Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

WBC 日本野球 世界制覇!!

 日本が世界一を奪還!

 まだ実際に観てないので何とも言えないのですが、タフなゲームだったようですね。しかも最後は大谷とトラフトの一騎打ち! 梶原先生でもそこまでは書きますまい。水島某ならあるかもしれませんが・・・・。

 今日は報知も含めてスポーツ新聞は全て買おうと思います。衰退するオールドメディアの矜持を確認する所存です。みなさんも是非読んでやってくださいませ。ネットに転がっている記事よりも味わい深いはず。そうでなければ存在意義などないってものです、ええ。

 日本のWBC制覇を受けて、当極北のブログらしく思うがままに書かせていただくなら、今回、大谷や村上が一生懸命走っている姿を見て、上手く言えないのですが ”重そうだな” そう感じました。二人とも脚は速いのですよ、でも ”重い”。

 ここでどうしても我が阪神の選手との比較になります。佐藤輝の走る姿などは大型ながら軽快なところも残しており、こちらも速い。しかしそれでは恐らくダメなのだろうなと。つまり重くても速い、そんな選手にならなければならないのだと。

 この春からメジャーに挑戦する藤浪も、ここ数年ずっと調子は上がらないままだったのですが、たまに先発するとホームランを打ったりするのですよ。ダイヤモンドを回る彼の姿などは颯爽としていて飛び跳ねるようなところがあって、やはり良いバネしているな、そう思う。でもそれじゃダメなのです。跳ねているようじゃね。

 大谷や村上から感じる ”重さ” とは、恐らく筋肉の鎧なのです。それを身に着けたとしても、決してスピードや体のキレは手放さない。”重くても速い” というのはそこに尽きるのです。

 あえてパラフレーズするならば、つまりは佐藤輝や藤浪は鍛え方が甘い、そういうことなのでしょう。

 

 

【こないだ速報】WBC 日本勝つ! センバツ四日目

 いやぁ、日本勝ちましたね。

 実は朝用事があったので、渋々外に出ていたのですが、なんだかんだ言って切り上げて、どうにか家に辿り着いたら既に8回表。一点のビハインドで、しかもマウンドにはなんと湯浅・・・・。

 「もう一回りしてくるわ!」

 思わず席を立ちかけましたが、嫁に押し戻されて震えながら視てました。

 案の定タイムリーを許して二点差。湯浅のせいで日本が負ける、それだけは勘弁してくれと手を合わせ、買い替えたばかりの有機ELテレビと向き合う覚悟を決めました。

 なんとか一点差で9回裏へ。大谷が軽々と二塁打であっという間に無死一二塁。打席には村上。しかし阪神ファンにとっては、哀しいかなネクストに控える中野にしか意識がいかない・・・・。どうせ村上は三振で、日本国民の期待と敗北の咎の全てを中野が負わされることになるのでは? それだけは全力で避けねば、

 「もう一回りしてくるわ!」

 立ち上がりかけたその瞬間、打球はセンターオーバー!

 

 途中参加でしたが、死闘というか奇跡というべきか、物凄くストレスのたまる試合であったことはランニングスコアを眺めながら伝わってきました。

 というわけでTBSは急遽番組を差し替えて録画特番、

 

 話変わってセンバツですが、長崎勢はここのところ存在感ありますね。必ず爪痕を残していきます。その礎を作った吉田さん自体は山梨に移ってここのところパッとしなかったのですが、今大会はもしかするとやってくれるかもしれません。

 それと昨日の大阪桐蔭や、今日の長崎日大を観ていて感じたのですが、三年生を使ってくれることには感謝したい。ヒール校が少ないのでそうなるだけかもしれませんが、良いことだと思います。それと地方も強くなったとつくづく感じる。これも良いこと ♪

 ところで今、仙台育英の試合を眺めながら書いています。縺れる相手ではないと思うのですが、昨日の大阪桐蔭といい、大会の主役だというのにどうも重苦しい流れになる。初戦だからなのかもしれませんが、これも縮小する地域差とも相まり、この春以降の傾向となるのか? 名勝負が繰り広げられる舞台は整ったのか?! 頑張れ新三年生、意地を見せろ、最期の春だ!!

 さてさて昨日は社を外して、今日も長崎日大を・・・・。ホンマ予想は当たらん。

 がっ、懲りずに明日の予想をば。彦根専大、菅生でお願いします。

第95回センバツ 三日目

 智辯和歌山がまた初戦で敗れました。波乱ですね。

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 二期連続の初戦敗退。これでますます高嶋復帰に現実味が帯び始めたように思います。そういえば去年の夏も同じようなこと書きました、ええ。

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 西谷さんに歴代最多勝利の座を奪われるのは時間の問題だけにね。ご隠居気取りですが、実は内心穏やかではないはず。

 まずは高嶋の取り巻きが騒いで火を点けて、最初は大人の対応をするのでしょうが、やがて・・・・。嫌な予感しかしませんな。

 

 智辯和と英明の対戦は開幕前に一応ベストバウト候補に挙げてはいましたが、なんとも重苦しい試合になったようですね。勝ち越し点はホームに滑り込んだ走者に当たった間に入るわ、捕手からの牽制球が投手の肘を直撃するわ、アクシデントが英明の勝利を手繰り寄せたり離したり。両チームの関係者にとって実に胃の痛い一戦だったと思います。お疲れさまでした。

 ここまでの六試合、一番面白かったのはこの試合で間違いないとは思いますが、こういうバタバタした展開ではなく、締まった試合を観たいものです。

 というわけで本日の予想。社、広陵大阪桐蔭でお願いします。今大会の主役の登場ですな。楽しみにしましょう!

第95回センバツ 二日目

 待ちに待った春の甲子園が遂に始まりましたが、ちょっと拍子抜けでしたね・・・・。

 

 まず関西は未明から雨が結構降って、延期かな、でも阪神園芸がいるから、って感じで雨音を聴きながら寝ました。結果、開会式から時間をずらして決行。とはいうものの、朝からひんやりしていたので、客の入りが心配になりました。案の定スタンドはガラガラ。文字通り水を差されました。

 開幕戦も東北がいきなり塁上でペッパーミル・パフォーマンス。しかも相手エラーの出塁でそれをやったので流石にお咎め。それはあかんだろ・・・・。

 実際、ベンチは一気にお通夜モード。あ~っと思いましたが時すでに遅し。ってまだ初回やけどさ、試合中の時間ってあっという間なので、立て直せないままゲームセットって感じでした。

 ただこの一勝、吉田監督にとっては大きかった。去年の春は山梨学院を優勝候補に挙げるぐらい評価していたのですが不発。夏も初戦敗退。あの面子で結局甲子園で一勝もできなかっただけにね。

 この大会の主役になってやるぐらいの決意で次戦以降もお願いしたいものです。

 二試合目は友広に尽きます。投打にブレーキの挙句、途中交代。神宮の方が良かった。投げ込み不足らしく冬の追い込みが甘かったか。夏には150㌔目指すらしいですが、ここからは実戦が途切れなく続くので、疲弊することはあっても球速が劇的に伸びるかといえばそれは難しい。無茶苦茶期待していただけに残念でなりません・・・・。

 ということで外れると評判の本日の予想。

 東邦、作新、智辯和歌山

 まぁ、今日は当たるでしょ。外れて欲しいぐらいですわ、ええ。

第95回センバツ 展望

 今日から待望の第95回選抜大会が始まります。桜の蕾同様期待も膨らみます!

 

 これほどまで選抜が待ち遠しかったのは何年振りでしょうか。WBCの喧騒をよそに、私は高校野球に引き籠る所存です。何が楽しみって、まずはヒール校が少ない。たったの一校、智辯和歌山のみ。清々しい大会になりそう。

 更に申し上げるなら、久方ぶりに名勝負が繰り広げられる、そんな予感がするのです。

 

 というわけで、大会が始まる前に、滑り込みで展望などを記しておきたいと思います。

 まぁ本命の大阪桐蔭、対抗には仙台育英広陵というのが一般的な見方。そこに異論を唱えるつもりはありません。あくまでこの三チームが軸ですが、脇役も充実しているだけに、予想も弾みますな。

 ではまずベスト8。左の山から順に、

 智辯和歌山、東北、履正社広陵大阪桐蔭沖縄尚学、報徳、仙台育英

 関東・東京勢は去年総崩れでした。コロナ禍による自宅待機で部活自粛中、一番遊んでしまったのがここの選手たち。誘惑の質も量も他の地方とは違うだけに仕方なし。

 一度緩んでしまった体制を立て直すには時間が必要。つまり一過性のものではないので全消し。それと東北は今年もやる、しかも春から、そう感じる。

 次にベストバウト候補を、日程順に、

・東北 vs 山梨学院 初日第一試合

・英明 vs 智辯和歌山 二日目第三試合

龍谷大平安 vs 長崎日大 四日目第二試合

健大高崎 vs 報徳 六日目第一試合

 

 続いて今年の有力ドラフト候補。投手から私的評価順に、

・盛田(報徳)

・友広(北陸)

・前田(大阪桐蔭

・仁田(仙台育英

・高橋(仙台育英

・平野(専大松戸

・宮國(東邦)

・寿賀(英明)

 投手のレベルが去年と段違いに高い。そしてガタイも良い。

 逆に打者は真鍋(広陵以外は現時点では候補には推せないっすね。素材としては小川(大阪桐蔭岳原(山梨学院)ぐらいか。正直、今の段階では判らない、というのが本音。

 でっ、優勝は文句なく仙台育英

 高橋、仁田、湯田、田中の継投から、二点取るのは至難の業。打線は弱いと言われがちですが、どこを切っても1番、2番、6番という並びが出てくるって感じで、しぶとく三点以上は稼ぐ。対戦相手が近畿勢であろうと負けるイメージがわかない。ってことで夏春連覇、宮城のみなさんおめでとうございます!

 では恒例の本日の対戦予想ですが、東北北陸沖縄でお願いします。ハンディを切りたいところですが、どうせ途中で面倒になってやめるので、最初からしません。ご了承願います。

   

 最後になりますが、冒頭で思わせぶりに ”久方ぶりに名勝負が繰り広げられる” と書きました。その根拠はというと、王者大阪桐蔭の西谷監督にあります。どうも一昨年あたりから、原点に立ち返り三年生中心のチーム作りをし、同じ技量なら上級生を使うようになった、そう感じるからです。

 去年、打撃面で穴となっていたショートに、鈴木、工藤を起用し続けました。新チーム以降のことを考えると、素材で二人を凌駕する小川を使いながら育てるという選択肢もあったはず。しかしそれをしなかった。あえて二人に拘ったように映った。そして迎えた準々決勝、結果的に工藤の三重殺で春夏連覇は途絶えた。

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 直後の守備、私はてっきり小川がショートに入るのだろうと思った。しかし西谷さんは工藤を使い続けました。あの場面、果たして木内や高嶋、前田に馬淵ならどうだったか・・・・? 嫌な言葉ですが懲罰交代となったことでしょう。

 最期まで三年生と心中する覚悟なんだ、そう感じ入ったし、勝ち負けを越えて良い光景を見せてもらえたとも思った。勝利の女神が何故西谷さんにばかり微笑み続けるのか、理解できたような気がしました。

 もう二年以上前になりますが、春夏の甲子園からドラマが消えた、そんな風に嘆いたことがあります。そこでこうも書きました。

 「我々高校野球を観る側の心に響く、奇跡や名勝負と語り継がれる多くのドラマが、最期の夏という三年生だけが持つ情熱や意地を源泉としている」

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 三年生だけが持つ情熱や意地は、監督が三年生と最期まで戦うという意志を示さない限り芽生えません。

 西谷さんの覚悟と、大阪桐蔭の戦いぶりに期待します!

当世大学野球リクルート事情

 世間の話題はWBCというか、大谷一色って感じですね。やることなすこと、それらすべてがほぼ無条件で好意的に受け止められ赦されます。たとえばペッパーミルパフォーマンス、居酒屋やファミレスなどのテーブル上にそれは据え置かれていますから、時節柄、酔客やYoutuberの格好の餌食になりそうなものですが、誰もそんなこと言いません。もしそこに触れれば途端、野暮なこと言うなよ、そう煙たがられそうです。

 大谷という鏡に映り込んだものは、それが例え胡散臭いものであっても絢爛な景色に変わるのでしょう。まさに万華鏡の如し。行くところまで行ってくれ大谷。今の君にリミッターは存在しない!

 列島は野球一色で、オタとしては満足ですが、好事魔多し。怪我人も多く出そうですね。

 それと、準々決勝であっさり負けそうな気もするのですよね・・・・。

 縁起でもないので、WBCについてここで扱うのはやめときますわ。野球で盛り上がって頂ければそれで良いです、ええ。

<本日の空が好き>

森下と伊藤の共通点とは?

 先月、森下ウォッチャーを卒業するとして、これからは伊藤櫂人を見守る、そう宣言しました。今更ながらに思うのですが、実は森下と伊藤には少なからぬ共通点があります。東西の違いはあれ全国制覇常連校出身で、同じ右打者。そして中央大に在籍していた、もしくは在籍することになるという点も同じ。高校時代の森下はプ口志望届を出していれば中位~下位での指名があると噂されたスラッガー。伊藤は言うまでもなく昨年のU18代表と、実力は二人ともが折り紙付き。

 どうでもいい話ですが私のウォッチの対象である、というのも共通点かな、ええ。でっ、更に突っ込んで言えば、もうーつ共通点があるのです。それは何か? 実は二人とも東京六大学落ちであるという点なのです。

 ここで二人の名誉のために申し上げておきますが、野球の実力や学力に問題があったわけではありません。今日日、スポーツ推薦で厳密に学力試験があるところは慶應だけ。早稲田ですら、面接の場で大隈重信さえ言えれば合格可能であることは、稲垣がバラしています。

 偏差値の高めの伝統校と言えども、面接と小論文だけで、少しばかり勉強ではなく、それに向けた対策を講じていれば合格できる。

 ではなぜニ人は落ちたのか・・・・?

 ここから先は確たるソースがあるわけではなく、人づてに聞いた話をまとめるだけなので、いつもの妄想と言われても仕方ありません。なので興味のある方だけ読んでくださいな。

森下翔太の場合

 森下が夏の県予選敗退後、プロ入りするか迷った、というのは以前書きました。結局進学に舵を切るのですが、系列の東海大には早々に断りをいれていたようです。そして夏の終わりに中学時代のチームメイトに誘われたこともあって、法政大のセレクションを受験している。そしてあろうことかそこで撥ねられるという憂き目に遭ったようなのです。

 俄かに信じられないのですが、その真相はというと、どうも同じ神奈川県の某有力校の監督から法大に連絡があり、”東海大相模の選手を合格させるのなら、今後、うちから選手は送らないからな!”、みたいな脅しを入れられたそうで・・・・。

 普通考えれば、法大ともあろう伝統校が、それを受け入れるとは思えません。法大はその草創期から日本プロ野球を支え続けた名門中の名門。今なお高校球児の憧れの対象でもある、たぶん。数多の大物卒業生も全国に散らばっている。甲子園の常連校の一つや二つ失ったところでどうにでもなる・・・・。ところが最近そうでもないらしい。

 というのはこれ、

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 現在法大では山本浩ニや山中氏、稲葉などが束ねる主流派と、学長が率いる非主流派との間で血みどろの抗争が繰り広げられているのだという。今のところ非主流派が暫定的に野球部を治めることに成功しているようだ。そのため、全国津々浦々、網の目のように張り巡らされた主流派のネットワークは機能していない。開店休業状態。

 そこで非主流派は自ら有力校に挨拶回りまでしてパイプの再構築に努めている、その真っ最中。そこを横浜の前某監督が突いたようだ。つまり法大のお家事情を察知し足元を見て、先の行為に及んだのだろう。

 結局、法大はその脅しに屈し、泣く泣く森下を切った、といったところではないか。また、ほぼリクルートについては夏前には終わっていたようで、最後の一枠、二枠という段階であったとも聞く。東海大相模と法大のパイプがもともと存在していなかった点も、森下にとってマイナスに働いたようだ。

伊藤櫂人の場合

 伊藤が立教進学予定であることは雑誌「ホームラン」に秋の段階で掲載されている。ただ誤植の多いことで有名なので注意が必要ではあるが、伊藤にとって尊敬する選手は現在も立教OBの山田健太であることから、恐らくその情報に誤りはなかったと思う。

 では、なぜU18代表である伊藤のその希望は叶わなかったのか・・・・。

 背景は日程ではないか。試験日が何と国体の決勝の翌日であったのだ。そもそも夏の甲子園ベスト8敗退後の伊藤のスケジュールは超ハードであった。

 まずは高校生だし、一週間ぐらいは親元に戻ってゆっくりしたであろう。束の間の夏休みを楽しんだとも思う。9月に入ったら受験対策を頑張ろう、そんな心づもりだったのではないか。

 しかしU18に選ばれる彼の才能がそれを許さない。召集が掛かり合宿に合流。そこでそれなりに練習に明け暮れ、関東で大学生相手に練習試合や壮行試合をこなしてフロリダへ飛び、またまた練習~本番~銅メダル獲得を経て帰国。一週間の休みを挟んでそこから国体に向けて再び練習を再開、栃木に移動、試合、決勝進出で優勝、そしてその翌日が立教のアスリート入試当日。

 まさに転戦に次ぐ転戦、その果ての受験。たぶん、府の予選から甲子園での日々よりも忙しかったのではないか。そして伊藤はその中で、戦意喪失に陥ったのではなかろうか・・・・。

 実際、伊藤がSNSで受験モード突入の情報を発信したのは10月下旬。とうの昔に立教の入試は終わっている。11月上旬の発表を目前に控えて、一体何が起こったのか、そうファンをヤキモキさせたわけであるが、結局、立教の推薦入試合格者の中に伊藤の名はなかった。

 正直言えば、あの過酷なスケジュールの中で本当に受験したのかも怪しい、そんな気すらする。いくら何でも、立教とはいえU18の選手を落とすとは思えないしね。これからのリクに禍根を残すようなことは、普通したくはないだろう。

 実はその目まぐるしい日程の裏、U18の合宿中、伊藤は聖光学院の安田と意気投合し、何かとつるんでいる姿が目撃されている。

 実際、国体の決勝戦の直後がこれ、

 早くから中大志望を表明していた安田が、U18の大会を通じて伊藤に、 ”悩んでいるのなら一緒に中大で野球をやろうぜ!” そう口説いていても不思議ではない。

 結局伊藤は安田と示し合わせたように中大に進学することとなる。

 妄想はここまでとします。森下にしても伊藤にしても、真相はやぶの中。これ以上突いても何も出てきますまい。自らが選び進み行く野球道を、悔いのないよう極めてもらいましょう!

 しかしここで一つ疑問が浮かび上がる。なぜ中大は彼ら二人の受け皿足りえたのか。また他の大学では不可能だったのか・・・・?

有力アスリートを乗せる最終列車!?

 その答えであるが、どうやら中大のスポーツ推薦の日程なのではと思われる。願書の締め切りが11月上旬で、試験が12月の上旬。発表が12月中旬。このスケジュールなら、立教だけではなく、他の東京六大学(東大を除く)の推薦に諸般の事情で落ちてしまった選手のセーフティネットとなりえるだろう。

 私も不勉強であったが、中大の願書締め切りが11月まで繰り下がっていたのを今回初めて知った。定点チェックしていた十年前ごろは、確か10月の上旬だったと記憶している。試験日と合否発表は当時から今のままであるのだが・・・・。

 実は3年前、浦和学院の美又がプロ志望届を提出し、東京ドームで行われたトライアウトを受けたが指名に至らず、しれっと中大のスポーツ推薦に合格しており違和感を感じた。そもそも美又の志望届自体にも違和感はあったが、普通中大クラスの大学は、プロとの両天秤を極端に嫌がるもの。しかし現行のスケジュールであれば、 ドラフトが10月下旬で、スポーツ推薦願書締め切りがその二週間後となれば、しかも試験がその一月先ならば十分に間に合う。

 では、今後もドラフト指名洩れ選手を中大は狙うのだろうか?

 恐らくそれはないだろう。美又のケースは森士監督と清水監督という上尾高校同期の絆が成しえたものだと解釈する。つまり特例中の特例なのだ。

 しかして、中大のスポーツ推薦日程の変更は、今後良い影響を生むのではないか。野球ではないが、今年の正月の箱根駅伝で中大は2位へと躍進を遂げ、早速結果が出たようだ。きっと陸上部のリクルートの質も急激に上がったのだろう、知らんけど。

 中大が踏み出したこの流れ、倣う大学が表れるのだろうか? 恐らくあると思う。これから有力アスリートたちにとっての最終便争いがきっと始まる。たとえば先の法大あたりは、今の出願締め切りを二週間後ろにずらせば中大の背後に回り、高校球児たちの最後の駆け込み寺となれるからだ。

 しかし、そうそう後ろにずらされるのは困るという問題もある。森下の法大セレクションの際に触れたが、多くの大学が、実は春の段階で内々ではあるが一通りリクルートを終えている、という事情がある。それは佐藤輝が高校時代、夏の予選前に何校も推薦を打診し、セレクションを受けたが落ち続けたという話からも裏付けられる。

 まぁ、仁川学院がどこの大学ともパイプがなかったことも大きかったのだろう。父親が准教授をしている関西学院であってもダメであったそうだし。そしてラストチャンスと受けた近大で、田中監督が見出したというのは阪神ファンの間では有名。しかもその段階で枠は全部埋まっていたので、短期大学学部に二年後の転部を前提にねじ込んだ、というのはもはや伝説。

 大学にとってリクルートは先手必勝! なので勝負は春の甲子園まで。そこで光った選手に声を掛け、我先にと枠を埋めていく。それをしなければ他校の後れを取るだけ、というわけだ。 逆に言えばそれをするからこそ、将来を見据えた部の運営ができるのかもしれない。

 この動きが主流であるだけに、中大が願書の受け付けを11月まで引っ張ったのは、その力ウンターとして意義があったのだろう。今後、六大学という括りでではなく、早慶MARCH、 関関同立といういわゆるブランド大学が、どんな入試戦略を打ち出すのか、興味深くウォッチしていく所存である。特に各大学の推薦入試の日程に注目していきたい。

中央大学野球部に物申す!

 ここで今回話題にした中央大学野球部について綾をつけたい。去年だったか、牧を一位でプロに送り込めなかったのは中大の清水監督の責任、っていうような話を書いた(どこで書いたかもうわからん)。今でも、もし大学時代牧に三塁を守らせていればー位、それも競合もあったように思う。

 選手を育成し、チームを勝たせるのが監督の仕事であるが、選手を光らせるのも仕事のーつ。アマチュアであっても大学ならそれはありだ。選手は皆、高いハードルをクリアした選ばれし者たちばかりなのだから。

 その記事の中で、中大の野球部の野手には将来プロ入りを見込める選手が結構な数いる、そんな風にも書いた。当時森下や北村が在籍していたたからであるが、実は二人以外にもいる。ここまでまったくドラフト候補に登ってはいないようだが、4年になる髙橋の名を挙げたい。個人的に右の長距離砲として可能性を感じている。特にドラフト直前に来て評価が急激に上がるのではなかろうか。

 もし私が中大の監督なら、この髙橋には捕手をやらせ続けたと思う。しかし去年の春にマスクを被って失敗し、その轍は踏みたくないのか現在外野手に挑戦させているようだ。しかしそれでは彼は光らない。チーム内に抜けている捕手がいるのであれば話は別だが、そんな選手は見当たらないだけに残念でならない。もう少しスカウト目線を意識して欲しいのだ。

 スカウトの仕事は大きく分けると二つ。一つは人材発掘。もうーつは素人に毛の生えた程度の編成を相手にするプレゼンである。

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 もし髙橋に付加価値として捕手の可能性があることを示唆できれば、スカウトは俄然動きやすくなる。リストに上がるかもしれないし、順位にも変化が出るかもしれない。清水監督にはそのあたりまで考慮して欲しい。中大にきつく当たるようだが、それは期待の裏返しでもある。

 現在、NPBにとって最も人材の供給源となっているのは明治大である。去年で13年連続してドラフト指名選手を輩出し続け、9年の早稲田を軽く上回っている。かっては法大がそこに君臨していたが、先の内紛もあって、現在その座を明治に譲って久しい。というか、法大が凹んだ分明大が浮き上がったイメージ。敵失に恵まれたとはいえ、この13年間NPBに果たした役割は見事の一語に尽きる。恐らく今年の上田、来年の宗山の指名も確実で、まだまだ記録を伸ばしそうだ。

 その内訳はドラフト1位の7人を含めて都合19人。またバランス的にも投手9名に野手10名と良い。高校球児から明大は、その知名度と難易度、推薦枠、そして育成力などを加味し総合的なパフォーマンスといった点で一番人気となっているのだろう。

 しかし、である。野手の顔ぶれを眺めると、そこに偏りを感じてしまう。左打者7人に対して右は3人だけ。上本、岡、坂本、実に微妙である。全国の逸材たちが我こそはとその門を叩く明大であってさえも、右打者という点では出口において苦しんでいる、そう言えないか?

 ドラフトオタとして一言挟むなら、ここ三年ほどで右の強打者に対する需要が急激に騰がった。裏を返せば、それだけ希少ということなのだろう。つまり育成が困難なのだ。明大が送り出した右打者で、順位的に最も高かったのが2位の坂本であることからもそれが伺える。

 ここで再び中央大に話を戻す。実は中大は、この三年間で四人の右打者をプ口に送り込んでいる。1位、2位、3位、5位にそれぞれ一名ずつ。繰り返すが明大ですら13年間で三人。中大のこの数字をどう見れば良いのか、実に興味深い。

 すわっ、中大には右打者を育て上げるメソッドがあるに違いない、そう色めき立つつもりはない。あればもっと強くなっている。二年に一度は入れ替え戦に回るようなこともない。清水さんがこの三十年間実質的にはメインの指導者であり続けたことが、皮肉にも何よりそれがないことを物語っている。

 しかし、である。きっとこれは言える。無名の牧があそこまで成長した、その足跡は残っている、と。たとえば二年の秋までにベンチプレスで、またスクワットで何㌔上げた。飲んでいたプロテインはどこのメー力一で、バットの重さは何グラム、グリップの形状は、はたまた速い球だけではなく遅い球を引き付けて振り切る練習を重ねていた・・・・などなど。これらはすべて中大野球部において間違いなく財産だろう。

 森下は牧と出会うという僥倖に恵まれ、それを踏襲したからこそドラ1まで成長したと言えないか。伊藤にとっても、今の中大なら右打者にー番良い環境が備わっていると言える。二人とも第一志望は叶わなかったかもしれないが、運が良かった、そう思うべきだろう。

 最後に大阪桐蔭との関係性についても触れておきたい。

 以前書いたが、この春の三年からリクルートが大人しくなっている。といっても圧倒的な全国一から、普通の全国一にランクダウンしたぐらいか。なので恐らく選抜もベスト8までは間違いないだろう。

 しかし、去年のドラフト結果を受けて、前田は除くとして、恐らく今後直プロには慎重になると思われる。プロ入りが可能な選手にも、西谷さんは進学を薦めるのではなかろうか。仮にそうであれば、大学球界にとって朗報である。ぜひうちにと、早稲田や慶應でさえ舌なめずりしていることであろう。差し当たって今年の小川や来年の境などは、今の段階で壮絶な闘いが繰り広げられているに違いない。

 もし中大がその土俵に上りたければ、伊藤を育て上げることだ。それも少しでも早く。具体的に言えばこの春のリーグ戦で必ず使い、そして結果が出るようにしなければならない! そこに言を俟たない。

 まじで伊藤を頼みますよ清水さん!

球春到来 若手投手定点Check

 前回の続きというわけで、今回はキャンプを通じて目を引いた各球団の期待の若手投手編。ですが、その前にこれ、

 まぁ、この時期になると恒例なのですが、今年も酷いな、週ベの選手名鑑の表紙の選手の選び方・・・・。

 これを本屋やコンビニで見て、手に取ってそのままレジに進もうとする野球ファンがどれだけいるのかね? 百歩譲るとして、ヤクルトとロッテのファンは納得して買うかな。文字通りの大黒柱であり、まだ二十代前半。前途洋々、小さく肯きながら鼻が高いわ、そんな感じか。しかし後は総崩れでっせ。そもそも何を基準に選んだのかが良くわからん。

 まずは村上佐々木と来たということは、まさにこれから始まろうというWBCの侍達で行く流れかと。確かに楽天松井だし、巨人は大勢、なるほどそう来たかと思うじゃない。ところが日ハムは伊藤じゃなくて松本、横浜は牧じゃなくて佐野阪神に至っては青柳・・・・。青柳がチームの顔か? なんか負い目を感じるぞ、阪神ファンとして。巨人が大勢なんだから湯浅で良いだろ。表紙も映えるし。

 でも青柳は二年連続最多勝、ってことで納得しましょう。手を打ちますよ、13しか勝ってないけどさ。となると中日が岡林というのも、最多安打というタイトルが免罪符になるというわけか? そういえば松本も佐野もタイトルホルダーやな。しかし岡林の出塁率って三割二分台ですぜ・・・・。正直、岡林でいくのなら根尾でいいとすら思う。

 ここまでで十分に酷いが、恐らく今回一番納得いかないのは広島だろ。秋山って・・・・。正直喧嘩売ってるとしか思えん。恐らくSBやオリックスのファンも同様に複雑でしょうね。だって近藤。チームとしては実績ゼロの選手に、まさに庇を貸して何とやら。西武が水上であることを、むしろ清々しく受け止めましたとさ。

<本日の母屋を取られる> 

オリックス

・山下(20ドラ1)

 高校時代とは一変。悔しいが檻の育成能力を評価しなければならんのでしょうな。テークバックで左腰に手を回すぐらい背中に入って、そこから担いで投げていましたが、今流行りのショートアームに変えて、球速が10㌔近くUPとは・・・・。しかも売りだったドロップはほぼ捨てて、今や決め球は140㌔台のフォーク。お見事です。

 よく個性的なフォームはいじらない方が良い、というのがありますが、言うべきことは言う、直すべきところは直す、檻のコーチ陣にはそれができるのでしょう。山本由を育て上げた自信が漲ってますわ。恐らく理想的な投球フォーム像がしっかりとしていて、それが複数あって、それぞれの投手に当てはめて求めていくのだと思う。齋藤や日高も頼むわ、しっかし悔しい!

・曾谷(22ドラ1)

 柔らかいフォームから浮き上がるようなストレートは150㌔。ただ上体が高く、ボールも高めに抜けがち。素材の良さには疑いはなく、じっくり二軍で寝かした方が本人のためであり、これからのチームのため。

阪神

・森木(21ドラ1)

 高校時代からどうもしっくりこないと評価してきませんでした。去年、投球フォームを何度もチェックし、ようやく結論に至った。森木は腰の回転が横なので、腕の位置を上げれば上げるほどおかしくなる。スピード自体は出るのですが、一軍で通じるストレートではない。

 高校時代から何度も上げたり下げたりを繰り返し、今また上げていますが、このままでは怪我をするか旅に出るか、どちらかでしょ。

 故藤田元司氏が生きていれば、きっと ”君は横から投げた方が良い!” って言われる物件。じゃぁ森木もそうすればいいかといえばそうじゃない。今のNPBサイドスローが生きていける時代ではない。落ちるボールをほぼ捨てることになりますから。じゃぁどうすればってところですが、答えは巨人の菅野にあります。今月中に詳しく書きます!

 

・及川(19ドラ3)

 こちらは迷わず腕というか、肘を上げた方が良い。フォークをものにできれば虎のエースは君だっ!

巨人

・石田(21ドラ3)

 このままいけば、再来年には二桁勝てる。見た目以上に強気の性格も買う!

広島

・森(21ドラ2)

 お元気ですか? 期待しています・・・・。

横浜

・小園(21ドラ1)

 横浜ファンは不満があると思いますが順調。直すところはない。身体を作って経験を積めば、夏には出てくる。

北海道

・達(21ドラ1)

 信じているよ(わらし風)。

楽天

・荘司(22ドラ1)

 シート打撃とオープン戦を二試合ほど観ましたが、やはり勝ちきれない投手の特徴をそこかしこに感じる。制球が甘い。自慢の速球ではなく緩急を使いたがる。しかし変化球では腕が緩む。まぁ素材で獲ったと思えば特に問題はないが、一位競合には疑問。夏まで下で育成で良いと思います。

・小孫(22ドラ2)

 ストレートで空振りが取れないのはどうなのか・・・・

ロッテ

・菊池(22ドラ1)

 大丈夫かな・・・・。新人王だぞ、新人王(小声)

その他虎関係

 大竹が打たれてホッとしている阪神ファンも多いのではないでしょうか。あのままローテ確定とか言われたら、GWまでに四敗ぐらい覚悟ですわ。そこまでに涙の一勝があれば、梅雨までチャンスが与えられ続けます。

 決して投手陣が潤沢ではないSBが投げた投手であることをお忘れなく。そんな甘い世界ではない。二保にもチャンス与え過ぎやろ・・・・。

 それと土曜の甲子園の入りが気になりましたね。1万7千ほど。横浜、福岡で二万越えというのに。しかも相手は檻。在阪の二球団でこの入りは寂しいかな。

 まだ春先、こんなもんちゃぁこんなもんなのだけど、実は去年、観客動員を巡って ”変” だなと思ったことがありました。阪神は開幕から負け続けたというのに、それでも客は入った。シーズン通じて首位との差は一向に縮まる気配もなかったのに、終盤まで客は入り続けた。

 どんでんは今年、開幕ダッシュなんて考えてない、そう宣ったそうですが、営業サイドから言わせてもらえれば、それは絶対に必要。開幕十試合、そこで走るのと走らないのでは、GW以降の客足がまったく違うのです。特にライト層は ”今” を見ているわけではない。最新の順位表にも興味はない。見ているのは残像なのですよ。

 しかし去年は、開幕9連敗があったというのに、そのロジックが通じなかった。それで ”変” だと思ったわけ。でっ、聞くところによると、矢野最後の晴れ姿を飾ってやれと、S学会に大号令が掛かったそうな。特に法人関係が凄く、ノルマも厳しかったとか。野球の応援にノルマってなんやねん! つまり去年の動員はドーピングってやつ。

 でっ、何が言いたいかというと、今年、めでたく矢野は去り、G会員がせっせと甲子園に通うことはありません。それが証拠というわけではないが、チケットも開幕戦しか売れてないそうです。

 まぁ、いつもの阪神に戻ったというわけ、春先のスタンドは寂しくなるかもしれませんが、森下に井上で盛り上がれば何とかなるでしょ。めでたしめでたし♫