Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

野球三昧の一日半

 昨日の昼、3回目のワクチンを受けました。会社は午後休いただいて、今週は土曜出勤なので今日は終日振休。

 おかげで昨日、病院から家に帰って、以降は野球三昧。阪神のファームの試合に始まって、夕方からは1軍の試合を梯子。そして今朝は東都野球を観て、昼から阪神、巨人のそれぞれのファームの試合、そして夜は1軍のリピート。たぶんリタイア後はこんな感じなのでしょうか・・・・? 少し怖くなりますな。肝心の体調はといえばかなり悪いです。腰から下の関節が痛みます。ロキソニン飲んだので熱は下がっているようですが。

 

 もうあまり書きたくはないが触れんわけにはいかんだろ、ってことでどうなんだ矢野阪神・・・・。昨日も糸原が打ってチームは負けるという、心ある阪神ファンには耐えられない展開。

 今更この期に及んでさえも糸原をセカンドに戻すその所業、まさに ”奇行” という言葉がピッタリ。糸原に頼るんじゃなくて、見切る時だぞ。二割ない打者にこれでもかってチャンスを与えれば、そりゃそのうち打つようになります。問題はそれで気が済むのは本人とあんただけでしょってところ。

 これもここで二年前から何度も書いたが、去年の秋、まさに優勝争いの渦中で糸原が脚を引っ張ったことで既に証明されたように、Aクラスの野球、まして優勝するチームでは通用しません。つまり奴はBクラスでしか機能しないというのに・・・・。

 一体スタメンセカンド糸原からどれだけのリターンを見込んでいるのか? そりゃこの先糸原が勝利に貢献した試合も少なからず出てくるでしょうよ。まさかその積み重ねが借金を返済し貯金に至るとでも・・・・?

 個人の成績で言えば、今年これからフルで使い倒せば最終的には2割7分ぐらいまでは戻んすんじゃないっすか。なんせ最下位の勝率を塗り替えるぐらいの球史に残る糞チームですから、自分の出来ることだけに徹すればいい。要はそれでええんかってところ。まぁええんやろな、それで。

 キャンプの最初の頃、今年の阪神は12球団一雰囲気の悪いチームと書いたかな、

tilleternity.hatenablog.jp

 まるで余命を宣告された身内のいる家族のようなチームとも書いたか。今はそんなもんじゃない。来年の春に定年を迎える所属長の仕切る組織って感じか・・・・。つまり彼は無敵です! この一年、好きなようにやって辞めるんじゃないっすか。フロントよ、今こそ仕事しろっ! まだ間に合う、早く矢野の首を獲れっ! 

 というわけで、贔屓チームが未曽有の低迷に苦しんでいますが、野球に対する情熱は決して衰えません、我ながら。平素からできれば優勝、そんな思いで観ていませんから、ええ。勝敗や試合経過ではなく、気になる選手を中心に眺めているって感じかな。

 ではでは早速、以前ここで取り上げた気になる選手について

 森木(阪神

 やっぱりな、って感じか。このままでは危惧していた通りヤクルトの梅野二世一直線。腕も少し上げて球は確かに速いがそれだけ。縦スラなのかカーブなのか、唯一使える変化球があるにはあるが、どうもフォームでバレてる臭い。西純といい悩ましい。まぁ馬場よりマシか。成長を見守ります。

 井上(阪神

 日によって構えを変えていることからも、悩みは深そう。実は去年の今頃もこんな感じだった。結局、夏前から爆発してファームの打点王。しかしそこから腓骨骨折・・・・。この子の場合、とにかく怪我せず、頑丈な体作りをしてくれればそれでいいと思っている。どんどん悩め。

 遠藤(阪神

 この子についてはキャンプ直後ぐらいに書いた。

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 ヘッドが下がっていることに気づいてくれたのか、バットを一握り余すようになった。結果ヘッドは落ちなくなった。昨日今日で5安打。二年前の春の振ればヒットという状態に戻りつつある。左投手に対しても右肩が開かないのは三年の夏の段階で判ってたので、後は落ちる球、特にフォークへの対応と、右投手のインコースに飛び込んでくるストレートをどう巻き込んで打てるようになるかだろう。後者については体の回転は理想的なので何とかなると思う。フォークは判らん。

 佐藤蓮(阪神

 順調。ストレートが荒れだして、置きに行ったストレートを合わされ5回2失点。チームはここからどう転んでも今期は最下位。メンタルが豆腐な斎藤にムキになってチャンスを与えるぐらいなら、こっちを一軍に上げた方がいいのではないか。共にメンタルは弱いが、こっちは一応硝子ぐらいの強さはある。

 特にあのパワーカーブは打者にとって邪魔。140キロ台のフォークも悪くない、というか良い。采配や人選って敵の嫌がるところから逆算してやるもんだろ。少なくともあんたの好き嫌いではなくてさぁ・・・・・。加冶屋を二軍に叩き落すのも見切り早過ぎやろ。

 阪神のファームの試合を眺めていて面白かったのは、調子を落として二軍に落ちた矢野軍団の番頭格の木浪と若頭の小野寺、まったく使われる気配がありません(小野寺選手は速攻で一軍登録されていました)。これをどう読めばいいのか? あえて言えば、矢野休養で代行の噂がチラつき出し、平田に変な色気と強気が出始めた、そんなところか。

 矢野は調子を崩して二軍行きを命じただけで、きっかけを掴めばすぐにでも上げるつもり。しかし平田にしてみれば、二軍には手塩にかけて育てるべき強化選手がいる以上、二人にじゃぁどうぞスタメンを、というわけにはいきません、そういうこと。確かに理屈は通るが、この動きこれまでにはなかった。

 ただサラリーマンの平田には監督は無理やで。ここぞとばかりに島岡御大直伝の明治閥を作りそうで怖い。筒井にカツノリ、平塚、ゲッ、糸原も明治じゃん・・・・・。嗚呼、阪神ファンの悩みは尽きない!

 次に阪神以外で面白いな、そう思った選手。

 森(広島)

 もう十分に五番目ぐらいでローテ回せます。特に直すところはない。 

二俣(広島)

 ドラフトオタにとって、この子は磐田東の二俣ってことになる。雑誌「野球小僧」でお馴染みのネットスカウトの面々の高い評価を得ていた。ドラフト後、なぜ育成! と色めき立ったのを覚えている。彼等の評価の方が正しかったようだ。

 右投手のスライダーに対して、後ろ脚を引かずに残して反応できている。スローイングも抜群。5年後の四番サードは間違いない! カープファン悶絶の物件。

 秋広(巨人)

 低めのボールに手を出しがち。それ以外は順調。栄光のバックナンバー55も似合い始め、少しオーラも感じる。

 ファームの成績なんてどうでもええ。早く一軍で使ってくれ!

 

 野球オタをやっていて何が楽しいって、こういう育成や下位指名の選手が活躍すること。野球ファン冥利に尽きます。これからもアマチュア野球を観続けます。そして彼等がどこまで野球を続けてくれるのか、それを見守りたいと思います。

 

 次にアマ野球から。

 森下(中央大)

 ちょうど一年前、”やらかす奴” として取り上げた。

tilleternity.hatenablog.jp

 ですが巷の評価はイマイチですな・・・・。

thedigestweb.com

 そうですか、森下は圏外の15位だそうで、そうですかそうですか。

 まぁ一言いわせていただければ、確かに確実性もないし三振も多い。しかし、東都各チームの森下に対する攻めを観てると、評価は上がると思うのだけどな。昨日も今日も一つずつ死球をもらった以外にも、ビーンボールまがいの配給は日常茶飯事。一年の秋以降調子が上がってくると当たり前のようにそれをされるのですわ。

 三年前の松山マドンナ球場での対カープ二軍戦をバックネット裏で観た者としてはこのランキングに異を唱えたくなるのですが、まぁ我慢しましょうぞ。この秋、森下を二位以下で指名できたチーム、それが勝者です。

 もう一つ東都と二軍戦を観ていての収穫。それは中大の中前とカープの韮澤を同じ日に確認できたことか。高校時代、埼玉の双璧の遊撃手として注目していました。どっちが上かな、そう思いながら眺めてた。現時点ではプロに入った韮澤がやっぱり上かな。中前はサードを守らされてるしね。まぁ二人ともこれからです。共に歩んでいく軌跡を楽しみにします。

 朝に東都を観て、昼に二軍、そして夜に一軍を観ていて感じるのは主審のレベル。まず東都は無茶苦茶。ガナガバな上に一貫性もない。しかもワンサイドで一方のチームに偏ることもあって、東都の特に打者は何かと損をしています。牧が1位でプロ入りできなかった理由の一つは、相手投手だけではなく、主審とも戦わなければならなかったことがあるように思うな。その点東六の審判はさすがに安定している、お見事。

 次に二軍の主審も反応が甘い。考えながらジャッジしてる。もう少し何とかならんのかね。でっ、一軍はというとやっぱり凄いと感じさせますね。ぜひそういう所にも注目して各カテゴリーの野球を楽しんでみてください。

 では締めはこの投手。

 ダニエル(巨人)

 何が凄いってあの投げ方。静岡生まれでブラジル育ちの日系三世だそうですが、あのそっくり返った投げ方。MLBに多い投球フォームそのもの。血筋は外見を見る限り東洋人そのものなんですが、まったく下半身の柔らかさのない上半身のみの叩きつけるようなフォーム。やはり育った環境や指導者次第でああいう投げ方になるんだ、そう思うに至りましたわ。いやはや血も確かに濃いいが水もそれなりに濃いい、そう痛感した次第です、まいったまいった。

 

こないだ速報 22/ 4/16

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 新年度に入り、ようやく落ち着いてきました。ってことで更新再開させていただきます。本日は少し趣を変えて初めての日中更新です、よろしくお願いします。

 それにつけてもケッタ糞悪いことばかりですな。令和になって世の中良いように回り始めると思ったのですが・・・・、まぁ平成よりはマシかな。そう思って頑張ろう。

 そうそう、そういえば例の奴、また落ちたそうですね。まぁ、あの男のメンタルの前では、これぐらい些細な事なんでしょうけど。結婚で地位も名誉もこの手にした、ってことになってるようだし。まったく糞厚かましいにもほどかある。実際、ロイヤルキャッシングがある限り、死ぬまで贅沢はできますから・・・・。しっかし、あの男にこれ以上税金を溶かしたくはないですよね。たたでさえ円安で国の資産が目減りする一方というのに、いやマジで・・・・。

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 さてさてまさに今、阪神巨人戦を眺めながら書いているのですが、正直、今更勝敗なんてどうでもいいっすわ。もともと ”優勝しないかな ♫” 、なんて目線で応援してませんしね、ええ。今日もどうも勝ちそうですけど。やっとこさ ”Joker 糸原” を外して雰囲気良くなってるみたい。もうどうでもええんやけどさ。ただ、満更今の阪神に期待をしていないわけではないんです、ええ。 そろそろ矢野、辞めないかな、って。まぁ辞めませんけど。

 なんでここまでわしらの阪神を滅茶苦茶にしておいて、奴は辞めないのか・・・・? これにはいろいろとあるようです。普通の感覚の持ち主なら辞めます、間違いなく。球団も休養を促すでしょ。じゃあなんでそれをしない、もしくはできないのか・・・・?

 ここからはいつものように妄想になるのですが、まず矢野は4年前監督の打診があった時、結構渋った、というか勿体ぶった。

www.nikkansports.com

 矢野は創価学会信者の有名人のカテゴリーではほぼ最上位。久本あたりと同ランクでしょうから、監督打診の報を受けて、学会内部ではそこにいっちょ噛んだろって輩が多かったそうです。自分で言うのもなんですが、一応阪神は名門の超人気球団やからね。だから、相談に乗ったろか、とか、俺が間に立とうか、とか、そういうのが教団幹部クラスにワラワラいたんとちゃうかなぁ、知らんけど。

 逆に、アドバイスください、みたいに矢野から伝手を求めたことも十分考えられます。なので、最終的に監督受諾に至った際、学会側からそれなりのレベルの人間、おそらく阪神球団の親会社の裏側の事情にも精通したような、上層部にも物申せるような、そんなややこしいのが、後見人として裏には控えていたそうで。新監督実現の折には、「うちの矢野を三顧の礼で迎えるのだから、仮にチームが低迷しても石もて追うようなことはするなよ!」、そう釘を刺すぐらいのことはしたんじゃないですか・・・・。

 球史に残るほど矢野の采配が酷いというのに、球団からは ”最後までやってもらう”、みたいなコメントしか出てこない背景はそんなところか。

www.sanspo.com

 つまり阪神サイドからは矢野を斬れない、そういう契約なんじゃない、知らんけど。

 ですが、この極北の当ブログでは去年の秋から再三、矢野と井上は責任取れっ、そう言ってきました。

tilleternity.hatenablog.jp

 実際世間にもそういう声はゴロゴロ転がってましたよ、ええ。

 辞任を求める側の根拠は三つ、

 ① 優勝間違いなしからまさかの失速V逸

 ② 優勝のかかった最終戦、地元甲子園で惨敗、続くCSも宿敵巨人にこれまた甲子園で無抵抗で連敗

 ③ サイン盗みをやってた、しかもバレた

 こんな感じ。

 しかし、矢野擁護派は「去年12球団で最も多くの勝ち星を上げた監督を辞めさすなどとは何事か!」 というのが大方の言い分。

 確かに ① と ② についてはそれが通ると思う。つまり、優勝を逃したとはいえ勝率の差で2位やねんから立派なもんやろ、最後に甲子園で負け続けたけど、77も積み重ねた勝利の価値は色褪せへんわい、などというもの。

 まぁ確かにそうかもしれん。しかしなぁ、それで ③ についてもチャラにできますかっちゅう話ですわ。その77の勝利のうち、どれだけがサインを盗んでくすね取ったもんなんやと。あなた様たちはそれに対して言い返せますか、と。

 だから矢野や擁護派は頑として、”やってません!”、”サインなんか盗んでません!”、そう言い張るわけですわ。

 年も改まった、キャンプ前の監督会議でも今更ながらに蒸し返してまで潔白を主張する始末。

www.zakzak.co.jp

 つまりそこだけは絶対に譲れんのです。

 そのあたりはここでも書いたかな、

tilleternity.hatenablog.jp

 

 矢野っていうのは、いわゆる ”ええかっこしぃ” なんですわ。教師みたいに上から目線で選手を生徒に見立ててカッコええこと言ってたい、それだけ。

 だからサイン盗みの汚名を着せられるなんて、絶対に認められん。これは上の記事でも書きましたが、それがあるから今年の秋に辞めるわけです。去年の秋辞めてたら、サイン盗んで責任取らされた監督や、ってこの先の人生でずっと言われて、そんな目で見られ続けるからね。そんなん耐えられしませんねん。

 もしその行動パターン、ロジックが正しいのなら、今回も絶対にこのままでは辞めない! まさに今辞めたら、開幕から最低の数字を叩き出した監督として辞めることになる(実際にはそうだけど、その通りだけど)だから絶対に矢野は辞めません! 

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 今こそ法力に救いを求め、球史に残る歴代ワーストの監督で野球人生を終えるのを回避するため、ここから粘りに粘って、何とか普通の最下位の数字(そんなんあんのか?)ぐらいにまで最終的に戻して、後世、まぁ最下位もあったが優勝を争ったり、Aクラスにも何度か押し上けた、ちょこっと運の悪かったところもあったかなぁ、ぐらいの線で辞めたいんやろ。ただ今回のこと、ファンは絶対に忘れんけどな!

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第94回選抜雑感など

 どこよりも遅くをモットーとしている極北の当ブログ、待望の新年度初更新です・・・・。いやぁ、ここまで長かった。年度末からブログ更新のモチベーションをへし折るようなことが、これでもかってばかりに起きまして・・・・、まぁ要するにサボったわけですわ、ええ。

 しっかし凄いぞ、矢野阪神・・・・・。

baseballking.jp

 昨日は勝ったそうですが、結局FAで浚った西が完封で初勝利だそうで、今日は糸井のサイクルヒットで連勝でしょうね。心底思う、おもんないわ。 

 リーグ新記録の開幕大型連敗のその先にあると多くの虎キチが期待した唯一の奇貨も、儚く消えましたし。

www.sanspo.com

 もう阪神はどうでもええ。サードケント、セカンドセイヤ、キャッチャーセィシローで頑張ってや。みんなええ子ちゃんばっかりやし、ホンマホンマ、楽しみやで。ああ気色悪一っ!もう阪神がどうなろうと怒りすら沸いては来ません。

 そんななかちよっとイラついたのが、キャンブ前からあれほど、「さすがは元メジャーリーガー!」とか、「北海道の救世主 ♪」とか、持ち上げられてた新庄が、ハムが負け続けた途端、所詮は元阪神などと言われ出したことかな・・・・。

 そういえば横浜の大和もやらかした、

www.chunichi.co.jp

 ええ、ええ、そうですとも、新庄や大和のデキが悪いのも、みんな阪神のせいですわ。どうせプーチン阪神フアンやで、そうそう間違いない。あの手の陰険な顔したおばはんは関西には多いしね、そうですとも、これで決まり、世間は満足やろ。

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 それでは先週終わった選抜を簡単に総括したいと思います。

 まず、やっばり特筆すべき点は打者のレベルが落ちたこと。一回戦はお寒い試合の金太郎飴でしたな。特に大会の序盤、ホームランが全然出ないことが話題になりました。

www.yomiuri.co.jp

 確かにホームランは野球の華。だけど、別にホームランが打者を評価する上ですべてだとは思いません。がっ、打者の能力を示す有力な指標の一つってところは譲れない。それが打てなくなっているということは、今高校野球界の奥底で何かが起こっているわけです。それがこの選抜で顔を覗かせたということ。つまりはコロナ。まん延防止や緊急事態宣言が繰り返され、練習時間や実戦が減ったことが引き起こした現象かと。実は二年前から打者のレベルが落ちた、落ちる、とここでは再三書いてました、

tilleternity.hatenablog.jp

 でっ、with コロナの強化方法を考える時期だ、ってなことは去年書いたか、

tilleternity.hatenablog.jp

 期せずして心配していたことが目の前で繰り広げられてしまったわけです。

 この件について、智辯和歌山総監督様が興味深いことを仰ってますな、

news.yahoo.co.jp

 なんと申しましようか、得意げにまだこんなこと言っとるようですわ。

センバツ出場が決まった1月下旬以降、紅白戦を含めて30試合を目安に行い、実戦感覚を取り戻していた

 ですって。

 こんな練習方法やってたから、才能ある打者が結果的に次々にスポイルされ続けたというのにね。池辺や山野、佐々木や武内、橋本、このあたりは間違いなく高嶋さんが潰したと思います。なのに性懲りもなく、アホほど練習試合を組むことで、安易にチーム力を上げていた当時に戻せとでも言うのか・・・・?

 確かに高嶋智辯和歌山が全盛期を迎えた二十年前の野球で、今でも目先の結果は出ますわ。それであんたは甲子園歴代最多勝監督になったわけだしさ。でも選手の潜在能力、”質” を伸ばすことは決してできなかった。

 じゃあ質って何っ? てところですが、それも去年書いた。

tilleternity.hatenablog.jp

tilleternity.hatenablog.jp

 なので、これを良い機会にして with コロナの打者育成方法、つまりしっかりとした打撃理論を選手に根気強く教え込むことを期待したいですね。

 それが証拠に、この春、ホームランを打ったチームに大きな偏りが出ました。18本中16本が大阪桐蔭浦和学院の二校が稼ぎ出したという・・・・。じゃあその理由はといえば、つまりは理論に裏打ちされた指導を施されたチームと、そうでないチームの差が出たってこと。それは上の記事の中でも書きましたが、あえて繰り返すと、ミートポイントをどこまで捕手寄りに引き付けられるか、ってところか。

 実際、選抜後のこの「Number」の記事でも浦和学院の打者を引き合いにして書かれています。

number.bunshun.jp

 ただー点綾を付けると、どうもあの終盤のホームランの軌道を眺めていると、大阪桐蔭の打者だからでは説明がつかないほどボールが飛んだ、というのはあるな。個人的な見解を申し上げるならば、大会側があまりの貧打ぶりに清宮ボールを導入した、そう思えてなりません。まぁどうでもいいことなんだけどさ。

 因みにですが、清宮ボール導入前に、ほぼホームランを独占した浦和学院の打撃は大阪桐蔭以上に特筆に値すると私は思っています。選手の才能という点では浦和は大阪桐蔭より落ちますからね。あそこも全国から集めてるけど・・・‘・。

 そういう意味では今後埼玉の高校球界は、打撃の技術で大阪桐蔭よりも先んじていると個人的に評価する岩井花咲理論と、森息子浦和理論の戦いになるのだろう、そう思っています。

 浦和については去年の3番の松嶋あたりで書いたのですが、ミートポイントだけではなく、スイングが凄く身体に近く、そしてシャープになってます。ミートポイントを捕手寄りにすると自然こうなっていくのです。良いコーチが出てきただけなのかもしれませんが、息子率いる浦和学院の今後に、そして埼玉の高校野球に期待します!

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 それではここからは私の最近のアマチュア野球を観る際の目線、つまりプロのスカウトというよりは、大学のリクルーターセレクターになり切ったつもりで、気になった選手について書いてみたいと思います。

 まずま大阪桐蔭松尾。捕手でありショートも守れて主砲でもある。ただサイズは175ぐらい。しかし何より野球脳の高さが評価されています。なので慶応が狙っているそうです。いかにも。

 次に浦和学院宮城。この春23イニングで奪った三振は27。連投は避けるなど大事に扱われているところからも、こちらは息子監督の母校早稲田で間違いないだろう。

 因みに少し脱線するが、即プロかなっていう野手は大阪桐蔭海老根でしょうか。でも個人的にはこの子も大学経由の方が良いと思いますが、あの身体能カとサイズ、プロが放っておかないでしょ。PL時代のサプ口ーのような感じで1位もあるかも。

 広陵内海も指名されると思います。大型の逸材ながら使い勝手の悪い左投左打。しかしあの内角の捌きは利き腕が左の打者しかできない芸当。

 投手では大阪桐蔭川原が一番伸びたし、プ口も注目している。文句なく指名されるでしょうね。

 近江の山田は打者として下位指名があるのではないでしようか。スイングの速さが出色!

 以上ここまでが即プロ。ご参考までに。

 

 それではぜひうちの大学(それどこ?)に、と言いたくなるのが以下の選手、

 まず大阪桐蔭の核弾頭伊藤。1イニング2ホーマーは記憶に新しいところですが、スイングがとにかく素晴らしい! 左腕で払うような柔らかさがあって理想的。この子まで、プ口が持っていくというのでしょうか・・・・?

 次に浦和学院伊丹。少し硬いが腕のたたみやヘツドの立てたバットの軌道が良いと思う。どのコースも同じフォームで打ちがちですが、今はそれで構わない。因みにこの子は自由ヶ丘からオリックス、中日に在籍した武田とほぼ相似形。大学野球経由なら打つ方はもっとやれる選手になれるのではないか。武田が指名された際も大学行った方が、と強く思ったので、彼にはぜひ進学を薦めたい。

 最後に明秀日立の佐藤体幹の強さを感じさせるスイング。育てがいのある選手。先物買いがあったとしても、やっぱこちらも即プロは辞めた方がいい。

 

 というわけで、高校球界は今、with コロナにどっぷりと浸かってしまいました。それを嘆いたり、昔を懐かしんだりするのではなく、新しい時代に入ったのだから、これ幸いとばかりにマインドを180°変えるべき!

 実戦的な練習が組めなくて、私立との差がますます広がるばかり、そうマイナスに考えるべきではない。そもそも練習試合をやるにはある程度以上の環境が必要なわけで、それがない、もしくはそれを抑えることのできない公立校に、今、追い風が吹き始めているのですよ。つまり金がある私立もそれができないのだから、条件は一緒。まさにチャンス到来!

 特に打撃においてはしっかりとした技術を確立して、選手に理解させましょう。マシーン相手に打ち込んでばかりではなくて、選手の頭の中の理想のフォームと、指導者のそれが重なるまで意見を交わし徹底的に拘って欲しい。スマホなども駆使すれば、チープな環境でもある程度まではできると思うのです。

 守備はドリルの反復という昭和の練習で十分に上達するから問題ないし、投手の出来も実戦はそれほど関係ない。むしろ過密な練習試合で消耗する投手の方が多いぐらい。この春の近江の山田が出たとこ勝負であそこまで投げられた。あれは実戦から半年遠ざかったからこそでは?

 まさに名門公立校復活元年が始まりました! 夏には高松商広島商習志野静岡などが、甲子園を目指すだけではなく、聖地で二つ勝つ、それぐらいの意気込みで頑張ってほしいものです。

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第94回選抜 二日目 など

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 無事選抜開幕しました。がっ、テレビ点けて思わず絶句。お客さん入れてるんだ・・・・。学校関係者だけかと思ってましたわ。

www.asahi.com

 上限2万人なんですね。そして21日以降は、

www.nikkansports.com

 予想にも影響が出ますな。俄然近畿勢有利になる。それと京阪神のコロナ感染者、またぞろ増えるかもしれません。少し心配。

 心配と言えばウクライナを巡る中国の動きも気になる。

www.bloomberg.co.jp

 一番マズいシナリオ、それは中国が仲介することでロシア、ウクライナが停戦するパターンかな。世界が中国に借りを作る、これだけは避けたい。

 因みに中国国民は今回の件でロシア以上にプーチン支持が高まっているのだとか。

news.yahoo.co.jp

 両国の世界観が似通っている証かと。

 ウクライナを巡ってどんな世の中になっていくのか、ますます目が離せません。

 

 というわけでセンバツ二日目予想。

 広陵 敦賀気比

 優勝候補広陵登場。真鍋は二年生四天王の中で最も将来性が高いと目される逸材。グリップが少し特殊なので注目してください。ヘッドが良い感じに立って出るところは出色。とにかくこの子の打席を少しでも多く観たいので、この試合、広陵には勝って欲しい。

 というわけで敦賀気比にハンディ1

 ただ試合は共に投手力に難があるため荒れて縺れると思う。

 

 近江 長崎日大

 補欠ながら近江は万全。今年はチーム山田って感じ。ただ長崎のチームは少し特殊な傾向があるので注意が必要。去年の夏の長崎商にも一杯食わされた。その流れを作ったのは言うまでもなく清峰を率いて全国制覇を成し遂げた吉田洸二である。

 因みに近江の多賀監督であるが、ええおっちゃんに見えて案外黒い。何を隠そう、実はこの方も副校長様。やることはやってます。

 一度で良いから滋賀の地方大会を内野近江高校サイドベンチ裏あたりでの観戦をお薦めします。録音必須!

 長崎日大にハンディ1

 

 二松学舎大付 聖光学院

 正直二松については私情が入ってしまうので予想の対象外にしたいところなのだが仕方がない・・・・。

 聖光学院にハンディ2

 

 今日の三試合はいずれも面白い展開になると思います。楽しみですね♫

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祝 第94回選抜開幕 など

 三月に入って初めての更新。正直ウクライナの件もあるのですが、新年度から仕事が忙しくなりそうで、っていうか、もうすでに忙しい。かなり凹んでます・・・・。

 ただ忙しさというよりも、憂鬱がブログの更新から私を遠ざけている、そんな気がしています、ええ。つまりナチュラルに仕事が忙しくなるのは嫌だな、と。

 薄々感づいてはいたのですよ、どうも不安や不満があると、自然ブログから距離を置こうとしていることに。私の場合、どうやらブログを書いて、そこで思いっきり愚痴って、そしてストレス発散、というわけではなかったようです。ここが逃げ場の筈だったのに・・・・。自分にとってのブログって何なんだろう? 少しばかりそう真剣に考えるようになっている今日この頃です。

 というわけで、まぁなんと申しましょうか気分は進みませんが、この二週間の中でこれだけは触れておきたい、というウクライナを巡るいくつかの出来事について取り上げます。まずはこれ、

www.afpbb.com

 結構違和感を感じている、というか、気分を害している日本人が多いのだとか・・・・。別にええやないか。そもそもやらかした事というのは時間が経っても決して消えはしません。それを無かったことにしようとか、古い話を蒸し返すな、とする方に無理を感じます。

 日本人はその後今日に至るまで、しっかりと国際社会に対して、償いも貢献もしている。もちろんそれでも足りない、とする方々がご近所や国内にも多いのですが、こればっかりは個々の判断なので詮無い話、言わせておきましょう。

 要は、歴史は書き換えられない以上、過去の過ちは潔く認め、決して忘れてはならない。次世代に語り継ぐことも必要。だからそれも怠ることなくやりましょう。そして同時に、戦犯と蔑まれた我々であったが、その後の現代史において確固たる地位を築くまでに至った、という事実もしっかりと次の世代に伝える。そしてそれを誇りに思い、何より父や母、先人に対する敬意を払うことができれば、今回の件なんて、いちいち目くじらを立てる必要はないのではないかと。

 むしろこっちがどうかと感じるな、

www.nikkei.com

 なんなんこれ・・・・? 先方が有事にあるということを理解していないのか、そこに思いが至らないのか。「演説内容も両国合意の範囲にすべき」って件も謎。どうせ、軍備の必要性が再確認され、それにある種の普遍性が帯びることを恐れているのだろう。

 ”どんなに国と国との間の約束があってさえも、簡単にそれは反故にされ、攻め込まれたり、見捨てられたりするんだぞ、今の私たちみたいに”、ってところを訴えられることが嫌なんやろ。まさにそれこそが魂の叫びだというのに。

 共産との共闘を前提に、平和や9条死守を夏の参院選の旗印にして自民との違いを鮮明に打ち出したいだけに、軍備拡張や憲法改正の声が大きくなって世間に浸透してしまうと拙いのでしょうな。アホらしぃ。

 一方でこれはさすがに興味深い、もしくは懐深いと言うべきか。

sp.m.jiji.com

 演説を認めたドイツは立派。我々日本人も、ゼレンスキーのこの国に向けられる言葉に注目すべきだし、どんなに耳に痛い内容であってもそれを真摯に傾聴したい、そう思いませんか?

 次はロシアの極めつけのこれ、

www.afpbb.com

 必ずやるとは思ってました。そして更にはこれ、

www.cnn.co.jp

 なぜ口シアでSNSが規制されるその一方で、国営テレビでニュースの放送中に職員がこのような暴挙に及ばなければならないのか・・・・。あくまで私なりにですが極論すれば、ロシア政府にとってSNS上には真実があるので手に余るが、テレビを始めとするオールドメディアは嘘で言いくるめられるのでそのままでいい、つまりはそういうこと。程度の差こそあれ、この国も似たようなもん。テレビや新聞はプロパガンダとの相性が良いのです。ワイドショーやニュースショー、そして赤旗聖教新聞がまったくもってつまらないのに(失礼)、一向になくならないことでもそれは判る、あっ、朝日新聞東京新聞もね。自民党における産経新聞の役割も一緒です。

 他方、SNSはといえばそれには向かない。その土俵に乗れば個人も組織も独裁者であってさえも、数多の星屑のーつでしかない。つまりそこに太陽は存在しません。キラリと輝きたかったら、自ら気の利いたことをしてみせるしかない。だから仮に大統領がそこに下りてきてそれをした場合、自分たちと同じ括りの人、という風に捉え直されるのだろう。トランプ人気が依然高い理由もそこにあるのではないか? もちろん嘘も多い。ので、みんな競って見極める力量を磨こう。きっとここなら真実を探し当てることができると思う。

 このロシアの一件で思い起こされるのが二十年前近くですか、故筑紫哲也が「ネットの書き込みは便所の落書きのようなもの」と切って捨てた出来事、懐かしいですね・・・・。

 彼は自分や同僚たちの存在を、太陽だと勘違いしていたのだろう。宇宙の闇に向かって、光や熱を与えられるのは自分たちだけ。だから有難く受け取るように、そんな感じか。なぜオールドメディアは特権意識が強く独善的で驕りや欺瞞に満ち満ちているのか、ご理解いただけるのではなかろうか。

www.joqr.co.jp

 カッコ悪いのはおまえだよっ! まったく開いた口が塞がりません。

 テレビを見たり新聞読んだりするのは一向に構いませんが、くれぐれも突っ込み入れながらそれをしてくださいね、ええ。

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 というわけで、唐突ですが今日から春の甲子園が始まります。本当は一週間前ぐらいからもっと真剣に掘り下げて予想したかったのですが、それが叶わなくなった以上、今日から自転車操業で予想していきたいと思うのです。

 まず今年の選抜の特徴ですが、ヒール校が少ない、というかほぼいなくなった点が挙げられるのではないかと。唯一のヒール候補だった京都国際がまさかの辞退、

www3.nhk.or.jp

 個人的に嫌いなチームではないのですが、あの校歌、やっぱ世間はヒールと見做すのでしょうね。それが直前でこんな展開を迎えるだなんて・・・・。最低でも三度はあの校歌(くどいな)が甲子園に流れると覚悟していた方も多いはず。それが近江に化けたわけで、何と申しましょうか、琵琶湖の水面に映る雲一つない青空を眺める、そんな思いです。

 ただでさえ明徳、智辯和歌山、帝京の御三家が揃って早々に敗退するという僥倖に恵まれたうえに、常総県岐阜商盛岡大付属も見合わせたのだから自然胸を撫で下ろしている自分がいます。甲子園が澄み切った早朝の空気で満たされ、思わず深呼吸したくなる、そんな大会になるのではないでしょうか。

 ただ今はどうしても年度明けから仕事のことを考えてしまい、憂鬱でそれどころではないのですけどね、ええ。純粋に春の甲子園を楽しめる日々が来ることを願いたいと思います。

 それでは例の如く初日の予想を、

 浦和学院大分舞鶴

 まぁ普通に言えば圧倒的な戦力差で浦和なんですが、森士の血がどこまで濃いいのかを思い知る試合になると思います。

 開幕戦で舞い上がる新人監督、というのはよくあるわけですが、相手は初出場ですからね、もっと舞い上がっていることでしょう。運の強い息子だと思う。

 大分舞鶴にハンディ5

 

 和歌山東倉敷工

 案外縺れる。前評判的には和歌山東、と思いきや、熱心な地元ファンで湧き上がるはずのアルプスはほぼ無人。あてが外れ、心細くもなり初出場の公立校ならではのひ弱さ、勝負弱さが出て終盤逆転を許す展開か。

 和歌山東にハンディ1

 

 九州国際大付 ー クラーク国際

 神宮大会の再戦。一冬越したクラークのマウンドには見違えるような辻田が、と言いたいが、身体の重そうなあのタイプは一冬ぐらいでは変わらないと見る。

 クラーク国際にハンディ3

 

 今のところ優勝は山梨学院ではないかと密かに思っています。もちろん希望込みで。

若虎の蹉跌 遠藤編

 ロシア軍によるウクライナ蹂躙! キエフ陥落濃厚・・・・。ロシアよ、ここまで墜ちたか、そう暗澹たる思いになりますな。

 キエフは学生時代、何度か滞在した思い出深い街。見渡す限りの地平線の続く街。素朴でアイスクリームの美味しい街。我が蒼白き青春の一コマ。これ以上は言葉になりません。

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 ここ数日どうにもこうにも落ちてしまって仕方がないのですが、気持ちを取り直して我が阪神の話に切り替えましょう。

 阪神のキャンプも昨日で終わり。イマイチ心躍るもののない一月だったように思います。そんな中、一番悔しさを噛み締めているのは遠藤ではないでしょうか。実は結構彼のことは買っています。このあたりに書いたか、

tilleternity.hatenablog.jp

 まぁ一昨年の春、コロナで野球の火が消えたこともあったので、景気よく行きたくてかなり持ち上げたかな。確か掛布二世と書いたか。

 正直、プロ入り後一番良かったのは入団から4月までの三ヶ月間だったように感じますね。4月のSBとの練習試合では鳴尾浜のバックスクリーンに放り込んでいるし、打率も余裕で三割以上キープしていました。そこから活動休止になって、開幕も6月に延期。結局この期間で歯車が狂ったように感じる。以降、おいおいと思いながら眺めていました。

 去年のファームの成績は86試合に出て、打率 .235でホームランに至ってはゼロ・・・・。57三振は安打数を上回っています。これは苦しいな、というのが正直な感想。ところが今年、蓋を開けたら一軍キャンプに抜擢されてました。びっくりでしたわ。

 なんでも去年のファーム選手権でMVPだからとか、フェニックスで三割打ったからとか、そのあたりを評価されたらしい。うーん、本当にそんなに伸びてるのか、そう懐疑的に感じながらも密かに期待はしていました、野手では一番。

 なので、このキャンプインからかなり真剣にウオッチし続けた。その結論を申し上げれば、今のままではあかん。キャンプ中も変わってません。ケースバッティングに紅白戦、対外試合に至るまで三振の山を築く始末。こりゃ救いのない記事を書くことになるな、そう思っていました、がっ、やっと一昨日結果が出てくれた、

www.daily.co.jp

 これで今日からのオープン戦、先発はないまでも打席は与えられるかも。ただ、はっきりと、そして繰り返し申し上げますが今のままではあかん。そのあたりをできるだけ簡潔に、しかしじっくりと書きたいと思う。

 まずバットが下から出てる、というのがパッと見での遠藤の打撃の最大のダメなところなのですが、まぁそれは結果論でしかありません。そもそもアッパースイング自体が悪いのかといえば、今日日そうとばかりは言えませんしね。根本的にもっと悪い部分があるのだと感じています。

 というわけで掘り下げていくのですが、遠藤の打撃練習や実戦の打席を眺めていて、一番目に行くのがヘルメットの揺れ。ご紹介するサンプルは三打席ですがこんな感じ・・・・、

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 これでは判り難いかもしれません。ので、真ん中の写真について、この2コマ前、

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 ほんのコンマ数秒でこれだけヘルメットが揺れている。普通はどちらかと言えば、フォークなど手元で落ちる球に合わせ損ねて腰砕けになって、結果ヘルメットが揺れたり落ちたりというのはよくあるのですよ。じゃぁ遠藤の場合はというとそうじゃない。バットを引っ張り出す際にすでに大きく揺れてる。そこで力が入るのは判るのですがここまでというのは・・・・。考えられる理由は以下の三つ。

A:そもそもヘルメットのサイズが合ってない

B:スイングの際の軸回転がブレてる

C:上半身の動きが激しい

 でっ、恐らく答えはというとCでしょうね。つまりスイングにおける流れの中で、上半身に変な動きが混ざっているのだと思われます。

 ということで遠藤の打撃フォームを横から、

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 この流れの中で、最も大きな動きをしているのが右肩。

 左の三枚だけを比較するとこうなる、

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 余計なお節介ながら上から頭、肩、腰、膝のそれぞれの位置に線を引いてみた。①、③、④のそれぞれの高さに変化がないのに対して、左端の最後のコマで右肩の位置が②の線からかなり上にはみ出ているのが見て取れる。もちろん、前の肩はスイングにとって支点なので最も大きな動きをする、というのは理解できます。がっ、ここまで大きく上に動くというのは普通ではない。

 高校時代から遠藤については眺めているが、当時はここまで酷くはなかった。恐らくプロ入り後、重くて速いボールを跳ね返す必要に迫られて、より鋭くより強いスイングを目指しているうちにこうなったと見る。

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 つまり、下半身主導の横の回転だけでは理想のスイングの強度、キレには追い付かないので、上半身、特に右肩の上への動きを加えることで間に合わせた、という感じだろうか・・・・。なので右肩が大きな動きをする以上、そのすぐ上のヘルメットのフェスガードが揺れないわけがない、というロジック。

 しかも結果として、右肩が必要以上に上がることで左肩が下がりバットが下から出ることと相成った。

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 まぁ百歩譲るとして、バットが下から出るのは良いのですよ。フライボール・レボリューションの流れもあるわけですから。しかしヘッドが下がったらいかん。スイングが死んでしまう。それにボールを点でしか捉えられなくなる。バットを面とまではいかなくても線でボールに合わせたい。それにこれでは落ちるボールには空振りを繰り返すだけだろう。

 このままではファームでもたまに長打は出るが、今年も二割がやっとだと思う。何とかならんもんか・・・・。

 というわけで暗い話はここまでにしまして、遠藤の場合、個人的にはそれほど深刻なものとは思っていません。これぐらいのスイングの打者は掃いて捨てるほどいる。半分以上は何とかなってる。

 私が打撃コーチなら(大きく出たな・・・・)、まずグリップの位置を高くするように勧める。つまり落ちる左肩はあらかじめ上げておく。スイングはそこからバットを落とすイメージで、それとテークバックからスイングの流れの中で右肩に力が入っていることを画像や動画で確認してもらい意識させたうえで、右手の小指一本でバットを引っ張るぐらいの感覚でスイングを始動するように言いますね。

 まぁなんにしてもスイング自体や体の回転の形は悪くない、というかむしろ良いので、右肩の上への動きを止めさせれば、自然と左肩は平行に近くなりバットのヘッドが下がることもなくなるし、併せてヘルメットがあそこまで揺れることもなくなるので、視座も安定しより確実にミートできるようにもなります。つまり芋蔓式に欠点は治る、そう思うのです。せっかく良いもん持ってるんだから、自分を信じて頑張ってくれーっ!

 時間は掛かるかもしれません。しかし、選手の成長を見守るのが野球オタにとって、いわば醍醐味。遠藤の存在をそしてその進化を、鳴尾浜に行くモチベーションにしたいし、早くそこから卒業して欲しい、そうも願っています。

 何はともあれ今日からオープン戦は開幕。遠藤のような若手にはこれからチャンスは日を追うごとに無くなっていく。それを維持し増やすのは己の腕次第。遠藤のオープン戦での躍動に期待します!

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地方の輝く時代に

 北京オリンピックは佳境に入りました。まったく観てない私が言うのもなんですが、選手の皆さん頑張ってくださいね、ええ。ただどうも大会自体には、スッキリしない部分が付きまとっているようです。

www.sponichi.co.jp

 平野選手、逆境の中の金メダルおめでとうございます!

 一方でこっちについては茶番どころか、もっと奥の方になんかありそう・・・・。

www.asahi.com

 この裁定の裏に、北京五輪開催中のロシアのウクライナ侵攻を巡る取引があったのでは、などと勘繰ってしまう、そんな心の曇った私がいます。まあ深読み、というか考えすぎでしょうか。

 さてさて一方、国内のスポーツに目を転じれば、キャンプも竹縄ってことで盛り上がりそうなもんですが、やっぱり話題は北京五輪。新庄ビックボスの力を以てしても無理って感じか。

 そんな中でもあれこれドラフトを巡って書いてきましたので、特に新人選手を中心にウオッチは続けております。がっ、今のところは特段書くほどのことはない。鵜飼や田村、また昨日は個人的にこのキャンプで一番注目している桐敷がシート打撃に登板し上々の滑り出しを見せてはくれましたが、

www.daily.co.jp

 まだまだここで取り上げるのは時期尚早。裏を返すと去年の佐藤や牧のように、この時期から特筆に値するような選手がいない、ということで、まぁ去年のドラフト自体が地味ドラフトでしたからね、ええ。そこに一抹の寂しさは感じております。

 それよりむしろこっちが気になる、

www.daily.co.jp

 平田よ、井上はおまえのオモチャじゃないんやぞ。台湾で入団前の横山を使い潰した前科は一生消えない。それにこいつが二軍監督としてただの一人としてまともな野手を育て上げられない裏に、何かがあるってことにいい加減球団も気づけよ!

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<本日の深読み>

 LEAGUE ONE の地域性

 先月、ラグビー新リーグについてあれこれとイチャモンを付けました。

tilleternity.hatenablog.jp

 その中で、東京、及び東京周辺にホームタウンが集中する各チームの姿勢に疑問を呈しました。BR東京、S東京ベイ、BL東京、GR東葛、東京SG、SA東京ベイ浦安・・・・。なんなんこれっ? 東京ベイが被るあたりは一種の同調圧力なのか? 企業を超えて申し合わせたように連鎖するというのは以心伝心かもしれない。恐らくは親会社の中の同じような立場の人材が同じタイミングで新チームの立ち上げ担当になって、同じお題について考えるから自然同じになったということか、恐ろしい。

 まぁ東京周辺に拘る気持ちは判るのですよ。たとえば大半のチームが練習施設やクラブハウスなどの設備投資をすでに一通り終えているわけで、まだ一銭もその回収ができていない中で、それを捨てて地方に行けなどと簡単に言うなと・・・・。そこは仰る通りなんだけど、そこに引っ張られて六つものチームが東京周辺に密集するというのはどうなのか? というか、プロスポーツの興行って、そもそもそこから逆算してやるもんではないと思うのだが。

 因みにD3のクリタウォーターガッシュ昭島の練習施設・・・・。

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 それはそれは立派なこと。しかも大型商業施設の隣、素敵♫ 。確かにもったいないわな・・・。こりゃここから出ていくのは無理かも。

 まぁイングランドのプレミアL(サッカーの方)もロンドンを本拠地としているクラブが五つ・・・・。しかしこちらは埼玉にも横浜にもーつづつあるので、12チーム中関東に8チームが集中。これではリーグの構成としてもはや破綻してないか? いやマジで言っとくけど、昭和後半のパリーグはそれで失敗したことをお忘れなく。

 でっ、ことほどさように首都圏に拘るこの姿勢を通じて改めて感じるのは、やはり地方のマーケットに対する不信感か? 新リーグの中の人って、みんな東京の本社勤めの人ばっかりなんだろうな。東京にいなきゃ情報や流行、ひいては文化を発信できない、というのは百歩譲って平成までのお話だと思うよ。

 

 Case1:長崎

 私が現場に出たのはこの7、8年のことなので、ここからの話は決して大した経験ではありませんが良い機会なので少し書かせていただきます。

 まずは関東から九州まで手広く釣り具店のチェーンを経営する企業のオーナー社長と差しで話をする機会をいただいた時のお話。

 最初、商売そっちのけで、”釣りは今やスポーツであり文化ですよね” 、そんな話を私から切り出したと思います。結構盛り上がって、打ち解けたところで先方からこんな質問が、

「ところで私ども、どこで儲けさせてもらっていると思いますか?」

 一応、大の釣り好きのふーちん氏から予習としてレクチャーを受けておりましたが、いきなり ”どこで?” と振られてもなぁ、まず ”どこ” というのが地域なのか店舗形態なのか商品なのか、という問題もあるし悩ましい。とはいうものの黙っているわけにもいかない。そこでこう答えた。

「ええっ・・・、やはり瀬戸内海でしょうか・・・?  六つの県に面していますし、何より穏やかで釣りスポットも豊富と伺っております。なんでも最高の鯛が釣れるそうで・・・・」

 オーナーの顔は冴えない・・・・。どうやら外したようだ。

「・・・・あっ、そうそう、女性じゃないですか、ええ、ええ。最近増えてますよね、釣り好き女子。知り合いの太公望も沖に出るのに船を予約するそうですが予約が常にいっぱいで半年待ちだとか。なんでも女性を中心に殺到しているらしく、女性が興味を持ち出したジャンルには、目ざとくオトコが集まりますしね、ええ。釣りコンなんかもあるとかで、ええ、ええ」

 いかん、オーナーの顔は曇ったまま、おいおい二連敗かよゲロゲ口。もうあかん、判りませんわ・・・・。

 そう素直に言葉にしてみせると、待ってましたとばかりに笑顔のオーナーから一言、

「長崎なんです!」

「・・・へっ・・・、な、長崎・・・・。」

 なんでも長崎は釣り好きが多く、釣り人口比率も全国1位なのだとか。魚もいろんな種類が年中釣れるらしい。そして社長の言葉を借りると、”釣り好きの層が厚い!” のだそうです。

 想像するに、女性をはじめとするライト層や、釣り抜きでは人生が成り立たないようなコア層だけではなく、きっとミドル層が厚いのだろう。そしてそういう方々が値段が高価なうえ利益率の高い釣り具を揃えてくれるのだとか。しかも買い替えのサイクルも早いとのこと。一家に必ずレベルの高い釣り道具がー式揃っているのだろう、長崎の家庭では。

 この一連の会話を通じて思い浮かべたのが二つあつて、一つはタコ焼き器。学生で東京に出た際、結構訊かれた

「おまんえんちって、タコ焼き作るやつあるんだろ、やっぱ?」

 あるわい、間違いなく、年季の入ったのが。タコ焼きは関西の文化。家族でそれを囲んで楽しみながら作るんだぞ。ただし言っとくが、作っても二、三か月に一度。毎週のように作ることはないし、それを買い替えるようなこともない、一生もんや。

 二つ目、それは富山の薬売りとその薬箱。常備薬として今風に言えばポストペイ。年ごとの更新。これも実家にあったな。

 つまり整理すると長崎のご家庭にとって釣りとは、家族の絆を確認するようなレクレーションであり、釣り具とは当然最新のものをー式揃える必需品でそのメンテナンスにも怠りはない、そんなところか。

 実際こんな動きもある、

www.nib.jp

 長崎を「釣りの聖地」に、ですか。ぜひ進めてください、ふーちん氏とともに応援します!

 地方のイメージというと、我々の世代にとっては ”明るい農村” というNHKのドキュメンタリー番組を思い起こす、というのは極端だろうか。後継者難で輸入農産物に圧倒されていく農村。さらにお米離れやサンチャン農業に嫁不足というワードは、そこにまつわる暗いイメージを加速させる。つまり決して明るくはない。だからこそのこのタイトルなんだろ、子供心にもそう見透かしていたような気がする。まぁ今もそういうイメージなのかは判りませんけどね。

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 ふるさと創生や地方活性はお題目や手を変え品を変え、今に至るまで何度も政府主導で繰り返された。しかし都心への一極集中の流れは微動だにせず、地方は取り残されるばかりである。しかし、である。その反面、先に取り上げた釣り具店チェーンにおける長崎のように、間違いなく一企業の屋台骨を支えるだけのマーケットになり得ている事実は見落とされがちである。そのポテンシャルは決して侮れるものではない。地方の街とは奥深いものなのである。

 Case2:高知

 次のお話は仕事を通じて得たものではないのですが、地方の、それもある意味最果てともいえる街が繰り出した値千金のホームラン!

www.kochinews.co.jp

 聞くところによれば二十年前、赤字になれば即廃止、という状態からここまで押し上げたという。来年度には1,000億にも手が届くところまで来ている。

 1,000億という数字が、スポーツビジネスにとってどれだけ大きなものか。先月広島カープの経営状態について取り上げました。

tilleternity.hatenablog.jp

 去年度のカープの売上高が85億。恐らく損益分岐点は90億弱。高知競馬の売り上げはその十倍・・・・。ナイター開催やネット馬券、コロナや馬娘効果など、いろんな追い風もあるのだろうが、まったくお見事の一語に尽きる。巨人や阪神がどんなに頑張っても300億がいいところ。ヤンキースでも600億。FCバルセロナで何とか、という数字。それを一地方のマーケットが売り上げとして叩き出しているのだから驚きである。

 ここからはあくまでも肌感覚の話になるのだが、高知競馬は恐らく ”一発逆転ファイナルレース” などを先駆けて導入し、全国から注目されているからこその数字なのだろう。しかしその土壌、県民性が上手い具合に重なったからのようにも思う。

 宵越しの金は持たないという気性。そのあたりの源泉は、高知市内のひろめ市場で鰹のたたきと揚げ餃子をつまみに、昼間っから大酒を喰らって大盛り上がりの地元の方々の姿を思い出すたびに宜なるかな、そう感じる次第である。四国は四県でも県民性は見事に違っていて、高知を頭に時計回りで愛媛、香川、徳島と、金の使い方を例にとるとシビアというか現実的になっていくのだという。確かに徳島で同じことをやっても難しかったかもしれない。

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 Case3:米子

 競馬で思い出すのは場外馬券場である。現場に出る前年、毎週のようにJRAの本社に伺って打ち合わせをしていたことがある。当時、彼らの最大の悩みは都市部の場外馬券場の扱いであった。売り上げこそそれなりに貢献してくれるものの、近隣からの苦情は絶えず、間違いなく街にとって鼻つまみものであった。なので何とか馬券の販売をネットに移行できないか、ということであった。確かに今でも梅田のWINSなどは異様である。

 当時は年末恒例の有馬の売上が、確か全盛時の三分のーまでに落ち込んでいた、そんな暗黒期でもあった。なんとか若者が競馬に興味を持ってくれまいか、そんな願いを込めてイケてる男女を配したCMを作ったようだが思わしくはないようであった。あれから十年近い月日を経て、今では馬娘のブームもあって去年の有馬も400億台を維持、悲願であった若者の関心を買うことも叶ったようだ。しかしそれでもピークの半分でしかない。しかも、若いとはいえ馬娘に熱心な面々とCMの溌溂とした若者の姿との間の乖離は、恐らく埋めがたいものがあると想像する。中央競馬の悩みは尽きない。

 そんなJRAとのやりとりも記憶に新しいまま米子の場外馬券場を訪れた。正直衝撃であった。私の中の場外馬券場は薄汚れた都心の片隅に佇む魔空間。米子のそれはここでレースをやってるんじゃないの、と思わず勘違いしてしまうほど見事な威風。その瞬間、咄嗟に繋がったのが米子の先にある境港の漁師たちの存在である。西日本ーの漁獲高を誇る港町を支える彼らの日常は深夜二時に沖に出て、我々が寝床を這い出る前には港に戻り、なんやかんやでサラリーマンの始業時間あたりで仕事を終える。おそらく昼からやることはない。そんな気風の良いお兄さんやおっちゃんたちがここに通い詰めているのか。言うまでもなく先に挙げた高知も漁師の街であった。高知競馬と相通ずるものがあるはず。きっとこの鳥取の街の漢たちも、宵越しの金になど興味がないのであろう、そう勝手に確信するに至った。

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 ここで LEAGUE ONE の話に立ち返る訳であるが、ギャンブルが健全であるのかないのかの議論は置いておくとして、奇麗ごと抜きにプロ化された今後のラグビーのビジネスについて思いを馳せると、それは bet 抜きで語ることはできない。少し古い記事ではあるがそれによれば、サッカーベットの商業規模はー説にはサッカーマーケットと同等、もしくは上回るとも言われている。これを放っておく手はないだろう。

www.nikkei.com

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 図らずも上の記事が警鐘を鳴らすように、賭博には八百長が付きまとう。しかし日本の場合そこまでエスカレートはしないとも思う。totoなどを見る限りだが、比較的穏やかに定着しているからだ。

 LEAGUE ONE に望むもの

 今後 LEAGUE ONE が収益の拡大を目指すならば、いずれ独自のbet、たとえばライブベットなどを含めて検討すべきだろう。できれば選手の年金やセカンドライフ支援なども抱え込む形が理想である。

 そういう意味では競馬界が直面している課題や成功事例は大いに参考になるだろう。また今回競馬について、あくまでも地方のポテンシャルを示す一例として、また私自身の経験を通じたものとして上げさせていただいた。IR反対の立場である私の言説にどれだけ説得力があるかはわからないのであるが、パチンコ、そして競馬や競輪、競艇などが活況を呈する街というのはいかがなものか、という思いは正直なところある。これまた私事ではあるが船橋に住んでいた経験がそれを言わせるのだ。

 やはりサッカーなりバスケなりラグビーに置き換える方が望ましい。大観衆を飲み込むスタジアムでスポーツ自体を圧倒的な一体感と共に楽しみ、betはあくまでもサイドメニュー、という枠の中を抜け出て欲しくはない。地元住民や自治体としての理想もそっちであることは言わずもがなである。

 また高知競馬の売り上げは右肩上がりだが、競馬場への入場者数自体は低迷を続けている事実も見逃せない。そういう意味では地方活性化の道半ばかもしれない。また最終レースの仕掛けも他の地方競馬が真似てくるだろう。今後どう差別化を図り売り上げを維持していくのかが課題となる。次の打つ手が何であるのか、このあたりについてもラグビー関係者は注視すべきだろう。

 ただ、高知という日本の一地方が、世界で最も人気のあるスポーツチームFCバルセロナが稼ぎ出すのとほぼ同規模のカネを生み出しているという事実は、まさに痛快な出来事だ。同時に地方には中央の物差しでは測れないポテンシャルが眠っていることを雄弁に物語ってくれる。それを見出すことはスポーツビジネスに携わる人間にとって醍醐味ではないのか・・・・? この部分だけでも LEAGUE ONE の関係者にお伝えしたいものである。

 まぁ地方のどこであってもスポーツのプロ興行が成り立つとまでは言わない。それぞれの特徴や強みは様々だ。長崎に独自の文化が育まれたように。しかし一度そこに根を下ろせば予期せぬケミストリーが生まれる可能性はある。それが思わぬ鉱脈を掘り当てることになり得るかもしれない。しかし東京近郊に拘る限り、そんな僥倖に出遭うことはない。

 たとえば金沢市富山市のちょうど真ん中あたりに、オシャレな新球場と商業施設の併設を前提に、スワローズかマリーンズを誘致してみればいいのに、そう良く思う。北陸を代表する二つの都市の間であれば、年に70日の興行の開催、200万人の動員も可能ではないか。さすればおのずと90億の売上も見えてくる。また日本海に面した裏日本の街からそういうプロスポーツチームが出れば、この流れに続けとばかりに地方は更に活気づくと思うのだが。甘い見立てだろうか・・・・。

 ラグビーの場合は野球よりもハードルは低い。年間10試合ぐらいの開催で、30~40万人の動員。支配下選手やスタッフはプ口野球の半分以下で年間の売上が40億ぐらいを見込めれば十分にやっていけると踏む。それぐらいなら米子がそうであるように、地方の県庁所在地でなくても可能ではなかろうか。米子の場外馬券場の売上が年間40億を下回るとは思えない。

 残念ながらそのあたりについてソースがないので、仮に40億だとして話を進めさせていただく。重要なのは米子なり境港なり安木なり倉吉なりという山陰の町にも40億のマーケットが存在している、という事実である。それがグロスで何千人なのか間接含めて数万人に相当するのかは判らないが、年にトータルそれだけを払うという競馬が好きな人たちが束になってその地域にはいて、そのお金が食費や光熱費などとは別に間違いなく用意されているということ。後はその生活には不必要な勘定科目の中に割り振られた有り金をどうやってこちらに仕向けるか、ということだろう。競馬やパチンコ、力ラオケ、もしくはタバコ代との勝負ということか。まぁそのあたりは意識せず、純粋にラグビーをどれだけ魅力のある存在にできるのかに掛かっている。

 先ほど良いこと尽くしの高知競馬場も入場者数には苦しんでいると書いた。ラグビーの試合への動員はどうか、という課題はある。しかしその数もシーズンに十試合ほど。祭りが年に十日あると思えばいい。それなら付き合うか、そう思ってくれる層はそれなりにいると見込む。商圏25万人ほどの地域であってもなんとかなるのではないか。動員の回転率もJリーグに倣って高くていい。最初は全席年間シートにしてもいいぐらいだ。

 誤解がないように繰り返すが、立派な場外馬券場のある米子市を引き合いに出したのは、あくまでも仮想の話としてである。重要なのはこれぐらいの可能性を秘めた街は全国にいくらでもある、ということ。プロラグビーのチームが食っていくための40億が浮いている、もしくは剥ぎ取ることのできる、そんな磨けば光る町は探せば案外どこにでもあるのでは、という話である。

 仮にそんな町に LEAGUE ONE のチームがやって来たとしよう。幸いにも親会社は国を代表する大企業ばかり。地方に下ったその企業をそしてチームを、街は諸手を挙げて迎えてくれるはずだ。

 そんな簡単な話なわけないだろ!、確かにこの一方的な流れ、そう呆れられそうではある。しかし地方にはそれぐらいのポテンシャルは十分にある。見くびってもらいたくはない、そうはっきりと申し上げておきたい。

 無論初期投資は大変だろう。特に新球場や商業施設もとなると一大事業。しかしそれを手土産に地元入りするからこそ歓迎してもらえるのではないのか?

 最後にもう一度繰り返す。 LEAGUE ONE の各チームは、とにかく我先にと競って東京を出るべきだ。今なら条件の良い街から選び放題。以前も書いたが地方には図体ばかりがでかくなって始末に負えない競技場が履いて捨てるほどある。あくまでも自前でそれを専用スタジアムに造り変えてみせることで、地元の人々を驚かせ、そこに眠っている潜在的なファンの心を躍らせることから始めてはどうか。それらの資産を最大限活かし地方での足場を固める根城として欲しい。

 今ある都内の施設、設備や練習環境なども、国内リート市況が熱いうちに売り抜ける、もしくは譲渡しておいた方がいいのではないか? 大きなお世話だろうけど・・・・。

 いずれにしても、関東8、東海2、近畿2の偏ったチーム分布では、この先 LEAGUE ONE は細っていくだけだろう。

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