Till Eternity

どこよりも遅く、どこよりも曖昧に・・・・

新人選手定点チェック Ⅱ

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 阪神佐藤、また打ちましたね。まだオープン戦なので、半信半疑なのですが、スイングスピードといい飛距離といい、真剣に日本人離れしてます。エグ過ぎ。

 確かドラフト前に和製ベリンジャーと書いたかと思うのですが、かなり本家に近いものがあります。すでに関西のスポーツ新聞は佐藤輝一色! そんな中で打ったのだから立派。

 二流以下でいいから左腕の肩口からのスライダーを、昨日の場所にぶち込んだら、その時こそ本物と認めましょうぞ。

 それでは一昨日の続きです。 

 <本日のその時こそ>

 想定内だが少し微妙 

 牧 秀悟(横浜DeNA 内野手

 打撃だけなら想定内の上の方なのですが、守備位置が・・・・。DeNAは助っ人がまるっと開幕に間に合わないことが確定したので、それで一塁を守っているのかもしれませんが、替わりにセカンドやっているのが田中あたりではねぇ。練習試合やオープン戦の序盤は牧にセカンドで場数を踏ませるべきでは? それをさせてもらえないってことは、既にセカンド失格ってことでしょうか? まぁ確かに前の動きがあかんし、守備範囲も狭いので早々に諦められたか。捕ったら強肩なのですがね。ゲッツーも結構それで獲れるけど、それでも駄目か。しかし、大学出て入団即一塁専って・・・・、そういう意味で想定内ながら微妙にしています。

 でもバッティングは凄いですよ。ホームラン連発とかではなく、ここってところで打ちますから、ええ。

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 伊藤 将司(阪神 投手)

 この人も微妙。通用しているのかそうでないのかが。あのスピードなので先発は無理にしても、左打者が続くイニングの中抑えでイケる、そう思うでしょ? でも最初の10球が高目に浮くので花火師の資質あり。ただ、左打者の胸元に飛び込む恐怖心が薄いというか鈍い、つまり度胸があるのでそこは買える。もちろん、これからそれを知る場合、その限りではない。

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 平内 龍太(巨人 投手)

 前回も一昨日も内容悪すぎ・・・・。150キロの棒ダマの見本のようなストレートでしたね。打者の手元では130キロぐらいかな。さっそく堀内御大がフォームの欠点を指摘、

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 そりゃそうやろ。ってことで早くもフォーム修正か? ありゃまぁ・・・・。

 ただドラフト直後にここで書きましたが、スライダー回転するフォークがあるのですよ。一昨日の5回無死から長谷川への6球目がそれ!

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 確かにスライダー回転しながら落ちてます。録画した方はリプレーをよく観て下さい! まず、握りがスプリットではないことはすぐに見て取れる。そして人指し指と中指の間を抜け、ボールが最初弱くシュート回転しているのですが、そのボールが裏返って、打者の手元に来て一転スライダー回転になって落ちていくのが判ると思います。それで長谷川が口を大きめに開けて、”あれっ、△#%*!” と呟きながら空振りしていくという・・・・。一種のホラー映像です。

 ヨシボールのように親指と人差し指でガチ握りで抜くのではないのに、画面右にスライドしながら落ちてる。こんな球投げる奴、漫画の世界以外いませんから。真剣にスライドフォークって初めて観たわ、嬉しい♪

 意図的にあれが投げられるのならば、そこから逆算して組み立てたらどうか? 

 これってあまり気付かれていないし、メディアも触れないけど凄い球なんだけどな。野球やったことのある人なら、あの球見たらびびると思うが。まぁ、たまたまで再現性がないのでスルーされているのかもしれませんけどね。良い縦スラじゃん、ぐらいに思われてるのだろうか、上でもスプリット扱いだし、もったいない。

 それとこの投手、変わり者でメンタル強いそうです。一昨日も打たれた後、一人ホテルでウェートに励んでいたのではないでしょうか? そのあたりは亜細亜の血か? 同僚であり先輩でもある吉川との会話、特に北村を交えたのを聴いてみたい、金払ってもいい!

 想定よりある意味悪い 

 佐藤 蓮(阪神 投手)

 紅白戦を乗っ取った、というかぶっ潰したと思ったら、今度は大学生相手にまったくストライクが入らないという惨状・・・・。これでヤクルトとの練習試合で芽生えた自信も吹っ飛びましたわ。だから春はフォーム堅めで良いとあれほど・・・・。

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 古長 拓(オリックス 内野手)  

 そういえば紅白戦出てましたね、二軍の・・・・。結局観ちゃったけどさ。

 彼は一応もうプロでなのではっきり言うと、一人だけ浮きまくっているので、バラエティーで若手芸人の中で甲子園目指してたっていうのを、プロのキャンプに叩き込んで根性試すような企画モノだとか、プロ野球選手が夢だった視聴者を応募して集めて、一番望みが薄そうだったのをわざわざ選んで、あなたの夢かなえてみせます的な感動応援番組、そういうのに近いかなって感じでしたわ。

 ということでこれ、 

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 まぁ、何と申し上げればいいのか判りませんが、上のスイングを眺めるにつけ編成副部長様が仰った「ヘッドの使い方が良い」 とか、サード専の起用のされ方を見ても担当スカウトが持ち上げた「熱いハートで内野全て守れる」 というのが、いかに欺瞞に満ちたものであったか判ろうというもの。

 この一連の茶番や、背番号が3桁とはいえオリックスのユニフォーム姿の彼が、野球少年たちに果たしてどのように映っているのか、そしてどう思われるのか、NPBとしても問題視しなければいかんのと違うの?

 子供たちにプロ野球選手になるには、いろんな方法があるんだね?」 って少しでも思われたら、一体どう説明するつもりなのか・・・・?

「大人の事情だよ」 そう静かに答えるしかないんだけどな。

 この一件って、令和の黒い霧事件だと思う。

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新人選手定点チェック!

 二月の中旬ごろから花粉症が酷くなりまして、こんなの10年ぶりぐらいですか、今年は飛散量が多いようで、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?

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 でっ、先月末に堪らず病院に駆け込みまして、薬を貰ったのは良いのですが、飲むと眠いは怠いわ・・・・。眠いのはまぁなんというのか、一思いに寝てしまえば良いのでどうにでもなるのですが、怠いのはあきません。朝からボーッとしたまんまで、一日やる気がまったく起きないという。おまえなんぞ、別に薬に関係なくずっと一緒じゃん、そう突っ込まれそうですが、これが倦怠感ってやつでして、何もせんのに疲れてやる気が湧いてこないのです、ええ。ので、家ではずっと病人のように寝っ転がってオープン戦やらトップリーグやら6Nばっかり観てて、すっかり嫁からはゴミ扱いですわ。いいご身分ですことって感じ・・・・。

 ようやくこの土日ぐらいからですか、薬にも慣れてきたのか普通に動けるようになってきました。でもジョギングとかそういうのはまだやる気にはなれませんが、せめてもということでブログ更新再開です。ええ、つまり何がしたいかというと、サボっていた言い訳、それだけです。

 でっ、そうこうしているうちにオープン戦も酣ってことで、去年のドラフト直後から上位で指名された選手を中心に、ああでもないこうでもないと、散々ケチを付けて来ましたが、実際にプロとして試合でプレーする彼らを観るからには書きっぱなしはいかんやろってわけで、リハビリも兼ねてフォローしていきたいと思います。

<本日のリハビリ>

 ここまでやるとは!

 秋広 優人(巨人 内野手

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 開幕一軍どころかスタメンまで視野に入って来ました。オープン戦でこのまま毎試合単打で良いから重ねていけば、開幕戦でいきなり角度を思い起こして特大ホームランもあり得るかもしれません。

 しっかし現時点の愛称 ”メカゴジラ” ですって・・・・。センスないわ、相変わらず。ヨシノブに ”ウルフ” って付けて失笑を買ってましたが、またやりますか? 何のために2mあるんだか、シンプルに「巨人秋広」、もしくは「巨人軍きっての巨人」でええんとちゃうの。 

 思っていたよりやる!

  佐藤 輝明(阪神 外野手)

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 正直今年、15本は無理って書きましたが、20本打つかもしれませんね。ってことはベンチマークにしていた楽天辰己も今年こそ爆発ってことですか。そうじゃないと辻褄が合わないもんね。仮にそうなら関西の大学野球のレベル、かなり騰がってます。コロナもあって、地元の子がますます残るので、今後もこのトレンドは続く。

 佐藤にとって怖いのはデストロイヤー井上HCの所業というか、指導の塩梅次第かな。北川、盾になってくれーっ! 

 

 この二人が想定以上です。蛇足ですが、来年以降の高校生野手の流れとして、スカウトは190cmOVERの選手や、早生まれで体格の良い子に対し触手を伸ばしていかねばならんのでしょうね、ええ判ります。

 想定内

 入江 大生(DeNA 投手)

 ストレートの質が奇麗な縦回転でここまで良いとは思っていませんでした。そこは想定外。ただ一試合だけなので、次が楽しみって思っていたら、これ、

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 ホームでの有観客試合に先発だそうです。営業サイドの思惑も期待も広がっているご様子。プレッシャーもあるでしょうからメンタルも試されそうです、楽しみ。

 ツーシーム以外に、はっきりとした縦の変化球が欲しいですね。

 栗林 良吏(広島 投手)

 カープはキッパリとドラ1栗原の先発を諦めたようです。これは慧眼。頭から行ってもそこそこは勝つでしょうが貯金は作れません。セットアッパーこそが彼の持ち場かと。なんでも抑えに押す声もあるのだそうですが、

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 最初の10球が高目に浮くので花火師になる可能性あり。仕様書をもう一度読んでくださいな。

 新人トリオ(栗林、森浦、大道)の中抑えでカープファンは今からポジポジ! 確かにすっかり草臥れ果てた一岡や中田蓮、塹江よりはマシかな。果たしてこの三人、シーズンを完走できるのか、乞うご期待!

 早川 隆久(楽天 投手)

 やっぱこの投手、チェンジアップ次第か、そんな思いを深めた日曜の結果。

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 売りのスライダーはプロの右打者にはなかなか通じない。なので、頼みのチェンジアップの制球がおかしくなった途端、二死から右打者に三連打。チェンジアップが来ないとなると、右からすれば入ってくる球しかないので楽になります。

 フォークもイマイチのようでなかなか投げない。ならば縦スラが欲しい。今のスライダーの角度を少し変えれば何とかなるようにも思うのだが・・・・。
 

 山野 太一(ヤクルト 投手)

 こちらのスライダーとカットはプロ仕様であることを改めて確認。打者の手元で曲がるので、見た目以上に嫌がってる。ただ課題はストレート。もう少しスピードが欲しい。145は出ると踏んでいただけに物足りない。

 それに何だか指名後太ってないか? どうも体のキレも足りないような・・・・。いいかっ、目指すは新人王なんだぞ、新人王!! 

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 伊藤 大海(日ハム 投手)

 北海道民待望の道産子ドラ1だけに先発で押しているみたいですが、課題も多いようです。

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 早くこの投手の適性を見抜いてあげて欲しい。週に一度の先発よりも、勝ち試合限定の中抑えの方が露出も増えてファンも喜ぶと思うのですが。新人王、こちらも期待しています。

 木澤 尚文(ヤクルト 投手)

 この物件も先発は無理だと首脳陣は判ってくれたのかな・・・・。絶対にセットアッパー向きですって。ほぼ全打者に3-2まで行くし、頭からだとイニングは喰えません。

 球数を惜しげもなく使うこのスタイル、ミスターフルハウス、松岡二世襲名へ!

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 石井 大智(阪神 投手)

 良いでしょ、去年のドラフト最下位指名がここまで来るだけでも立派かと。でも大変なのもまさにここから。応援しています、頑張ってください!

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 ツイートもイケてるし。

 しかし、NPB広しといえども、高知在住のスカウトはあの方のみのはず。この投手を二年続けて見逃すとは、やっぱり仕事する気がないのか、見る眼がないのか、謎です。

 

 取りあえず、想定内はここまでですね。体調も持ち直しましたので、明日以降で想定内ながらも少し落ちる選手から書いていきます、では。

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こないだ速報 2/24

 ラグビートップリーグが遂に、そして無事に開幕しました。良かった・・・・。

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 ラグビーファンのみなさん、やれやれですね。

 しかもこういう吉報もあります。

 頑張ってどんどん商売してください!

 でっ、開幕して何が驚いたって、ドコモのペレナラ。観ました? あんなにチームが変わるんだって感動しましたわ。考えてみりゃ一番ボールに触るポジですから、文字通りゲームチェンジャーになれるわけです。ああいう選手がきっとこの国にも現れると信じています。元々SHには日本人でも良い選手が必ず出るので、ラグビー少年たちはペレナラのプレーから色んなものを学んで欲しい、真剣にそう願っています。それに決して彼は別格ではないのですよ、サイズも嘘っぱちですから、あっても177、8でしょ、ええ。クボタのフォーリーの182とかもありえない。マジでサバ読み多過ぎ。

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 まだ全試合観たわけではないのでなんとも言えませんが、レベル的には特に問題なかったような・・・・。私が一番心配しているのは、去年一年間のブランクで日本のラグビーが置いて行かれてはいないか、そこなんですよね。

<本日の高下駄>

 ピラミットの頂点にあるものとは?

 ブランクについて書くと、どうせ日本代表の事ばっかり心配してるんだろ、と言われそうですね。でも日本ラグビー栄枯盛衰のその鍵は、頂点である日本代表次第。TLの各チームに対する世間の関心や注目もそこからのトップダウン以外ありえません。もうこれはガチで不動。

 TLにどんなに金を注ぎ込もうと(100億単位なら、各チームからのボトムアップにすることは可能)、どんなに早明戦が盛り上がろうと(これは中尾あたりが死ぬまで旗を振っても、もう無理)、それは変わらないと思います。TLの関係者の方が、まずは自分のチームの事を、というのは構いませんが、代表の事も常に考えるようにして下さいね。それは絶対に自分のところに良い形で跳ね返って来ますから。そして言うまでもありませんが、協会はまずは代表を、そして何より選手ファーストでお願いします!

 でっ、なんでそんなことを言うかといえば、秩父宮の、パナソニック VS リコー戦、観客数は3,941人、花園の、神戸製鋼 VS NEC戦が3,752人・・・・。もちろん五千人以下の制限は知っていましたよ、ええ。

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 でも、チケット完売じゃなかったっけか・・・・? 1,000人ぐらい足らなくない・・・・? 政府の危機感に忖度したのかな・・・・? ザワザワ・・・・、なんだか胸騒ぎがするぞ・・・・。

 何が言いたいかというと、協会が発行しているらしい ”年間パスポート” とか ”FOR ALLチケット” とかが、また悪さをしていないですよね、ってことですわ。各チームのファンクラブ特典も同じ。あえてパラフレーズしますが、それらが、何か知らんけど特にラグビーが好きでも何でもない人の手に渡っていませんよね? つまりはそういうこと。ほんと、今度こそ、協会も各チームも、真剣にラグビーを愛する真のファンを開拓してください。何よりそれが体を張ってプレーする選手のためなんですから、なにとぞ宜しくお願いします!

 キャンプ最終チェック

 昨日も練習試合が行われています。今週末からはオープン戦ですね。ということで最後の練習試合、まずは巨人秋広!

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  対外試合でなかなかヒットが出なかったのですが、ようやくって感じ。でもまだ高校生ですから、ますます楽しみ!

 一方ドラ1の平内は、

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 先週は良かったのですが・・・・、次に期待しましょう!

 

 阪神の佐藤も一時停止、

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 一方、楽天の早川は好発進、

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 2イニングで3奪三振! ただ球数が多いかな・・・・、39球。こちらも次のピッチングが楽しみです。

 

 でっ、最後に訃報です・・・・。

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  なんやねん、デスノックって・・・・?

 

  志願したとしても、それを止めるのもコーチの仕事やろ! ほんまに殺してどうすんねん・・・・? ああっ、気分が悪い! 真剣にショックです。そして井上広大が心配でなりません・・・・。神様、井上広大を守ってください! どうか軽症でありますように!

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JOC 地に堕ちたり!

 昨日も沖縄では練習試合が花盛りだったようですね。もうオープン戦ということにしてええんとちゃう。今年は無観客なので、練習試合とオープン戦の間にあった差は・・・・。まぁどっちでもええけどさ。そしてそこでまた阪神佐藤がこの爆発!

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 ところがせっかくそんな佐藤の良いところが凝縮された試合だったというのに、痛恨の中継なし・・・・。録画してじっくりと観たかったわ、残念。急に組んだ試合だったとはいえ、何とかならんかったのかスカパーよ! なんのためのプロ野球セットなんだよ、ええっ? とりあえずホームラン直後の様子はこんな感じ。

 

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  なんでも逆風を突いてのバックスクリーン越えとか。確かに最近そういうのあんまり観た事ないかな。まさに日本人離れした驚異の男、ってことで常に別格のようです。

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 きっとこういうところが練習試合、ということなのでしょうね。

 

<本日の別格>

 五輪右往左往

 森元氏の後任、前回川淵氏と書きましたがその後、まさかの展開。結局橋本氏だそうです。

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  もうちょっとマシな方はいなかったのでしょうか? 眩暈がするようなこの人選。橋本氏が金メダル、ではなく金バッチをつけた時の後見人は言うまでもなく森元氏。池江選手への心無い発言といい、親譲りというか前任にそっくり。これはやらかすやろね。

 文春も当然のように燃えています!

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 JOC東京五輪も、店仕舞いに入ったのかもしれませんね。

 こっちの漂流感も・・・・

 そういえば、森元の女性蔑視発言について谷口が原因ではないかという憶測記事が先週の新潮に載っていました。大丈夫、そんな大物ではないので。

 それと今週、Bリーグの元事務局長の葦原氏とその谷口の対談記事が出ています。

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 なんと申しましょうか、葦原氏自体、Bリーグ創設の立役者と見なすのか、ただのスポーツビジネスゴロと見るべきなのか微妙。なんせオリックス時代は何ひとつとしてできていませんでしたからね。彼の評価はハンドボール界がこれからどうなるかを見届けてからで良いと思うし、だからなのかなんなのか、記事の中身も大したことはないのですが、一点だけ初見の内容がありました。それは聞き手の谷口記者のこれ、

 ――以前の新リーグ構想で協会が既にリーグ法人を設立。25チームが入会金を支払って加入した経緯がある。

  これは知らんかったわ。勉強不足でした。つまりあの25社は、既に金を払って法人に入っていたということになりますね。でっ、その法人が作られたのは、恐らくTL立ち上げ前後になるのでしょうか。これでは彼らを新たにプロ化するからといって、振るい落とすのは難しいな・・・・。本来は供託金としてプールして、退会の際に返すべきもの。恐らくそれに手を付けたのでしょう。これでは清宮も谷口も、責めれない部分はあるのかも。

 そういえば、TLのその記念すべき開幕戦、神戸製鋼 VS サントリーが当時の国立競技場でそれなりに華々しく執り行われたわけですが、あれは忘れもしない2003年9月13日のこと。第5回ワールドカップ開幕が10月10日でしたから、まさに直前に捻じ込んだ格好。当時、なんでこんなタイミングで、っていう思いと、まぁ日本ラグビー界にとってW杯ってそんなもんか、っていうのがあって、ずいぶん冷めた思いで眺めていたのを思い起こします。ですが、25社が既に金を払っていたとすれば、当然こっちが優先ってなりますね。

 記憶があやふやで申し訳ないのですが、確か、本来は2004年開幕を一年前倒しにしたような。それも各社の前払いが協会に対してあったのなら納得。企業側とすれば、W杯の前のTL開幕を無理強いしなければならない理由があったのですよ。それはW杯での日本代表惨敗が火を見るより明らかだったから。つまり、その流れからのTL開幕など考えられなかった、ということ。たとえ直前だろうとW杯前に開幕すれば、注目度も期待値も少しは上がるでしょうし、それにTL開幕の勢いをW杯に繋げます、みたいな無茶苦茶な言い回しが通用したかもしれません。常識で考えれば、本来代表はしっかりと合宿をしていなければならない時期ですから、あのTL開幕がどれだけ邪魔になったことか・・・・。しかし金を受け取っている協会は、それを言える立場ではなかった。しかしあの時、開幕を焦る企業に対して、”日本代表を信じましょう!”、誰もそう言い出せなかったのか。TLって何のために作ったのでしょうね? 日本のラグビーを強くする、って言ってなかったっけ? だけども日本代表は信じられないってことか。貧すれば鈍する、まさにそんな感じ。ボタンの掛け違いは、もうその時に起こっていたことになります。 

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W杯 日本開催を検証しよう Ⅲ

 昨日の沖縄は終日雨だったようで、練習試合や屋外練習は軒並み中止。というわけで宮崎勢のキャンプ中継を眺めていたのですが、やっぱりこの男、凄いですね。

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 ルーキー秋広、紅白戦二試合で7の5。とにかく柔らかいし体の回転がスムーズ。長い腕が邪魔にならないよう、上手く肘を畳んでというか抜いてスイングできるので、まるでバットが鞭のように撓って体に巻き付くという、これは教えてできるもんではない。世代トップクラスと言われた同期の中山や、去年度のドラ3菊田あたりと比べてもその差は歴然。当ブログのアイドル原監督も絶賛。しかもまだ高校生・・・・。これで沖縄行きのチケットゲットでしょ!コロナ世代の最高傑作かもしれませんな。

 何せ2mですから、筋肉の量が並ではないのですよ。鍛えてボールが上がりだしたら恐ろしい打者になるでしょうね。いやはや阪神ファンから観ても楽しみな逸材です。なんでもまだ伸びるらしいし。福家なら自殺してます。

 一方先発のドラ1平内・・・・。ここのガンは辛いので、日テレが用意したのではMAX142、球場の備え付けは148でしょうか。まだよくわかりませんな。個人的には本日の報知の一面に注目してます。秋広、平内、どっちで来るのでしょうね? 悪いこと言わんから、秋広で行った方が良いと思うよ。

<本日の注目の一面>

 どうなる東京五輪 !!

 辞任だそうです。

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 後任は川淵氏。高橋氏の繰り上がりじゃない分良かったと思ってはいますが、これで前回冗談半分で申し上げた最悪のシナリオが現実のものとなる確率が、コンマ何%から、3%ぐらいにまで一気に上がったような気がします。

 というのも、96年5月下旬、FIFAから2002年W杯の日韓共催を切り出された当時の、矢面にあった招致委員会と後方支援にあたっていた電通、それぞれ実務のトップが、まさに昨日付で、JOCの1、2のポジに期せずして就いたからです。役者は揃った、そんな感じ。

 韓国は北が少しでも自分たちに振りむけば、すぐにでも32年の招致に向けて動き出せる手筈を整えているでしょうから、鄭夢準あたりがこの日本の動きを見たら、流れは来たと、与しやすくなったと、文大統領や次期大統領候補にアドバイスするかもしれません。ますます目が離せなくなってきました。 

 ラグビー新リーグもどうなる?!

 前回、サッカーとラグビーの国内の競技人口の圧倒的な差について書いたところで終わりにしました。片や500万人、こっちはたった10万人弱。規模としては1/50、まさにワンサイドというか勝負にならないノーサイド。これだけラグビーってマイナーなスポーツなのに、Jリーグの向こうを張って三部25チームに拘るのはどうなのか、ここまで書いたのかな。

 Jリーグが57チームで、その下部のJFLでも17チーム。併せて74チーム。競技人口から比すると、ラグビーの新リーグは2チームが限度ですが、それではさすがに体を成さないので、まずは6~8チームぐらいから始めるのが妥当かと思うのです。

 実際、こんな記事も出ています。 

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 まぁこの記事自体は3部や25チームを否定するのではなく、その振り分け方に綾をつけているのですが・・・・。ならばあえてその構成や規模については一端黙るとして、替わりに一つお願いがある。新リーグは一応プロなのだから、TLとは別物としてその連続性を断って欲しい。つまりチームは皆ビジネスという一本の太い綱で繋がり直すことが前提。価値観を共有できなかったり、お財布の中身についても大きな差があってはなりません。うちは三部だから持ち出しは少なくて良いよね、とか、戦略とかそういうのも特に今はないし、焦らずマイペースでやろう、みたいなこと思ってたらプロではない。そもそも競争にならない・・・・。なんか書いていて改めて不安になって来た。本当にラグビーという競技のプロ化にあたって、あの案で大丈夫か?
 たとえば名指しで恐縮ですが、マツダさんと中国電力さん、共に広島で被っているけど企業の成り立ち上、そこから出るわけにはいかんよね。実力面だけで判断すれば、共に同じ三部でプレーすることになると思うのですが、この両チームの試合、地元の方も果たして観たいのだろうか? まぁ今でも毎年やっていて、チラッと覗いたことがあるのですが、観客席は企業対抗運動会以外の何物でもなかった。それと選手がグラウンドに出てきた次の瞬間、”ユニフォームの色、逆やろーっ!” そう叫んでいましたわ。

 メタリックなまでに鮮やかな赤いユニフォームを纏った中国電力のFWの爆走を、青いユニフォームを着せられたマツダの選手が指一本触れることなく見送ったのを見て、”そりゃタックル入れんわ” そう妙に納得したもんですって、冗談ですけどね。

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 25社、25社って悪しざまに言いますが、彼らがラグビー暗黒期を支えてくださったことは十二分に認めているのです。だから少しでも良い思いを経験していただいてから、身を引いてもらおうというのならその気持ちは汲む。でもそれって何年後? 目途なんて立たないでしょ。コロナもあるし、ズルズルこのままお付き合いいただく方が出費も嵩みご迷惑をおかけするのでは?
 チームが無くなれば、行き場を失う選手が出るという、協会としても切実な問題もあります。しかし、そこは半数が社員選手という煮え切らない現状が、一転して強みに変わるのです。つまり半数は社員なのですから職を失うことはない。ラグビーを続けたいという選手に対しては、トライアウトを実施して、できる限りの救済をする。などなどあらゆる手を打って、何んとか25社の顔を立てて、半分以下にスリム化する良い方策ってないもんでしょうか・・・・。まぁ、あるにはあるのですが、思いつく限り一つだけ・・・・、それは明日以降で。

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W杯 日本開催を検証しよう Ⅱ

 昨夜も仕事終がわってからキャンプ中継を片っ端から観ましたが、真っ先にお伝えするのは何と言っても阪神の佐藤でしょうね。

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 天性の角度、それに尽きますな。最終打席に左腕から空振り三振に終わったのですが、それほどお尻に重心が乗ることもなく体の回転ができているので、今のまま行けば、80試合ぐらいの出場でも二桁打てるかもしれません、楽しみです。
 昨日が阪神の佐藤ならば、一昨日は巨人の秋広でした。

 2mの長身が、不思議とそれほど大きく見えないところもいい。きっとバランスが良いのでしょう。高卒野手が春の紅白戦で初球から変化球を振りに行けるだけでも凄いのに、芯に当ててヒットにするのだからただものではありません。球種ではなくコースで反応できるのでしょう。こちらも楽しみ。それと何より名前が良い。”秋広” って、ねぇ? 何か抜けるような晩秋の青空を思い浮かべるのは私だけでしょうか? ぜひポストシーズンで大爆発して、Mr. October ならぬ Mr. Autumn の襲名を目指してください。
 最後は例のチームのこれ、

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  T岡田とは同じお寺の檀家でして。まず彼自身は驚くほど物静かな方なのですが、 
「見る感じ、おとなしい選手が多い。悪く言えばですけど、覇気がない。」
 ですって・・・・。
 彼がこんな台詞を口にするってことは、きっとよっぽどしらけ切っているのでしょう、檻の2軍。そりゃそうやろ。しっかし、確か例の選手は ”やんちゃキャラ” ってことで指名したんじゃなかったっけか・・・・? ”試合に出なくてもベンチで声を枯らす”、って言われてもなかったか、何をしてるんやろね。”世渡り上手” とか ”相手の懐に入っていく” っていうのもあったな。今はそっちで忙しいのかもしれませんが、岡田の懐には入っていないようですな、まぁどうでもええわ。

 オリックスにも待望の打のスター誕生か!

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 こちらも楽しみ!

 

<本日の悪く言えばですけど> 

 東京五輪波高し

 前回ご紹介した高橋氏の記事というのは、WSJ誌上でバッハ会長をディスったことで海外メディアを怒らせてしまい、それに対する言い訳だったのです。でっ、これがその顛末を報じた記事、

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 実際に東京五輪を仕切っているのは俺様だ、そう言わんばかりでしょ。国内海外、色んな方々を二人で敵に回して困ったもんです。

 ますます東京五輪の漂流感は色濃くなるばかりですが、もしまた延期となった場合、森元にしてもこの方にしても、自分が生きている時のことにしか興味がないような御仁なので、将来的にこの国が望む、もしくは発展に繋がる形でのコミットはIOCに求めないような気がする。さてさてどうなるのか、なんか昨日あたりからまた寒くなって来て、背筋が、うぅっ寒っ、まさに寒風って感じ。

 でっ、タイトルにある通り、日本で開催された二つのW杯の検証なのですが、何がしたいかというと、まず日韓共催に落ち着いた02年のサッカーW杯のその過程における高橋氏の動きを検証することで、目の前に迫った東京五輪がどうなるのか、実際にそれを仕切っていると思しき氏が繰り出す次の一手を予想すること。

 最悪のシナリオだけ先出しすると、まず今回見送りとなる、これは了解。そして32年の開催権がスライドしてなんとか日本がそれを得ることになる、ここまでも納得。問題はここから、それが単独開催ではなく、半島との共同開催になりはしないかということ。しかも南北という眩暈がするようなやつ・・・・。つまり32年五輪開催の付帯条件が、近隣諸国との融和や、極東におけるスポーツによる平和の実現とか・・・・こわひっ!

 いやいや、そもそも五輪って一つの国、それも一都市での単独開催だろって思うでしょ? ところがどっこい、28年のロス開催以降、費用負担の大きさから手を挙げる都市が減っているのです。

 32年開催には今のところ、ジャカルタ(インドネシア)、ブリスベン(オーストリア)、ムンバイ(インド)の三都市が名乗りを上げてはいる。しかしこれすら枯れ木も山の賑わい。恐らく本気なのは今のところムンバイ、それと水面下で蠢く半島だけでは?

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 冬を迎えたIOCと悪夢のシナリオ

 一昔前までは落選した都市は続々次回に並び直したものですが、24年に立候補した5都市のうち、ハンブルク、ローマ、ブタペストは早々に辞退し招致活動から手を引きました。20年開催を東京と競ったマドリードイスタンブールのように二度と帰っては来ない気配。それでIOCが取った禁じ手が、24年と28年の開催都市を一度に決めるという荒業。理由はロスに逃げられたくなかったからでしょうね。

 立候補する都市が減っているというより細って来ている、というのが適切な表現かもしれません。特にビックネームが費用対効果からアホらしくなって避け始めた。そして熱心なのが、南アジアから極東にかけての一部だけという片寄りも目立ちだした。その狭い範囲で盥回しにするわけにもいかない。こうなってくると、いよいよFIFAW杯のような共同開催を容認するフェーズがすぐそこまで来ている、そう思った方が良いのでは。

 84年のロスオリンピック大繁盛によるバブルは一回りして奇麗に弾けました。もともと70年代もなり手は少なかったのですが、当時はまだ大都市が必ず手を挙げていましたから、まさに今、IOCは初めてガチな冬の時代を迎えているのです。

 もし平壌、東京の二都市による悪夢のような共催が実現したら、まずは平壌に日本の税金で競技場や競泳施設、サッカー場を建設しろ、ほんで開会式と主要な競技はこっちでやってやる、まぁ、マイナーな競技と閉会式だけは東京でやらせてやるぜ、そんな感じの仕切になるのかも。これはエクストリームなまでに最悪なシナリオですが、高橋氏が実権を握ったら、電通社員を前線に配し、TVや新聞を使って何をしでかすかわからんので要注意です。それこそBTSやTWICEなどのK-POPアイドルスターを東京に常駐させ目眩ましを浴びせ、その裏でやりたい放題狼藉三昧なんて平気でしますから、ええ。もちろん韓国に対する法外な額のプロデュースフィーも、電通を経由して皆さまの税金から支払われることになります。

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 五年ほど前でしたか、ローマが五輪招致を断念した当時の市長はこう語っています、

「オリンピックはある種の夢だが、それはある時点で悪夢に変わる」

 今こそこの言葉から我々は学ぶべきでしょうね。

 日本ラグビーのための検証

 日本開催のW杯の検証にはもう一つの目的があります。それは日本ラグビーの未来のためです。まさに新リーグを立ち上げようというこの国のラグビーファンの一人として申し上げれば、平成初期のJリーグ創設からドーハの悲劇ジョホールバルの歓喜を経て2002 日韓共催W杯に至る一連の流れは、非常に示唆に富む教材です。次から次に山あり谷あり、途中横浜フリューゲルスの消滅などもありましたし、これなどはまさに今TLで起きても不思議ではありません。それに4年単位で迎えるW杯との向き合い方などもこれまた参考になる。そもそもサッカーとラグビー、根っこは同じ競技。野球やバスケより共通点も多い。公式戦が基本週に一度しかできないところや、共に本拠地を大都市に依存しない点も同じ。ただそれだけに市場もバッティングし商売敵という側面もあります。ただし、言うまでもなく勝負にはなっていません。

 国内の競技人口だけを見ても、方や500万人、こっちはたった10万人弱、1/50。まさにワンサイド。これだけ裾野が狭いのに、Jリーグの向こうを張って3部25チームに協会が拘るのはどうなのか・・・・?
 本日はこのあたりにして、続きは明日以降で。

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W杯 日本開催を検証しよう Ⅰ

 昨日、各キャンプ地では紅白戦が繰り広げられたようですね。私は阪神DeNAの試合を観ていたのですが、阪神のそれ、凄かった・・・・。一種の放送事故でしょ。佐藤は佐藤でも蓮の方。あれほどまずは安芸でフォーム固めで良いと言うたやろうに、無理無理に実戦で投げさすからこうなる。これでは田面一直線やで、ほんまに。またどんでんがそれを煽る煽る。せっかく戦力は揃ったのに、チームの雰囲気悪そう。

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 一方のDeNAですが、牧が光りました。1位でも不思議ではない選手だと思っていましたが、その片鱗を見せてくれました。あれは意地の一発かもしれませんね。

  とにかくこの選手、メンタル強くてここというところで打ちます。DeNAには人の良い選手が多いので、こういう敵から見て嫌な選手は希少かと。まぁシーズン入ったら見てておくんなはれ!

 続いてラグビー。日本のTLはコロナのためにお休みですが、欧州の6Nは強行開催です。無観客でね。そしてあのスコットランドがやってくれましたわ。

rugby-rp.com

 トゥイッケナムで38年ぶりにイングランドに勝ちました。まぁ笛は確かに最初から徹頭徹尾スコッツ寄りでしたが、それを差し引いてもかなり強くなってます。去年からそうでしたが、身体の小さいチームがどう戦うのかって点で、日本の影響を受けていると思います。ディフェンスの上りとかね。少し手前味噌になりましたが、その手本にされた側の日本代表ですが、去年一年活動なしで完全に置いてけぼりですね、シクシク。

<本日の徹頭徹尾> 

 森元体制以降

  昨日、早晩森会長は辞めることになるでしょうが、その後が気になると書きました。もし現理事のT氏がその穴に収まったら、日本スポーツ界は大変なことになるとも。じゃぁT氏って誰なのって話ですが、この方です、

hochi.news

 高橋治之理事。元電通専務って肩書だけで嫌な予感がするでしょ・・・・。こういう記事が出て来るということは、高橋氏は依然JOCのトップなのだなぁ、そう溜め息交じりに思うのですよね。

 この方については、亡くなった弟さん絡みでも世間を騒がせたり、いろんなところで既に書かれているので、あれこれ私から付け足すようなことはないのですが、暇な方はこの本とか読んでみてください。

bookmeter.com

 本中にもあるように、79年、当時サッカー不毛の地と言われたこの日本でワールドユースを開催し成功させ、その演出というか企業を巧みに巻き込んだフォーマットは、82年のW杯スペイン大会以降の雛型になったように思います。つまりサッカーの国際大会における金儲けの手法の一つを彼は編み出した、と言えるのでしょうね。紛れもなくW杯商業化を推進した立役者の一人です。

 ワールドユースの直後、FIFAと昵懇となり電通は合弁でISL社を立ち上げるまでになります。ただ本で書かれているようにISL社と高橋氏の関係は二転三転するのですが、当時のFIFAは20年にも及ぶアヴェランジェ王朝の真っ只中、その大番頭だったブラッターと直接やりとりできる唯一の日本人だったと思います。

 でっ、何が言いたいかというと、90年代にこの国はFIFAの中枢にそこまで食い込んだ ”大物” を輩出していたというのに、2002年のアジア初のFIFAワールドカップは、ご存じのように日韓の共催になってしまった。上の本の中でも、このあたりについては実に歯切れが悪い・・・・、ように感じる。

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 君は日韓共催W杯の検証に出会ったか?

 あとがきの中で、『電通FIFAのことを調べていると言うと、メディアの人間は示し合わせたように、「えっ、大丈夫なの」と顔をしかめた』とあります。ギリギリまで電通を梃に商業化に邁進するサッカー界の裏側に切り込んだのは見事ですが、あの共催に至った背景をもう少し知りたいと望む私のようなものにはいかんとも物足りない。  

 そもそもこの本はタイトルにあるように、 ”電通” と ”FIFA” の話であり、日韓共催のW杯の真相に迫るものではない、ということで引き下がらざるを得ないことは理解する。ですが、例えばタイトルに ”電通” の二文字がある以上、それを介して90年代の ”サッカー” について語るのならば、高橋氏だけではなく故広瀬一郎氏の存在、というか彼の視点も必要になるのではと思ってしまうのですよね・・・・。

 恐らく、この本の中で広瀬氏と思しき人間について語られるのは下記の一行のみ、『日本招致委員会の内実は、サッカー協会の外、電通三菱商事から出向してきた人間である(P174まま)』。

 昭和におけるこの国の最大のスポーツイベントが64年の東京五輪であるように、平成における最大のそれは02年のFIFAワールドカップで異論はないでしょう。しかし、後者が果たして成功したのか失敗に終わったのかを問うのは、一種のタブーになっているように感じるのです。あの日韓共催W杯って何だったのだろう・・・・? 世間でよく語られる、アヴェランジェとヨハンソンの二人の派閥の抗争に巻き込まれた産物だったというのはその通りだと思いますが、果たしてそれだけか・・・・?

 もし、高橋氏がこの令和の世にあってなお、五輪組織委員の理事という要職に就いていなければ、私も未だに腹落ちしないながらも時間とともに沈静化してきた、あの日韓共催の胸焼けにも似たモヤモヤ感を、再び持ち出すことはなかったでしょう。しかし今、時代を導く手は、再び高橋氏に近づいているように感じる。杞憂に終われば良いのですが、彼が本格的に動き出せば、この国には禍しか起きないでしょうね。

 半年を切った東京五輪開催がどのように落ち着くのか(多分来月がリミット)、それを02年のFIFAW杯と19年のラグビーW杯という、この日本で開催された二つのW杯を検証しながら見届けていきたいと思います。

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