Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

ドラフトを振り返る 昇星編

 早いもので一月ももう下旬、キャンプインまでの力ウントダウンが始まりました。ということで、去年秋のドラフトの全球団の振り返りにも黄信号が灯ったようです。12球団のコンプーリートはもう潔く諦めます。球団経営に不熱心な檻とヤクはやらないことをお伝えしておきます。2チームのファンはこんなとこ来ないでしょうしね、ええ。

 というわけで今回は横浜です。横浜DeNAといえば球場のTOBを成立させてたうえで買い取って、両翼のスタンドを増設するなど経営熱心。ほんと頑張ってくださいね。旧横浜スタジアムの運営主体にはいろんな輩が何層にも重なって乗っかっていただけに、そこを奇麗にしてみせたところなどまさに偉業。球界は池田元社長に正力松太郎賞を贈るべきだろう。なんなら球界殿堂表彰でもいい。それぐらい難易度は高かった。ぜひそのあたりについて、日曜TBS21時の枠でドラマ化お願いします!見ないけど。あっ、それと日本ラグビー協会の情けない体質についてのリークも併せてお願いします。こっちはマジで。

 横浜といえばもうーつ、私はこれまで住んだこともないし、親戚や知り合いもいないので、あれこれ言う立場にありませんが、個人的に最近ちよっとばかりウオッチしていた新市長が、いきなり正念場を迎えているようですな。

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 「出産費用ゼロ」「子どもの医療費ゼロ」「敬老パス自己負担ゼロ」の三つのゼ口と、「中学校給食の全員喫食」、以上の公約が実現がきないそうです。正直言えばやっぱりな。というのは就任前から分かり切っていたことだと思う。財源ありきですから、ええ。

 今後私はどこに住もうとも、IR誘致には反対の立場なのですが、反面、それは財政難の横浜市にとって貴重な財源候補でもあった。つまり、選挙に出たというのに、公約の財源も提示せずに、できっこない大衆迎合の公約を四つも掲げる、これは一種の詐欺だと思うな・・・・。

 そうなると騙された側にも問題があった、としか思えん。山中市長の責任もさることながら、最終的には選挙で投票した横浜市民の責任ということです。もちろん市長の来年度以降の巻き返しにも注目しますが、この件は反面教師としてみなさんの周りでも大いに議論していただき、今後の選挙行動に活かす、そんな教材にしたいものですね。

 

<本日の反面教師>

 

 上位編

 それではここから横浜DeNAのドラフトについて。

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 一位の小園についてはドラフト前に書きました。

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 3年後に二桁勝ってもおかしくない、というか勝つでしょう。文句なく今年の目玉ゲット、会心の指名だと思います。ハマに待望のエース誕生、DeNAファンの皆さん、本当におめでとうごさいます! 

 でっ、ここまではいいのですが、小園を獲れたので、二位以下はこちらの都合でまとめてみました、という指名のような気がするのですよ。なんかみんなが知ってる有名な選手と、関東近郊の隠し玉とを交互に持ってきて目くらましに合っているような感じか。

 まず二位の徳山は、この位置での指名を予想できた方はいないのではないか? 意外、というのともちょっと違っていて、っていうのは無名の投手なら、どんな球投げるの、と逆にワクワクするものですが、徳山はむしろ野球通なら誰もが知ってる投手、それだけに驚いたのです。しかも二位とはいえウェーバートップ、限りなく一位と同等の評価を受けるべき選手として彼の名が呼ばれたので二度びっくり、というわけ。

 まあ左は要らん、どうしても右の即戦力が欲しい、それも先発、中継ぎ、どっちもいけるのが。この指名の意図はまさにそこ、つまりは自分の台所事情を優先させたってことか。

 さらにこうも思う、他球団の指名選手をシミュレーションしようとしたが、三位は最後だけに戻って来るまでの22人分の指名を予想するのがしんどくなった。これは二巡目トップの難しいところではある。二位で徳山を指名しないと、恐らく36番目にはもう右の徳山クラスの投手は残っていない可能性が高い、という読み。結局はそこに引っ張られてないか・・・・? 変な表現だがせっかくの最下位なんだから、ドラフト一位の選手をもう一人獲ろう、とか、残りの選手の中から一番の選手を指名しよう、そうシンプルに考えるべきところでは。これではウェーバー最上位の追い風を活かせてない。

 とりあえずは廣畑との比較になる。廣畑の三位には納得なだけに、徳山をこの高さで指名するのはもったいなく思えてくる。とりあえず2月の個人的な楽しみが増えましたわ。二人の投手の状態を録画して、ニヤニヤしながら眺めることにします。そのうち報告できればいいですね。えっ、徳山がどんなピッチャーか教えろって、そんなんみんな知ってるから書かんでええやろ(超テキトー)。

 中位以降編

 三位の粟飯原も思い切った指名。こちらは隠し玉枠。画像を観る限りですが、打者としては田村の方がかなり上なのだが。

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 あくまでもショートが欲しい、そういうことか。でも、森も田部もいるぞ・・・・。まぁ、ショートを守れる選手が欲しい、ということなんでしょうね、ええ。

 なんでもご両親がアスリートで、身長もまだ伸びてるって話なので、そういう期待値みたいなものもあるんでしょう。とりあえずサンプルが少なくてこれ以上書けません、失礼しました。

 四位の三浦っていうのが、なんかこう、いろんな意味でもう少しなんとかならんかったのか・・・・。こちらは折り返しの連続指名なので、並びとしては、三位法政大主将三浦、四位粟飯原でも良かったんじゃないかと。阪神ならそうするやろな。まあそこはいろいろとある。コスト意識も大切、そういうこと。

 この投手は恐らく中継ぎで使いたいのでしょうね。持ち球すべてに及第点は出せるのですが、フォームが少し高いのと、テークバックがぎこちなくて腕の使い方もアームっぽい。あれではコントロールもアバウトになるな。広島五位の松本を上回るものはないように思う。

 五位の深沢は去年の夏、初戦で選抜準優勝校明豊を喰ってくれると確信していた物件。予想に違わず頑張ってくれた。そのあたりはここで書いたか、

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 身体がまったく出来上がってないので、今年は夏まで陸上部でええのとちがう。腕の位置をどうするかも含めてすべてはそこからだ。

 六位の梶原もある意味隠し玉。こちらも細いな。当面身体作りでしょうね。京田のスイングを大きくして外野を守らせた、そんな感じか。

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 まぁようするに観てない。短くてスイマセン。

 

 総括

 今回の横浜の指名選手については、書きたくなることがあまり私の側になくて、こんな感じでございます。白状すると、せっかく一位で大器を射止めたというのにあまり熱が伝わって来ないのですよ。別にもっと冒険しろとかいうのではない。ファンをさらにわくわくさせて欲しかった。ベイは好きな球団なだけにそう感じてしまう。去年は牧についてあれこれ何度か書きましたが、今回はそんな風に書きたくなる選手がいなかったのですよね、小園以外には・・・・。

 でっ、総括するのはおこがましい限りなのですが、ここ三年ほどのドラフトの傾向として、どうも中位までに東京六大学の選手を選びがちなところがある。19年の伊勢、去年の入江、そして今年の二人。同時に地方の高校や大学の選手を避けているようにも思うな。三年前の下位の三人だけでしょ、確か。こういう偏りはどうも気になる。正直良くない兆候。実際、去年最下位だし。

 まぁ地方の件については置いておくとして、実はかって同じ様に東六の選手に徹底的に拘った、そんな指名を続けた球団がありましたわ。そう我が阪神・・・・。

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 ご覧の様に、一時期、判で押したように東京六大学様。表を作っててツラかったわ、ほんま・・・・。

 ここからが本題なのですが、上の表は、これを見て、”なぁんだ、東京六大学の選手って案外歩留まり悪いんだ” 、って思ってもらうためのものではありません。東六が最も才能のある高校生の集まる唯一無二の大学リーグであることに異論を挟む余地などなく、だから決め打ちで東六の選手を指名するのは決して間違いではありません。にもかかわらず現実として、上の表のようにまとめると失敗が多い点について提議したい。特に、阪神は08年から11年までの四年も続けて、必ず一位には東六の選手を絡ませておいて、結果的に他球団に獲られた選手も含めて悉く失敗している。この原因は何なのか? ってところを是非考えてみて欲しいのです。

 もったいぶるのもあれなんで答えを言うと、スカウトがサボっているのですよ、恐らく。控えめにパラフレーズすれば、スカウトがやる気を失っている。

 東京六大学の選手を指名候補としてプッシュして最終的にそれで固めてしまう、というのは、スカウトとしては一番収まりが良いのです。失敗しても球団からガタガタ言われない、つまり責任を問われないから。コーチも含めて。

 六大学出身の選手が活躍しなかった場合、 「まあしゃーないか・・・・、六大学にはこれからもお世話になるし、今後も絶対に指名もする。だから関係者の不興を買うのは避けたい。それに スカウトやコーチを責めてみたところで、次に入ってきた選手に変な累が及ぶのも嫌だし、そっとしとこう」 こんな感じか。しかもフロントは退団後、必ず広報やらマネージャーやら、なにかしらの椅子は用意する(コロナで球団に迷惑をかけた場合はその限りではない)ので、選手も納得して引退する。

 つまりドラフトとしての結果が最悪でも、とりあえず球団内では損をした人間は出ない。上位で東京六大学の選手を指名すること、それは一種のリスクマネジメントなのかもしれません。

 前にも書きましたが、スカウトの仕事は選手の発掘だけではない。プレゼン能力や交渉力も必要。だけどスカウトがそれらの工程をめんどくさい、そう思い始めたらあのような指名になるわけですよ。

 実際、阪神のあの時期のドラフト、二位以降もボロボロです。まともな選手というか、少なくともチームを支えた、そう言い切れるような選手は一人もいない(まぁ秋山は除くか・・・・)。結局のところそれで、城島やら福留やら西岡やら大物を外注せざるをえなくなって、金本の処置も含めてチームの若返りを阻むことになったのです。

 ちょっと横道に逸れましたが、結論として繰り返すなら、阪神のあの四年間の一位指名について、本来であれば間違いなくスカウトの落ち度が問われなければなりません。他球団に流れた選手もいますが指名した事実は消えない。これだけ続けて失敗する、それも六大学出身という身元がしっかりしている選手を立て続けに外しまくる、というのはよっぽど選手を真面目には観ていないか、そもそも観る目がないか、やる気がないかの何れかということになる。DeNAのスカウトが、一時期の阪神の状態に陥ってはいまいか、当面ウォッチしていく所存です。大きなお世話だけど。

 「今回のドラフトは小園が当たったし、前回は牧で大当たりだし、ちよっとしばらくはゆっくりしたいもんだ。フロントは野球に疎くてカネカネいうような奴ばっかりで、話をするのも嫌だぜ!」、横浜のスカウトたちがそんな風に感じていないことを祈りたいと思います。

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ドラフトを振り返る 淋鯉編

 今回は広島のドラフトについてなのですが、先々週だかラグビーの新リーグについて散々イチャモンをつけた際、

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 どさくさに紛れてカープについても書きました。こんな感じ。

広島カープのように ~ ”市民球団” と標榜しながら、実は ”松田家の持ち物” という二枚舌を巧みに使い分けて市民だけではなく県民を騙し続ける詐欺球団 ~

 まあ、別に筆が滑ったわけではなく、ありのままを書いたつもり。しかしながら、広島ファンの方がそれでいいんだと。つまり ”詐欺になんかあってないんだから、それで構わんだろ”、と言われりゃ確かにそう。傍からあれこれいう話ではない。ただどうしてもこうは思ってしまう。”市民球団” と ”一族の持ち物” が、同時に並び立つことなどないんじゃないか、と・・・・。

 しかも後者としての時計の針は容赦なく進んでいて、次のオーナーは現代行である松田一宏氏に決まっている。三代続けて世襲のようだ。つまり年齢的にも後三十年ぐらいは、この二つの看板を下ろすことなく手品を続けるご様子。松田家はやる気満々なのだ。

 球団の経営自体は、マツダスタジアム効果や三連覇もあって、追い風が吹いていたここ数年、順調にやってこられた。そもそも球団が得た条件が良過ぎ。スタジアム内の各種看板の広告費や飲食物販は総取り(その何割かは広島市が分けてもらってスタジアム建設費用の償還に充てても良いのでは・・・・?

 しかしその良い流れも二年前で終わって、一転して46年振りの赤字に!!

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 なんだかなぁ、わざわざこれって周知する必要あるか・・・・?

 去年度、ここまではっきり赤字を明確にしたのはカープぐらいではなかろうか? そもそも、コロナで野球に限らず黒字経営しているプロチームなんかほとんどない。世間を見渡してもサービス産業などはどこも同様。わざわざ昵懇のメディアを通じて知らせなくても、みんな十分過ぎるぐらいわかってる。なのにそれをする。

 そこは、”カープ市民球団だから、はっきりとそれをファンの皆さんにお示しする義務がある”  ということなのか・・・・?

 ”当面は松田家として慎ましく緊縮財政でやっていくんで、そこんとこヨロシク!”、そう予防線を張ったようにしか受け取れんのだが。つまり二枚舌というのはこういうところなわけである。

 力ーブファンには熱心な方が多い。野球ファンなら常識。まったく頭が下がります。だからこそ、大きなお世話かもしれないがカーブ球団のやり方に、忸怩たる思いを抱くのである。

 今を遡ること四半世紀前、インターネット草創期に私が野球系のHPを持っていた、という話はここで何度かしました。当時、カープファンの方からはよく励ましというかエールをいただきました、ええ。阪神ファンからは脅迫めいたメールばかりでしたが(私が反野村を貫いたゆえの所業)。

 あの頃、球団別でいえば阪神と広島のHPの数が抜きん出て多かったのを覚えている。今もブログとか、そういう傾向あるんじゃないかな、知らんけど。だからというわけではないですが、阪神ファンとして、広島ファンの気持ちが、自然と伝わってくることがある。嗚呼この人たちって、本当にカープのことが好きなんだなぁ、って。

 そんなファンに支えられ続ける広島東洋カープは幸せな球団だと言える。そしてその関係を少しでも長く続けて欲しい。カープを本当の意味で市民球団にすべきではないのか。   

 「皆さんのカープを松田家で預からせてください

 これはカープの扱いについて地元財界で大揉めした際、それを取り仕切ってみせた故松田恒次オーナーの有難いお言葉。ならばお預けしたものをそろそろお返しいただこう、そんな日が来てもおかしくはない。まずその手始めに、松田元は何とかした方がええと思いますよ。ありゃまじで詐欺師ですぜ。お爺ちゃんもそう思っているはず。

 長い前振りでしたが、それではカープのドラフトについて。

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<本日の二枚舌>

 上位編+α

 ―位の黒原は、隅田の入札を外し、山下も外したが、実は結果そのクジが当たりだったという物件。ドラフト前にも少し書いたかな。

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 ロッテの鈴木によく似ています。高校時代ともに名門校の左腕工ースで、小柄で、甲子園にも出て、そしていまいちパッとしなかった点も同じ。大学時代にそれを取り返すような大活躍、をしたかといえば、決してそうではないところも似てるのかな。

 最大の魅力は常時140キロ後半のストレートを繰り出せるところでしょうか。スライダーも良いしコントロールもまとまっている。鈴木と違って腕が上から来るのも良い。なので背は低いが角度はある。 ただ頭から投げると5回ぐらいになると決まって掴まってしまうタイプ。先発として見ると積んでるエンジンは軽い。しかし中抑えなら十分にやれる。今年春から勝利の方程式に入れると思います。 起用法いかんによっては新人王もある。

 二位のであるが、今年の新人で春から開幕口ーテに入れるのは隅田とこの投手だけだろう。二位ながらこっちは先発でいけます。絶対的な球はないがゲームメイク力に長けている。常時145キ口ぐらいのストレートに、スライダー、チェンジアップともにほぼプロ仕様。コントロールと度胸以外は伊藤将司より上。誤解しないでほしいのだが、度胸がないというのではない。芯が強いタイプ。だから案外大舞台に強い。二桁は難しいがほぼシーズン通じて先発の一角として機能し、七つぐらいは勝つのではないかと。セの新人王の一押しです。

 三位の中村は、普通この位置ではあり得ん指名・・・・。そういえば広島のドラフト絡みで思い出すのが、名物男と言われた村上チーフスカウト。いつもなぜか大番頭気取り。松田元オーナーは公の席でも彼から ”ハジメ君” と呼ばれてました。二十年ぐらい前の話。まぁ、当時からその程度の奴ってこと。

 あの頃はこのスカウトにほぼ丸投げで、変な指名が多かった。今回のはオーナーの意向にスカウトが忖度した、いわゆるハジメ物件。変な指名であることに変わりはない。

 慶応の選手を追うのは大学まで、というのは、スカウトの間では一種不文律である。野球部を持つ一般企業で、慶応卒の選手が入社するのは中村がそうであるように、トヨタや、東京ガスJR東日本などインフラ系の一部に限られている。恐らくそれらには社内三田会なるものもあるのだろう。引退してからもそこそこの出世コースには乗るので生涯賃金ならプロ入りするよりもお得。だから手を出してやるな、というわけ。

 スカウトだけではなく、これを知らぬ球団関係者はいまい。広島もその例外ではないはず。ところが・・・・。

 確かに中村はプロ入りを熱望していた。しかし、多くの球団は先の理由で見送った。そして迎えたドラフト当日、中村の夢は叶った。叶えたのはもちろん松田元オーナーだろう。ついに世界のトヨタに一矢報いてやったよっ、見てくれたかいお父さん、お爺ちゃん、曾祖父! そう無邪気に快哉する様が目に浮かぶ。ハジメの夢も叶ったのかもしれない。

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 ただぶっちゃけ、実力不足で中村をリストから外していた球団も多かったという。守備、肩はプ口で通じるが、打撃はキャンプ中継を観て失笑するコアなカープファンが続出するのではなかろうか・・・・。

 8位ぐらいで指名して獲得に漕ぎ着けてみせたら、ハジメも一皮剥けるのだろうが、言うまでもなくそんな胆力はない。

 中位~下位編

 4位の田村は私的に高校生NO. 1打者。去年を入れてもトップだと思う。このあたりで書いた。

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 真面目にやれば、普通にロッテの藤原や中日の根尾を二年目で抜くと思う。今年の目玉と言われている矢沢以上。

 長所は前に突っ込まないところ。ボールを捉える瞬間には後ろ脚に重心が残っている。正直、藤原があそこまで突っ込んでしまう、というのは意外であった。そういう意味では同じ左投左打の田村も例外ではない。しかし甲子園でチェンジアップをしっかり残して打った。あれを待っていたとは思えないし、決して悪い球ではなかった。なので最低でも板倉ぐらいはやると思う。課題は二刀流をやりたがるような性格面か?

 この選手をこの位置で獲れた、というのが、なんというのか、令和に入ったというのに松田家がのらりくらりとここまで持ちこたえている所以だろう。三位指名でオーナー自らが遊んで、そのバチが当たるべきところなのに、4位で出物をゲット。結局、帳尻が合うという・・・・。もう知らん!

 5位の松本は来年だけ見ると、下位指名で最も即戦力となる投手ではないか。ただしそこはやはり下位指名、欠点も多い。私から見ても二つある。一つ目はテークバックがギクシャクして硬い。二つ目は左肩の開きが早い。いわゆる粘りのないフォーム。ただ、打者と正対し胸が合ってからが勝負とばかりに、そこからの腕の振りは出色。奇麗な縦回転のフォーシーム。特に145キ口ぐらいのが一番回転数も多く2,600ぐらい。いい感じで浮き上がるようなストレートだ。

 この球だけで勝ちゲームの7回を任せられるかもしれない。変化球はどれもイマイチながら、あの直球があるから欠点とはカウントしないで欲しい。後は少し落ちる程度のスプリットの精度を上げてチェンジアップ替わりに投げていけば今年は通用すると思う。最近、こういう腰回りが太くて175cmぐらいの好投手が出てきがちである。そんな気がする。

 6位の末包であるが、確かにパワーがあって面白い選手。打球速度はアマチュア球界で群を抜く。しかし、果たしてどこを守らせるのだろうか?DHがないセリーグ、右打者にとって課題であるアウト口ーの見極め、というか感受性は試合に出ないと育たない。来年の由宇でのポジションが楽しみである。

 7位の高木は高校生を代表する大型捕手。華はあるがどうも実がない。素材重視での指名と思われる。バッティングに癖はないので、内野をやってもいいし外野に挑戦してもいい。一年目は捕手には拘らず可能性を探って欲しい。

 総括

 去年のカープのドラフト、総じて悪い指名ではない。むしろ良い、三位で遊んだのに。恐らく今年の新人王争いは森、黒原、松本を中心に進むのではなかろうか。しかし、である。三人とも今年が結果的にキャリアハイの可能性をプンプンに感じる。山内、小林幹英以降、悪い時のカープの流れである。そして森下も栗原も・・・・。

 縁起の悪いことはここまでとしたい。田村を獲れただけでもアニバーサルなドラフトだったのだから。しかも四位だし。メデタシメデタシ!

 

 最後にもう一度松田家の問題について食い下がっておきたい。

 今を遡ること15、6年前だったか、新スタジアム建設が頓挫しかけた際、最後は広島市と県が税金を突っ込み、地元財界なり募金なり公募債まで繰り出して決着がついたと記憶している。当時、私は松田家が球団の株はもちろん、保有するマツダの株などを処分し供出ぐらいは当然するのだと思った。しかし、松田元はイニシャルでー銭も払わなかった。並行して行われていた設計・施工コンぺであれこれ難癖はつけていたというのにだ。

 黒田が出戻った際カープファンは狂喜乱舞した。ヤンキースの10億を袖にして、その三分の一も出せないカープに戻ってきてくれるんじゃ、これこそが男気というもんじゃ、と。その時私は思った、” 半分は出せよ、松田家の持つ株でも処分(以下略 ” 。

 どうも私の眼が曇っているからなのか腐っているからなのか、”松田家” と ”球団” の関係、とは、”カープ” という中国地方最大のコンテンツを人質にして、市民、県民から甘い汁を吸い続ける "松田家” 、という構図にしか映らない。

 下のグラフを見て欲しい。

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 確かに20年度、そして今年度も赤字なのでしょうよ。しかし、その前の五年間は連続して売り上げは実に 150億をクリアしている。プ口野球経営の損益分岐点、少し乱暴であるが売上でいえばおおよそ 90億弱ってところだろう。つまりカープの去年度の赤字額は大した数字ではないと想像する。

 根拠は少し古いが、コロナ禍でも着実に黒字を出し続ける経営上手の楽天の11年の売上から類推した。

number.bunshun.jp

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 この年も確か黒字だったはず。売上高は88億。これでおそらくトントン、もしくはちょい黒字ぐらいか。当時のKスタ宮城(現楽天生命パーク)のキャパは2.3万人。稼働率は約7割。平均で一試合1.7万。コロナ禍の力ープの20年度の売上 85.5億とも符合する。

 でっ、何が言いたいのかといえば、その前の五年間散々っぱら稼いでおいて、積もりに積もった繰越利益があるんじゃないのかい。どこの球団もそれを切り崩してこの二年間やりくりしている。細かい数字はこんな感じか、

www.nikkansports.com

 なんか総資産とかちょっとピント外した資料であるが、つまりはどこも大変。それぐらいちょっと考えればわかる話。だけど、世相の暗い中、安直にそれを口にすれば、悪い景気がますます悪くなる。そもそもプロ野球って夢を売る商売だし。だからどこもそう易々と赤字だなんて言葉にはしない。 だというのに、お仲間の新聞社を通じて我先にとピーピー言いやがる、だから腹が立つ。

 本当ならこのオフも、しっかりと満足のいく更改をしてやって欲しかった。栗林 5,300万って、安っ! 二十歳の檻の宮城ですら5,000万なのに・・・・。厳冬などとは言わずに、順位に関係なく五年分の利益を大盤振る舞いする覚悟で、ハジメよ、おまえが男気を示す番じゃないのかいな・・・・?

 まったくこの男、三十年以上に渡ってウォッチを続けていますが、そもそもオーナーの器じゃない。古い話で恐縮だが、慶彦とは揉めるは、国民栄誉賞衣笠を死ぬまで干し上げるわ、そして新スタジアムを巡ってはあの有様。とにかくどケチ。夢の無い男である。にも関わらず球団事務所をスタジアム内に設けてもらって、今ではまるで主気取り。どこまでもセコく甘い汁を吸い続けようということか?

 最後になるが、カープについて少しだけ夢のある話を。巨人がどうも飼い殺ししそうであるところの中田翔。言うまでもなく広島市出身。まぁいろいろと地元的にも訳アリの物件だけども、思い切って引き取ってみてはどうか(長野あたりを餌に)? 彼の復活があるとすればカープ以外にないんじゃないか。その暁には物語的にも良い話になると思うんだけど、まぁこれもハジメじゃ無理か、奴は危ない橋は渡れない男。巨人を相手に交渉できるような胆力もない。合掌

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こないだ速報 22/ 1/14

 昨日の昼、蔦さんと小嶺氏について書きました。その中で小嶺氏が生前、自らマイクロバスを運転して、県外の強豪校に遠征に出かける記事を紹介しましたが、実はそれを改めて読んで、真っ先に思い浮かべたのがこの山本監督でした。

hochi.news

 前回の中で、上の記事についても触れておきたかったのです。がっ、長くなりそうなので分けてみました。

 実は去年の春、このブログで山本監督を応援している、と書いたのですわ、トホ。

 

tilleternity.hatenablog.jp

 名監督になる素質もある、そう思っていただけに残念であり、彼を持ち上げた責任も感じます。この容疑が本当であれば、前回倉敷で監督していた当時の保険金詐欺も、本当にやってたとしか思えんし・・・・。

 ただ、この人の甲子園に対する執念に、心打たれたのは事実である、ということは白状しておきます。それが悪い方に出たのか・・・・。まぁ状況を見守りたいと思う。

 

 次に日ハムのドラフトの回で、松坂について触れました。MLB時代の彼の信念には、まさに日本野球の矜持を感じたのですが、ちょっとばかり綾をつけておきたい。

www.nikkan-gendai.com

 引退セレモニーに、小倉氏どころか渡辺さんを呼ばなかった、というのはどうなのか・・・・? 百歩譲って、「日刊ゲンダイ」ごときに連載を持つ曲者の小倉はいいとして、渡辺さんは呼ぶべきだろう。別で一席設けているのかもしれないが、やっぱこの仕打ちはないと思うぞ。ちょっと、というか、かなりガックリですな、ええ。

 

 次に、高校サッカーについて取り上げた序でに、これについても書いておきますね。

sportiva.shueisha.co.jp

 これってどうなんでしょう? ぜひサッカーオタに訊いてみたいな。まぁ、高校サッカーの場合、各クラブのユースチームが参加しない選手権に意味などない、で片付くのかもしれんけどさ。

 因みに今回の花園ですら三校の初出場があって、去年の夏の甲子園には五校。五十歩百歩と見る向きもあるかもしれないが、狭き門であるが故に、一校の差でも大きな違いがある。だからこの数字は、寡占化の兆候と捉えられなくもない。しかも青森山田に至っては四年連続の決勝進出。まさに高校サッカー高校ラグビー化が始まっている、そうとしか思えないのですよ。競技人口は恐らく五十倍ぐらい違うというのに、拙くないか・・・・?

 高校野球もPL、駒大苫小牧の二校が三年連続夏の甲子園決勝進出というのがあるけど、四年続けてというのは近年ない。当時のPLはプロで170勝の桑田がエースで、500本塁打の清原が四番でしたし、しかも一年の時から。駒大苫小牧にもMLBで五年連続二桁勝利の田中マーがいたわけです。まぁ、青森山田松木、宇野の今後の活躍に期待することにします。

 

 最後にこの記事、

www.nikkansports.com

 この事実について書かないのですか、とリクエストをいただきましたので取り上げます。

 実はこのブレイク・ファーガソン選手ですが、13人制の元豪代表で、ドラッグについては限りなくグレーの経歴の持ち主でした。そういう選手をしっかりと身体検査できなかったNECに瑕疵はあると思います。ただ、じゃぁおまえがNECグリーンロケッツ東葛の関係者だったら、この選手を撥ね付けられたか、そう問われたら、正直言います、無理だったと思う。

 恐らく、というか、間違いなくこの選手をリクルートしたのは今期からディレクターに就任した元豪15人制ラグビー代表HCのマイケル・チェイカ氏だからです。

 チェイカ氏は南北のそれぞれのクラブチーム選手権を制した経験を持ち、前回、前々回のW杯でワラビーズを率い、15年には年間最優秀HCに選ばれるという、いわば超大物。さらにこの方、アパレル会社を起業し大成功を収めた大立者でもあり、つまり一生遊んで暮らせる大金持ち。その彼が何故、日本の適当なリーグ(失礼)のディレクターに就任したのか? 青臭い表現で恐縮ですが、純粋に ”情熱” 以外ないと思います。ラグビーをメジャースポーツにする、という。

 他チームの外国人HCは皆、日本に稼ぎに来ているのに対して、この方の場合はラグビーが大好きだから、というだけの理由でチームに噛んでいるのです。多分、NECも大した額を出してませんわ。だいたいグリーンロケッツ自体貧乏チームだし。

 それだけに「この選手を獲って欲しい」、そう彼に言われれば断れない、というかその余地は限りなくなかったような気がするのです。NECが真剣にファーガソンの裏取りをしたかは判りません。しかしそれをしたところで、今回の件を避けられたとは思えないのです。

 チェイカが今後、この国のラグビーにどんな爪痕を残してくれるのか、少しだけですが期待しようと思っています。

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 というわけで、私がボヤく基準というのは、「それ、何とかなったでしょ!」ってラインかもしれませんね。

 改めて開幕戦が中止になった件ですが、選手はみんな、去年、いきなりファンを裏切ったことについて少なからず責任を感じていたであろうし、今年の開幕が新リーグとして特別なものであることも理解できていたと思うのです。まして彼らはプロ、ファンあっての LEAGUE ONE 。特に開幕戦は、当初から1カードだけ切り出されて行われる予定だったわけだし、チケットの売れ行きも翌日からの試合と比べると別格でした。それであれはないだろと・・・・。

 こういうのって、組織のトップの在り方が問われてくると思う。逆に言えば、協会がビシッと通達というか、メッセージを出していれば締まるんですけどね。そのあたりの発信力もない。

 結局、新設ポストの理事長の玉塚に謝らせて終わりって、呼んで来たの三か月前だぞ。初仕事があのお詫び・・・・? ここまで読めてて連れて来たんじゃないの、ってぐらい悪運強いわ、あの二人。

 そもそも開幕戦だけ特別仕様のセレモニーもあったそうですし、大口のスポンサーにもお披露目も兼ねて来賓として出張らせてたわけでしょ。かなり不信感持たれたって話ですぜ、去年とおんなじこと繰り返しやがったって。せめて新しいオチぐらい用意しとけっ!

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アマチュアスポーツ界 指導者に思う

 ちょっといろいろあって時間が出来たので、この隙に正月明けからあったことについて書いてみたいと思う。

 まずはこれ、

hochi.news

 まぁ私はサッカーにはそれほど興味がないので、あれこれ言うのは憚られるのであるが、ちょっと書かせていただきます。

 まずこの方で思い返すのはこの記事、

www.sponichi.co.jpお

 この方のバイタリティに影響を授かる形で、高校野球の指導者たちの多くが大型免許を取得するようになりました。そういう意味でも、広くアマチュアスポーツ界に残した功績は大きい。まさに ”高校サッカー界の巨星墜つ” である。

 ではというのもなんであるが、高校野球界でこの方に匹敵するのはもちろん、

www2.myjcom.jp

 この人でしょうね、恐らく。

 実はご存命の頃からこの二人が織りなすコントラストに興味がありました。まぁ年齢が二回りほど離れているので世代の違いで片づけられそうですが、頂点を極めたスポーツ有力校の指導者であると同時に、県立高校の教師という観点でいうと、高校野球側ではこの人しかいまい。渡辺さん(元横浜高校)とは年齢的には合うのですが、私立だし、途中から教師に転じているので、やはりそこは蔦さんかなぁと。

 でっ、まず、小嶺氏ですが、終戦直前に長崎で生まれ、父親を戦争で亡くし母子家庭。貧困下で七人兄弟の末子として苦労して育った末に大学を卒業し、高度経済成長の最中に母校である島原商業に商業科教諭として赴任。

 一方の蔦さんは大正の最晩年、徳島の旧家の一人息子、つまりええしのボンとして生を受けるも戦禍の中特攻隊員となり、幸い出撃前に終戦を迎え、その後、ノンプロやプロ野球選手を経て、戦後のどさくさに紛れる形で池田高校に社会科教師として着任。

 小嶺氏は77年にインターハイで優勝し、84年に国見高校に異動。以降同校で選手権を六度制し高校サッカー指導者として不動の地位を築く。

 蔦さんは着任から二十年後の71年にようやく甲子園に出場。三年後に選抜準優勝。その後も池田高校の全日制と定時制を往復する形で同校の監督を続け、遂に82年夏、翌83年春甲子園を連覇。池田高校は空前絶後の人気校となった。

 小峰氏は県教育委員会から離島赴任免除の特例を引き出し、97年から国見高校の教頭に昇進、2000年からは校長に就任。定年を迎えた06年まで引き続き総監督として同校の指揮を執り続けた。

 蔦さんは連覇後、86年の選抜優勝を除くと低迷期に入り、88年の夏の甲子園出場を最後に92年3月をもって池田高校監督を勇退

 二人の最大のコントラスト、それは小嶺氏が着実に教師としての王道を歩んだのに対して、蔦さんは忘年会で酔っ払って教頭を旅館の庭の池に投げ込むようなアウトロー。出自が母子家庭の末っ子の苦労人と、名家の一人息子のボンボンの違いからなのか、対照的であると思ったものだ。

 正直言うと、小嶺氏が国見高校の教頭になったと知って、私はかなり驚いた。公立でこういうのがあるんだ、と。高校野球の場合も私立に限ると教頭になった指導者の方がいる。最近の例だと浦和学院の我らが森士。少し前だと大垣日大の阪口さんがそう。ただこれはどちらかといえば、高校の名を全国に知らしめ定着させた、その対価のように思う。本人は金さえもらえて監督を続けられればなんでもええんやろ、と。つまり、アマチュアスポーツの指導者で、しかも公立高校で、そこの管理職になりたい人がいるんだ、そう驚いたわけ。恐らく周りが担いだというのも大いにあるんでしょうね。まぁ名誉の問題なのかもしれません。

 でっ、その報を受けた時、私は咄嗟にこう思った。小嶺氏は校長にもなる。そしてその後選挙に出る、と・・・・。図らずもそれはホンマになった。そしてあえなく落選、

 

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 まぁ久間が足引っ張ったわけですが、やり過ぎの感もあった。結局長崎県民の目にも少なからずそう映ったようだ。小嶺氏にもともと上昇志向があったかどうかはわからない。

 蔦さん亡き後、同校には記念碑が遺った。

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 山あいの子らにとって、大海はどこまでも広かったが、海の男にとって、目指した山の高さでは満足できなかった、ということなのかもしれない。

ドラフトを振り返る 勝公編 ②

 新しい年も例年だと成人式あたりでそれほど意識しなくなりますよね。企業の括りは年度ですから。正月はあくまでも下期の踊り場って感じでしょうか。なので手帳やノートも4月で改める方も多いのでは、私もそうです。ところが今年はあまり新しい年である2022年が馴染んではきません。っていうのは、実はまだ一日しか出社してない・・・・。なので依然新年気分。

 本当は Xmas 前から長目に休む予定が年明けにズレ込んだというわけ。まぁ内規に則って休んでいるだけなんですが、この7、8年取れた試しがない。やっとこそ取った。だから本当は今日が初出勤のはずでした。なのに決済絡みもあるので催促されて、先週一日だけ泣く泣く出社。とはいうものの、そこで溜まりに溜まったメールを処理できたのは良かった、というのは正直あったかな。つまりは社畜。そんな自分を好きになれるわけありません。早く自由になりたい。

 ところで年明け早々またぞろコロナ・・・・。”それみたことか♫” 、報道するメディアが燥いでいるように感じるのは私だけでしょうか? 詳しくは見てないけど。

 風邪レベルなんだから、もうそろそろ割り切るべきでは? これではいつまでたっても国の経済は回復しない。株価もそろそろ本格的にヘタれる局面が来るように思うな・・・・、

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 明日は小動きでしょうか。それとも嵐の前の静けさか。何事もなければ良いのですが、くわばらくわばら。

<本日の嵐の前>

 松坂が遺したもの

 それでは日ハムのドラフトの続きです。に関してはドラフト前に何度も書いたので、このあたりを参照願いたいのですが、

tilleternity.hatenablog.jp

 実は私が達の可能性を通して言いたいことを、11月に発売された「Number 」の中で松坂がで語ってくれています。

number.bunshun.jp

 ロングインタビューの中のその部分を要約すると、松坂はMLB時代、ボールを動かすピッチングスタイルに違和感を感じていたそうで、日本人らしい奇麗な回転のボール、恐らく縦回転のフオーシームだと思うのですが、それに拘っていた、つまりは日本で培ったものでMLBの選手を叩きのめさないと意味がないんだ、というようなことを述べている。まさにその通りだと思うのです。

 メジャーの投手のほとんどが大きな身体を横に回転させて投げる都合上、縦回転のボールはそうそう投げられません。なので、日本人投手にとってそれに拘ることは大いなるアドバンテージになる。そしてそこに私的に付け加えるならば、真下に落ちるフオーク、これも肘への負担からメジャーの投手は習得に熱心ではない、というか避けてさえいる。更にいえば真上から投げ下ろすからこそ落差は大きくなるわけで、この二つの球種は日本野球のいわば固有種。つまり松坂のいうところの日本野球が培ったもの、というわけです。

 そして達は将来、この二つの球種について、それぞれー級品のものを投げられる可能性がある。だからこそMLBでサイヤング賞が獲れると書いたわけです。

 浮き上がるようなストレートと、真下に落ちるフオーク。この二つのボールで打者を圧倒し、ファンを魅了する達の姿を、まずは北広島の新球場でぜひとも観たい、そう願っています。

・将来の予想:六年後サイヤング賞

 

 二位以下のみなさん

 いやぁしかし、年が改まってもドラフトについて書いているとは思いもしませんでしたわ。後何球団あるんだろ。キャンプ前には全球団終わらせたいのですが、気が遠くなるな・・・・。

 それではファイターズの二位以下の選手について。

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 二位の有薗は高校通算本塁打70本以上のスラッガー。ヒッチする癖があるものの、そこでパワーを貯め込むのか圧巻のスイングスピード! たぶん高校生ではトップ。また強肩でマウンドに上がれば140キ口超のストレートを投げるそうで、それを裏付けるというか、スイングのフオーローの小ささから右のリストの強さが伺えます。不調に陥るとバウンドの高いサードゴ口やショートゴロを量産するタイプか。

 将来像としては西武の山川を挙げたい。リストの使い方はよく似ている。反面、横浜の紀田のようになる可能性もある・・・・。ヒッチ自体は決して悪くはないが、木製のバットにも慣れて、プロの身体ができて、自分のスイングやバットの握りを見つけ出してからにすべきかと。先日筒香が金属バットの悪影響を語っていましたね、

www.nikkansports.com

 ここでは言及されていませんが、飛び過ぎるバットと同じぐらい問題だと個人的に感じているのが、ゴルフ握りで打つ子が多いことなんだけどな・・・・、まぁいいかっ。

 有薗のグリップについていえば、押し腕の強さを本人も意識しているようで、力を抜くために右人差し指は常に立てて、グリップは基本九本の指のよう。右手首で被せないというか、バットをコネないように工夫しているのだと思う。がっ、これも木製で実戦を重ねて、自分にとってどのグリップが正しいのか試行錯誤を繰り返してからでいいと思います。

 ただ手首自体は柔らかいようなので、その強さも相まり可能性を感じます。欲を言えば、もう少し公式戦でホームランを打って欲しかったかな。春から間の取り方でも苦しむようにも感じますが、三年は修行だと思って頑張ってください!

 

 次に3位の水野ですが、バネ仕掛けのような身体全体を使ったスイングは好感。日ハムの担当地区のスカウトがかなり入れ込んだ物件でもある。無事に三位で指名できたが果たして吉と出るか凶と出るのか・・・・。というのは守備がショートは無理。プロではセカンドもどうか。となるとバットー本で食っていくサード向きとなる。つまり長打が求められるということ。バネはあるので外野手の間を抜くような、楽天の茂木が目指すべき将来像だろうか。まあ肩も強いし脚もあるので外野の方がええかも。

 4位の阪口は形の良い打撃で岐阜の大谷と噂された逸材。春の地方大会で不調に陥り評価を落とした。注目されただけにマークが厳しくなって、その網を掻い潜ることができなかったのか? 正直サンプル不足でよくわからない。地元中日が3位で動かなかった点に何かヒントがあるのかも?

 5位は選抜を沸かせた中京の畔柳。”エイヤーッ!” という掛け声が聞こえてきそうな力投派。しかし連投の影響か肘を痛め、その関係でここまで順位を落とした。夏の予選で 150キ口を投げたことで完治したと報じられたが、多くのスカウトはそうは見ていなかった、ということになるのか・・・・?

 阪口もそうだが、この子も大学経由の方が良かったのではなかろうか? コロナ不況もあるのか、早くプロ入りを望む子が増えているような気がするな。まぁその心意気は買いたいとは思います。

 6位の長谷川は横から軽く投げる軟投派左腕。コンパクトな腕の振りから手元で伸びる球を投げます。曲がりの鋭いスライダーはプロ仕様。今回の日ハムの指名選手で、一軍デビューがあるのは恐らくこの投手だけかと。対左用のワンポイントで大いに需要があると思います。結構な試合数投げるのではないでしょうか。怪我には気をつけて下さいね。

 7位の松浦に関しては高卒即のプロ入りは納得。身体も十二分にできているし、アマ球界でやることはもうない。もともと道産子だけにこの指名は本人にとっても良かった。大阪の水は合わなかったので地元に戻って頑張って欲しい。大阪桐蔭は投手の育成は上手くないのだから、全国中からスカウトするのはやめてください。

 8位の北山は多くのネットスカウトが上位もあると踏んでいただけに、ドラフト当日は一種のサプライズとなった。しかしテークバックで斜め下にあそこまではっきりと、しかも身体から遠ざける形で腕を下ろす投手が活躍した試しはない。球種も判るしコントロールもつきにくい。元阪神の松田龍馬がこのタイプ。フォームを改造するところから始めるかも。8位は妥当だろう。

 9位の上川畑の指名は本人の熱意に応えた形か。守備は抜群なのでワンチャンあるかも。しかしファームには同じタイプの上野がいるのだが・・・・。しかもこっちは3位で獲った。この春、鎌ヶ谷でショートを守っているのはどっちなのだろうか?

 総括

 日ハムの指名は例年、”太郎指名” と言われているのだが、今年もそうだった。あそこで推された選手が続々名を連ねた。決して悪い指名だとは思わないし、蔵さんやYuki氏の眼の確かさが証明された形で喜ばしい限りでもある。ぜひこれからもこういった指名を続けて欲しいものだ。また達や有薗、阪口のようなスケールの大きな選手は、北広島の新球場にこそ映えると思う。北海道のファンをぜひ魅了して欲しい。

 というわけで、指名自体にこれ以上あれこれ言う気はないのだが、あえてここで日ハムについて少し綾をつけたい。それは選手に対するドライさについてだ。

 去年のストーブリーグは新庄によって煙に巻かれた格好であったが、その裏で大田や秋吉などが ”ノー テンダー” という聞きなれない言葉で体よく片付けられた。まぁ要するにクビになったのだ。大田や秋吉は移籍組であり、西川はメジャー行く行く詐欺の前科持ちってことで、生え抜きや従順な選手はそれなりに大切にしているのかもしれないが、あの仕打ちはどうなのだろう?

 あれでは移籍先としての日ハムを嫌がる選手も出てくるのではないか。「あそこはやめとけ」、そういう高校野球の指導者も現われるかもしれない。そうなってからでは遅いのだ。選手はなんだかんだいっても自営業、一人親方である。もう少し大切にしてもらいたいものである。

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日本ラグビーの憂鬱 番外編

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 しかしなぁ、開幕で去年と同じことするか・・・・。少しは学べよ!

 これ、協会責任取るんだろうなぁ?

 硝子屋も清宮もよう、目障りだから藪木もひっくるめてやめちまえっ!

 まったくこいつらときたら、熱血漢ぶるけどヨイショも辞さぬ、みたいな世渡りの上手いだけの輩ばっかりで、世界と闘ったことあるのは一人もおらん。おまえら全員チンポついとるんかっ?!

クビぢゃぁーっ!

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日本ラグビーの憂鬱 最終回

 というわけで、新年早々一発目、嫌なシリーズでしたが今回をもって最終回にしたいと思います。さすがに栄えある新リーグがまさに明日始まろうというのに、ケチを付け続けるわけにもいかんでしょ、ってことで最後にするだけで、あまりに酷い有様が目の前で繰り広げられたら(結局は観るんじゃん)、当然手を変え品を変えて、ここでボヤき倒す所存です。

 このシリーズ、前回はかなり前になりますな・・・・、

tilleternity.hatenablog.jp

 ただこれは、オリンピックにかこつけて、7’sの惨状を嘆いただけなので、実質的にはこれか、

tilleternity.hatenablog.jp

 でっ、早速おさらいなのですが、

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 ⑤を除くと新リーグの方向性は残念ながら正反対。まぁ私の言ってることが正しいなんて、これっぽっちも思ってませんが、ちょっと日本協会をはじめ、新リーグの中の人たち、センス無さ過ぎじゃないか、ってことでずっと綾をつけてるわけですわ。

 はっきり言ってしまうと、彼らのやってることはJリーグに追随しすぎ。確かに同じフットボールを根にしているところや、代表への依存度、W杯が生命線であるところなど重なる部分は多いけど、①~③まではなんも考えずに真似てみましたとしか思えん。しかも三周遅れぐらいで、そこが一番情けない。

 まず、②についてはJリーグですら閉鎖型へ路線変更とまでは言わんが、緩やかな人気チーム限定でのプレミア化を模索し始めてます。

hochi.news

 つまり、三部構成なんて大所帯過ぎるので、昇降格は残すがJ1の上にプレミア化した新リーグを新設して敷居を高くしたうえで、改めて10~14チームでやり直そう、って案。まぁこれも取って付けた感はあるが、結局、”開放型” の限界にようやく向き合い始めたってことだと思いますよ。

 昇降格があると、どうしても目指すところが ”残留” だけになってしまいがち。そんなチームってファンからすれば魅力に欠ける。経営側も常にビクビクして長期的な視野に立ったチーム作りや投資ができない。当然大口のスポンサーもついてくれそうにない、ってことで、最上位リーグを作ろうって流れになったのでしょうが、昇降格がある以上、これもアカンと思いますわ、ええ。

 ラグビーは後からのプロ参入なんだから、こういう先駆者の苦しんでいるところをしっかりと踏まえてバスケみたいに柔軟に対応すりゃいいのにね。当面は大変でしょうが、こちらの選択の方が正しいと思うのです・・・・、

www.asahi.com

 次に③のスタジアムも含めてまるっと自治体任せの部分にも、これではビジネスにならん、とようやく考え始めたJリーグのチームが出て来ました。

ibarakinews.jp

 球団が自分の力でスタジアムを造るからこそ、「街のシンボルになる」のですよ。鹿島がなぜに自治体との縁を切ろうとし始めているのか、そのあたりをもう少ししっかりと、ラグビー新リーグの中の人たちは分析するべき。プロ野球も一部の落ちこぼれを除くと、ほぼ自前でスタジアムを運営し始めています。当然ではありますが、利益、収益を最大化するためです。

 ただ広島カープのように、完全なJリーグ方式で、一見すると大成功を収めたような球団も確かに出ています。しかし、である。ここはそもそも、”市民球団” と標榜しながら、実は ”松田家の持ち物” という二枚舌を巧みに使い分けて市民だけではなく県民を騙し続ける詐欺球団なので、そのうちバチが当たります。

 確かにスタジアム建設という途方もない初期投資は、親会社からすれば馬鹿げた、というか一種の与太話にしか思えないのでしょうが、本当に長い眼で先を見据えて商売をするのなら、そこは避けては通れないと気付くはずなのに・・・・。そもそも何百億掛かるわけではないのですから。楽天が良い例です。

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 つまり、旧態依然とした球場や競技場を改修する場合、土地も土台もあるので、それほどの投資にはならないってこと。もちろん17年前のお話なので、今なら建設費用はもっと高騰しているという向きもあるのでしょう。しかし上の記事が示す通り百億にも満たないわけ。仮に高くついたところでその半分にもならないって。ポイントは既にある資産を上手く利用すること。

 そもそも宮城県営球場はダルビッシュが ”糞球場!” と散々酷下ろした代物で、実際に出来上がるまでは、あんな見事なものが出現するとは誰も信じていなかった。

 

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 そしたらこんなに変わった! だからこそ、宮城の人々の心を揺り動かしたのではないのか・・・・? しかも改修後はそのまま宮城県に寄付という男前っぷり。オリックスがいつまでも果たさない約束を早々に叶えてみせ、晴れて楽天イーグルスは ”おらがチーム” になったと(はっきり言うが、オリックスが何度優勝してみせたところで、関西はおろか大阪の人間の心の琴線には触れることは無いぞ)。

 翻って老朽化した競技場が、いったい世間にどれだけ転がっていることか。なかには国体開催を押し付けられた果てに、図体だけデカくなってどうにも始末に負えんというのが、地方には必ずある。なぜそこに上手くつけ入ろうとしないのか? それを専用スタジアムにしてしまうと、もう国体が回ってこないやないか、などとすかさず突っ込みを入れる頭の旧い方々がお役所にはいるかもしれないが、平成の後半から、自治体は国体から逃げ回っているのが実際のところ。どれだけ国が予算紐付きで誘致を促しても、結果、真っ赤っかで終わるってことはバレている。ならば、役割を終え朽ち果てつつある競技場を、ラグビーの力で魔法を掛けて甦らせてはどうか? 重要なことなので繰り返しますよ、ポイントは既にある資産を上手く利用すること、です!

 恐らくここで④の問題が出て来るのだろう。年に数試合しか主催できないラグビーの分際で、専用スタジアムなんて有り得ない、っていう良く聞くオチ。そこで思考が止まるから、Jリーグから三週遅れているんだよ。先に上げた鹿島がその答えを用意してくれています。

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 専用スタジアムとはいえ、そこをただ公式戦の開催に限定するのは確かに勿体ない話である。まず、ラグビーとして他にもファンに観てもらいたいものがあるではないか。たとえば練習する選手の姿、それは熱心なファンであればこの目に焼き付けておきたい風景だろう。

 手前味噌になるが、我が阪神が23年前に始めた安芸のキャンプ中継、あのフォーマットは年を追うごとに定着し普及し始め、今やほとんどの球団の練習模様が、2月になればCSやBSのチャンネルで観られるようになった。阪神とSkyAの突拍子もない試みが、鉱脈だったとまでは言わないが、ファンの心を捉え、有料放送に足るコンテンツに育ったといえる。

 言うまでもなくそれを支えるのはファンの熱量と、それに応えようと身体を張って己を鍛える選手の姿の循環だろう。専用スタジアムが、ファンと選手、互いの想いを反射させる装置の役割を果たし、強くなっていくチームの姿がその光によって照らし出されるようになれば、それこそが理想の関係だと思うのだ。鹿島アントラーズが狙っているのはまさにそこだろう。

 更に言えば、秋から冬のスポーツであるラグビーの場合、専用スタジアムがあればNPBやJリーグのように春先に長期のキャンプを張る必要はない。選手はラグビーが仕事なのだから、試合に出たけりゃ日々グラウンドに通い、年中練習を繰り返せばいい。そうすりゃファンにとって専用スタジアムは、自然そこに行けば選手に会える場となるだろう。芸能界を俯瞰できる立場にはないが、AKB48が社会現象になった最大の決め手は、「会いに行けるアイドル」というコンセプトにあったのではないか。まぁ電通の操作の有無は置いておくとして、ファンとの距離感を劇的に変えたことに間違いはない。

 そしてAKB商法は、そのままそっくりラグビーにも当てはまると言えるだろう。ファンにはどんどん直接スタジアムまで会いに来てもらって、試合前後にはできないファンとの交流を存分に行うことでCS(顧客満足度)を高めれば良いではないか。もちろん商売なのだから、練習とはいえ300円なり500年なり徴収すればいい。選手やチームにしたところで、練習にファンが金を払ってまで観に来てくれると思えば力の入り方も変わって来るだろう。観衆の中で結果を出すのがプロなのだから、メンタル面も鍛えられるのではないか。

 またラグビー以外でも人が集まる場を目指すならば、商業施設の併設が望ましいだろう。そうすれば男女問わず幅広い年齢層が足を運ぶ拠点となる。すでに日ハムはそこを目標に動き出している。何度も言うが、後発なのだからそのあたりのケーススタディには恵まれているというのに、そういうところだけはラグビーの特殊性を盾に、目を閉じ耳を塞ぐから、東大阪市に呆れられ花園ラグビー場のような悲劇が起こると思うのだが・・・・。

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 確かにラグビー専用スタジアムの建設にはリスクが伴う。しかしだからこそ知恵を絞ればやりようはいくらでもあると思う。そういう意味では、本拠地をラグビー以外のプロスポーツが居並ぶ関東周辺に安直に拘る、League ONE の中の人たちの見識を疑うのは私だけだろうか? 地方でやるからこそ大切にされるという発想はなかったのか? まるで昭和末期の低迷から脱せなかった頃のパリーグの偏ったチーム分布(関東:3 近畿:3)を彷彿とさせ、いきなり躓くと思うのだが・・・・。

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 ラグビープロ化のリスクの一つに、図表にも記しましたが、公式戦の少なさと同じく保有選手の数の多さが挙げられます。しかしこれも逆手に取るべきだろう。チームにとって選手たちは商品。ファンに対してどうやって訴求、プロモーションを行うかを考えた際、その多さはむしろメリットになる。

 たとえば再び芸能界の話になるが、アイドルを一昔前の様に、郷ひろみ山口百恵松田聖子田原俊彦中森明菜、などなどピンで売り出すのは事実上もう不可能だそうです。理由はいろいろとあるのだろうが、一言でいえば多くの人々のニーズをたった一人で背負い賄うのは無理って事。思い返してみれば、郷ひろみは ”新御三家” 、山口百恵は ”中三トリオ” でデビュー当初は売り出していましたわ。田原俊彦も ”たのきんトリオ” だから決してピンではなかった。そこらあたりからシブガキ隊や少年隊など最初からユニットがメインになり出し、ヒカルGENJI、SMAPを境にどんどん構成人数が増えて行って、ついにはAKB48に行き着いた。もうEXILEが何人で構成されているかなんて、そうそう知っている人はいないだろう。

 ラグビーの話に戻りますが、まずは一人の大スターを生み出すなどという大それたことを考えるのではなく、最初から15人を擁するユニットを組ませて売り出す感覚で選手たちを眺めてみれば良い。まずジャニーズ系ならバックスに必ずいる。ノッポもデブもチビもすべて揃うし、EXILEのようないかつい兄貴タイプがお好みなら、三列に日焼けして墨の入った奴なら腐るほどいる。なかには新宿二丁目の熊専のお姐さん方を虜にできるような逸材までご用意できます! つまりあらゆる嗜好を満たせる要素がラグビーには詰まっているのです。まさにONE Team!

 多くの人々のニーズという観点で言えば、最近の犯罪防止などのポスターの変遷からも、大人数によるユニットの優位性が見て取れる。

 たとえば一昔前、平成の中頃までであれば、江角マキコあたりが決めポーズで、「痴漢? みっともないからやめなよ!」みたいな喚起ポスターが主流でした。まぁ最近でもこういうのがありましたわ、

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 つまりはこういうやつ。江角マキコはあくまで私の想像上のものですが、独りで吠えたり注意を促すタイプのやつが主流だったはず。

 ところが最近のはこんな感じなんですよ、

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 つまり色んな年齢層に対して、それぞれが強みを活かして訴えかけることで犯罪を防止しようということか。漫才師が独りで叫んだところでたかが知れてるけど、ユニットでかかれば誰か一人ぐらいは、この人が言うんなら聞こうかな、っていう感じにさせてくれる。時代劇や演歌歌手の大御所がいればジャニーズのリーダもいる、EXILE系もいるしモノマネタレントにAKB系に正統派アイドルも、つまりは色んな要素を織り交ぜれば注意が行き渡るだろうと。それは裏を返せば老いも若きもそれぞれの嗜好に多様性の波が押し寄せ、それがすでにニ、三度往復した、そんな時代になっている証ではないか 。

 もう一度ラグビーに戻る。確かに保有選手の多さはチーム運営上のネックである。しかし、個性的な選手が集まっているからこそ、いろんなプロモーションが打てて、男女の別は勿論、あらゆる年齢層のファンを呼び込めるのではないか、そう経営層が気付いてくれる日が遠くない未来にやって来ることを信じたい。

 主催試合は年に多くて10試合。となれば、少なくとも三万人のキャパのスタンドを毎試合満員のファンで埋めるぐらいでないと選手を喰わすことはできない。あらゆる意味で選手の可能性を、どこまでファンと一緒になって親会社が信じられるかが今後の鍵になるのだろう。

 恐らくラグビーはプロ化に最も向かない競技だ。世界を見渡したって成功している事例はほとんどない。この日本で、「まだ世界にないリーグをつくろう」とするのも大いに頷ける話。しかし、である。結局のところ新リーグの肝となるはずであった独立法人化に踏み切ったチームが、東芝と静岡(ヤマハ)だけってところが残念でならない。 退路を断って、リスクに挑む覚悟がなければ成功などない。これはなにもラグビーに限った話ではないではないか。今、新リーグに欠けているもの、それは即ち覚悟だろう。しかし、それもいつか必ず・・・・。

 ひとまずは、League ONE を信じることから始めようと思う。

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