いただけると思うのです。

 当然、日本にもスウェーデン同等の倫理観や民主主義があると私は確信しています。それは失礼ながら決して誉められたものではない、彼の国の犯罪や強盗、強姦の発生率などからも伺えるかと。つまりスウェーデンにできて日本にできないとは正直思えないのです。ただ、それができない、と決めつけてかかっている組織の中は別ですが。

 

日本の謎は日本で解け!

 なぜ国籍に拘るかといえば、海外から”謎だ不思議だ”と何かと疑義が呈されている、日本の新型コロナ感染による死者の少なさについて、その手掛かりの一つになるのでは、と思うからです。たとえば、コロナが本格化し始めた頃から言われているBCG接種の免疫効果に関して、その因果関係を見つけることができるかもしれないと。

 もちろんそれが必ずあると決めつけるつもりはありません。事実、一週間ほど前でしたか、それを否定する記事が出されました。

www3.nhk.or.jp

 

 しかし、それでも依然こんな記事も根強く出ています。四日前のものです。

news.yahoo.co.jp

 この記事はこう締めています。
「BCG日本株安全性は確立されています。訳が分からない新型コロナワクチンを各種開発してむやみに試す前に、BCG日本株を量産して世界中で接種する方が賢い気がします。」
 私もその通りだと思います。
 もちろん、BCGの日本株については、すでにいの一番に国内で調査・研究していることでしょう。しかし、どこの研究機関が、どのような手法で調査し、そして現段階でどうなっているのか、残念ながらそのあたりは一向に我々の耳には入ってきませんイスラエルの結果についてはしかと受け止め承知しました。しかし、我々が知りたいのはこの国の研究についての現状なのです。万が一に、それを伝えることで、国籍による差別を助長する可能性があるのだとかいうのなら、それはあまりにも頓珍漢本末転倒のような気がするのです。

 たとえば、私の悪い頭の中でさえも、コロナに関する日本の不思議や謎を解くかもしれない、いくつかの仮説を立てるための傍証を挙げることは可能です。

・この国においては検査者数が少ないながらも、感染者や感染死者数を抑制できていること

検査者数を絞ることで、医療崩壊を防ぐことができたかもしれないということ

・この国の70歳以下の者はそのほとんどがBCGワクチン日本株の接種を受けていること

・この国では昭和の終わりごろから花粉症患者が激増し、春先からマスクをする習慣がもともとあるので、マスクをすること自体になんら抵抗がないこと

・そして海外の多くの国ではマスクをする習慣がないこと etc.

 それらと同じく、この国のコロナ感染者の国籍を調べることで、浮かび上がるものもあるかもしれない、ということなのです。

 仮にそうであれば、それについてはスウェーデン同様、この国においても誰でもが知る資格が普通にあると思うのです。

 もし厚生労働省の先月末の発表、

新型コロナ患者7,787例、日本国籍の者5,836名、外国籍の者67人(他は国籍確認中)」。

 もしくは

PCR検査陽性者数12,681中、うち日本国籍が確認されている者5,701人、外国籍が確認されている者54人

 以上二つがその全てなのだというならば、そもそもおまえらには、この件について情報を伝えるつもりはないのだ、というメッセージにしか思えないし、何よりも不親切極まりない。

 確かに、この国における国籍による感染者の割合をスウェーデンのようにつまびらかにすれば、ヘイトスピーチが起こり、それにしばき隊が応戦し、泥仕合が発生するのでしょうよ。しかし、それは限られた一部の人たちの間で起こっていることであって、ほんとんどの日本人にとっては関心がありませんし、それらが拡大することもあり得ません。もしそうではないという意見があるとするならば、それはあまりにもこの国の民度を知らないか、恣意的に馬鹿にしているかのいずれかです。

 とはいうものの、メディアとしては、そういったアレな方々が存在する以上、そこに合わせて倫理コードなりルールを創る必要があるのだ、という正論めいた屁理屈で返して来るのでしょう。しかしそれって、WHOが普段使いする御託宣パンデミックが起こってしまった以上、地球規模でその痛みを分かち合わなければなりません”っていうのと変わらんよ。だってそれってよくよく考えてみると、アフリカなど途上国に医療レベルを合わせましょうよ、っていう風にもとれるでしょ?実際そうしなきゃ痛みなんて分かち合えませんし・・・・。伝えたいことは判るけど、現実的には無理です。それと国籍についての問題も同じ。もっと現実を見るべきです。

 もしこのまま新型コロナ感染者における国籍について逃げ回るのなら、逆にデマ都市伝説を発生させる温床になるだけだと思うのは私だけでしょうか?